
・三菱自動車の今後の業績は?
・三菱自動車株は買った方が良い?
このようなお悩みを解決します。
この記事の結論
- 三菱自動車の海外売上比率は80%を超えており円安の恩恵を受けやすい
- 三菱自動車が強みとするSUV系ブランドは新興国での需要が多い
- 三菱自動車株を買うならネット証券がオススメ
今回は国内大手の自動車メーカー、三菱自動車工業(7211)をご紹介します。
2021年度の世界全体での販売台数は93.7万台であり、特にアジア圏での販売に力を入れています。
23年3月期第2四半期の開示では当期の予想経常利益が50%上方修正され、注目を浴びました。
そんな同社の株は買い時なのでしょうか?
今回は、三菱自動車工業(以下、三菱自動車)の事業内容や今後の注目ポイントなど投資に役立つ内容を解説します。
三菱自動車はどんな会社?

まずは、三菱自動車の会社概要や事業内容について見ていきましょう。
会社概要
三菱自動車は、1970年設立の日本の大手自動車メーカーです。
代表者 | 加藤 隆雄 |
所在地 | 東京都港区 |
上場市場 | 東証プライム |
株価(3/31 終値) | 522円 |
時価総額(3/31 終値) | 777,927百万円 |
決算 | 3月末日 |
配当金 | 0円/株 |
優待情報 | なし |
三菱自動車は、1970年に三菱重工株式会社から独立しました。
現在、同社の議決権のうち、34.0%を日産自動車株式会社が、20.0%を三菱商事株式会社が所有しています。
現在では、三菱重工株式会社の所有割合は1.4%となっているワン!
ビジョン、ミッションは以下のようになっています。

2022年度には、「三菱自動車らしさ」として同社が目指す姿を再定義しました。
「環境面での社会貢献、そして安全・安心・快適をお客様に提供する」という理念のもと中長期的な持続的成長を目指します。
具体的には、同社が強みを持つ電動化技術とSUV技術、そして機能的で愉しい空間での快適性能を提供できるようなクルマづくりに取り組んでいくとのことです。
2022年度は、次期中期経営計画も策定する重要な1年だったんだワン!
事業内容
続いて、事業内容を見ていきましょう。
自動車事業がメインだというイメージだけど…

自動車事業の割合が圧倒的ですが、金融事業も行なっています。
自動車事業では、自動車及びその関連部品の設計・製造・販売を、金融事業では、主に同社グループ製品の販売金融及びリースを行なっています。
三菱自動車は、特に電動化技術とオフロードの高い走破性を持ったSUV技術に強みがあります。
SUVやSUVミニバンみたいなアウトドア志向の車種が目立つね!
電気自動車については、以下の3種がラインナップされています。
- 新型軽EV『ekクロスEV』
- 2022年3月発売『エアトレック』
- 2023年秋より再発売予定『ミニキャブ・ミーブ』
今後も積極的な電動化技術の活用を通じ、気候変動・エネルギー問題の解決や、カーボンニュートラルの実現への貢献が期待されます。
電動車の選択肢が増えることに期待だワン!
事業展開
同社は13の国と地域に29拠点を展開しており、120カ国以上に販売を行なっています。
2022年3月期の地域別売上構成は以下のようになっています。

海外売上比率は80%を超えており、国内に大きく偏っていないことがわかります。
そのため円安のメリットを受けやすい企業であると言えるでしょう。
逆に円高には注意だね…
なかでも、アジアをはじめとする新興国マーケットに力を注いでいることが特徴です。
新興国では人口の増加が続いていますが、自動車の普及率はまだ高くありません。
同社が強みとするSUV系ブランドは新興国で需要が多いとされており、今後の可能性に期待できます。
現地生産の展開に合わせ、現地での雇用活性化などの社会貢献にも期待だワン!
三菱自動車の業績

