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(6890) 株式会社フェローテックホールディングス

スタンダード

ブリッジレポート:(6890)フェローテックホールディングス 2023年3月期第2四半期決算

ブリッジレポートPDF

投資家向けIRセミナープレミアムブリッジサロン開催!

 

賀 賢漢 社長

株式会社フェローテックホールディングス(6890)

 

 

企業情報

市場

東証スタンダード市場

業種

電気機器(製造業)

代表者

賀 賢漢

所在地

東京都中央区日本橋 2-3-4 日本橋プラザビル

決算月

3月

HP

https://www.ferrotec.co.jp/

株式情報

株価

発行済株式数(期末)

時価総額

ROE(実)

売買単位

3,250円

46,942,367株

152,562百万円

26.9%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

100.00円

3.1%

521.01円

6.2倍

3,742.56円

0.9倍

*株価は12/13終値。発行済株式数、DPS、EPS、BPSは2023年3月期第2四半期決算短信より。ROEは前期実績。

連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2019年3月(実)

89,478

8,782

8,060

2,845

76.90

24.00

2020年3月(実)

81,613

6,012

4,263

1,784

48.12

24.00

2021年3月(実)

91,312

9,640

8,227

8,280

222.93

30.00

2022年3月(実)

133,821

22,600

25,994

26,659

668.06

50.00

2023年3月(予)

200,000

34,000

39,000

24,000

521.01

100.00

*予想は会社予想。単位:百万円、円。21年3月期の配当には記念配当4.00円/株を含む。22年3月期の配当には特別配当18.00円/株を含む。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。以下、同様。

 

 

(株)フェローテックホールディングスの2023年3月期第2四半期決算概要、2023年3月期業績予想などについて、ブリッジレポートにてご報告致します。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2023年3月期第2四半期決算概要
3.2023年3月期業績予想
4.中期経営計画(22/3期~24/3期)の進捗
5.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 23/3期第2四半期の売上高は前年同期比63.0%増の975億円。半導体等装置関連事業では、製造装置向けの真空部品や半導体製造プロセスに使用される各種マテリアル製品などが大きく伸長。電子デバイス事業では、サーモモジュールが通信機器や半導体装置向けなどで好調で、パワー半導体用基板は、中国でのEV向けの販売が軌道に乗った。営業利益は同59.3%増の170億円。増収に伴い売上総利益が増加し販管費の増加を吸収した。経常利益は同88.9%増の235億円。為替差益51億円を計上した。四半期純利益は同7.4%減の159億円。前年同期に計上した持分変動利益が87億円減少した。売上・利益とも、修正予想を上回った。

     

  • 23/3期の業績予想を再度上方修正した。主な理由は為替前提の変更に伴うもの。1USD=124.52円を132.80円(いずれも期中平均)に修正した。2022年8月 時点と比較し、①上半期の営業外の為替差益の実績が想定よりも上振れたこと、②下半期は前回予想時に円安傾向が弱まってきたこともあり営業外で為替差損の計上を想定したものの、想定を超える円安方向に為替相場が動き、その趨勢が続くと見られること等を勘案した。

     

  • 売上高は前期比49.5%増の2,000億円、営業利益は同50.4%増の340億円の予想。売上高、営業利益ともに今期も過去最高を更新する。業績上方修正に伴い配当予想も修正した。中間配当、期末配当をそれぞれ15.00円/株増配し50.00円/株とした。年間合計は前回予想比30.00円/株増、前期比50.00円/株増配の普通配当100.00円/株を予定。普通配当のみでは、前期比68.00円/株の増配となる。予想配当性向は19.2%。

     

  • 今期2度目の上方修正は為替動向によるものであるが、半導体等装置関連事業、電子デバイス事業ともに需要を確実に取り込んでいるという状況に大きな変化は無いようだ。

     

  • 報道などでは、半導体関連業界の減速が伝えられているが、同社の場合、中国に構築した強化な事業基盤によって中国市場の拡大を確実に取り込んでいる点が大きなアドバンテージとなっている。また、米中摩擦についても同社では影響は限定的とみており、中国政府からの補助金等の支援によりプラス効果の方が大きいとも考えている。為替動向が不透明ではあるが、他社にはない優位性を活かし下期の収益をどこまで拡大していけるのかを注目していきたい。

     

     

1.会社概要

半導体やFPD製造装置等の部品、半導体の生産工程で使われる消耗部材やウエーハ、更には装置の部品洗浄等を手掛ける半導体等装置関連事業と、冷熱素子「サーモモジュール」を核とする電子デバイス事業の二本柱で事業展開しており、傘下に子会社等69社を擁する(連結子会社56社、持分法適用非連結子会社及び関連会社13社)。
1980年、NASAのスペースプログラムから生まれた磁性流体を応用した真空技術製品や冷熱素子として用途が広がっているサーモモジュール等、独自技術を核にした企業として誕生。創業から42年にわたって培われてきた多様な技術は、エレクトロニクス、自動車、次世代エネルギー等、様々な産業分野で応用されている。また、トランスナショナルカンパニーとして、日本、欧米、中国、アジアに展開し、マーケティング、開発、製造、販売、そしてマネジメントと、それぞれの国・地域の強みを活かした経営も同社の特徴。2017年4月、持株会社体制へ移行した。2022年4月、市場再編に伴い、東証スタンダード市場に移行。

 

【組織力強化・持続的発展へ向けた基本的な考えと重点方針】
同社グループは、顧客、株主、従業員、取引先、地域社会などステークホルダーに向け、成長する企業であり続けること、企業活動において、法令遵守、社会秩序、国際ルールなど、社会的良識をもって行動することで、信頼される企業を目指している。

