ブリッジレポート
(2687) 株式会社シー・ヴイ・エス・ベイエリア

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ブリッジレポート:(2687)シー・ヴイ・エス・ベイエリア vol.34

(2687:東証1部) シー・ヴイ・エス・ベイエリア 企業HP
泉澤 豊 会長
泉澤 豊 会長
泉澤 摩利雄 社長
泉澤 摩利雄 社長
【ブリッジレポート vol.34】2013年2月期第2四半期業績レポート
取材概要「コンビニ業界は、第1四半期(3-5月の)が順調だったが、6月から7月半ばにかけての天候不順に加え、タバコ売上の反動減等もあり、第2四半期・・・」続きは本文をご覧ください。
2012年10月30日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社シー・ヴイ・エス・ベイエリア
会長
泉澤 豊
社長
泉澤 摩利雄
所在地
千葉県浦安市美浜1-9-2
決算期
2月
業種
小売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2012年2月 26,882 338 342 -369
2011年2月 28,635 601 650 233
2010年2月 26,322 416 610 235
2009年2月 25,271 571 334 -78
2008年2月 24,277 623 446 216
2007年2月 23,347 699 610 310
2006年2月 22,332 1,018 1,055 600
2005年2月 20,956 1,081 1,101 578
2004年2月 17,236 946 1,048 499
2003年2月 14,024 880 878 390
2002年2月 12,358 847 873 445
2001年2月 11,835 753 722 386
2000年2月 9,840 641 673 306
株式情報(10/15現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
71円 49,364,871株 3,505百万円 - 1,000株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
2.00円 2.8% - - 65.51円 1.1倍
※株価は10/15終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
シー・ヴイ・エス・ベイエリアの2013年2月期上期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
「便利さの提供」を企業理念とし、直営店主体のコンビニ事業を中心に、ビジネスホテル事業、子会社を介したマンションのフロント(業務)受託事業及びクリーニング事業等を手掛けている。グループは、同社の他、クリーニング事業を手掛ける(株)エフ・エイ・二四(以下、FA24)、及びフロント受託事業を手掛ける(株)アスクの連結子会社2社。
主力のコンビ二事業は12年2月末で(株)サークルKサンクスとの企業FC契約が終了し、12年3月より「ローソン」ブランドで再スタート。直営店主体の機動力や柔軟性に富んだ事業展開力を強みとするが、ここ数年は企業FC契約の解消を見据えてブレーキを踏んできた。13/2期以降、新ブランドの下で潜在成長力の顕在化が期待される。
 
【事業概要】
(1)京葉地区の湾岸エリア中心に展開するコンビニ事業
主力のコンビ二事業では、東京都区内(港区、中央区、江東区、千代田区、新宿区、渋谷区、大田区、江戸川区、台東区、葛飾区、足立区)及び千葉県北西部において店舗展開。2012年2月末に(株)サークルKサンクスとの企業FC契約が終了し、同年3月から「ローソン」ブランドでの店舗展開を開始した(1月に契約締結)。(株)ローソンが構築しているSCM(サプライ・チェーン・マネジメント)、ポイントカード「Ponta」を活用したCRM(カスタマー・リレイションシップ・マネジメント)、更には商品開発力を活用する事で顧客の利便性向上を図ると共に店舗競争力を高めていく考え。
 
(2)非コンビニ事業の育成 -「便利さの提供」を追求-
「便利さの提供」を企業理念に掲げ、この一環としてコンビニの店舗で「クリーニング取次ぎサービス」や「宝くじ」販売等の独自サービスを提供している他、非コンビニ事業の育成にも注力している。具体的には、09年11月にJR京葉線市川塩浜駅前にビジネスホテル「CVS・BAY HOTEL」(千葉県市川市)を開業した他、連結子会社FA24がマンションフロントでの「クリーニング取次ぎサービス」(200物件以上でサービスを提供中)や「お掃除サービス」等を手掛けている。また、09年10月にはマンションフロント(コンシェルジュ)サービスで業界トップの(株)アスクを子会社化した。
 
ビジネスホテル「CVS・BAY HOTEL」
市川市が保有するJR京葉線市川塩浜駅前の遊休地を定期借地で借受け、コンビニ併設の108室規模(シングル54室、ダブル12室、ツイン41室、バリアフリー1室)のビジネスホテルを運営している。JR京葉線 市川塩浜駅は東京駅から快速で19分、東京ディズニーリゾートのある舞浜駅まで2駅5分、幕張メッセがある海浜幕張駅まで14分の好立地。価格競争力も強く(朝食付きで1泊5,800円から)、平日はビジネス客、週末はレジャー客と安定した集客を誇る。
 
