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MSワラントの仕組みは?その後の株価への影響についても徹底解説!

・MSワラントの仕組みは?
・MSワラントと公募増資って何が違うの?
・MSワラント発行後の株価への影響は?

このようなお悩みを解決します。


🔰いろはに結論

  • MSワラントとは、株価の変動に伴って行使価額が調整される新株予約権のこと
  • 投資家からはそれ以外の方法で資金調達ができなかったという印象を持たれる
  • MSワラント発行後の成功例はあるが、よほどの好材料がないと株価の上昇は難しい

MSワラントは、上場企業の資金調達方法の一種ですが、その特徴から「悪魔の増資」と言われることもあります。

あまりなじみがないため、その仕組みについてよく知らない人も多いはず。

MSワラントを発行すると株価へどのような影響があるんだろう?

そこで今回は、MSワラントの仕組みやMSワラント発行後の株価への影響について解説していきます。

記事の後半では、MSワラントについてのアナリストの見解も聞いているので、ぜひご覧ください。

執筆:いろはにマネー編集部
執筆:いろはにマネー編集部

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株式や投資信託などの投資経験があるメンバー、仮想通貨投資経験者、20枚以上のクレカ保有者、証券アナリスト試験合格者など、それぞれの記事領域に見識の深いメンバーが運営しています。
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MSワラントとは?【仕組み】

MSワラントの仕組み

💡このパートの要約

MSワラントとは…

  • MSワラントとは、上場企業が資金調達をするための手段
  • 一般的に、キャピタルゲインを得やすい仕組みとなっている
  • 発行後の株価は下落傾向
  • 公募増資との大きな違いは、株式の希薄化のスピード

MSワラントとは、行使価額修正条項付き新株予約権のことを表し、上場企業が資金調達をするための手段として用いられます。

通常の新株予約権は、発行した企業の株式をあらかじめ定められた金額で取得できる権利ですが、MSワラントでは、株価の変動に伴い行使価格がその都度修正されるようになっています。

「Moving Strike Warrant」の略なんだワン!

MSワラントについてもっと詳しく教えてほしいな…

まず、新株予約権(ワラント)とは、発行した企業の株式をあらかじめ定められた金額で取得できる権利のことをいいます。

この権利保有者は一定期間内に権利を行使することで、権利行使時の株価にかかわらず行使価格で株式の交付を受けられます。

新株予約権行使価格行使時の株価
パターン①200円300円
パターン②200円100円

パターン①のように、権利行使期間内に新株予約権発行時の行使価格より行使時の株価が上がった場合、その差額分の利益を得ることができます

反対に、パターン②のように権利行使期間内に株価が上がらず、新株予約権発行時の行使価格が行使したいときの株価より下がってしまった場合、損をすることになります

ただし、新株予約権は行使しない選択もできるので、権利を行使しない限りは損失とはなりません。

でもMSワラントはただの新株予約権じゃないんだよね?

今回はこの新株予約権に行使価額修正条項付きという文言がついています。

言葉は難しいですが、簡単に言えば、株価の変動に伴って行使価額が調整されるという意味です。

MSワラントの場合、行使価格は株価が下がれば都度修正され、基本的には前日終値より安く設定されます。

新株予約権行使価格修正後の行使価格行使時の株価
通常の新株予約権200円190円
MSワラント200円170円190円

例えば、元々の行使価格が200円の新株予約権を保有していましたが、その企業の時価が200円を割って190円になってしまったとします。

普通の新株予約権であれば、行使することで1株当たり10円多く支払い株式を取得していることになります。

しかし、MSワラントであれば、前日終値が190円であれば170円ほどに行使価格が修正されます。

そうすると、時価よりも20円安く株式を取得できていることになります

ただし、行使価格には下限があることに注意しなければならないワン!

このように、MSワラント保有者はその時点の株価より安い値段で株式を保有でき、キャピタルゲインを得やすい仕組みとなっているのです。

MSワラントの発行後は株価が上がる?

MSワラント発行後の株価は上昇するの?

