企業のカーボンニュートラルへの取り組みとは?【自動車産業編】

カーボンニュートラル 自動車 アイキャッチ

・カーボンニュートラルはなぜ重要なの?
・自動車産業はカーボンニュートラルに向けて何に取り組んでいるの?

このようなお悩みを解決します。


この記事の結論

  • 自動車の二酸化炭素排出量は多く、重要な問題となっている。
  • 国内の自動車メーカーはカーボンニュートラルに向け、EV化など様々な戦略をとっている。
  • 製造から廃棄までの長期的視点で環境負荷を考えることが大切。

近年、「脱炭素」や「カーボンニュートラル」達成に向けた様々な取り組みが行われているのを知っていますか?

2021年10月に開催されたCOP26では、世界の首脳がカーボンニュートラル実現について話し合いましたよね。

自動車分野では「新車販売について主要市場で2035年までに、電気自動車(EV)等の二酸化炭素を排出しない車とすることを目指す」という声明も発表されました。

そこで今回は、自動車産業にフォーカスして、カーボンニュートラルの重要性、カーボンニュートラル実現に向けた取り組みについて解説します。

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カーボンニュートラルとは?【基礎知識】

カーボンニュートラル 自動車 見出し1

そもそもカーボンニュートラルってなんだっけ?

カーボンニュートラルとは温室効果ガスの排出量から、吸収量と除去量を差し引いた合計をゼロにすることを指します。

カーボンニュートラルの実現は、気候変動問題の解決に向けて非常に重要です。

カーボンニュートラル イメージ
カーボンニュートラル」って何ですか?(前編)~いつ、誰が実現するの?」(資源エネルギー庁)内の画像を加工して作成

ちなみに排出量と吸収量、除去量は以下のようにして求められます。

  • 排出量:発電や製品の製造過程などで人為的に排出される温室効果ガスの量
  • 吸収量:植物の光合成などによって吸収される大気中の温室効果ガスの量
  • 除去量:温室効果ガスを他の気体から分離して集め、地中深くに貯留・圧入した量

カーボンニュートラルが何かは分かったけど、なんで大切なの?

カーボンニュートラルの実現は、気候変動問題の解決に向けて非常に重要です。

現在、地球温暖化が進み、10年あたり0.2℃の割合で気温が上昇しているとも言われています。

今後も気温上昇が続けば、大規模な気候問題を誘発する可能性が高くなります。

気温上昇を食い止めるためには、カーボンニュートラルを実現することが重要なのです。

カーボンニュートラル達成に向けた方法

カーボンニュートラル実現のための重要技術として「電化」、「再生可能エネルギー」、「水素」、「CCS・CCUS」の4つが挙げられます。

今回は「電化」に注目してみます。

電化の例としては、自動車の電化(EV)や電化住宅などがあります。

特にEVについては、日本を含む世界各国で将来的にガソリン車やディーゼル車の販売を禁止することが発表されているため、注目度が増しています。

国名各国の新車販売に対する方針
日本  2021年1月、菅前首相が2035年までに新車販売で電動車100%を実現することを表明。
電動車には、「電気自動車(EV)」「燃料電池自動車(FCV)」「プラグインハイブリッド自動車(PHV)」「ハイブリッド自動車(HV)」が該当する。
EU  2021年7月、EUの欧州委員会はハイブリッド車を含むガソリン車など内燃機関車の新車販売について2035年に終了する方針を公表。
米国  2021年8月、バイデン大統領は2030年までに販売される新車の50%以上を、電気自動車と燃料電池車とする大統領令を発令した。
カリフォルニア州やニューヨーク州などの一部の州では、2035年までに州内でのガソリン車の新車販売を禁止する目標を掲げている。
中国 2020年10月、中国政府は2035年をめどに新車販売のすべてを環境対応車にする方向で検討していることを公表した。
新車販売の50%を電気自動車などの新エネルギー車とし、残りの50%を占めるガソリン車はすべてハイブリッド車にする。

2035年が一つの節目になりそうだね…!

