ブリッジレポート
(6890) 株式会社フェローテック

スタンダード

ブリッジレポート:(6890)フェローテック 2026年3月期通期決算

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賀 賢漢 社長

株式会社フェローテック(6890)

 

 

企業情報

市場

東証スタンダード市場

業種

電気機器(製造業)

代表者

賀 賢漢

所在地

東京都中央区日本橋2-3-4 日本橋プラザビル

決算月

12月

HP

https://www.ferrotec.co.jp/

株式情報

株価

発行済株式数(期末)

時価総額

ROE(実)

売買単位

10,260円

46,838,318株

426,228百万円

6.0%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

200.00円

1.9%

436.78円

23.5倍

5,526.83円

1.9倍

*株価は6/25終値。発行済株式数(自己株式控除後)、DPS、EPS、BPSは26/3期通期決算短信より。ROEは前期実績より。

連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2023年3月(実)

210,810

35,042

42,448

29,702

644.81

105.00

2024年3月(実)

222,430

24,872

26,537

15,154

322.65

100.00

2025年3月(実)

274,390

24,089

25,558

15,692

334.13

141.00

2026年3月(実)

288,933

27,561

26,063

14,886

317.88

148.00

2026年12月(予)

350,000

38,000

36,000

23,000

436.78

200.00

*予想は会社予想。単位:百万円、円。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。以下、同様。

 

 

(株)フェローテックの2026年3月期通期決算概要などについて、ブリッジレポートにてご報告いたします。
※フェローテックホールディングスは、2025年7月1日付けにて国内事業子会社である株式会社フェローテックマテリアルテクノロジーズを吸収合併し、社名を「株式会社フェローテック」に変更している。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2026年3月期通期決算概要
3.2026年12月期業績予想
4.中期経営計画
5.今後の注目点
<参考1:資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について>
<参考2:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 26/3期通期は、売上高が前期比5.3%増の2,889億33百万円、営業利益が同14.4%増の275億61百万円となり、売上高は会社計画(2,850億円)を上回って着地した。売上高営業利益率は通期では前期8.8%から9.5%へ上昇したものの、26/3期4Qに立ち上げ途上の金属加工マレーシア工場やPV向けを縮小した石英坩堝事業の在庫評価減等が集中したことから4Qの売上高営業利益率は7.4%に低下した。そのため、目標としていた通期売上高営業利益率の10%には僅かに届かなかった。また、為替差損の計上(前期は為替差益)や法人税等の増加等により、経常利益は同2.0%増にとどまり、親会社株主に帰属する当期純利益は同5.1%減となった。もっとも、これらの減益要因は通期計画見直し時点で想定されていたものであり、ネガティブサプライズはない。

     

  • セグメント別では、売上高の64%を占める半導体等装置関連事業が、真空シール・金属加工やセラミックスを中心に米国・中国メーカーからの旺盛な需要を取り込んで大きく伸長したほか、収益性の高い電子デバイス事業も生成AIサーバ投資を背景に光トランシーバー向けサーモモジュールが拡大し、全体業績を押し上げた。一方、EVや太陽光に関連する車載・石英坩堝などの領域は引き続き軟調に推移したが、全社の成長モメンタムは力強いと言えよう。

     

  • 今期より決算期を3月期から12月期に変更し、26/12期は9か月の変則決算となる。ただし、連結子会社は従来から12月決算であり、実質的に9か月化の影響を受けるのは単体のみ(影響額は売上高で50億円程度)であり、連結業績への影響は限定的である。26/12期の会社計画は、売上高3,500億円、営業利益380億円(売上高営業利益率10.9%)、当期純利益230億円。なお、決算説明会では賀社長から「売上高4,000億円、営業利益500億円を追求したい」との非公式な発言もあり、今後の進捗が会社計画と社長コメントのいずれにアジャストしていくのか、市場の注目が集まろう。

     

  • 中期成長に向けた設備投資と棚卸資産の積み上げをしっかりと進めており、今後の受注・生産増への備えは万全と言えよう。同社が展開する幅広いポートフォリオ経営において、攻めるところと守るところの戦略が合致してくれば、更なる成長が期待できるのではないだろうか。もちろん、需要の読み違い時には在庫評価・稼働率低下リスクに繋がることから、在庫の質にはとくに注意を要する。そうした状況に陥った際の同社の経営判断の迅速さにも着目していきたい。

     

  • 同社の株価と資本コストを意識した経営が奏功し、PBRは1倍超の水準へ到達し、これを維持している。ここから更にバリュエーションを切り上げていくためには、もちろん外部環境の追い風も求められるが、これまでの成長投資に裏付けされた売上・利益の安定成長やROEの向上、更には株主還元策の強化が求められよう。この点について、DOE下限3.5%・総還元性向50%を目指す姿勢に加え、3期間で250億円の自社株買い実施をアナウンスするなど、より具体的な積極姿勢を見せている。ただし、投資と還元の同時進行はサイクル悪化時の足かせとなる可能性もあり、今後は機動的な戦略構築にも着目していきたい。

