サンクゼール(2937)【IPOインタビュー・上場企業紹介・初値予想】

※この記事は11月30日公開の記事にインタビューを追記したものです。

松井証券 IPOバナー

今回は「IPO企業」の中から12月21日に東証グロースに上場するサンクゼール(2937)をご紹介します。(同日は「note」と「アイズ」が上場予定です)

サンクゼールは、久世福商店など自社ブランドを中心とした加工食品を複数の販売チャネルを通して販売する食品製造販売業を行っている企業です。

お客様を喜ばせたいというおもてなしの心、お客様と家族のために手作りしたりんごジャム、楽しんでいただいた食卓の風景を原点に、今では米国オレゴン州でオーガニック商品を生産するまでに至っています。

想定時価総額は159億円で、東証グロースに上場します。

企業からのメッセージ

1月18日(水)、株式会社サンクゼールの代表取締役社長 久世良太様へインタビューを実施しました。

インタビューでは、上場への道のりや個人投資家へのメッセージなどを伺いました。

久世様

代表取締役社長 久世良太氏

1977年生まれ。良太氏は良三氏(創業者、現会長)の長男。
2002年に電気通信大学大学院を修了後、セイコーエプソン入社。プリンター部品などの研究開発に携わった。
2005年サンクゼールに入社し、経営サポート本部長などを経て11年から専務。
2018年から代表取締役社長。

創業の経緯

当社の始まりは、長野県北端に位置する斑尾高原にて、創業者夫妻がペンションを営んでいたことです。

北信ではリンゴが名産なので、主婦目線で無添加のリンゴジャムを作り、家族の食卓やペンションで提供していました。

その美味しさがお客様の間で評判となり、販売することとなりました。

「美味しいから売った方が良い」とお客様に言ってもらったそうだよ!

フロントに置くことから始まり、他のオーナーのペンション、そしてリゾートエリアのお土産屋さんにも什器を置いていただくようになりました。

こうして卸売業から始まった当社は、その後ワイナリーやジャムの工場、レストランなどへも展開していきました。

しかし、従来の売り方は販売店に依存しており、先方からの値下げ要望を断り切れなかったり、売れなかったものがたくさん返品されたりと、売り切る力に欠けていました。

どうやって解決したんだろう?

そこで、アメリカのナパバレー(ワイナリーのメッカ)に20回以上研修に行き、直営店について学びました。

これがきっかけで、ジャムやワインのみならずパスタソースなど加工食品を開発し、直営店で販売する、という今の業態にたどり着きます。

その後は洋風のものだけでなく、日本の美味しいをお届けしたいという思いから、「久世福商店」という新たなブランドを立ち上げました。

長い歴史の中で、環境に合わせて業態を変えていったんだね!

それでも根底に流れている思いは変わっていません。

子供たち・家族・宿泊のお客様のために、お母さん目線で美味しいものを手作りする精神が、長い歴史の中でも変わらずに存在します。

商品や業態が変わっても、変わらない思いがあるのが成長の秘訣なんだね!

上場までの道のり

IPOについては、7年前から考えていました。

もともとはEOY Japan(EYが主催しているアントレプレナー表彰制度)の甲信越代表に選ばれた際、証券会社の方から「上場すべきだ」と言われたことがきっかけです。

それから、会社の成長のために必要となる資金・人材・ガバナンスなどを考えて、上場を決意しました。

しかし、上場基準以上の利益や成長率、ガバナンスの問題、リスクの解消は数年でできるものではありません。

そのため、会社を見つめ直し、7年かけて着実に企業としての体力をつけていきました。

7年かけて、長期にわたって持続できる根底づくりをしたんだね!

具体的には、新規出店で売り上げを伸ばすのではなく、リピートしてくれるお客様を大事にしようと考えるようになりました。

その結果、4年間で既存店が大きく伸び続けると同時に、現在は年間10店舗の新規出店もしています。

他にも社外取締役を3分の1以上(現在は11名中4名が社外)にするなどガバナンスも整えました。

ちなみに上場日は、創業者夫妻が初めて出会った日らしいよ!