運輸部門の二酸化炭素排出の現状

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ここでは、自動車産業が含まれる「運輸部門」のCO₂排出に関するデータを見てみましょう。

運輸部門の二酸化炭素排出量

2018年度の運輸部門からの排出量は約2.1億[t-CO₂]となっており、全体の約18.5%を占めています。

運輸部門の影響力は大きく、排出量削減による効果が期待できます。

自動車の運輸部門での立ち位置

運輸部門と言っても、航空機や船舶などたくさんの種類があるよね?

続いて、運輸部門の内訳を示したグラフを見てみましょう。

乗用車がダントツでCO₂排出量が多いんだワン!

脱炭素に向けた取り組みが進み、近年は温室効果ガスの排出量は緩やかに減少しています。

ですが、依然として自動車産業は特に多くの温室効果ガスの排出をしているのです。

国内自動車産業のカーボンニュートラルへの取り組み

カーボンニュートラル 自動車 見出し3

ここからは、カーボンニュートラル達成に向けた国内自動車産業の取り組みを見ていきましょう。

日本では2020年10月に、経済産業省を中心に「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を策定しました。

国内自動車産業全はこの流れに沿って、排気ガスをゼロにするゼロエミッションを掲げ、電気自動車(EV)の普及を進めています。

国内の自動車メーカーの取り組みを見てみよう!

トヨタの取り組み

これまで、トヨタは10年間で世界の新車のCO₂排出量を23%削減してきました。

また、電動車販売台数は世界で累計1,700万台を突破し、着実に目標を達成してきました。

今後について、トヨタは「マルチソリューション」を掲げています。

そのため、ガソリン車、EV、燃料電池車、水素ガソリン車全てに注力しています。

トヨタは世界で幅広い市場を持っているから、すぐにガソリン車を辞めてEVだけにするのは難しいんだワン!

トヨタは2021年12月にEV戦略に4兆円投資し、30年にバッテリーEVの世界販売を350万台に引き上げると発表し、新たなEVを16台発表しています。

巨大な資本があるから、多様な開発に取り組めるんだね!

ホンダの取り組み

ホンダは、「2040年までにEVとFCV(水素で走る燃料電池車)の販売比率を全世界で100%にする」と宣言しました。

欧州では導入が進んでいますが、日本メーカーとしては初の「脱エンジン宣言」となります。

どのような方法で脱エンジンをするんだろう?

「脱エンジン宣言」達成に向け、ホンダはエネルギーの「マルチパスウェイ(複数の経路)」を提唱しています。

エネルギーの「マルチパスウェイ(複数の経路)」とは

3つの経路を軸に、社会に再生可能エネルギーを循環させる仕組み。

  • 電気の循環(電気サイクル)
    バイクやクルマは電気で動かす。
  • 水素の循環(水素サイクル)
    より大きなエネルギーが必要な長距離移動やトラックなどには水素を使う。
  • カーボンの循環(カーボンサイクル)
    巨大な出力が必要な飛行機には、CO₂を資源としたカーボンニュートラル燃料を活用。燃料を使う際にどうしても出てしまうCO₂を回収し、再利用することでトータルゼロにする。

EV化と水素のハイブリッド戦略がホンダの特徴だね!

水素は、燃焼してもCO₂を排出しないエネルギー源として注目されていて、電化とならんでカーボンニュートラル達成に大切な技術なんだワン!