 

企業価値向上のための取り組み

各事業子会社の経営自立化を推進、経営資源の再配分

品質を第一とした意識の徹底

顧客に喜ばれる設計・製品品質の徹底、社内外へのサービス品質の向上

コーポレート・ガバナンスの強化

内部統制・関係会社管理の徹底、リスクマネージメント・コンプライアンス強化

 

【1-1 事業セグメント】

事業は、半導体・FPD・LED等の製造装置に使われる真空シール、石英製品、セラミックス製品等の「半導体等装置関連事業」、サーモモジュールが中心の「電子デバイス事業」、及び報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、シリコン結晶や太陽電池ウエーハ、ソーブレード、工作機械、表面処理、業務用洗濯機等の「その他」に分かれる

 

半導体等装置関連事業
半導体、FPD、LED、太陽電池等の製造装置部品である真空シール、デバイスの製造工程に使われる消耗品である石英製品、セラミックス製品、CVD-SiC製品、石英坩堝。この他、シリコンウエーハ加工や製造装置洗浄等も手掛け、エンジニアリング・サービスをトータルに提供している。

 

主力製品で世界シェアNo.1の真空シールは、製造装置内部へのガスやチリ等の侵入を防ぎつつ、回転運動を装置内部に伝える機能部品で、上記の製造装置に不可欠。真空シールの内部には創業からのコア技術である磁性流体(磁石に反応する液体)シールが使われている。ただ、いずれの分野も設備投資の波が大きいため、比較的需要が安定した搬送用機器や精密ロボット等、一般産業分野での営業を強化しており、真空シールを組み込んだ真空チャンバーやゲートバルブ等(共に真空関連の装置で使われる)の受託製造にも力を入れている。
一方、石英製品、セラミックス製品、CVD-SiC製品、及び石英坩堝は共に半導体の製造工程に欠かせない消耗品。石英製品は半導体製造の際の高温作業に耐え、半導体を活性ガスとの化学変化から守る高純度のシリカガラス製品。材料や加工技術を核とするセラミックス製品は国内外の半導体製造装置メーカーを主な顧客とし、半導体検査治具用マシナブルセラミックスと半導体製造装置等の部品として使われるファインセラミックスが二本柱。CVD-SiC製品は「CVD法(Chemical Vapor Deposition法:化学気相蒸着法)」(シリコンと炭素を含むガスから作る)で製造されたSiC製品の事。現在、半導体製造装置の構造部品として供給しているが、航空・宇宙(タービン、ミラー)、自動車(パワー半導体)、エネルギー(原子力関連)、IT(半導体製造装置用部品)等への展開に向け研究開発を進めている。
シリコンウエーハ加工では、6インチ(口径)と8インチに加え、21年3月期からは12インチの売上計上が始まった。
製造装置洗浄では中国で過半を超えるトップシェアを有する。

 

(同社資料より)

 

電子デバイス事業
事業の核となっているのは対象物を瞬時に高い精度で温めたり、冷やしたりできる冷熱素子「サーモモジュール」である。
サーモモジュールは自動車用温調シートを中心に、半導体製造装置でのウエーハ温調、遺伝子検査装置、光通信、家電製品、およびその応用製品のパワー半導体用基板等、利用範囲は広く、世界シェアNo.1。高性能材料を使用した新製品開発や自動化ライン導入によるコスト削減と品質向上により、新規の需要開拓や更なる用途拡大に取り組んでいる。
この他、スマホのリニアバイブレーションモーターや4Kテレビや自動車のスピーカー、高音質ヘッドフォン等で新たな用途開発が進んでいる磁性流体も世界シェアトップである。

 

その他

 

(同社資料より)

 

2.2023年3月期第2四半期決算概要

【2-1 連結業績】

 

22/3期2Q 

構成比

23/3期2Q 

構成比

前年同期比

修正予想比

売上高

59,826

100.0%

97,505

100.0%

+63.0%

+8.3%

売上総利益

22,238

37.2%

34,538

35.4%

+55.3%

-

販管費

11,530

19.3%

17,476

17.9%

+51.6%

-

営業利益

10,708

17.9%

17,061

17.5%

+59.3%

+6.6%

経常利益

12,468

20.8%

23,554

24.2%

+88.9%

+24.0%

四半期純利益

17,257

28.8%

15,979

16.4%

-7.4%

+33.2%

* 単位:百万円。修正予想比は22年8月発表の修正予想に対する比率。

 

大幅な増収増益、予想を上回る
売上高は前年同期比63.0%増の975億円。データセンターや通信向けの需要は高水準であり、半導体製造装置需要も好調に推移したが、メモリなど一部製品で在庫余りなどの調整の兆しが見られ始めた。半導体等装置関連事業では、製造装置向けの真空部品や半導体製造プロセスに使用される各種マテリアル製品などが大きく伸長。電子デバイス事業では、サーモモジュールが通信機器や半導体装置向けなどで好調で、パワー半導体用基板は、中国でのEV向けの販売が軌道に乗った。
営業利益は同59.3%増の170億円。増収に伴い売上総利益が増加し販管費の増加を吸収した。経常利益は同88.9%増の235億円。為替差益51億円を計上した。四半期純利益は同7.4%減の159億円。前年同期に計上した持分変動利益が87億円減少した。売上・利益とも、修正予想を上回った。

 

【2-2 セグメント別動向】

セグメント別売上高・利益

 

