いろはに講義①:企業の財務諸表を読み解くにはどうすればいい?

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この記事の結論

・財務諸表を読めると、投資やビジネス・就活に役立つ

・企業の財務諸表を知るには決算短信・有価証券報告書・決算説明会資料をチェック

・投資家目線では決算短信の方が注目度は高い


【プロフィール】
(株)インベストメントブリッジでインターンをしながら、金融や投資について学んでいる大学2年生。
母親が最近投資をはじめ、株主優待という制度があることを知り投資に興味を持ち始めているが、詳しいことはあまり分からないので基礎から勉強中。
将来の具体的な夢などはないが、投資を理解して、資産形成をしたいと考えている。週一でゴンチャに通っており、中でも阿里山ウーロンティーがいちばん好き。

【プロフィール】
(株)インベストメントブリッジの共同創業者・会長
証券会社出身で、アナリストとしての経験が豊富。
インターン生が悩んでいると、金融や投資について教えてくれる。
ランニングが趣味で、フルマラソンにも参加する。

財務諸表はなんで大切なの?

会長!
私、財務諸表が読めるようになりたいです。

ほうほう。
いきなりどうしたの?

なんか、インターンする中で売上・利益、資産とかを見ていて思ったんです。
これって実は読み解けるようになったら、就活とか有利になるんじゃないかと…

良いことに気づいたね!
実は財務諸表は、誰もが簡単にアクセス出来て、かつ投資にも仕事にも役立つ大切な情報が載っているんだよ。

ですよね!
そもそも財務諸表ってなにがあるんでしたっけ?

財務諸表には、売上や利益などが分かる損益計算書、資産や負債などが分かる貸借対照表、お金の増減が分かるキャッシュフロー計算書の3つがあるよ。

財務諸表をしっかりと分析でき、読み解く力が付けばどんなメリットがあると思う?

んー例えば投資であれば
利益が継続的に出せる会社が分かるとか、ですかね?

そうだね。
毎年赤字続きの会社と黒字続きの会社があれば、後者の方が印象は良いよね。

それ以外にも、 資産と借金(負債)、自己資本のバランスを知ることができるので、会社の財務状況が健全かどうかを知ることもできるよ。

そうですね!
そうすると、値上がりしそうな銘柄や、安定的に成長しそうな企業を見つけることができますね。

このように、財務諸表を読めるようになれば、投資する際の判断の助けにもなるし、ビジネスパーソンにとっては、営業先が欲していること取引先の財務状況なども分析できるようになるんだよ。
今回はまず、どこで財務諸表を見つけられるか学んでいこう!

決算の基礎知識

財務諸表を読もうとすると、必ず3月決算とか12月決算とか出てくるのですが、これはどういう意味ですか?

そうだね。
まず基礎知識として、決算とは企業が一定期間の財務状態や経営成績を清算する一連の手続きのことを指すよ。
そして、その一定期間(1年間)をどこで区切るかを示すのが決算期だよ。

なるほど!
では、3月決算の企業は3月に清算をするということですか?

その通り。
3月決算の場合は、年度が4月から始まり、3月に終わるから、3月にその期間(今期)の財務状態や経営結果を発表するんだよ。

決算期は、会社の繁忙期を避けて設定したり、税金や資金繰りに配慮して設定されるワン!
日本では、3月決算と12月決算が多いワン!

ちなみに、 1年間(4月~3月の業績)のことを通期
最初(4~6月)の3か月間を第1四半期
7~9月の3か月間を第2四半期 …続きは分かるかい?

10~12月の3か月間を第3四半期
最後(1~3月)の3か月間を第4四半期
ですか?

その通り!
決算期にまつわる用語は投資でもビジネスでも頻出なので、覚えておこうね。

あと、注意が必要なのは、 それぞれの決算は単独ではなく、それ以前の四半期決算も含むということ。

どういうことですか?

以下の図表を見てごらん。
段々と数字が積みあがっていくのが分かるよね。

3月決算

なるほど!
決算についてはよく分かりました。

では、企業の財務諸表を調べるにはどうしたら良いのでしょうか?
今は、ブリッジレポートしか読んでいないのですが…

ブリッジレポートは、企業の財務諸表を踏まえて分かりやすく説明しているから、読みやすいよね。
だけど、企業は自社の業績を知らせるために一般的に2つの資料(決算書類:Financial statements)も開示しているよ。

2つの資料とはなんですか?

