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ティムス(4891)【IPO上場企業紹介・初値予想】

今回はIPO企業の中から11月22日に東証グロースに上場するティムス(4891)をご紹介します!

ティムスは、東京農工大学発酵学研究室の研究を実用化することを目指すバイオベンチャー企業です。

経営理念として、「あくなき探求心と挑戦で、世界を変えるクスリを創る」を掲げています。

想定時価総額は244.8億円で、東証グロースに上場します。

IPO概要・初値予想

IPO概要・初値予想

まず、ティムスの初値予想、およびIPO概要について以下の4つを解説していきます。

同社を購入検討している方は、ご確認ください。

IPO評価・初値予想

評価画像

事業内容は魅力的なバイオテクノロジーとなっています。

ビジネスモデル上、仕方がないとはいえ業績があまりにも変動していることが大きな懸念点です。

またVC比率が高いことから将来性が高いとも言えますが、売り圧力が強いとも考えられるため、初値上昇は限定的と思われます。

これらの点から、IPO評価:D予想レンジ1.0倍以下と判断しました。

※IPO評価、初値予想は過去のデータを元に編集部が予想したものであり、結果を確約、投資を推奨するものではございません。

IPOスケジュール IPO評価概要
詳しい評価項目を知りたい方はこちら(クリックで開きます)
  • 発行済み株式数:想定時価総額を計算。
  • オファリングレシオ:小さい方が投資家からの人気が高い。市場に出回る株式数が少なくなることを意味するため。
  • 公募割合:大きい方が投資家からの人気が高い。企業に資金が多く入ることを意味するため。
  • 上場市場:グロースに上場する企業は人気が高くなりやすい。
  • 事業のトレンド性:成長市場に位置し、トレンド性が高い企業は人気になりやすい。
  • VC保有比率:VCが多くいる企業は事業のトレンド性が高く・成長企業であることが多いが、ロックアップがない場合はIPO後の需給が悪化しやすい
  • 売上高成長率・経常利益率:大きい方が人気。過去の業績が良い。
  • 前後2週間のIPO数:少ない方が投資家からの人気が高くなりやすい。
  • 過去1ヶ月の日経平均リターン:高い方が人気。投資家心理に影響。

初値予想の方法については、「【IPO初値予想】IPOの評価方法を初心者向けにやさしく解説!過去の事例も」の記事をご覧ください。

取り扱い証券

同社のIPO株を取り扱う証券会社は以下の通りです。

証券会社名割当率割当株数
SMBC日興証券(主)80.0%1,042,200株
野村証券2.9%39,000株
みずほ証券2.9%39,000株
大和証券 2.9% 39,000株
三菱UFJモルガン・スタンレー証券2.9%39,000株
岡三証券2.9%39,000株
SBI証券2.9%39,000株
香川証券1.5%19,500株
楽天証券0.5%6,500株
割当率・割当株数は、11/14付近に発表予定

\ IPO取扱数No.1証券はこちら!/

どの証券会社が良いのか詳しく知りたい方は「IPO投資におすすめの証券会社ランキング」をご覧ください!

日程・価格

IPOの日程は以下のようになっています。

ブック・ビルディング期間11月7日(月)~11月11日(金)
当選発表日11月14日(月)
申込期間11月15日(火)~11月18日(金)
上場日11月22日(火)

続いて、価格は以下のようになります。

仮条件640円〜670円
公開価格670円
初値919円

IPO企業の初値や騰落率に関しては、「IPO初値・騰落率結果【2022年】」をご覧ください。

大株主

株主の状況は以下のようになっています。

株主名比率
大和日台バイオベンチャー投資事業有限責任組合12.22%
三菱UFJキャピタル4号投資事業有限責任組合10.94%
THVP-1号投資事業有限責任組合8.22%
ニッセイ・キャピタル9号投資事業有限責任組合7.66%
ニッセイ・キャピタル7号投資事業有限責任組合6.64%
Xseed High Growth 投資事業有限責任組合6.61%
MSIVC2016V投資事業有限責任組合4.46%
蓮見 惠司4.38%
株式会社新日本科学4.05%
ニッセイ・キャピタル10号投資事業有限責任組合3.77%
OCP1号投資事業有限責任組合2.74%
加藤 哲夫2.63%
片山 智恵美2.22%
保有比率2%以上を記載

企業概要

IPO_企業概要

事業内容

ティムスは創業以来、東京農工大学において微生物から発見されたSMTP(Stachybotrys microspora triprenyl phenol)化合物群の研究開発を主に行っています。

「SMTP化合物群」って何?