1.会社概要

同社は、半導体やFPD(フラットパネルディスプレイ)の製造装置等に使用される真空シール、石英製品、セラミックス製品、CVD-SiC製品、シリコンパーツ、坩堝、温調機器等に使用されるサーモモジュールのほか、シリコン製品、磁性流体、センサおよびその応用製品などの開発、製造、販売を手掛けている。
取り扱う製商品によって、セグメントは「半導体等装置関連事業」、「電子デバイス事業」、「車載関連事業」に大別されている。各セグメントの主要製商品および主要な会社は以下の通り。

(同社26/3期有価証券報告書より抜粋)

 

1980年、NASAのスペースプログラムから生まれた磁性流体を応用した真空技術製品や、冷熱素子として用途が広がっているサーモモジュール等、独自技術を核にした企業として誕生したのが始まりである。創業から40年以上にわたって培われてきた多様な技術は、エレクトロニクス、自動車、次世代エネルギー等、様々な産業分野で応用されている。また、トランスナショナルカンパニーとして、日本、欧米、中国、アジアに事業を展開し、マーケティング、開発、製造、販売、そしてマネジメントと、それぞれの国・地域の強みを活かした経営を行っていることが同社の特徴になっている。2017年4月、持株会社体制へ移行。2022年4月、市場再編に伴い、東証スタンダード市場に移行。

 

 

【1-1 事業セグメント】

事業は、半導体・FPD・LED等の製造装置に使われる真空シール、石英製品、セラミックス製品等の「半導体等装置関連事業」、サーモモジュールが中心の「電子デバイス事業」、車載向けサーモモジュール、パワー半導体用基板、センサ製品が中心の「車載関連事業」及び報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、シリコン結晶や太陽電池ウエーハ、ソーブレード、工作機械、表面処理、業務用洗濯機等の「その他」に分かれる。

 

半導体等装置関連事業
半導体、FPD、LED、太陽電池等の製造装置部品である真空シール、デバイスの製造工程に使われる消耗品である石英製品、セラミックス製品、CVD-SiC製品、石英坩堝を製造・販売している。その他、シリコンウエーハ加工や製造装置洗浄等も手掛けるなど、エンジニアリング・サービスを総合的に提供している。
主力製品の真空シールは、製造装置内部へのガスや塵等の侵入を防ぎつつ、回転運動を装置内部に伝える機能部品で、世界トップシェアを誇る。真空シールの内部には創業からのコア技術である磁性流体(磁石に反応する液体)シールが使われている。ただし、いずれの分野も設備投資の影響を受けやすいことから、比較的需要が安定した搬送用機器や精密ロボット等、一般産業分野への展開にも注力している。加えて、真空シールを組み込んだ真空チャンバーやゲートバルブ等(共に真空関連の装置で使われる)の受託製造にも力を入れている。
一方、石英製品、セラミックス製品、CVD-SiC製品、及び石英坩堝は共に半導体の製造工程に欠かせない消耗品である。石英製品は半導体製造の際の高温作業に耐え、半導体を活性ガスとの化学変化から守る高純度のシリカガラス製品である。材料や加工技術を核とするセラミックス製品は国内外の半導体製造装置メーカーを主な顧客とし、半導体検査治具用マシナブルセラミックスと半導体製造装置等の部品として使われるファインセラミックスが二本柱となっている。CVD-SiC製品は「CVD法(Chemical Vapor Deposition法:化学気相蒸着法)」(シリコンと炭素を含むガスから作る)で製造されたSiC製品である。現在、半導体製造装置の構造部品として供給しているが、航空・宇宙(タービン、ミラー)、自動車(パワー半導体)、エネルギー(原子力関連)、IT(半導体製造装置用部品)等への展開に向け研究開発を進めている。シリコンウエーハ加工では、6インチ(口径)、8インチ、12インチを製造している。製造装置洗浄では中国で過半を超えるトップシェアを有する。

 

(同社決算説明資料より)

 

電子デバイス事業
事業の核となっているのは対象物を瞬時に高い精度で温めたり、冷やしたりできる冷熱素子「サーモモジュール」である。
サーモモジュールは自動車用温調シートを中心に、半導体製造装置でのウエーハ温調、遺伝子検査装置、光通信、家電製品、およびその応用製品のパワー半導体用基板等、利用範囲は広く、世界シェアNo.1。高性能材料を使用した新製品開発や自動化ライン導入によるコスト削減と品質向上により、新規の需要開拓や更なる用途拡大に取り組んでいる。
スマホのリニアバイブレーションモーターや4Kテレビや自動車のスピーカー、高音質ヘッドフォン等で新たな用途開発が進んでいる磁性流体も世界トップシェアを誇る。そのほか、連結子会社の(株)大泉製作所は温度センサを手掛けている。

 

(同社決算説明資料より)

 

車載関連事業
25/3期1Qより、電子デバイス事業に含められていた車載向けサーモモジュール、パワー半導体用基板、センサ製品を車載関連事業としてセグメント区分して開示している。

(同社決算説明資料より)

 

2.2026年3月期通期決算概要

【2-1 連結業績】

 

25/3期

構成比

26/3期

構成比

前期比

会社計画

達成率

売上高

274,390

100.0%

288,933

100.0%

+5.3%

285,000

101.4%

売上総利益

73,361

26.7%

81,317

28.1%

+10.8%

-

-

販管費

49,271

18.0%

53,755

18.6%

+9.1%

-

-

営業利益

24,089

8.8%

27,561

9.5%

+14.4%

30,000

91.9%

経常利益

25,558

9.3%

26,063

9.0%

+2.0%

28,000

93.1%

当期純利益

15,692

5.7%

14,886

5.2%

-5.1%

16,000

93.0%

*単位:百万円

 