22/3期2Q 

構成比・利益率

23/3期2Q

構成比・利益率

前年同期比

修正予想比

半導体等装置関連

39,178

65.5%

63,791

65.4%

+62.8%

+8.1%

電子デバイス

12,213

20.4%

23,073

23.7%

+88.9%

+13.6%

その他

8,434

14.1%

10,640

10.9%

+26.2%

-0.3%

連結売上高

59,826

100.0%

97,505

100.0%

+63.0%

+8.3%

半導体等装置関連

7,118

18.2%

11,707

18.4%

+64.5%

-

電子デバイス

3,052

25.0%

5,325

23.1%

+74.5%

-

その他

660

7.8%

398

3.7%

-39.7%

-

調整額

-123

-

-369

-

-

-

連結営業利益

10,708

17.9%

17,061

17.5%

+59.3%

-

* 単位:百万円。修正予想比は22年8月発表の修正予想に対する比率。23年3月期第1四半期より、従来「その他」に含めていた米国子会社における受託製造事業及び成膜装置事業は、経営管理区分の見直しにより「半導体等装置関連事業」の区分に含めて記載する方法に変更。22年3月期第2四半期の数値は変更後の区分。

 

(1)半導体等装置関連事業
増収増益。売上高は予想上回る。
コロナ禍をきっかけに、リモートワークやWEB会議が定着するなどWEB通信量が増大傾向にあるなか、データセンターや通信向けの需要は高水準で推移した。半導体関連の増産投資による製造装置の需要も堅調であり、同社の真空シールおよび各種製造装置向け金属加工製品は各製造装置向けに大きく売上を伸ばした。
半導体製造プロセスに使用されるマテリアル製品(石英製品・セラミックス製品・シリコンパーツ等)は、高水準な設備投資と設備稼働率の恩恵を受け大きく伸長した。半導体ウエーハや太陽電池製造などで使用される石英坩堝も順調に売上を伸ばした。

 

(2)電子デバイス事業
増収増益。売上高は予想上回る。
主力のサーモモジュールは、5G用の移動通信システム機器向けや半導体分野向け、医療分野向けなどが好調だった。
パワー半導体用基板は、AMB基板が中国のEV車載向け出荷が軌道に乗り売上を大きく伸ばした。
広範な用途に使用されるDCB基板の販売もIGBT向けを中心に好調を維持し、全体でも大きく伸長した。
第2四半期(7‐9月)より連結化したセンサの売上、利益が新たに加わった。

 

【2-3 財政状態とキャッシュ・フロー】

◎財政状態

 

22年3月

22年9月

増減

 

22年3月

22年9月

増減

流動資産

133,414

190,942

+57,528

流動負債

68,800

95,160

+26,360

 現預金

52,579

83,825

+31,246

 仕入債務

30,770

37,743

+6,973

 売上債権

41,797

58,279

+16,482

 短期有利子負債

14,825

26,929

+12,104

 たな卸資産

28,436

42,555

+14,119

固定負債

35,014

50,145

+15,131

固定資産

131,358

179,390

+48,032

 長期有利子負債

22,736

29,729

+6,993

 有形固定資産

84,083

122,616

+38,533

負債合計

103,814

145,306

+41,492

 無形固定資産

1,996

5,852

+3,856

純資産

160,957

225,026

+64,069

 投資その他の資産

45,277

50,921

+5,644

 利益剰余金

43,317

58,276

+14,959

資産合計

264,772

370,333

+105,561

負債純資産合計

264,772

370,333

+105,561

*単位:百万円

 

現預金及び有形固定資産の増加などで、資産合計は前期末比1,055億円増加し3,703億円。有利子負債の増加などで負債合計は同414億円増加し1,453億円。
利益剰余金および為替換算調整勘定の拡大などで純資産は同640億円増加し2,250億円。
自己資本比率は前期末比2.2ポイント低下し、47.3%となった。

 

◎キャッシュ・フロー

 

22/3期2Q

23/3期2Q

増減

営業キャッシュ・フロー

6,369

20,988

+14,619

投資キャッシュ・フロー

-8,226

-28,783

-20,557

フリー・キャッシュ・フロー

-1,857

-7,795

-5,938

財務キャッシュ・フロー

18,274

32,461

+14,187

現金及び現金同等物期末残高

48,210

83,770

+35,560

* 単位:百万円

 

税金等調整前四半期純利益の増加、持分変動利益の減少などで営業CFのプラス幅は拡大したが、有形固定資産の取得による支出、投資有価証券の取得による支出の増加で投資CF、フリーCFのマイナス幅は拡大した。
キャッシュポジションは上昇した。

 

【2-4 トピックス】

(1)グローバル戦略の進展
国内外でグローバルな事業拡大を目指した能力増強投資を積極的に行っている。

 

*東南アジア:マレーシア新拠点を設立
22年4月、マレーシアケダ州クリム・ハイテクパーク内に製造子会社Ferrotec Manufacturing Malaysiaを設立した。工場は23年11月頃竣工予定。
石英・セラミックス・金属加工/組立等、東南アジア顧客に密着した事業展開を行う。

 

*日本:石川工場を増強、熊本に新拠点を設立
中長期での需要拡大が見込まれる半導体製造装置関連部材「ファインセラミックス」「マシナブルセラミックス」の増産を石川エリアで対応中である。22年11月に第2工場が竣工し、第3工場も用地を確保し、23年夏頃には着工予定である。
また、「シリコンアイランド」九州の熊本県大津町に生産拠点を新設する予定だ。23年春先以降を目途に着工し、24年6月竣工を予定している。

 

*「デジタル化・自動化・見える化」の水平展開
中国生産拠点でERP、MESを始め、様々なシステム導入が進み、AI活用やロボットの積極導入による生産の見える化、効率化、品質の向上が実現している。
今後は日本、マレーシア新拠点でも自動化投資を積極化し、デジタル化・自動化・見える化の水平展開を進め、モノづくりにおけるDX化を推進し、生産性及び品質の向上に取り組む。