連結子会社(株)アスク社
宅急便やクリーニングの取り次ぎ等、大規模マンションや高層マンションのフロント業務を手掛けるマンションフロント(コンシェルジュ)サービス、メンテナンスサポートやハウスクリーニング事業者の紹介等のレジデンスサポート、ミニショップや売店の運営、更にはカーシェアリングサービスや提携による「ネットスーパー」取り次ぎサービス等を手掛ける。業界トップのマンションフロントサービスでは、首都圏を中心に約850件を受託しており、室内清掃や東日本大震災の教訓を踏まえた階段避難器具や防災グッズの提供等、新サービスを導入し既存顧客の深耕に取り組んでいる。
 
【ブランド変更で成長軌道への回帰を目指す】
(1)(株)サークルKサンクスとの企業フランチャイズ契約が終了(契約満了による)
同社は1997年3月に(株)サンクスアンドアソシエイツ(現:(株)サークルKサンクス)との間で契約期間15年の企業フランチャイズ契約を締結し「サンクス」ブランドでコンビニ事業を展開してきたが、2012年2月末の契約満了を見据えて、09年春に契約解消に向けた提案を行った。同年夏に、調停を通じて終了時期、条件、手順等の具体的な協議を始めたが進展がなく、10年春には(株)サークルKサンクスから中途解約権不在の確認等の訴訟が提起された。

(株)サークルKサンクスによる訴訟提起後も大きな進展がなかったため、「判決を持つよりも早期に問題を解決し、13/2期のスターと共に新たなブランドの下での成長戦略を推進する方が賢明」との判断から、11年12月に"12年2月末の契約満了と契約の終了を前提とする和解案"に合意。解決金15億円の支払いや一定の和解条項に定める履行義務を負ったものの、12年2月末の契約満了と共に契約が終了し、同3月以降2年間の競業禁止義務が免除された。

尚、12/2期は、上記の訴訟和解金15億円と共に、固定資産除去、リース解約、ATM撤去等、「サンクス」ブランド店舗の閉店に伴う費用5.7億円を事業構造改善費用として特別損失に計上した。
 
(2)(株)ローソンとの契約締結
訴訟の和解を受けて12年1月に(株)ローソンとフランチャイズ契約を締結した。契約締結に当たってのポイントは、①(株)ローソンが構築しているSCM(サプライ・チェーン・マネジメント=商品調達力、供給力)、②ポイントカード「Ponta」を活用したCRM(カスタマー・リレイションシップ・マネジメント=顧客分析、囲い込み)、③テレビなど各メディアを活用したプロモーション(=新規顧客確保、店舗支援)、④これまでに同社が手掛けてきた独自サービスが継続できる事、及び⑤出店地域の原則自由化(出店可能エリア及び店舗ネットワークの拡大余地)の5点。収益力強化と事業拡大に向けた必要事項が網羅されており、また、契約締結に伴い、看板の付け替えに伴う固定費除去費等の負担金として、契約金収入18億円を(株)ローソンから受け取った。

12/2期末までに「サンクス」ブランドの店舗(以下、「サンクス店舗」)全店を閉店したため、13/2期は稼働店舗数ゼロからのスタートとなった。「ローソン」ブランドでの開店準備が進んだ店舗から順次営業を開始し、5月末には全店で転換作業が完了。6月からは前年同期とほぼ同数の130店舗(加盟店を含む)体制が整った。なお、月次で公表している全店売上高において、「ローソン」ブランドの店舗(以下、「ローソン店舗」)化後は、サンクス店舗運営時と異なり、一部商品(ゆうパック、プリペイドカード、チケット等)の売上計上方法を総額表示から純額表示へと変更しており、この影響で客単価が低下しているものの、客足は総じて堅調なようだ。また、ローソンの購買力を背景に、売上総利益率が改善傾向にある。
 
 
(3)今後の出店計画
同社は、(株)サークルKサンクスに対して企業フランチャイズ契約の契約解消に向けた提案を行った10/2期以降、新規出店を控えてきた。一方、収益力の落ちた店舗を順次スクラップしてきたため、店舗ネットワークは09/2期末の135店舗をピークに減少が続いていた(11/2期末127店舗。12/2期末にはブランド変更に伴い全店舗を閉鎖)。しかし、今13/2期より新規出店を再開する考えで、13/2期は横浜市内ほかへの新規出店を行い(13/2期上期末時点で出店済み)、来期(14/2期)は7店舗、最来期(15/2期)は8店舗の新規出店を計画している。
 