売上高は会社計画を過達で着地
26/3期通期業績は、売上高が前期比5.3%増の2,889億33百万円、営業利益は同14.4%増の275億61百万円となった(期中平均為替レート:米ドル149.78円(前期実績152.24円)、中国元20.87円(同21.12円))。会社計画に対し、売上高は過達ながら、段階利益は未達での着地となった。EV需要の調整が続いている一方、旺盛な生成AI投資が継続していることを背景にしっかりと増収を確保した。増収効果に加え、工場稼働率向上、新工場の収益性改善、セールスミックスの変化、などにより売上高営業利益率は前期8.8%から9.5%へ上昇した。目標としていた10%は割り込んだが、これは4Qにおいて立ち上げ途上である金属加工マレーシア工場やPV向け石英坩堝を縮小した坩堝事業の在庫評価減等によって収益率が低下した影響が大きい。経常利益段階では、投資有価証券評価益の計上が拡大したものの、為替差損の計上(前期は為替差益を計上)の影響により増益率が前期比2.0%増にとどまった。なお、親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税等の増額に加え前期の法人税等調整額マイナスがなくなったことから、減益となっている点には留意を要する。

 

【2-2 セグメント別動向】

セグメント別売上高・利益

 

25/3期

構成比・利益率

26/3期

構成比・利益率

前期比

半導体等装置関連

165,245

60.2%

185,139

64.1%

+12.0%

電子デバイス

50,487

18.4%

57,584

19.9%

+14.1%

車載関連事業

30,463

11.1%

29,245

10.1%

-4.0%

その他

28,194

10.3%

16,964

5.9%

-39.8%

連結売上高

274,390

100.0%

288,933

100.0%

+5.3%

半導体等装置関連

12,305

7.4%

16,048

8.7%

+30.4%

電子デバイス

8,250

16.3%

10,465

18.2%

+26.8%

車載関連事業

3,599

11.8%

2,694

9.2%

-25.1%

その他

843

3.0%

-297

-1.8%

-

調整額

-909

-

-1,349

-

-

連結営業利益

24,089

8.8%

27,561

9.5%

+14.4%

*単位:百万円

 

(1)半導体等装置関連事業
売上高は前期比12.0%増の1,851億39百万円、営業利益は同30.4%増の160億48百万円。半導体全体および半導体製造装置の需要が旺盛だったことを受け、真空シール、各種製造装置向け金属加工製品およびセラミックス製品が米国や中国のメーカーからの注文増となったとのこと。石英製品や部品洗浄サービスは工場稼働率の回復を背景に増収となった。一方、太陽光パネルの需要調整が続いていることから、石英坩堝は引き続き減収基調となったほか、中国工場の立ち上げが難航している影響を受けCVD-SiC製品が減収となった。

 

 

25/3期

26/3期

前期比

石英製品

31,930

34,376

+7.7%

シリコンパーツ

13,687

13,363

-2.4%

セラミックス製品

33,155

40,662

+22.6%

CVD-SiC製品

8,192

7,588

-7.4%

真空シール・金属加工

39,195

49,218

+25.6%

装置部品洗浄

15,306

18,603

+21.5%

EBガン・LED蒸着装置他

8,242

7,536

-8.6%

再生ウエーハ

2,856

4,878

+70.8%

石英坩堝

12,668

8,909

-29.7%

半導体等装置関連事業売上高

165,245

185,139

+12.0%

 

(2)電子デバイス事業
売上高は前期比14.1%増の575億84百万円、営業利益は同26.9%増の104億65百万円となった。旺盛な生成AIサーバ投資を背景に、サーモモジュールの中でも光トランシーバー向けサーモモジュールの出荷が引き続き好調に推移した。パワー半導体用基板はエネルギー分野向けを中心に伸長した。センサは、連結子会社である株式会社大泉製作所の決算期変更の影響で25/3期2Qからの収益計上となった影響から純増となっている。

 

 

25/3期

26/3期

前期比

サーモモジュール

27,225

30,821

+13.2%

パワー半導体用基板

18,152

19,576

+7.8%

磁性流体・その他

1,137

1,205

+6.0%

センサ

3,971

5,980

+50.6%

電子デバイス売上高

50,487

57,584

+14.1%

 

 

(3)車載関連事業
売上高は前期比4.0%減の292億45百万円、営業利益は同25.1%減の26億94百万円となった。主要市場であるEV市場の低迷が続いていることから、サーモモジュール、パワー半導体用基板(AMB基板、DCB基板等)ともに販売減少が続いた。とくに年央からのAMB基板の販売価格下落は収益性にも大きな影響を与えた。
センサについては、電子デバイス事業同様、連結子会社である株式会社大泉製作所の決算期変更の影響で25/3期1Qには収益計上がなかったことから、今期は収益計上しているため純増となっている。

 

 

25/3期

26/3期

前期比

サーモモジュール

6,412

4,535

-29.3%

パワー半導体用基板

19,250

18,057

-6.2%

センサ

4,801

6,653

+38.6%

車載関連売上高

30,463

29,245

-4.0%

 