株主還元について

機関投資家様・個人投資家様どちらにもしっかりと還元していきたいです。

まずは配当で還元しようと考えており、現在は当期純利益(単体)の30%を配当の目安としています。

また内部留保を再投資することで会社を成長させ、株価上昇という面でも還元していこうと考えています。

扱っている商品はギフトとしても人気が高く、株主優待との相性もいいと思っています。

そのため、今後株主優待を導入するかどうかも検討していきたいです。

投資家へのメッセージ

今後は「食のSPA」を強化する点に投資していきます。

また海外マーケットへの拡大を目的に、2017年に進出した米国市場を中心に投資し、利益拡大を図っていきます。

こういった点に是非注目頂きたいです。

「お約束したことをしっかりと実現する会社」というように信頼して頂き、書面だけでなく動画でのIR活動なども拡充していければと思っております。

上場の際も、社長自らが動画で説明しているね!

私たちは食品を扱っていることからディフェンシブな銘柄でありつつも、その中でも貪欲にマーケットの拡大を続けています。

安心できるセクターの中で、貪欲に成長し続けているというのは、強みだと思っています。

この強さを経営者として形にし、それを株主の方に還元していく所存です。

ぜひ期待を持って、応援していただきたいです!

IPO概要・初値予想

IPO概要・初値予想

まず、サンクゼールの初値予想、およびIPO概要について以下の4つを解説していきます。

同社を購入検討している方は、ご確認ください。

IPO評価・初値予想

業績も良く、売上高は拡大し、ここ数年も経常利益を出しています

すでに配当政策も言及されており、当期純利益の30%を目安としています。

一方で、オファリングレシオが高く、同日にnoteなどの認知のある銘柄が上場するなど、やや懸念点もあります。

これらの点から、IPO評価: C予想レンジ1.0倍~1.3倍と判断しました。

※IPO評価、初値予想は過去のデータを元に編集部が予想したものであり、結果を確約、投資を推奨するものではございません。

初値予想アンケート

想定価格:1,550円

詳しい評価項目を知りたい方はこちら(クリックで開きます)
  • 発行済み株式数:想定時価総額を計算。
  • オファリングレシオ:小さい方が投資家からの人気が高い。市場に出回る株式数が少なくなることを意味するため。
  • 公募割合:大きい方が投資家からの人気が高い。企業に資金が多く入ることを意味するため。
  • 上場市場:グロースに上場する企業は人気が高くなりやすい。
  • 事業のトレンド性:成長市場に位置し、トレンド性が高い企業は人気になりやすい。
  • VC保有比率:VCが多くいる企業は事業のトレンド性が高く・成長企業であることが多いが、ロックアップがない場合はIPO後の需給が悪化しやすい
  • 売上高成長率・経常利益率:大きい方が人気。過去の業績が良い。
  • 前後2週間のIPO数:少ない方が投資家からの人気が高くなりやすい。
  • 過去1ヶ月の日経平均リターン:高い方が人気。投資家心理に影響。

初値予想の方法については、「【IPO初値予想】IPOの評価方法を初心者向けにやさしく解説!過去の事例も」の記事をご覧ください。

取り扱い証券

同社のIPO株を取り扱う証券会社は以下の通りです。

証券会社名割当率割当株数
SMBC日興証券(主)87.0%2,610,300株
野村証券6.1%182,700株
SBI証券3.9%117,400株
みずほ証券1.3%39,100株
岡三証券0.7%19,500株
八十二証券0.7%19,500株
松井証券0.2% 6,500株
楽天証券0.2%6,500株
割当率・割当株数は、12/11付近に発表予定

\主幹事証券で申し込もう/

IPO投資におすすめの証券

日程・価格

IPOの日程は以下のようになっています。

ブック・ビルディング期間12月6日(火)~12月12日(月)
当選発表日12月13日(火)
申込期間12月14日(水)~12月19日(月)
上場日12月21日(水)

続いて、価格は以下のようになります。

仮条件1,600円 ~ 1,800円
公開価格1,800円
初値2,201円

IPOスケジュール・初値騰落率

大株主

株主の状況は以下のようになっています。

株主名比率
久世 良三29.33%
㈱Joseph’s Arrows Trust16.38%
久世 良太14.66%
久世 直樹12.22%
ABRAHAM’S WAY FOUNDATION, LLC10.26%
久世 まゆみ6.35%
サンクゼールパートナー持株会4.15%
山田 保和0.29%
河原 誠一0.24%
神田 秀仁0.20%
上位10名を記載

企業概要

IPO_企業概要

事業内容

サンクゼールは、商品の企画・開発から、調達・製造、店舗設計、販売に至るまで、一連のプロセスを自社内で完結させる食のSPA企業です。

SPAって何?