 

(2)事業ポートフォリオの強化
電子デバイス事業では、従来から多業界で採用が拡大する温調デバイス「サーモモジュール」に加えて、世界的な省エネ化の潮流に沿い、産業機器・家電分野におけるDCB基板や、EVや鉄道車両向けのAMB基板といった「パワー半導体絶縁基板」が大きな事業の柱に成長している。
連結子会社とした大泉製作所、東洋刃物も、中期的に非半導体製造装置分野における事業拡大を目指す。

 

3.2023年3月期業績予想

【3-1 連結業績】

 

22/3期 

構成比

23/3期(予) 

構成比

前期比

修正率

進捗率

売上高

133,821

100.0%

200,000

100.0%

+49.5%

+2.6%

48.8%

営業利益

22,600

16.9%

34,000

17.0%

+50.4%

+4.6%

50.2%

経常利益

25,994

19.4%

39,000

19.5%

+50.0%

+14.7%

60.4%

当期純利益

26,659

19.9%

24,000

12.0%

-10.0%

+20.0%

66.6%

* 単位:百万円

 

業績予想を上方修正
業績予想を再度上方修正した。

 

主な変更の理由は為替前提の変更に伴うもの。1USD=124.52円を132.80円(いずれも期中平均)に修正した。2022年8月時点と比較し、①上半期の営業外の為替差益の実績が想定よりも上振れたこと、②下半期は前回予想時に円安傾向が弱まってきたこともあり営業外で為替差損の計上を想定したものの、想定を超える円安方向に為替相場が動き、その趨勢が続くと見られること等を勘案した。

 

売上高は前期比49.5%増の2,000億円、営業利益は同50.4%増の340億円の予想。売上高、営業利益ともに今期も過去最高を更新する。
業績上方修正に伴い配当予想も修正した。中間配当、期末配当をそれぞれ15.00円/株増配し50.00円/株とした。年間合計は前回予想比30.00円/株増、前期比50.00円/株増配の普通配当100.00円/株を予定。普通配当のみでは、前期比68.00円/株の増配となる。予想配当性向は19.2%。

 

【3-2 セグメント別動向】

 

22/3期 

構成比

23/3期(予)

構成比

前期比

修正率

進捗率

半導体等装置関連

82,122

61.4%

127,266

63.7%

+55.0%

+3.3%

50.1%

電子デバイス

27,023

20.2%

53,061

26.5%

+96.4%

+4.7%

43.5%

その他

24,674

18.4%

19,673

9.8%

-20.3%

-6.7%

54.1%

連結売上高

133,821

100.0%

200,000

100.0%

+49.5%

+2.6%

48.8%

* 単位:百万円。

 

(1)半導体等装置関連事業

 

22/3期 

構成比

23/3期(予)

構成比

前期比

修正率

進捗率

真空シール・金属加工

13,732

16.7%

26,345

20.7%

+91.9%

-4.0%

48.7%

石英製品

21,217

25.8%

27,676

21.7%

+30.4%

+7.8%

50.5%

シリコンパーツ

8,565

10.4%

17,799

14.0%

+107.8%

+2.0%

52.4%

セラミックス

18,816

22.9%

26,184

20.6%

+39.2%

+3.4%

49.8%

CVD-SiC

2,975

3.6%

3,958

3.1%

+33.0%

+2.2%

49.6%

EBガン・LED蒸着装置

4,889

6.0%

7,946

6.2%

+62.5%

+23.6%

49.2%

ウエーハ加工

59

0.1%

206

0.2%

+249.2%

+50.4%

41.3%

再生ウエーハ

98

0.1%

1,888

1.5%

-

+84.0%

34.5%

装置部品洗浄

9,672

11.8%

11,386

8.9%

+17.7%

-6.9%

52.2%

石英坩堝

2,100

2.6%

3,878

3.0%

+84.7%

+6.3%

53.5%

半導体等装置関連事業売上高

82,122

100.0%

127,266

100.0%

+55.0%

+3.3%

50.1%

* 単位:百万円。

 

金属加工、半導体マテリアルとも能力増強が奏功し、大幅な増収を見込む。

 

*半導体マテリアル
石英の需要は底堅い。
シリコンパーツは引き続き需要好調、銀川工場増強が奏功する。
セラミックスは半導体向け需要が堅調で、杭州工場稼働が寄与。
CVD-SiCも半導体向け需要が増加。岡山工場増産が寄与。

 

*洗浄事業
中国における洗浄需要は堅調に推移。

 

*真空シール・金属加工
半導体製造装置メーカーの金属加工需要取込み、常山工場等が稼働する。
ウエーハ加工・再生ウエーハは、再生ウエーハ銅陵工場が稼働する。

 

(2)電子デバイス事業

 

22/3期 

構成比

23/3期(予)

構成比

前期比

修正率

進捗率

サーモモジュール

17,635

65.3%

21,390

40.3%

+21.3%

+2.5%

54.0%

パワー半導体基板

8,473

31.4%

20,849

39.3%

+146.1%

+12.3%

38.0%

磁性流体・その他

916

3.4%

933

1.8%

+1.9%

-30.8%

52.0%

センサ(大泉製作所)

-

-

9,888

18.6%

-

-0.1%

31.6%

電子デバイス事業売上高

27,023

100.0%

53,061

100.0%

+96.4%

+4.7%

43.5%

* 単位:百万円

 

大幅な増収予想。

 