ここからは、三菱自動車の直近の業績を見ていきましょう。
直近の業績・配当推移
まず、直近5年間の業績推移を見てみましょう。

具体的な数値は以下のようになっています。
年度 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 |
---|---|---|---|
2019年3月期 | 25,145 | 1,118 | 1,328 |
2020年3月期 | 22,702 | 127 | -257 |
2021年3月期 | 14,554 | -953 | -3,123 |
2022年3月期 | 20,389 | 873 | 740 |
2023年3月期(予) | 24,800 | 1,700 | 1,400 |
2020年3月期は、売上高が前期比2,443億円の減少(同10%減少)、営業利益は同990億円の減少、当期純利益は257億円の赤字となりました。
なぜ業績が落ち込んでしまったのかな?
減収減益となった背景には、主力地域での販売拡大戦略の失敗があります。
中国での景気低下を受け、アセアンやオセアニア各国での自動車需要が伸び悩んだことで、新型製品の販売が低調になりました。
加えて、新型コロナウイルスの拡大による市場環境の悪化は、翌年度にも大きな影響を与え続けました。
2021年3月期には、前年からの赤字をさらに拡大させ、当期純利益は3,123億円の赤字となりました。
こうした背景があり、2021年3月期からは無配当となりました。
以下は直近10年の配当推移です。
事業年度 | 1株当たりの配当額 |
---|---|
2014年3月期 | 25.00 円/年 |
2015年3月期 | 16.00 円/年 |
2016年3月期 | 16.00 円/年 |
2017年3月期 | 10.00 円/年 |
2018年3月期 | 17.00 円/年 |
2019年3月期 | 20.00 円/年 |
2020年3月期 | 10.00 円/年 |
2021年3月期 | 0.00 円/年 |
2022年3月期 | 0.00 円/年 |
2023年3月期(予) | - 円/年 |
2022年3月期には黒字転換し、2023年3月期も1,400億円の純利益予想となっていますが、赤字の回収にはまだ時間を要するでしょう。
今後の業績次第では、積み上がった赤字の回収後、復配の可能性もあり得るかもしれません。
今後の復配に期待だね!
2023年3月期第3四半期(累計)
2月2日には、2023年3月期の第3四半期決算発表がありました。
業績サマリーは以下のようになっています。

販売台数は、前年同期比で57千台の減少となっていますが、円安の影響等もあり、大きく増収増益となっています。

円安が続くかどうかで今後の業績も変わりそうだね!
特に、2023年3月期第3Q累計の連結経常利益は前年同期比2.5倍の1,547億円に急拡大しました。
また、第2Qには通期経常利益予想をそれまでの50%増となる1,800億円と大幅な上方修正をしました。
加えて、第3Q時点の進捗率は86.0%と達成に大きく近づいています。
2023年3月期は順調な様子がうかがえるワン!
三菱自動車の株価はなぜ安い?

そういえば三菱自動車の株価って500円くらいだけど、なんでこんなに低いんだろう?
三菱自動車の株価が安い理由について、2つの観点で考えてみましょう。
- なぜ株価そのものが安いのか?
- なぜ株価は安いまま上がらないのか?
なぜ株価そのものが安いのか?
三菱自動車の株価は500円台となっており、他の自動車関連企業(トヨタ・スズキ・SUBARU・本田など)に比べて株価は安くなっています。
その理由は、発行済み株式数が比較的多いからです。

株価は、時価総額を発行済株式総数で割って求められます。
つまり、時価総額がいくら大きくても発行している株式の数が多ければ株価は低いままなのです。
参考までに、先ほど挙げた自動車関連企業と比較してみましょう。
企業(証券コード) | 株価 | 時価総額 | 発行済株式総数 |
---|---|---|---|
トヨタ自動車(7203) | 1,790円 | 約24.4兆円 | 約136.2億株 |
スズキ(7269) | 4,509円 | 約2.2兆円 | 約4.8億株 |
SUBARU(7270) | 2,031円 | 約1.6兆円 | 約7.7億株 |
本田技研工業(7267) | 3,360円 | 約5.7兆円 | 約16.8億株 |
三菱自動車(7211) | 480円 | 約0.7兆円 | 約14.9億株 |
発行済株式総数:発行済株式総数-自己株式
例えば、本田と比較してみると、発行している株式数は同じくらいですが、本田の方が時価総額は8倍近く高くなっています。
上画像の式に当てはめると、分子の「時価総額」が大きい本田は三菱自動車より株価が大きくなるというわけです。
つまり、単純な話で、時価総額が変化せずに発行済株式総数が半分になれば、業績にかかわらず株価は2倍になります。
厳密には、利益や将来性など様々な要因で株価が決定されてから、それに発行済株式総数を乗じて時価総額が計算されているんだワン!
ここでは理解しやすくするために「株価=」としているワン!
下のグラフは、三菱自動車の発行済株式総数の推移を表しています。

ここ十数年で三菱自動車は資金調達のために何回かの増資(株式の発行)を繰り返し行ってきました。
2014年には株式併合を行って株式数は10分の1になりましたが、依然として発行済株式総数は多くなっています。
自社株買いや株式併合などで発行済株式総数が減少すれば、株価水準も切り上げてくるワン!
なぜ株価は安いまま上がらないのか?
理由の1つとして、景気敏感株であるということが考えられます。
新型コロナウイルスの影響に加え、コストプッシュ型のインフレに対応できていない状況が続く中で、製造業の企業の業績回復には不透明な部分があります。
実際に、売上や利益に対する株価の水準を過去と比べると割高という見方もできます。
市況が良くない時に買い需要が少なくなる傾向があるワン!
三菱自動車株は買うべき?