MSワラントの発行後は株価が下落する傾向にあります。

例として極楽湯(2340)のMSワラント発行前後の株価を見てみましょう。

同社は、まず2020年7月8日にMSワラント発行の発表を行い、27日に割り当てを行いました。

しかし、MSワラント発行後の株価は長期的に見て下落しており、低調な状態が続いています

また、2022年3月25日にもMSワラント発行の発表があり、同年4月11日には割り当てを行いました。

この2回目のMSワラント発行後も長い間株価は下落傾向にあり続けています。

資金調達でこれからというところなのになんで株価が下がるんだろう…

MSワラントを発行した企業の株価が長期的に下落傾向にある理由に、MSワラントが「資金調達の最後の手段」として投資家から受け取られてしまうことが挙げられます。

一般的に投資家は、MSワラントに対して財務危機・将来性が不安な企業が資金調達の最後の手段として行うイメージを持っています。

理由としては、MSワラントを発行するということは信用力の低さ故に、公募増資や第三者割当増資という手段が使えなかったことを連想してしまうためです。

こういった印象から、MSワラントを発行すると投資家のイメージが悪くなり、よほどのことがないと株価が上がりにくくなってしまうという影響があるのです。

記事の後半では、アナリストに実際のMSワラントに対する見解を聞いているワン!

MSワラントと公募増資の違いは?

MSワラントと公募増資の違いってなんだろう?

MSワラントと公募増資の違いを一覧にしました。

MSワラント公募増資
割当先特定の第三者不特定
引受証券会社による審査なしあり
希薄化ゆっくり一度
調達金額不安定一定

割当先

まず割当先では、MSワラントは特定の第三者に新株予約権を発行するという形を取りますが、公募増資は誰でも出資できるという違いがあります。

MSワラントの割当先には証券会社やなどが多く、基本的には一般の投資家が参加できることはありません。

対して公募増資は証券会社を通しますが、割当先は一般の投資家ということになるため、誰でも株式の購入が可能なのです。

引受証券会社による審査

続いて、公募増資は引受証券会社による審査が必要ですが、MSワラントには審査が必要ありません

これにより、MSワラントは準備にかかる時間的な負担が軽減されるという利点があります。

株式の希薄化

さらに、株式の希薄化という点では、MSワラントの方がゆっくり行われます。
※株式の希薄化:新株発行などの増資を行い発行済株数が増えることにより、1株当たりの価値が低下すること

MSワラントは権利を行使するタイミングが自由であり、段階的に希薄化が進むからです。

一方、公募増資は一度に行われるため、株式が急に希薄化することになります。

既存株主の不利益となる株式の希薄化は、既存株主が離れていってしまうデメリットがあるワン!

調達金額

最後に資金調達の面ですが、公募増資であれば引受人がいれば確実に資金調達ができます

しかし、MSワラントでは株価が権利行使価格より下がりすぎてしまった場合、権利を行使されない可能性もあります。

そうなってしまうと予定していた資金が調達できなくなってしまうという不安定さがあります。

公募増資については、以下の記事にて詳しく解説していますので是非ご覧ください。

MSワラントに対する見解をアナリストに聞いてみた

MSワラントの見解をアナリストに聞いてみた

MSワラントに対する見解の要約

  • MSワラントは、投資家からはそれ以外の方法で資金調達ができなかったという印象を持たれる
  • 株主軽視の印象が強く、既存株主は離れ、新規株主は寄り付かなくなってしまう
  • MSワラント発行により投資家に悪い印象を持たせてしまうことで、少々業績が良くなってもなかなか株価が上昇しない

MSワラントって投資家からは実際どういった評価がなされるんだろう?

MSワラントの投資家からの印象について、弊社アナリストの森本の見解を聞いてみました。

森本 章
森本 章

1990年 関西大学法学部卒業、三洋証券(株)へ入社。1998年 極東証券(株)へ入社。
(株)極東証券経済研究所では20年超にわたり金融、自動車、ソフトウエア、ゲーム・アミューズメントなどを担当。
23年4月 (株)インベストメントブリッジへ入社し、アナリストとして幅広い企業を担当。
日本証券アナリスト協会 認定アナリスト。国際公認投資アナリスト
いろはに投資の姉妹サイト『ブリッジサロン』に会員登録(無料)すると、毎週金曜日(原則)にマーケット情報や翌週の注目企業などのメールマガジンを受け取ることができます。
X(旧Twitter):@morizo31592

投資家からはマイナスイメージ

—MSワラントを行う企業は投資家からどのような印象を持たれますか?

MSワラントを発行する企業は投資家から嫌気される傾向にあります。

特定の人に有利な上に仕組みが分かりずらいため、それ以外の方法で資金調達が出来ないのではないかという印象を持つのが普通です。

加えて、株式の希薄化も起きますから、投資家としてはそこまでしないとお金が集まらないという認識を持ってしまいます。

※株式の希薄化:新株発行などの増資を行い発行済株数が増えることにより、1株当たりの価値が低下すること

MSワラントの発行は資金難の合図

—では、MSワラントは資金調達の最終手段のように捉えられるということでしょうか?