SMTPとは?

SMTPは、黒カビの一種であるスタキボトリス・ミクロスポラ(Stachybotrys Microspora)が産生する新規トリプレニルフェノール(triprenyl phenol)の一群です。

その頭文字をとって、SMTPと命名されました。

基本となる化学構造はビタミンE群と類似しているんだワン!

SMTPには、同社が発見しただけで60種類以上の同族体があり、同族体ごとに薬剤としての特性が大きく変わります。

そして同社は、多様なSMTP同族体を選択的に生産する方法を開発し、特性に合わせた医薬品の研究開発を行っています。

具体的にはどんな効果があるのかな?

SMTPの主な作用は3つあります。

メインはsEHの阻害作用に基づく抗炎症作用と、プラスミノーゲン働きかけることによる血栓溶解促進作用です。

SMTPの説明
目論見書より

また前述したように、SMTPはビタミンEと類似した構造を持つので、ビタミンEと同様の抗酸化作用も持っています。

こうした作用を活かし、複数の新薬候補の開発に取り組んでいます。

開発パイプラインの進捗
目論見書より

それぞれ対象となる疾患がバラバラなんだね!

現状は、TMS-007の研究開発が大きく進んでいる模様です。

それぞれについて詳しく見ていきます。

TMS-007

TMS-007が対象としているのは、急性期脳梗塞(AIS)です。

急性期脳梗塞は、血栓により脳血管が閉塞して脳への血液供給が滞ることで生じ、記憶障害・言語障害など脳への永久的な損傷につながる可能性がある危険な病です。

脳梗塞を含む脳卒中は、世界第2位の死亡原因です。

World Stroke Organization (2022)によると、全世界で脳卒中発症数は年間約1,222万人おり、うち約763万人(約63%)が脳梗塞患者です。

また脳卒中による死亡者(年間約655万人)のうち、約329万人(約50%)の死因が脳梗塞でした。

多くの人が発症して、死亡率も高い病気なんだね

今後も世界の急性期脳梗塞の患者数は増加することが予想され、それに伴い市場もどんどん拡大していくと予想できます。

AISの患者数予測推移
目論見書より

2021年の急性期脳梗塞の治療薬の売上高は21億ドル程度と言われているワン!

急性期脳梗塞はどうやって治すの?

急性期脳梗塞の治療戦略としては、①発症後できるだけ早く血流を再開すること、②浮腫や炎症を抑えること、の2つがあります。

従来の医薬品は、このどちらかにしか対応していません。

しかし、同社のTMS-007は1つで「血流再開」と「抗炎症」の両方の治療戦略に対応できるという点で、他の医薬品より優れています。

両方に対応できるなんて、すごいね!

実際に、同社は2017年11月から2021年8月にかけて前期第Ⅱ相臨床試験(PH2a)を行い、その有効性が確認されました。

TMS-007前期第Ⅱ相臨床試験の概要
目論見書より

TMS-008・TMS-009

TMS-008は抗炎症作用を持っていますが、血栓溶解作用をほとんど持ちません。

同社はTMS-008の強力な抗炎症作用を活かし、急性腎障害、がん悪液質を対象として、優先的に研究開発を進めています。

現在、第Ⅰ相臨床試験の申請に向けて取り組んでいる段階です。

TMS-009はTMS-008と同様の薬理活性を示しており、TMS-008のバックアップとして位置付けています。

同社は、適応疾患によってはTMS-009をメインに開発を行うことも視野に入れています。

今後はこっちに注力していくワン!