(4)その他事業
売上高は前年同期比39.8%減の169億64百万円、営業利益は2億97百万円の赤字(赤転)。太陽電池用シリコン製品の出荷が引き続き弱含んだことに加え、前期は出荷増となった工作機械の反動減もあり、大幅な減収となった。

 

【2-3 財政状態】

 

2025年3月末

2026年3月末

増減

 

2025年3月末

2026年3月末

増減

流動資産

295,367

338,977

+43,610

流動負債

151,750

163,052

+11,301

現預金

117,727

129,918

+12,191

仕入債務

59,591

58,954

-637

売上債権

92,608

101,710

+9,102

短期有利子負債

59,074

67,222

+8,148

たな卸資産

72,077

88,307

+16,230

固定負債

125,292

164,110

+38,817

固定資産

305,226

350,260

+45,033

長期有利子負債

103,222

135,122

+31,900

有形固定資産

245,064

281,107

+36,043

負債合計

277,043

327,162

+50,119

無形固定資産

6,166

5,795

-371

純資産

323,549

362,075

+38,525

投資その他の資産

53,996

63,357

+9,361

利益剰余金

90,435

97,829

+7,394

資産合計

600,593

689,238

+88,644

負債純資産合計

600,593

689,238

+88,644

*単位:百万円。有利子負債にリース債務は含まない。

 

資産合計は前期末比886億44百万円増の6,892億38百万円。現金及び預金、売上債権、建物及び構築物が大きく増加した。有形固定資産増加に比例する形で、有利子負債が増加している。これはマレーシア工場での設備投資が中心。その結果、自己資本比率は前期39.4%から37.6%に低下したが、あくまでも中期的な資本政策に沿った動きである。

 

【2-4 キャッシュ・フロー】

 

25/3期

26/3期

増減

営業CF

26,066

29,255

+3,188

投資CF

-39,627

-66,856

-27,228

FCF

-13,561

-37,600

-24,039

財務CF

18,965

38,798

+19,832

期末残高

108,899

113,960

+5,061

 

期末の現金及び現金同等物残高は前期比50億61百万円増の1,139億60百万円。営業キャッシュ・フローはしっかりと増加したものの、マレーシア工場での設備投資等が投資キャッシュ・フローの支出を増加させたため、フリー・キャッシュ・フローは赤字の状況が続いている。

【2-5 トピックス】

◎半導体関連需要を取り込むべくマレーシアの生産体制を拡充
欧米顧客を中心に中国外での生産ニーズが強いことを受け、同社はマレーシアに大規模な量産拠点を立ち上げた。具体的には、クリム第1工場で顧客認定および量産が開始しており、生産量増加が順調に進捗しているほか、クリム第2工場も2026年8月に建屋工事が完了し年内には稼働を開始する見込みになっている。第3工場の立ち上げも検討しているとのこと(建屋は賃貸の前提)。

(同社決算説明資料より)

 

◎中国でも半導体関連需要を取り込むべく生産体制を拡充
中国国内においては、顧客の拠点近隣に工場を設置することで、顧客対応力を高め、国産化需要の取り込み、中国国内の高付加価値品の販売拡大を目指している。具体的には、2027年6月の操業開始を目指し北京工場の建設を進めているほか、紹興工場および武漢工場も2027年夏の操業開始を予定している。

 

◎株主還元方針
既存方針の変更はなく、DOE下限を3.5%に設定し、財務状況に鑑みながら自社株買いを機動的に検討することで、総還元性向50%を目指していく方針。26/3期の一株配当は148.0円、配当性向は46.6%。26/12期は一株配当を200.0円(うち、特別配当50.0円)に引き上げる予定(配当性向5.8%)。

 

3.2026年12月期業績予想

【3-1 連結業績】

 

26/3期

構成比

26/12期計画

構成比

売上高

288,933

100.0%

350,000

100.0%

営業利益

27,561

9.5%

38,000

10.9%

経常利益

26,063

9.0%

36,000

10.3%

当期純利益

14,886

5.2%

23,000

6.6%

*決算期変更により、26/12期は9か月決算となるため、対前期増減率は記載せず
*単位:百万円。

 

決算期変更の影響は軽微
今期は決算期を3月から12月に変更することとなった。そのため、26/12期は9か月の変則決算となる。ただし、連結子会社はそもそも12月決算であることから、1月~12月を取り込むことになるため、実質的には単体決算のみ9か月の取り込みとなる。その影響額は売上高で50億円程度とのこと。
26/12期会社計画は、売上高3,500億円、EBITDA701億72百万円、営業利益380億円。設備投資額は前期545億98百万円から650億円に増額見通し。為替前提(期中平均)は米ドル150円(前期実績149.78円)、中国元21円(同20.87円)。
なお、事業の選択と集中を進める中で、再生ウエーハ事業を担うCRSMが増資実施により2026年7月以降連結子会社から持分法適用会社となる見込み(25/3期売上高28億69百万円、営業利益-14億83百万円)。
同社が想定するマクロ前提としては、半導体需要は2026年も成長が加速する想定で、引き続きデータセンター投資が牽引するほか、メモリ、ロジックともに高成長が継続する見通し。半導体製造装置需要は、生成AI投資の伸長に伴うメモリの価格高騰を受け、今後メモリ製造装置への設備投資が大きく伸びる見通し。半導体前工程製造装置需要(WFE)の予想値が上方修正されたことから、半導体関連企業への需要の増進が期待される。一方、中東での紛争長期化が石油関連製品やエネルギー関連の供給不安、船舶物流への悪影響を与えることは念頭に置いている。各種材料の調達やコスト増への対応が必要であると認識しているとのことである。
決算説明会の席上、賀社長からは「売上高4,000億円、営業利益500億円を追求したい」との発言があった。現場の温度感を感じ取った非公式の発言ではあるが、今後の進捗がどちらの数字にアジャストしていくのか市場は注視していくことになろう。