また、ホンダは2050年までに全製品、企業活動を通じたカーボンニュートラルを目指しています。

日産の取り組み

日産はEV量産化の鍵を握る、「リチウムイオンバッテリー」の開発に取り組んできました。

例として、非接触充電システムや全固体電池の開発が挙げられます。

そして、日産は長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」を掲げています。

  • 今後5年間で約2兆円を投資し、電動化を加速
  • 2030年度までに電気自動車15車種を含む23車種のワクワクする新型電動車を投入し、グローバルの電動車のモデルミックスを50%以上へ拡大
  • 全固体電池を2028年度に市場投入

日産は電動化を2030年までの長期的な戦略の中核に据えていて、2050年度までには製品のライフサイクル全体でカーボンニュートラルを実現する目標となっています。

マツダの取り組み

マツダは2030年までに世界生産のEV比率を25%にする目標を定めています。

エンジン、ボディなどの基盤技術を改良しながら、電動化技術を段階的に積み上げていくことで、より優れた技術を効率的に提供する「ビルディングブロック戦略」を進めています。

EVの比率を25%にするのは、比較的高い目標だね!

スズキの取り組み

スズキは「2050年までに、Well to Wheel(電力の発電エネルギー源まで遡って、CO2排出量を算出する考え方)で新車四輪車が排出するCO2を2010年度比90%減」することを目標としています。

また、2030年までには40%減を目指しています。

カーボンニュートラルに関しての総合的な戦略はまだ発表されていないので、今後の動向に注目が集まります。

スバルの取り組み

スバルは「2030年までに世界販売台数の40%をEVまたはハイブリッド車とする」こと、「2030年代前半には生産・販売する車すべてに電動技術を搭載する」ことを目標としています。

最終的には、「2050年に、Well-to-Wheelで新車平均のCO2排出量を2010年比で90%以上削減」という長期目標を目指します。

スズキとスバルの目標は似ているね!

比べてみると、トヨタ、ホンダは特に多角的な戦略をとっているんだね!

「虻蜂取らず(あぶはちとらず)」になる可能性もあるから、必ずしもたくさんのことに取り組んでいるから優れているという訳ではない点に注意だワン!

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カーボンニュートラルに向けた課題

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カーボンニュートラル達成に向けて、EV化が必ず良いというわけではありません

確かに、EVはバッテリーに蓄えた電力でモーターを回して走るため、走行時に排気ガスを出しません。

ですが、EVで使う電力が火力発電によるものだった場合、発電時にCO₂を排出することになってしまいます。

また、EVの製造段階で発生するCO₂は従来のガソリン車よりも多い場合があります。

だから、ライフサイクルアセスメント(LCA)の導入が注目を集めているんだワン!

ライフサイクルアセスメント(LCA)とは

製品の原料の調達から製造、使用されて廃棄されるまでの最初から最後までの工程でかかる環境負荷を定量的に評価すること。

環境への影響を考える際、LCAに基づいて考えることが望ましい。

一見、環境に良さそうなEVもLCAに基づくと、必ずしも環境に良いと言えない場合があるため、自動車メーカーはLCAによるサプライチェーンの見直しが必要になります。

例えばトヨタは協力会社を中心に、2021 年の目標としてCO₂排出量を前年比3%削減するよう求めています。

ホンダも 2019 年度比で年間4%ずつ減らすよう通達をしています。

電力の確保は?

まず、EVのために、充電ステーションなどのインフラの整備が必要になります。

また、EVの普及によって電力需要が増えると、夏のピーク時などに電力不足に陥る可能性もあります。

その場合、原子力発電や火力発電を大規模に行い、電力不足を補う必要も生じてしまいます。

【まとめ】日本の自動車産業のカーボンニュートラルへの取り組み

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国内の自動車メーカーのカーボンニュートラルへの取り組みがよく分かったよ!

国内自動車産業が抱える環境問題やカーボンニュートラルへの取り組みを解説してきました。

最後に、本記事でもっとも重要なポイントを3つにまとめます。

  • 自動車の二酸化炭素排出量は多く、重要な問題となっている。
  • 国内の自動車メーカーはカーボンニュートラルに向け、EV化など様々な戦略をとっている。
  • 製造から廃棄までの長期的視点で環境負荷を考えることが大切。

日本の自動車メーカーがカーボンニュートラルを上手く達成できれば、ESGSDGsを重視する投資家から注目され、株価が上がることも考えられます。

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