ズバリ、決算短信有価証券報告書だよ。
詳しく見ていこう!

これらの決算書類は、企業のIRページから見ることができるワン!
詳しくは、以下の画像を見てワン!

(株式会社GameWithのHPより)

財務諸表を見るにはこの資料を読む!

まず、決算短信と有価証券報告書のざっくりとした違いは、
・決算短信は業績を知るための速報版かつダイジェスト版
・有価証券報告書は詳細版かつ正確性が裏付けされているもの
となるよ。

なるほど…でもどういうことだ?

これだけでは分からないと思うから、以下で詳しく解説していくね。

決算短信(Brief financial statements)

まず、 決算短信は、四半期毎に企業から公表される決算発表の内容をまとめたもので、決算後1~2か月で公表されるんだよ。

速報性があると言っていたのに、1~2か月って遅くないですか?

いやいや、決算を迎えたら決算期末までの清算をして、来期予想を組んだり、投資家向けに正確な書類を作らなければならないから、1~2か月はかかってしまうよ。

なるほど…意外と大変なんですね…
そうなると、3月決算の企業の場合は、5月の前半に決算短信が公表される感じですね!

そうだね。
ただ、決算短信は証券取引所が上場企業に提出を求めている決算書類で、後述する有価証券報告書とは違って法定開示書ではないんだよ。

じゃあ出さなくても良いんですか?

法律では定められていないけど、東京証券取引所のルールではあるので、出さないといけないよ。
でも実は、提出期限(45日以内)を遅延しても罰則は無いし、公認会計士による監査報告書(決算報告の内容に誤りがないか)も必要とはしていないんだよ。

そうなんですね。
じゃあ正確ではないんですか?

そんなことはないよ。間違った内容ばかり載せていたら投資家からの信頼が落ちてしまうからね。
一般的に決算短信の情報は正確なので、投資家からはその速報性から有価証券報告書よりも注目されているし、株価も決算短信公表後に動くことが多いんだよ。

有価証券報告書(Financial report)

では、有価証券報告書は法律で義務付けられているんですか?

その通り。
有価証券報告書(有報)は全ての会社に決算後の提出が義務付けられている法定開示書(金融商品取引法)だよ。
監査報告書も必要となるため、決算情報の確定書類というように捉えられているよ。

また、四半期ごとに提出される四半期報告書も決算後45日以内の提出が義務付けられているよ。
ただ、これも決算短信の方が先に公表される場合が多いんだよね。

そうなんですね!
そうなると、投資家の方からすると有価証券報告書の方が信頼性が高いので、注目度も高いのですか?

実はそうでもないんだよね。
有価証券報告書は虚偽や遅延があると法律により罰せられるから、決算短信よりも信頼性は高い。
だけど、決算後3か月以内の提出であるから投資家からの注目度は決算短信よりは低くなるんだよ。

投資家の方はスピードを重視するんですね。
確かに、株価の値動きって早いですもんね…

そうだね。
基本的に株価は「情報」が出たらすぐに動き始めるからね。

ただ、有価証券報告書には従業員数や給与、大株主の状況など詳細な情報が記載されているため、じっくりと投資先を選定したい方や就活生・ビジネスパーソンにとっては良い情報源になるよ。

おまけ:決算説明会資料

最後に、実はチェックしておきたい決算説明会資料について軽く教えるよ。

決算説明会資料って、決算説明会の時に使用する
パワーポイントのスライドですか?

そうそう。
企業は決算毎に機関投資家向けの説明会を開くよね。
決算説明会は四半期毎に開く企業もあれば、上期と通期のみのところもあるんだけどね。

その資料が役立つんですか?

実は、決算説明会資料こそ初心者の方に読んでほしい!
説明会資料は決算情報のみでなくグラフや表を使った説明も記載されているから、決算短信や有報と比べて分かりやすいので。

ほうほう!
早速読んでみますね!

決算説明会資料も、企業のIRページから見ることができるワン!