 
2013年2月期上期決算
 
 
前年同期比12.6%の減収、381百万円の営業損失
売上高は前年同期比12.6%減の12,797百万円。子会社が手掛けるマンションフロントサービス事業やクリーニング事業が堅調に推移したものの、ブランド変更に伴う営業日数の減少(1Q:57%、2Q:104%、上期:80%)や初夏の天候不順、更には、昨年好調であったタバコ売上の反動減の影響も大きく、主力のコンビニ事業の営業総収入が減少した。

営業損益は381百万円の損失(前年同期は417百万円の利益)。ブランド変更に伴う売上総利益率の改善効果があったものの、営業日数の減少や、新たに取扱いを開始したローソン独自の商品の需要が読めず廃棄損が想定を上回ったため、ブランド変更効果を十分に発揮できず売上総利益が同10.6%減少した。一方、販管費は同10.6%の増加。「ローソン」ブランドの下での店舗オペレーションの習熟に時間を要したため第1四半期を中心にパート・アルバイト従業員の給与や消耗品費等が増加した他、電子マネー決済に伴う手数料等も増加した。

尚、特別損失として、保有する銀行株式の下落により、投資有価証券評価損203百万円など206百万円を計上したものの、前年同期(投資有価証券評価損207百万円や資産除去債務161百万円など421百万円を計上)と比較すると、特別損失は大幅に減少した。なお、前年同期に計上した投資有価証券評価損は2月末時点での株価が回復したため、通期では経常せず。
 
予想との比較
第2四半期の売上が伸び悩んだ事でコンビニ事業の売上が下振れする中、「ローソン」ブランドへの変更に伴う商品の廃棄損、パート・アルバイト従業員給与(7月までに適正化)、各種決済手数料、及びポイント経費等が想定を上回った。
 
 
 
主力のコンビニ事業は、期初より「ローソン」ブランドへの店舗の転換作業を進め、作業が完了した店舗を順次オープンしたものの(5月末に加盟店を含む130店舗全店で転換作業が完了)、第1四半期(3-5月)の店舗営業日数は前年同期の57%にとどまった。第2四半期(6-8月)は、全店舗が稼働した事と2店舗の新規出店で営業日数が前年同期を4%上回ったものの(上期を通しての営業日数は前年同期の80.4%)、6月から7月半ばにかけての天候不順で収益貢献の大きい夏物商材が出遅れた他、昨年好調だったタバコ売上の反動減も想定以上だった(JTのタバコ工場再開後、コンビ二に優先的にタバコが供給された)。この他、ゆうパック、プリペイドカード、チケット等の売上を総額表示から純額表示に変更した事が、毎月公表している全店売上高で4~5%の減収要因となっている模様。

営業総収入が減少する中、商品の廃棄損、パート・アルバイト従業員の人件費、及び各種決済手数料等の増加で、売上原価及び販管費が増加したため、前年同期は331百万円の利益を計上した営業損益が463百万円の損失に転じた。

販管費の増加要因については、ブランド変更に伴う一時的なオペレーション効率の悪化を主因とするものとして、パート・アルバイト従業員給与(同29百万円増)、消耗品費(同46百万円増)、水道光熱費(同7百万円増)等を挙げる事ができ(営業日数が減少したため、本来、減少するはずだった)、この他、社員増(268名→274名)で社員給与(9百万円増)が、店舗増(直営114店→124店)で店舗等賃借料(45百万円増)が、それぞれ増加。電子マネー決済やポイント経費等を含むその他手数料(同36百万円増)も増加した。一方、ローソン店舗では什器類の設備費が本部負担となるため、減価償却費(同36百万円減)やリース料(同33百万円)が減少した。
 
 
一方、09年11月にオープンしたビジネスホテル「CVS・BAY HOTEL」は売上高及び稼働率が前年同期を大きく上回り(8月はオープン以来過去最高の売上高及び稼働率を記録)、半期ベースで初めて営業黒字を確保した。上期の稼働率は74.3%(前期上期:49.6%、前々期上期:61.9%)、8月は90.0%、9月は82.8%。
通年稼働3年目を迎え認知度が高まっている事に加え、ビジネスやレジャーに適した駅前立地である事やコンビニの併設による利便性が評価されている。また、宿泊プランの多様化等、利用者ニーズに応えた施策も成果をあげており、下期も順調な稼動が見込まれる。
 
 
営業総収入の内訳は、クリーニング事業が前年同期比3.5%増の636百万円、ヘアカット事業他が同13.8%増の41百万円。クールビズや個人消費の低迷など事業環境に恵まれない中で、主力のクリーニング事業が堅調に推移したものの、本年3月の自社クリーニング工場(千葉市)の立ち上げ費用が利益を圧迫した(予想に織り込み済み)。
 