 

【3-2 セグメント別動向】

 

26/3期

通期実績

26/12期

会社計画

石英製品

34,376

38,912

シリコンパーツ

13,363

17,198

セラミックス製品

40,662

49,036

CVD-SiC製品

7,588

4,416

真空シール・金属加工

49,218

68,307

装置部品洗浄

18,603

22,848

EBガン・LED蒸着装置他

7,536

7,059

再生ウエーハ

4,878

2,943

石英坩堝

8,909

11,471

半導体等装置関連事業売上高

185,139

222,190

サーモモジュール

30,821

40,526

パワー半導体用基板

19,576

22,511

磁性流体他

1,205

1,534

センサ

5,980

9,394

電子デバイス売上高

57,584

73,965

サーモモジュール

4,535

5,846

パワー半導体用基板

18,057

22,247

センサ

6,653

8,042

車載関連売上高

29,245

36,135

その他

16,964

17,710

連結売上高

288,933

350,000

*単位:百万円

 

4.中期経営計画(26/12期~28/12期)

【4-1 中期経営計画の基本方針】

同社は2025年5月30日に開示した中期経営計画について、2026年5月29日にローリングアップデートを行った。ローリング後の基本方針は次の通り。

事業成長

半導体関連の需要が増加するなか、日本・欧米顧客の中国外製造(Ex-China)のニーズに対応してマレーシア等の生産を拡充すると共に、中国において顧客対応を強化し、成長を実現する

特にAI・データセンター関連事業に注力しつつ、半導体関連、電子デバイス、自動車関連事業を拡大し、成長を追求する

収益性向上・生産効率向上

マレーシア(クリム、ジョホール)工場の生産拡充・効率性向上による収益率の引き上げ実現

グループとしてコスト管理・コスト削減のPDCAを推進

デジタル化・自動化・AI化を展開し、生産効率向上・全面的なコスト削減・競争力強化を追求する

各事業の研究センターで新製品・新技術の開発を推進・強化、「品質は命」と考え品質管理徹底を継続

人材強化・企業文化

企業文化は企業の礎であり、「顧客を尊敬、従業員を尊敬し、勤勉と信用を尊重し、着実に行動し、革新を追求する」指針の浸透活動を継続する

人材重視を重要な経営戦略とし各事業において研修・トレーニングを実施、人材の採用・育成を推進

財務・株主還元

株主還元強化のため、DOE採用し下限を3.5%に設定、財務の状況等を考慮しながら自社株式の取得を機動的に検討し、総還元性向は50%を目指して充実を図っていく方針(不変)

26/3期~27/12期にかけて、グループ資産売却500億円を想定

26/12期~28/12期にかけて、250億円の自己株買いを実施する方針

(同社資料より、インベストメントブリッジ作成)

 

【4-2 中期経営計画数値目標】

(同社資料より、インベストメントブリッジ作成)

 

【4-3 中期経営計画の進捗】

業績

➣2026/3期の売上高は2,889億円、営業利益276億円、当期純利益149億円。新工場の在庫評価減の増加等あり利益伸び悩み

➣2026/12期通期予想は、売上高3,500億円、営業利益380億円、当期純利益230億円

顧客動向

➣AI関連の半導体投資・生産が活発化するなか、米国半導体顧客の中国外生産(Ex-China)ニーズへの対応が進捗、顧客からの引き合いおよび増産要請が強い

➣中国半導体の投資・生産の増加、顧客対応進め、金属加工・セラミックス等の引き合い増勢

➣サーモモジュールは、光通信モジュール向けの引き合いが引き続き堅調

設備投資

➣マレーシア・クリム工場の顧客認定・立ち上げは順調、第二工場(セラミックス、石英、金属加工)は2026年中の稼働予定、需要旺盛で顧客から更なる増産要請あり検討中

➣北京工場(洗浄・金属・セラ)を新設、顧客対応を強化

株主還元等

➣26/12期~28/12期にかけて、250億円を上限に自己株買いを実施する方針

➣26/12期は増配、通期200円/株(普通配当150円、特別配当50円)を予定

(同社資料より、インベストメントブリッジ作成)

 

【4-4 設備投資計画】

半導体需要の増進および顧客要請に応え、北京工場の新設(洗浄等)、セラミックス等の増産投資を行う。中国外生産要請に応え、マレーシア工場で追加投資を行う計画。前回計画比で、26/3期200億円、26/12期250億円増加している。一方、26/3期~27/12期においてグループ資産売却500億円を想定している。なお、これまで長期ビジョンとして掲げてきた30/12期(従来は31/3期)売上高5,000億円、当期純利益500億円という数値目標に変更はない。