SPAとは

Speciality store retailer of Private label Apparel(製造小売業)の略。

商品の企画から製造、物流、販売までを一貫して行う小売業の形態を指す。

日本のファーストリテイリング、スウェーデンのH&M、スペインのZARAなどのアパレル業界が代表例。

同社は、久世福商店などの自社ブランドを中心とした加工食品を直営、FC、ホールセール、EC およびグローバルの複数の販売チャネルを通して販売しています

保有ブランド

同社が展開する食品ブランドはサンクゼール、久世福商店、KUZE FUKU & SONSの3つがあります。

サンクゼールのブランド
同社Webサイトより

どんな商品を売っているの?

ECサイトの売上ランキングによると、サンクゼールではワインやジャム、パスタソースなどが人気となっています。

久世福商店では、しゃけめんたいや七味なめ茸の瓶詰めといった、ご飯のお供が人気です。

KUZE FUKU & SONSは海外向けのECサイトであり、パスタソースやジャム、味噌汁の素が上位ランキングに入っています。

全体的に、贈答品向けの商品が多く、付加価値の高い製品が売られています。

販売チャネル

自社商品をどうやって販売しているの?

サンクゼールは「店舗(直営・FC)」「EC」「ホールセール」「グローバル」の4つの販売チャネルで事業活動を展開しています。

  1. 店舗
  2. EC
  3. ホールセール
  4. グローバル

2022年3月期のグループ売上高構成比は、店舗74%、EC6%、ホームセール17%、グローバル3%となっています。

この数字から、実店舗での販売がメインであることが分かります。

そしてEC化率の低さから、今後EC分野に成長の余地があるといえます。

また同社は、 C(個人のお客様)向けの「直営・FC」「EC」、B(法人のお客様)向けの「ホールセール」「グローバル」と多様な販路を相互につなげることで、相乗効果を目指しています。

目論見書より(以下同様)

決算情報

売上高は堅調に推移しており、順調に売上高を伸ばしています。

今年度の第2四半期時点で前年度売上高の57%を達成しており、このままいけば今年度は過去最高の売上に達する見込みです。

また、決算が確認できる5年間は経常赤字になっておらず、すでに利益拡大フェーズに入っていると考察できます。

同社はすでに米国に進出しており、海外展開も視野に入れています。

成長戦略にもあるように、今後直営やFCの展開をどこまで伸ばしていけるのかが成長のカギになりそうです。

経営陣

同社の役員は11名(うち女性1名)おり、その中から抜粋で役員の経歴を紹介します。

代表取締役社長 久世 良太

2002年4月 セイコーエプソン株式会社 入社
2005年4月 株式会社斑尾高原農場(現 株式会社サンクゼール)入社
2006年4月 同社 経営サポート部部長
2006年7月 同社 経営サポート部部長 兼 経営企画室室長
2008年8月 同社 取締役経営サポート本部 本部長
2011年8月 同社 専務取締役
2012年6月 同社 代表取締役専務
2013年6月 有限会社斑尾高原農場 代表取締役
2017年3月 St. Cousair Oregon Orchards, Inc.(現 St. Cousair, Inc.)取締役
2017年5月 株式会社斑尾高原農場 代表取締役社長(現任)
2018年6月 株式会社サンクゼール 代表取締役社長(現任)
2018年6月 St. Cousair Oregon Orchards, Inc.(現 St. Cousair, Inc.)非常勤取締役(現任)

最後に、他の企業の上場スケジュールについて知りたい方は、「IPOスケジュール【2022年】」をご覧ください。

IPO投資をするなら開いておきたい証券口座

IPO関連記事