 
営業総収入の内訳は、フロント受託事業が前年同期比2.8%増の1,999百万円、クリーニング事業が同2.0%増の195百万円、ショップ事業が同3.4%減の223百万円、カーシェアリング等のその他事業が同9.4%増の290百万円。マンションの受託物件数が想定を上回り、営業総収入が期初予想及び前年同期実績を上回った。利益面では、販管費の削減に加え、室内清掃等の新サービス提供による生産性の向上で営業利益率が改善した。
 
 
上期末の総資産は前期末比659百万円減の11,340百万円。営業CFは、ブランド変更に伴う営業日数の減少や「ローソン店舗」の開店に伴うたな卸資産の増加に加え、一時的にフランチャイズ本部との資金の流れが変わった(サンクスとローソンでは資金の流れが異なる)事もあり悪化。短期借入金を積み増したものの、現預金が減少した。ただ、下期は営業日数が増加する上、資金の流れが変わった事による一時的な影響も無くなるため、営業CFの改善が見込まれる。このため、上期に増加した短期借入金の約定返済も進む見込み。
 
 
 
2013年2月期業績予想
 
 
下期は31百万円の営業利益を確保
コンビニ事業は、132店舗がフル稼働するため営業総収入が増加する。商品構成等の要因で上期に比べて利益率が悪化するものの(今期に限らないコンビニ事業の特徴)、増収効果で、前期比・上期比共に営業損益が改善する見込み。上期に月次損益が黒字転換したビジネスホテル事業や子会社2社の業績も堅調な推移が見込まれ、31百万円の営業利益を確保できる見込み。

尚、下期及び通期の業績予想が下方修正された事を踏まえて、経営責任を明確にするべく、取締役の役員報酬の減額(10%~3%)、執行役員及びマネージャー職以上の管理職社員の給与減額を12年12 月より実施する(この他、監査役より監査役報酬5%~3%の自主返上の申し入れがあった)。
 
 
通期では、前期比0.8%の増収ながら、350百万円の営業損失。特別損失として投資有価証券評価損(銀行株)203百万円を織り込んだ(今期同様に特別損失を見込んでいた前期は期末にかけての株価の上昇で想定していた評価損を計上せずに済んだ)。配当は1株当たり1円の期末配当を予定している(上期末配当と合わせて年2円。12年6月に1株を2株に分割しているため実質的には前期と同額の年4円)。
 
 
足元のコンビニ業界は既存店売上高が前年同期比2~5%減少しており、同様の事業環境が下期も続く事を想定している。このため、下期は足元を固めるべく不採算店の閉店を検討しており、135店舗としていた期末の店舗計画を上期末と同数の132店舗に修正した。下期の同社自身の既存店売上高は前年同期比100%水準を想定しているが、純額表示へ変更した影響が4~5%程度あり、実質は前年を超える想定。
コスト面では、上期の増加要因に加え、9月からの電気料金値上げの影響も織り込んだ。ただ、下期に限ると、季節要因としての利益率悪化はあるものの、132店舗がフルに稼働するため、営業損失が上期の463百万円から26百万円に縮小する見込み。

一方、ビジネスホテル事業は下期も順調な稼動が見込まれ、通期でも黒字を確保できる見込み。
 
 
下期の予想は変えていないが、上期の売上がわずかに予想を下回った事を通期の売上予想に反映させた。
 
 
上期の上振れ分を上乗せしたため通期の売上及び利益予想が上方修正されたが、(株)FA24と同様、下期の予想は据え置いた。
 
 
今後の注目点
コンビニ業界は、第1四半期(3-5月の)が順調だったが、6月から7月半ばにかけての天候不順に加え、タバコ売上の反動減等もあり、第2四半期(6-8月)は状況が一変した。一方、第1四半期をブランド転換作業に費やした同社は良好な事業環境を享受する事無く、第2四半期を迎えた。下期も厳しい見通しを立てているため、13/2期は通期でも大幅な営業損失が見込まれる。
しかし、来14/2期に目をやると、コンビニ事業においては132店舗がフル稼働する中で店舗オペレーションの習熟効果が期待できる。加えて、認知度の高まりで損益分岐点を上回る稼働率が定着してきたビジネスホテル事業の利益増が見込まれる上、業績が堅調に推移している子会社2社も来期に向けて特段の不安はない。このため、(株)インベストメントブリッジでは、14/2期の業績について、天候等で大きなマイナス要因がない限り、上期2~3億円、通期で3~5億円の営業利益を確保できると考えている。コンビニ事業の収益力強化が下期の課題であり、慎重な予想にとどまった下期業績の上振れに期待したい。