そうですね。要は資金を調達しようとして、結局調達できる手段が多分これしかなかった。
裏を返せばそれだけ資金調達が苦しいと理解できてしまいます。

株式の希薄化という点で、既存株主としてはたまったものではないし、株主ではない人にはそんな状態の企業は放って置かれてしまうというのが実情だと思いますよ。

ですから、MSワラントの発行が決まったら顔をしかめる投資家が多いですよね。

悪い印象を与えてしまうことで投資家離れも

—MSワラントの発行によって資金調達した後に立て直したとしても投資家からの印象は良くないのでしょうか?

MSワラントを行うことによる株式の希薄化は既存の株主にとっては良くないため、既存株主が離れていってしまう可能性があります。

そうやってMSワラントの発行によって一度「既存の株主軽視だ」という印象を投資家に与えてしまえば、その銘柄への投資を検討している人からすれば手を出しにくくなります。

世の中には他にも銘柄が多くある中で、その銘柄をあえて買う必要がなくなってしまいますもんね。

こういったように、投資家に悪いイメージを引きずらせてしまうと、少々業績が良くなったとしてもなかなか人気にならないというケースはよく見られます

MSワラントの成功例はある?

MSワラントの成功例

MSワラントを発行した企業で株価が回復した企業はあるのかな?

MSワラントは、基本的に発行されると株価が長期的に下落してしまう傾向にあります。

ですが、まれにその後の株価が急騰するケースも存在します。

その企業の一つが、船舶用エンジン国内首位の三井E&S(7003)

同社の株価は、2007年ごろに一時7,300円を超える最高値を付けるほどでしたが、その後は徐々に下落。

2022年初めごろの株価は400円前後を推移するようになってしまっていました。

ここから、2022年3月31日にMSワラントの発行を発表してからも、長い間低調な株価が続きます。

ここからまた人気になるのは難しいのかな…

しかし、2024年2月頃より株価の上昇傾向が見られ、同年3月には2,800円台まで回復。

そこからは落ち着きを見せているものの、同社は長い低調期間を脱することに成功しています。

なぜだろう?

三井E&Sが復活した要因としては、主に2つあります。

好調な業績と予想の上方修正

2024年2月15日、同社は2024年3月期の第3四半期決算を発表しました。

内容としては、純利益が前年同期比5.3倍だったなど業績が好調だったことに加え、通期予想も上方修正というものでした。

この発表が好感され、一時はストップ高の956円となりました。

アメリカのバイデン大統領による大統領令の影響

2024年2月22日午前に、アメリカのジョー・バイデン大統領がサイバーセキュリティ強化策を盛り込んだ大統領令を出しました。

具体的には、中国製の遠隔操作クレーンが増えていることを念頭に、港湾施設や設備の国産化や安全対策のために5年間で200億ドル(約3兆円)を投じるというものです。

その中で、アメリカ政府は同社の子会社であるPACECOを協力企業に選定しました。

この政府支援によって、PACECOは実に30年ぶりのクレーンのアメリカ国内製造を再開するんだって!

この大統領令によりPACECOの今後の収益や業容の拡大を見込んだ投資家から買いが集まり、22日はストップ高の1,444円をつけました。

この2つの吉報をきっかけとして、三井E&Sの株は急上昇し、現在も人気の銘柄となっています。

しかし、注意しなければならないのは、ここまでの材料がないと低調な株価から脱することができないということです。

MSワラント発行後は株価が下落基調となり、なかなかそこから抜け出すことができないということが一般的なのです。

この三井E&Sの例のように、MSワラントを発行したのちに株価が上昇するのはかなりレアケースなんだワン!

【まとめ】MSワラントの仕組み

【まとめ】MSワラントとは

MSワラントの仕組みや株価への影響について、よくわかったよ!

最後にこの記事の重要なポイントをまとめます。


🔰いろはにまとめ

  • MSワラントとは、株価の変動に伴って行使価額が調整される新株予約権のこと
  • 投資家からはそれ以外の方法で資金調達ができなかったという印象を持たれる
  • MSワラント発行後の成功例はあるが、よほどの好材料がないと株価の上昇は難しい

MSワラントとは、株価の変動に伴って行使価額が調整される新株予約権のことです。

投資家からは資金調達の最終手段と受け取られるため、発行後の株価は長期的に下落する傾向にあります。

MSワラントを発行した後に株価が急騰した成功例もありますが、よほどの好材料がなければ株価が回復することはありません

このように、MSワラントは痛みを伴うことの多い資金調達方法です。

そのため、発行した企業の動向を慎重に見ていくことが大切です。

日本の個別銘柄の株価を分析した記事についても、ぜひあわせてご覧ください。

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