三菱自動車の株は買い時なのかな?
前述した通り、三菱自動車は海外売上比率が高いため、円安の恩恵を受けやすい企業となっています。
現在の金融緩和が継続されるかどうかで、来期以降の業績予想も変わってくるでしょう。
2月14日には日銀の人事案が提出され、植田新総裁をはじめとする新体制の発表がありました。
日銀の今後の金融政策次第では、為替レートが大きく動く可能性があります。
各証券会社の証券アナリストが発表しているレーティングと目標株価についても見てみましょう。
更新日 | 証券会社 | レーティング | 目標株価 |
---|---|---|---|
2023/02/24 | ジェフリーズ | Hold継続 | 550円 |
2023/02/20 | 大和 | 3継続 | 530円 |
2023/02/03 | 野村 | Neutral継続 | 480円 |
2023/02/03 | GS | 中立継続 | 520円 |
2023/01/25 | CLSA | Buy→OP格下げ | 550円 |
2023/01/18 | BofA | 中立継続 | 560円 |
2023/01/18 | ジェフリーズ | Hold継続 | 460円 |
2023/01/18 | メリル | 中立継続 | 560円 |
2023/01/11 | JPM | Neutral継続 | 600円 |
2022/12/26 | みずほ | 中立継続 | 570円 |
2022/12/23 | SMBC日興 | 2継続 | 590円 |
中立の評価が多いように感じられるね。
直近3ヶ月の目標株価の平均値は542.7円となっています。
そのため、2023年3月31日時点の株価が522円であることを考えると、多くの証券会社のアナリストは現在の株価は割安だと考えていることが分かります。
あくまでも参考程度にするんだワン!
三菱自動車に投資するには?

三菱自動車株を実際に取引するにはどうすればいいの?
三菱自動車(7211)に投資するには、まず証券口座を開設しましょう。
ネット証券なら初心者でもスマホ1台で開設〜取引ができるのでオススメです。
今回は、いろはに投資がおすすめする以下のネット証券3社について順番にご紹介いたします。
SBI証券
SBI証券の特徴
- 国内株式個人取引シェアNo.1
- 単元未満株の買付手数料が0円
- 最低取引手数料が0円
- 取引でTポイントやPontaポイント、Vポイントなどが貯められる
- 全IPO企業のうち97.5%を取り扱い(2022年3月通期)
SBI証券は、いろはに投資の「おすすめの証券会社」アンケートで総合1位を獲得しており、ユーザー満足度の高さも特徴のネット証券です。
また、SBIグループ全体で口座開設数は1,000万突破と、日本最大級の証券会社となっています。
2022年7月4日からS株(ミニ株)の買付手数料が完全無料になりました。
これまでの買付手数料は、取引翌月にキャッシュバックされるため実質無料でしたが、取引する際には手数料(0.55%)を支払う必要がありました。
SBI証券のS株(単元未満株)は、今までよりもさらに、初心者に優しく、経済的にも買付しやすくなったのです。
Tポイントを使えたり、取引手数料も業界最安値水準であったりとメリットが多い証券会社なので、これから株式投資を始める方は是非口座開設しておきましょう。
三井住友カード・東急カードといったクレジットカードでポイントを貯めながら積立投資もできるよ
楽天証券
楽天証券の特徴
- 取引手数料100円ごとに1ポイント付与
- 口座開設から2か月間取引手数料が0円
- 最低取引手数料が0円〜(上限は税込22USD・税込0.495%)
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口座開設をしてから2か月間は取引手数料が0円に加えて、ポイントバックがあるのが楽天証券のおすすめポイントです。
楽天銀行との連携「マネーブリッジ」により、銀行預金から直接、金融商品を購入することができます。
購入時に証券口座に資金が不足している場合は、自動入出金(スイープ)にも対応しているため、銀行口座から投資資金を捻出できます。
中には毎月2万ポイント貯めて、そのままつみたてNISAに使っている人もいるワン!
\楽天ポイントでも投資できる/
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IG証券
IG証券の特徴
- 取扱金融商品が豊富に用意されている
- CFD取引が魅力的
- FXでも人気を集めている
- IGアカデミーという充実した投資学習サービスが無料で利用できる
IG証券は、45年以上の歴史を持ち、世界中で約31万人以上が利用する大手証券会社です。
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特にCFD取引は、個別株、ETF、コモディティなど多様な資産に1つの口座で投資することができ、IG証券の人気のサービスです。
CFD取引では現物を実際に保有せずに取引できるため、 下落相場でも利益を出せる売り注文からの取引ができます。
幅広い投資をしたい方におススメだワン!
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まとめ【三菱自動車】

今回は、三菱自動車工業(7211)の今後の動向や三菱自動車株の購入方法についてご紹介いたしました。
最後に、この記事の結論をおさらいしましょう。
- 三菱自動車の海外売上比率は80%を超えており円安の恩恵を受けやすい
- 三菱自動車が強みとするSUV系ブランドは新興国での需要が多い
- 三菱自動車株を買うならネット証券がオススメ
三菱自動車は、強みを活かせる新興国マーケットでの業績拡大を計画しています。
投資を考えている方は、ネット証券の口座開設から始めてみましょう。