 

(同社資料より、インベストメントブリッジ作成)

 

5.今後の注目点

半導体・AI関連(半導体等装置関連、電子デバイスのサーモモジュール)が全体業績を牽引する一方、車載関連はEVの需要調整で低迷している状況にある。成長ドライバーがAI・データセンター向けに集中しており、この需要の持続性が全社業績を左右することになる。同社はこれまで的確に事業ポートフォリオを構築してきたからこそ、AI・データセンターの需要拡大をきちんと取り込めたことをしっかりと評価しつつ、今後の設備投資計画と合わせ、状況の変化には留意を払っていきたいところである。需要の読み違い時には在庫評価・稼働率低下リスクに繋がることから、在庫の質にはとくに注意を要することは忘れてはならない。そのような状況に陥った時の同社の経営判断の迅速さにも着目していきたい。

 

26/3期〜27/12期の設備投資計画は1,746億円に増額された。その影響もあり、FCFは赤字が継続し、有利子負債は2,000億円超となっている。自己資本比率は37.6%に低下した。今後、新工場が量産から本格稼働へ移行し利益貢献が本格化するまでのタイムラグと、その間の財務負担については留意を要する。同社は同期間でグループ資産を500億円売却するとしていることから、合わせた財務状況をしっかりとウォッチしていく必要があろう。

 

同社の株価と資本コストを意識した経営が奏功し、PBRは1倍超の水準を維持している。ここから株価が更に上昇を続けるために、もちろん外部環境の追い風も求められるが、これまでの成長投資に裏付けされた売上・利益の安定成長やROEの向上、更には株主還元策の強化が求められよう。この点について、DOE下限3.5%、総還元性向50%を目指す姿勢に加え、3期間での250億円自社株買い実施をアナウンスするなどより具体的な積極姿勢を見せている。ただし、投資と還元の同時進行はサイクルが悪化した時の足かせになる可能性もある。今後は機動的な戦略構築にも着目していきたい。

 

 

<参考1:資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた取り組みについて>

同社は2024年7月31日に「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた取り組みについて」を開示。2025年10月15日に更新された中期計画において、株主還元方針を「配当性向20~30%を意識」から「DOE下限3.5%、総還元性向50%」に変更された以外の大筋に変更はない。以下、ポイントについて再掲する。
同社は資本資産評価モデル(CAPM)から算出した株主資本コストを9.94%(25/3期)と算出(前提条件は、リスクフリーレート:20年国債利回り2.532%、β:半導体製造装置業界β1.610、資本リスクプレミアム:4.60%)。25/3期ROEは7.1%と株主資本コストを下回っていることがPBR1倍割れに繋がっていると分析。株主資本コストを上回る収益力の強化を喫緊の経営課題として認識し、ROE15%への改善(事業成長、収益成長、収益力の強化、ROICの管理および事業の選択と集中による総資産回転率の向上・財務レバレッジの改善)、PER改善(株主還元策、非財務戦略の更なる強化)に努める方針。具体的な取り組みについては以下の通り。

注:GHGとは、Greenhouse Gasの略称で、温室効果ガス(主にCO2)のことを指します。
(同社資本コストや株価を意識した経営実現に向けた取り組みについての資料より)

 

中期経営計画の達成が上記目標達成に欠かせないことから、短期・中長期インセンティブに加え業績連動を強めた報酬制度への移行も合わせて開示している。

 

<参考2:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態及び取締役、監査役の構成

組織形態

監査役設置会社

取締役

9名、うち社外3名(うち独立役員3名)

監査役

3名、うち社外2名(うち独立役員2名)

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2025年10月15日)
<基本的な考え方>
当社グループは、「顧客に満足を」、「地球にやさしさを」、「社会に夢と活力を」を企業理念とし、行動規範として、「グローバルな視点のもと、常に国際社会と調和を図り、地域社会その他私たちに関係する世界の人々の生活に貢献できる製品とサービスを提供する企業として、各国の法令を遵守することはもちろん、確固とした企業倫理と社会的良識を持って、誠実に行動すること。」、「新エネルギー産業およびエレクトロニクス産業を中心に高品質な製品やサービスを提案し、コスト競争力のある製品やサービスを提供することにより、お客様から信頼されて、満足を頂くこと。」、「地球環境に配慮した活動を積極的に推進することを経営上の重要課題の一つとして、最新の環境規制要求への適応を順次進め、新エネルギー産業で活用できる素材・製品などを開発し、地球環境問題の解決に貢献すること。」、「コア技術を活用したものづくりを通して社会に貢献し、顧客、株主、社員、取引先、地域社会などステークホルダーの方々が成長する楽しみを持てる企業であり続け、企業活動にあたり法令遵守、社会秩序、国際ルールなど社会的良識をもって行動すること。」を掲げています。

 

当社はこれらの企業理念と行動規範に従い、環境保全活動とグループガバナンスを積極的に推進するとともに、ステークホルダーの皆様にとって「成長する楽しみが持てる企業」であり続けることに努めております。また、半導体用マテリアル製品をはじめとする新素材及び生産技術の開発に注力し、品質を第一に考えて顧客満足の向上を追求する旨の「品質理念」を掲げ、生産の自動化、デジタル化、標準化を進めております。世界での市場シェアを高め、安定的な収益体質の企業集団を形成することを経営の基本方針としております。