*サーモモジュール
5G通信機器向け、PCR検査機など医療分野とも需要が堅調に推移する。

 

*パワー半導体基板
自動車・EV等向けAMB基板の需要が増加するなか、能力拡大が奏功し、売上が続伸する。
DCB基板も好調が続く。DPC基板等の製品レンジ拡大も推進中である。

 

4.中期経営計画(22/3期~24/3期)の進捗

【4-1 中期経営計画の基本方針】

「事業成長」「財務強化」「品質強化」「人材強化」それぞれについて以下のような基本方針を掲げている。

 

事業成長

事業成長・利益成長を徹底的に追及、成長投資を継続

半導体装置市場の動向は注視するが、自社のシェア・ポジションの引上げ等により成長を追求

研究・開発機能の拡充、イノベーション創出、新たな製品の開発を推進

グローバル生産体制の強化へ、マレーシア・日本の投資を更に推進

財務強化

財務強化を更に推進、投資機会と財務状況の適切なバランスを確保

中計の投資計画1,800億円は不変、連結化した東洋刃物・大泉製作所の見通し・計画を注視

投資機会と財務状況の適切なバランスを確保、中国における外部資本活用を適切に検討

当期純利益を重視、投資リターン・ROIC管理の強化を継続

品質強化

「品質は命」と考え、品質管理の強化を進める

品質管理の強化継続

生産のデジタル化・自動化投資を加速し、生産性・生産効率向上を図る

人材強化

人材の強化、組織の構造改革を推進

技術・事業・管理及び技能工の人材強化を着実に実行

中国本部を設立し、22年12月に建屋竣工。中国における組織・人材の強化を推進

 

【4-2 23年3月期上期の振り返り】

◎業績
半導体等装置関連、電子デバイスとも業績が伸長し、過去最高を記録した。
旺盛な需要を踏まえ、22年8月の上方修正に続き、11月に更なる上方修正を発表した。
中期経営計画(22年5月開示)で策定した23年3期予想(売上高1,800億円、営業利益300億円)を上回る水準で進捗している。

 

◎製品別
積極的な増産投資が奏功、多様な製品で売上・シェアが増大した。
半導体等装置関連では、常山・東台・銀川各工場の増産投資等により、石英、シリコンパーツ、セラミックス、 真空シール・金属加工の各製品で、売上が拡大し、シェア・ポジションが向上した。
電子デバイスでは、パワー基板のAMBがEV向け需要拡大と増産がマッチし、業績が急伸した。

 

◎投資
生産能力増強の設備投資、工場新設、M&Aを積極展開した。
半導体マテリアル(石英、セラミックス、シリコンパーツ)、パワー基板の増産投資を継続したほか、再生ウエーハ、SiCインゴッド等の半導体関連の製品レンジ拡充投資を推進した。
東洋刃物の100%子会社化、大泉製作所の連結子会社化投資を実施した。

 

◎財務
自己資本比率47.3%、D/E比率0.32と財務基盤は安定している。
中国子会社にて子会社の上場を視野に資本調達を実施した。

 

【4-3 中期経営計画の進捗状況、アップデート】

◎業績目標
中計最終年度の24/3期は「売上高2,300億円、営業利益400億円」を目標とし、翌期25/3期は「売上高2,900億円、営業利益520億円」を目標とする。最適な事業ポートフォリオの確立に取り組み、25/3期の営業利益率は17.9%を目標とする。

 

(同社資料より)

 

(同社資料より)

 

22年8月および11月の2度にわたる上方修正により、期初に策定した中期経営計画の主要業績目標値を前倒しで達成する予定である。
生産能力の向上と需要の急増がかみ合い、昨年開示した中期経営計画の前提を大きく上回る速度での成長を実現している。

 

 

◎投資計画
半導体マテリアル、パワー半導体基板等の増産に加え、東洋刃物・大泉製作所子会社の投資を実行した。
期初に策定した3カ年の投資計画1,800億円(長期成長のための投資600億円、短期・中期成長のための投資1,200億円、M&Aによる株式取得含む)は現状不変であるが、今後新たなM&A案件や連結化した子会社の投資計画等により見直しの可能性はある。

 

◎資金調達
3カ年の資本調達予定金額と営業CF(当期純利益+減価償却)想定金額の合計は、上記の投資計画1,800億円を超えている。
運転資金の増加に対応した資金調達は必要となるが、中国子会社のIPOを見込まず、全額を金融機関借入にて調達した場合でも、自己資本比率40%、D/Eレシオ0.5倍程度の財務水準を維持する見通しは、期初から変わっていない。

 

中国子会社の上場については、部品洗浄子会社は22年11月に上場承認通知を受理し、IPOは概ね23月1月頃の見込みで、出資比率25%の新株を発行する。
持分法のシリコンウエーハ会社は22年8月に上場申請を提出した。
石英坩堝・シリコンパーツ子会社は上場市場を上海・科創板から深セン・主板へ、上場アドバイザーを光大証券から東方証券系に変更した。

 

(同社資料より)

 

◎株主還元
『持続的な収益増強により株主還元を増加させていく基本方針は不変だが、配当の決定に際して、「配当性向20%」を意識して、財務・投資機会等とのバランスを考慮して判断する』との配当政策を掲げている。
前述のように、好調な業績を背景に23年3月期の配当予想を期初の70.00円/株から100.00円/株に上方修正した。

 

◎長期業績目標
好調な業績推移に伴い長期業績目標として、31/3期「売上高 5,000億円(旧目標3,000億円)、当期純利益500億円」を目指す。

(同社資料より

 