ビジネスモデル

同社のビジネスモデルは、以下の図の通りです。

ティムスのビジネスモデル
目論見書より

医薬品開発における研究段階から早期臨床段階までを同社が行い、その後は国内外の製薬会社と提携して開発製造販売権を付与します。

そして、提携先製薬会社から開発一時金(マイルストーン)及びロイヤリティ収入等を得るというモデルです。

難しくてよく分からないなぁ……

では、先ほどのTMS-007を例にしてみましょう。

ビジネスモデルの図解

同社は2018年6月に、TMS-007に目を付けた米国バイオジェン社と400万ドルでオプション契約を締結しました。

その後、ティムスは 前期第Ⅱ相臨床試験 (PH2a)まで行い、試験での結果を見たバイオジェン社が、2021年5月にオプション権を行使しました。

契約により、ティムスは 1,800万ドルを得ます。

一方バイオジェン社は、ティムスが保有するSMTP化合物に関する特許権(出願中のものも含む)及びデータの所有権等を獲得しました。

そして、後期第Ⅱ相臨床試験(PH2b)以降の研究開発は、バイオジェン社の責任と費用により行われることになります。

何か不公平な気がするけど……

収益機会はその後も続きます。

バイオジェン社が開発目標や販売目標を達成するごとに、ティムスにお金が入ります。

さらに、バイオジェン社が得た特許のロイヤリティについても、一定の割合(一桁%台後半~10%台前半)が同社に入る予定です。

このように、同社はある程度まで研究開発をし、 国内外の製薬会社にその後の開発と完成した医薬品を売る権利を売ります。

そして、以降の研究開発・販売は他社に任せ、事前に決めた進捗基準に達するごとにお金をもらうというビジネスモデルです。

複雑だけど、何とか分かったよ!

決算情報

次に決算状況を見ていきましょう。

売上高と当期純利益の推移

売上が非常に不規則で、それに伴い当期純利益も大きく変動しています。

この要因は、同社のビジネスモデルにあります。

同社のビジネスは、研究・開発が上手くいき、かつその研究結果が欲しいと思う企業がいないと成立しません。

よって、成果が出るまでは収益機会に乏しく、このように不規則な収益となっています

また特許権のロイヤリティ収益を除き、どの収益も単発での獲得となります。

そのため、安定した利益を得るというのはしばらくの間は難しそうです。

総資産・純資産の推移

ベンチャーキャピタルからの出資を受け、資産額は増加していっています。

特に第18期には、新たに3,300万株を発行とバイオジェン社のオプション権行使により、資産額が倍増しました。

自己資本比率は90%前後を保ち続けており、負債による倒産などの心配はなさそうです。

バイオジェン社が薬の開発に成功するまで、我慢が続きそうだね!

企業からのメッセージ

上場後、企業様へインタビューを実施できた際に掲載致します。

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経営陣

同社の役員は10名(うち女性1名)おり、その中から抜粋で役員の経歴を紹介します。

代表取締役社長 若林 拓朗

1989年4月 株式会社リクルート入社
2001年4月 先端科学技術エンタープライズ株式会社 代表取締役 (現任)
2005年11月 Xseed Partners 有限責任事業組合 組合員
2011年5月 株式会社ティムス 代表取締役
2015年9月 株式会社バイオメッドコア  代表取締役
2018年5月  株式会社ティムス  代表取締役社長(現任)

取締役会長 蓮見 惠司

2003年4月 東京農工大学農学部教授
2004年4月 東京農工大学大学院教授 (現任)
2005年6月 株式会社ティムス 取締役
2011年5月 同社 代表取締役社長
2018年5月 同社 取締役
2021年7月 同社 取締役会長(現任)

最後に、他の企業の上場スケジュールについて知りたい方は以下のページもご覧下さい。

IPO投資をするなら開いておきたい証券口座

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※本記事は2022年11月2日時点の情報を元に作成されています。
※本記事内で紹介されている意見は個人的なものであり、記事の作成者その他紹介企業等の意見を代表するものではありません。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の商品や手法を推奨するものではありません。投資に関する意志決定はご自身の判断にてお願い致します。


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