 

以上の企業理念、行動規範、経営の基本方針を踏まえて、企業価値を高め、株主、顧客、取引先、従業員、地域社会などステークホルダーに信頼され支持される企業となるべく、経営の健全性を重視し、併せて、経営環境の急激な変化にも迅速かつ的確に対応できる経営体制を確立することが重要であると考えております。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない主な理由(抜粋)>
<補充原則1-1①: 株主総会における相当数の反対票があった場合の原因分析> 
当社は、株主総会において相当数の反対票があった場合の、「相当数」の基準を設けておりませんが、今後基準を設けるよう検討を進めてまいります。相当数の反対票があった場合は、反対理由や反対票が多くなった原因を速やかに分析し、分析の結果をプレスリリースするなど、当社の見解を公表してまいります。

 

<補充原則2-4①: 中核人材の登用等における多様性の確保> 
当社グループは、人的資本の基本方針として、組織・人材について2つの大きな方針のもとグループを運営しております。
1つは、従業員のあらゆる属性に関係なく、一人ひとりが志をもって自律的に行動し、働きがいを持つことができる会社・組織とすること。もう1つは、マネジメントを現地化し、迅速な意思決定と、地域の特性にあわせたビジネス及び組織運営を行うことです。
グローバルに企業規模が拡大する中、人材と組織の抜本的な強化を図り、中長期的な企業価値の向上に向け、幅広いスキルと経験を持つ女性・外国人・中途採用者を積極的に採用しております。また、女性・外国人・中途採用者の高いスキル、当社グループ以外で培われた貴重な経験等を総合的に勘案・評価し、管理職への登用も積極的に行っております。
・多様性の確保の自主的かつ測定可能な目標
優秀な人材戦略と多様性が重要であり、採用者の女性比率について2028年3月期には25%以上とすることを目標としており、2025年3月末時点では22.2%となっております。
・多様性の確保に向けた人材育成方針、社内環境整備方針、その状況
安心して働くことができる環境整備として、新卒・中途採用者の3年後定着率について2028年3月期には80%以上とすることを目標としており、2025年3月末時点では77.78%となっております。
今後、中長期的視点に立った女性・外国人・中途採用者の管理職への登用含めた人材育成方針及び社内環境整備方針、並びにそれらの進捗や達成状況についても併せて開示できるよう鋭意検討を進めてまいります。

 

<補充原則3-1③: サステナビリティについての取組み、人的資本や知的財産への投資等経営戦略の開示>
当社では、「顧客に満足を、地球にやさしさを、社会に夢と活力を」の企業理念の下、中長期的な企業価値向上に向け、ESG(Environment/環境、Social/社会、Governance/企業統治)が非常に重要であるとの認識から、2021年にマテリアリティ及びサステナビリティ基本方針を策定しました。今後は、ESGを推進するための組織体制の整備、社内啓発、定量目標の設定を進めてまいります。また、人的資本や知的財産への投資等については、日本の子会社では若手の幹部への積極登用や組織のフラット化を推進しております。また、中国の子会社では半導体関係の研究院の設置や博士クラス人材の採用強化、優秀な特許出願者があった場合には、表彰や報奨金の付与等を適宜実施するなどにより知的財産への投資に積極的に取り組んでおります。今後は、設定した定量目標のモニタリングを行い、取組み状況をホームページやIR資料等で公開してまいります。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく主な開示(抜粋)>
<原則1-4、補充原則1-4-1、補充原則1-4-2:政策保有株式>
当社では、株式の政策保有に関する方針及び政策保有株式の議決権行使の基準を以下のように定め、運用しております。
1.当社の政策保有に関する方針
当社は、政策保有株式を持たないことを基本方針としております。
ただし、発行会社との関係性において、事業提携先など、当該株式を保有する高度な合理性があると判断した場合に限り、当社は他社株式を保有します。保有株式については、社長室が定期的に保有の合理性を検証し、取締役会に上程しております。具体的な検証方法として、保有目的が適切か否か、保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているか等を取締役会で検証し、検証結果に基づき政策保有株式の縮減を進めております。
2025年6月の取締役会において、精査の結果、7銘柄を保有継続することとしました。
2.当社の政策保有株式の議決権行使基準
議決権の行使については、原則として当該株式発行会社の取締役会の判断を尊重し、当該議案が当社グループとの関係・取引に悪影響を及ぼす場合、又は明らかに株主共同の利益を損なうと考えられる場合を除いては肯定的に判断して行使しております。
3.当社の株式の政策保有に関する対応
上記とは別に当社の株式の政策保有に関しては、保有先から売却の意向が示された場合、取引の縮減を示唆する等の売却を妨げることは一切行っておらず、適切に売却等に対応しております。

 

<原則1-5:いわゆる買収防衛策> 
当社は、いわゆる買収防衛策を導入しておりません。
当社株式が公開買付けに付された場合、取締役会は、その目的と内容を慎重に検討した上で、当社の考えを公表します。取締役会は、企業価値の維持・向上の観点から必要と判断する場合には、株主が公開買付けに応じる権利を不当に害さないように留意し、適切な対応措置を提案いたします。