【4-4 注力製品の状況、下期の見通し】

(1)半導体マテリアル
23/3期の増収目標 45.6%
半導体市場は、デジタル関連投資、EV需要拡大等、23/3期は堅調に推移すると見ている。
半導体マテリアル製品については消耗品需要が多いため、半導体メーカーの生産稼働率に連動する割合が高い(一部投資連動型もある)。
WFE(Wafer Fab Equipment)半導体前工程製造装置市場は、23年は調整局面の可能性があり、24/3期の業績予想は、この点も注視し、精査が必要と考えている。中長期での市場成長の見方は不変である。

 

石英製品
23/3期の増収目標 30.4%
半導体製造装置メーカーおよびデバイスメーカーの高水準の新規投資に加え、消耗品需要の底堅さが顕著である。
半導体製造装置市場は22年もプラス成長するが、23年は調整も視野に入れている。
中国の浙江省杭州・常山、江蘇省東台、日本の山形市に工場を配置し、増産を継続中である。

 

シリコンパーツ
23/3期の増収目標 107.8%
半導体プロセスの微細化が進むなか、シリコンウエーハと熱膨張係数が同一で高純度なシリコン製部材への切替え需要が拡大している。このため、半導体製造装置メーカー、デバイスメーカー向けの顧客需要に対応し、同製品製造子会社(銀川・常山)において、生産能力増強中。
23/3期下期は、一部の顧客で在庫調整など、需要の軟化を見込んでいる。
中国の寧夏省銀川、および浙江省杭州、常山に工場を配置する。
シリコンパーツ、および石英坩堝を製造する銀川製造子会社で中国市場(深セン、主板)での上場を準備中である。

 

セラミックス製品
23/3期の増収目標 39.1%
22年11月30日に石川第2工場の竣工式を実施し、国内FC/MCの増産体制を強化した。
売上全体の約8割を占めるファインセラミックス(FC)は、国内海外とも半導体製造装置部品の販売が好調であり、新たに中国浙江省常山工場でも、生産能力増強を計画している。
売上全体の約2割を占めるマシナブルセラミックス(MC) は、国内海外半導体検査治具用セラミックス部品の販売が堅調に推移している。今後は高付加価値なレーザー加工品の材料・加工品の販売を強化する。

 

CVD-SiC
23/3期の増収目標 33.0%
日本における「材料、加工、コーティング技術」の開発優位性が強みで、岡山工場で開発、量産を担っている。岡山第2棟を追加し、増産を予定している。また、中国常山でも生産を開始する予定である。
日米での半導体製造装置向けの需要増に対応している。熱処理炉、エッチャーパーツなど新規採用獲得にも注力している。
中国顧客の中期的な成長に連動した、生産能力整備も重点課題である。

 

真空シール・金属加工製品
23/3期の増収目標 91.8%
真空シールは、半導体製造装置向け新規投資の需要が堅調に推移している。また、中国市場などを中心に、真空チャンバー、ロボットパーツ等、金属加工受託ビジネスも伸長している。
中国の杭州、常山に量産拠点を構えるが、今後、金属加工受託ビジネス拡大のためマレーシア新拠点での生産も予定している。

 

部品洗浄
23/3期の増収目標 17.7%
中国国内に特化した事業であり、半導体、およびFPD(有機EL、液晶)顧客の生産拡大に連動して毎年順調に事業規模を拡大している。
半導体マテリアル製品と同様に、顧客の生産稼働に連動する「ストック型」事業の為、安定した売上の確保がし易い。今後も事業拡大が堅調に続くと見ている。
7拠点9工場を整備し、増産対応を継続中。期初と比較し、FPD(有機EL/液晶)メーカーなどの減産もあり、足元はやや売上の伸びが鈍化している。

 

再生ウエーハ
23/3期の増収目標193.9%
中国半導体国産化の加速により、ウエーハ再生需要が急増している。12インチを中心に、旺盛な顧客需要に対応するため、第1期の月産能力を6.5万枚から12万枚に増強した。投資額も78.5億円から140.2億円に拡大。最終的には20万枚を目指す。

 

半導体ウエーハ(非連結の事業)
半導体ウエーハ子会社(CCMC)の株式譲渡、及び第三者割当増資により、フェローテックグループの株式保有は23%台へ低下し、21/3期第4四半期から持分法適用関連会社に異動している。
6インチの需要が堅調であることから、現在の月産50万枚体制から更に今後20万枚を追加予定し、月産70万枚体制を計画している。
8インチは自社での直販体制を強化中で、上海・杭州にて23年度内にフル生産体制に入る計画。設備能力は月産45万枚体制を保有している。
12インチは現在の月産13万枚体制から段階を踏み、23年度中に20万枚体制を構築する予定。設備投資資金は、中国内
での第三者割当増資を活用する。

 

(2)電子デバイス
サーモモジュール
23/3期の増収目標 25.6%
5G通信機器用途が引き続き好調で、その他、バイオ装置用途、半導体分野も伸長中である。
既存の自動車温調シート向けは減収基調であり、今後は、カップホルダーなどのエクステリア用途の他、自動運転等に使用されるカメラ向けやセンサー向けなど重要機能部品用途における販売拡大を目指す。

 

パワー半導体基板
23/3期の増収目標 115.3%
江蘇省東台の子会社を中国市場で上場させるための準備中である。
中国四川省内江で新工場を建設中で、23年5月頃の竣工を予定している。
東台のパワー半導体基板工場は生産能力を拡大中、来期以降も増収の見通しである。月産能力は、上海・東台工場 DCB基板 を110万枚から160万枚へ、AMB基板を20万枚から45万枚へ増産する計画だ。
高耐熱・高強度のDPC基板も、光通信やパワーLED製品等への展開を強化している。

 

【4-5 トピックス】

(1)国内の子会社化、合弁企業設立
国内有数の老舗メーカーの子会社化、および業容拡大を目指した合弁会社の設立により中長期の会社成長実現へ向けた事業ポートフォリオの拡充を進めた。

 

東洋刃物(株)

*工業用刃物

・TOBを実施し、22年8月より完全子会社化(連結セグメントは「その他」事業)。

・大正14年創業の工業用機械刃物製造分野で国内トップを走る老舗企業。

・杭州で展開する刃物事業とのシナジーを創出するため、同敷地内に生産拠点を構築し、技術・人材を融合させ、今後情報産業分野等で中国市場の開拓を図る。

(株)大泉製作所

*温度センサ

・TOBを実施し、22年8月より子会社化(連結セグメントは「電子デバイス」事業)。

・大泉製作所が得意とする車載・空調用の温度センサ技術に当社が培った自動化・デジタル化の生産技術力を融合させ、日本・中国・欧州市場での販売拡大を図る。

・温度センサの日本・中国での生産能力増強を検討中。

(株)PF・BioLine

*生体物質測定(バイオ分野)

・プレシジョン・システム・サイエンス(株)51%、フェローテックホールディングス49%の合弁会社を22年10月設立。

・両社の連携でナノ磁性体を利用した生体物質測定の研究・開発及び製品販売を行う。

・PSS社が有する磁性体反応制御、PCR検査、免疫反応検査等自動化処理システム技術及び同技術に関連する製品とフェローテックホールディングスが有する磁性流体・サーモモジュール等のコア技術を融合する。

 

(2)部品洗浄
安徽省銅陵の子会社を中国市場で上場させるための準備を進めている。時期は22年12月から23年1月頃の予定。深圳創業板上場の計画。
中国半導体、FPD顧客向けに、銅陵・内江・広州にて生産能力の増強を継続中である。
5拠点7工場を 22年以降は6拠点9工場体制へ拡充し、顧客の近くで、よりきめ細かいサービスを展開する。

 

(3)中国科学院、政府・民間系ファンドと合弁でSiC(炭化ケイ素)事業を開始
20年10月、安徽省銅陵市に、中国科学院(SICCAS)、政府・民間系ファンドとの合弁会社を設立した。中国での最先端半導体(第三世代半導体)として今後の市場成長が期待される、SiC(炭化ケイ素)単結晶のインゴット、ウエーハの開発、製造に取り組む。
現在は前工程インゴット製造装置110台を有し、試作・認定に取り組んでいる。将来的には、4インチ月産6.5万枚体制を構築する予定だ。
需要先は、5Gの無線周波部品や電気自動車、医療設備などのパワー半導体などとなる。

 

(4)自動車分野顧客への販売を本格化
EV(電気自動車)や自動運転の進展により、自動車は高機能化し、搭載する半導体は増加の一途をたどっている。
EV需要増の追い風に対応し、主にAMBを中心としたパワー半導体基板の生産能力を戦略的に拡大していく。
センサー技術に長じた大泉製作所との連携を踏まえながら、自動車分野の国内・中国市場の開拓を本格化する。

 

5.今後の注目点

今期2度目の上方修正は為替動向によるものであるが、半導体等装置関連事業、電子デバイス事業ともに需要を確実に取り込んでいるという状況に大きな変化は無いようだ。
報道などでは、半導体関連業界の減速が伝えられているが、同社の場合、中国に構築した強化な事業基盤によって中国市場の拡大を確実に取り込んでいる点が大きなアドバンテージとなっている。
また、米中摩擦についても同社では影響は限定的とみており、中国政府からの補助金等の支援によりプラス効果の方が大きいとも考えている。
為替動向が不透明ではあるが、他社にはない優位性を活かし下期の収益をどこまで拡大していけるのかを注目していきたい。

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態及び取締役、監査役の構成

組織形態

監査役設置会社

取締役

9名、うち社外3名

監査役

4名、うち社外2名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2022年7月20日)
<基本的な考え方>
当社グループは、「顧客に満足を」、「地球にやさしさを」、「社会に夢と活力を」を企業理念とし、行動規範として、「グローバルな視点のもと、常に国際社会と調和を図り、地域社会その他私たちに関係する世界の人々の生活に貢献できる製品とサービスを提供する企業として、各国の法令を遵守することはもちろん、確固とした企業倫理と社会的良識を持って、誠実に行動すること。」、「新エネルギー産業およびエレクトロニクス産業を中心に高品質な製品やサービスを提案し、コスト競争力のある製品やサービスを提供することにより、お客様から信頼されて、満足を頂くこと。」、「地球環境に配慮した活動を積極的に推進することを経営上の重要課題の一つとして、最新の環境規制要求への適応を順次進め、新エネルギー産業で活用できる素材・製品などを開発し、地球環境問題の解決に貢献すること。」、「コア技術を活用したものづくりを通して社会に貢献し、顧客、株主、社員、取引先、地域社会などステークホールダーの方々が成長する楽しみを持てる企業であり続け、企業活動にあたり法令遵守、社会秩序、国際ルールなど社会的良識をもって行動すること。」を掲げています。

 

当社はこれらの企業理念と行動規範に従い、環境保全活動とグループガバナンスを積極的に推進するとともに、ステークホルダーの皆様にとって「成長する楽しみが持てる企業」であり続けることに努めております。また、半導体用マテリアル製品をはじめとする新素材及び生産技術の開発に注力し、品質を第一に考えて顧客満足の向上を追求する旨の「品質理念」を掲げ、生産の自動化、デジタル化、標準化を進めております。世界での市場シェアを高め、安定的な収益体質の企業集団を形成することを経営の基本方針としております。