 

<原則2-1:中長期的な企業価値向上の基礎となる経営理念の策定> 
当社は、グローバルな視点のもと国際社会や地域社会と調和を図り、あらゆる人々の生活に貢献できる製品とサービスを提供する企業として誠実に行動すべく、「お客様から信頼されて満足を頂くこと」、「地球環境問題の解決に貢献すること」、「ものづくりを通して社会に貢献すること」の3つの経営理念にもとづき事業活動を展開しております。

 

<原則2-3:社会・環境問題をはじめとするサステナビリティを巡る課題> 半導体の製造プロセスは環境負荷が大きく、これを解決することが業界全体の課題となっております。当社では、ノン・フロンの温調デバイスであるサーモモジュールや消費電力削減に有効な「パワー半導体基板」、「磁性流体」等の製品販売並びに日本及び中国の工場における太陽光パネルを用いたクリーンエネルギーでの発電等、事業を通じて環境汚染に配慮した温室効果ガス低減に貢献しております。2023年3月「サステナビリティ委員会」を当社執行役員会傘下の委員会として設置し、サステナビリティへの取り組みの状況確認、検討、審議を行い、取締役会等で適宜に報告することでサステナビリティの全社的な検討・推進を行います。その他、コロナ禍後に経済的に困窮する大学生が増加している中、当社は将来社会に貢献し得る有為な人材の育成に寄与すべく工学系の学生に奨学金を給付している公益財団法人山村章奨学財団を支援しております。

 

<原則2-4:女性の活躍促進を含む社内の多様性の確保> 
社内に異なる経験や価値観が存在することは、特に当社のようなグローバルに展開している経営環境下においては、会社の持続的な成長を確保する強みであると考え、現地子会社のマネジメントは現地に任せる方針の下、女性を含めた多様性の確保に努めております。

 

<原則5-1:株主との建設的な対話に関する方針> 
当社は、会社の持続的成長及び企業価値の向上を目指し、株主の皆さまとの建設的な対話を促進し、当社の経営方針や経営状況を分かりやすく説明し、株主の皆さまの理解が得られるよう努めてまいります。

 

~株主との建設的な対話に関する方針~
1.株主の皆さまとの対話の統括
IR担当である経営戦略・社長特命事項担当取締役を株主の皆さまとの対話を統括する経営陣として指定しております。
2.株主の皆さまとの対話を補助する社内各部門の連携体制
IR・広報部及び財務経理統括室が連携して、株主の皆さまとの対話を補助しております。
3.個別面談以外の対話の手段の充実に関する取組み
決算説明会、スモールミーティング、個人投資家説明会、株主総会後に開催する事業説明会、Webによるミーティング、各種印刷物をはじめとする様々な情報伝達手段を活用しております。決算説明会及び事業説明会では、代表取締役が自ら説明を行っております。
4.対話に際してのインサイダー情報の管理
内部情報管理規程に基づき情報管理を徹底しております。

 

【資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応】【英文開示有り】 
当社は、株式資本利益率(ROE)と投下資本利益率(ROIC)を重要な経営指標と捉え、中期経営計画(2026/3期~2028/3期)期間中において、ROEを15%、ROICを8%とすることを経営目標(KPI)の一つとしておリます。なお、取締役会において定期的に資本コスト及び加重平均資本コスト(WACC)の見直しを行っておリ、2025年3月期の株主資本コストは9%台後半、WACCは8%台後半の水準と算定しておリます。それに対して、同連結会計年度のROEは7.1%、ROICは3.9%と、資本コスト、WACCをそれぞれ下回っており、近時の大型設備投資に伴う費用の増加による親会社株主に帰属する当期純利益率の低下及び有形固定資産の増加が主な要因であります。そのため、資本コストとWACCをそれぞれ上回るROEとROICを安定的に達成させることが、足元の重要な経営課題と認識しております。また、株価純資産倍率(PBR)については、2025年3月期で0.53倍と1倍を下回っている状態が継続しており、ROEと株価収益率(PER)を向上させることが重要であると認識しております。
これら経営課題の現状評価及び各種施策については、2024年7月31日に開示しました「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた取り組みについて」、及び2025年5月30日発表の中期経営計画(ローリングプラン)20ページをご参照下さい。
「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた取り組みについて」
(日本語) https://www.ferrotec.co.jp/php/download.php?f=jp/66b077985a236.pdf
(英語)   https://www.ferrotec.co.jp/php/download.php?f=en/66b0929d8d3aa.pdf
2025年5月30日発表の中期経営計画(ローリングプラン)
(日本語) https://www.ferrotec.co.jp/php/download.php?f=jp/20250602577588.pdf

 

 

本レポートは、情報提供を目的としたものであり、投資活動を勧誘又は誘引を意図するものではなく、投資等についてのいかなる助言をも提供するものではありません。また、本レポートに掲載された情報は、当社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、当社は、本レポートに掲載されている情報又は見解の正確性、完全性又は妥当性について保証するものではなく、また、本レポート及び本レポートから得た情報を利用したことにより発生するいかなる費用又は損害等の一切についても責任を負うものではありません。本レポートに関する一切の権利は、当社に帰属します。なお、本レポートの内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申し上げます。

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