 

以上の企業理念、行動規範、経営の基本方針を踏まえて、企業価値を高め、株主、顧客、取引先、従業員、地域社会などステークホルダーに信頼され支持される企業となるべく、経営の健全性を重視し、併せて、経営環境の急激な変化にも迅速かつ的確に対応できる経営体制を確立することが重要であると考えております。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない主な理由>

 

 <補充原則2-4①: 中核人材の登用等における多様性の確保>
当社グループは、グローバルに企業規模が拡大する中、人材と組織の抜本的な強化を図り、中長期的な企業価値の向上に向け、幅広いスキルと経験を持つ女性・外国人・中途採用者を積極的に採用しております。また、女性・外国人・中途採用者の高いスキル、当社グループ以外で培われた貴重な経験等を総合的に勘案・評価し、管理職への登用も積極的に行っております。
しかしながら、中長期的視点に立った女性・外国人・中途採用者の管理職への登用や多様性の確保の方針、人材育成方針及び社内環境整備方針、並びにそれらの進捗や達成状況について、併せて開示できるまでに至っておりません。
今後、グローバルな企業規模の拡大に応じた中長期的な企業価値の向上に資するべく、これらの方針を設定し実施状況を開示できるよう鋭意検討を進めてまいります。

 

<補充原則3-1③: サステナビリティについての取組み、人的資本や知的財産への投資等経営戦略の開示>
当社では、「顧客に満足を、地球にやさしさを、社会に夢と活力を」の企業理念の下、中長期的な企業価値向上に向け、ESG(Environment/環境、Social/社会、Governance/企業統治)が非常に重要であるとの認識から、2021年にマテリアリティ及びサステナビリティ基本方針を策定しました。今後は、ESGを推進するための組織体制の整備、社内啓蒙、定量目標の設定を進めてまいります。また、人的資本や知的財産への投資等については、日本の子会社では若手の幹部への積極登用や組織のフラット化を推進しております。また、中国の子会社では半導体関係の研究院の設置や博士クラス人材の採用強化、優秀な特許出願者があった場合には、表彰や報奨金の付与等を適宜実施するなどにより知的財産への投資に積極的に取り組んでおります。今後は、設定した定量目標のモニタリングを行い、取組み状況をホームページやIR資料等で公開してまいります。

 

<補充原則4-2①: 客観性・透明性のある経営陣の報酬の報酬制度>
当社は、取締役は企業活動を通じて企業価値を継続的に向上させることがその使命であることに鑑み、取締役の報酬について、短期及び中長期的な業績向上に対するインセンティブを高めることができる報酬体系とする基本方針を2021年3月22日開催の取締役会において決議いたしました。具体的には、固定報酬、連結当期純利益(指標)に連動した業績連動報酬及び中長期インセンティブとしての譲渡制限付株式報酬の3種類で構成するものであり、社外取締役は固定報酬のみとするものです。
また公正性・透明性を確保するため、社外役員が委員の過半数となる報酬委員会を設置することにより、持続的な成長に向け、譲渡制限付株式報酬の導入など中長期的な報酬割合の設定や、固定報酬と変動報酬の目標割合を設定しております。取締役会から取締役の個人別の報酬等の額の決定を一任された代表取締役社長は、報酬委員会を招集の上、諮問し、当該答申内容を尊重して決定することとしております。
しかしながら、連結報酬における現金報酬と自社株報酬との割合の適切な設定までには至っておらず、社外取締役が過半数を占める報酬委員会を中心として、適宜外部報酬コンサルタントの意見を参考にしながら、鋭意検討してまいります。

 

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく主な開示>

 

<原則2-3:社会・環境問題をはじめとするサステナビリティを巡る課題>
半導体の製造プロセスは環境負荷が大きく、これを解決することが業界全体の課題となっております。当社では、ノン・フロンの温調デバイスであるサーモモジュールや消費電力削減に有効な「パワー半導体基板」、「磁性流体」等の製品販売並びに日本及び中国の工場における太陽光パネルを用いたクリーンエネルギーでの発電等、事業を通じて環境汚染に配慮した温室効果ガス低減に貢献しております。 また、コロナ禍の中で経済的に困窮する大学生が増加している中、当社は将来社会に貢献し得る有為な人材の育成に寄与すべく工学系の学生に奨学金を給付している公益財団法人山村章奨学財団を支援しております。

 

<原則2-4:女性の活躍促進を含む社内の多様性の確保>
社内に異なる経験や価値観が存在することは、特に当社のようなグローバルに展開している経営環境下においては、会社の持続的な成長を確保する強みであると考え、現地子会社のマネジメントは現地に任せる方針の下、女性を含めた多様性の確保に努めております。

 

<補充原則4-11①:取締役会全体としての知識・経験・能力のバランス、多様性及び規模に関する考え方>
当社の取締役会は、業務執行の監督と重要な意思決定には、多様な視点と経験、及び多様で高度なスキルを持った取締役の構成が必要であると考えております。また監査役についても、取締役会に出席し、必要に応じて意見を述べる義務があり、取締役と同様に多様性と高いスキルが必要であると考えております。社外役員については、取締役会による監督と監査役による監査という二重のチェック機能を果たすため、法定の社外監査役に加え、取締役会での議決権を持つ社外取締役が必要であり、ともに高い独立性を有することが重要であると考えております。
各取締役・監査役の知識・経験・能力等を一覧化したスキル・マトリックスは、当社ホームページhttps://www.ferrotec.co.jp/esg/sdgs.phpに掲載しております。

 

 

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