投資家の種類って何?機関投資家/GPIFも解説!
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この記事は2019年5月3日公開の記事を更新したものです。
この記事の結論
- 投資家は大まかに個人・機関・海外の3種類に分けられる
- 機関投資家でも、GPIFやヘッジファンドなど機関によって投資スタイルは違う
- 海外投資家の日本市場への影響力は大きい
INDEX
そもそも投資家とは?
投資家にはどんな種類があるのかご紹介する前に、そもそも投資家とは何なのでしょうか?
辞書を見てみると、以下のような説明をされています。
事業・不動産・証券などに投資をする人。個人である個人投資家と、法人である機関投資家とに分けられる。
デジタル大辞泉
これだけではあまり意味が分かりませんよね。
簡単に説明すると、投資家とは「将来価値が上がりそうなものにお金/資産を投入して、そこから継続的に利益を得ようとする者。個人もいれば法人もいる。」という意味です。

投資家は3種類に分けられる
もし、あなたが投資を始めたばかりであったり、これから投資を始めるという場合、他にどのような投資家がいるのか気になりますよね。
投資での競争相手は誰なのか?敵を知ることは大切だよね。
投資家の種類を大まかに分けると、以下の3種類になります。
- 個人投資家
- 機関投資家
- 海外投資家
この中でも、個人投資家はイメージしやすいかもしれません。
家族や友人など、あなたの周りに個人投資家がいるかもしれませんし、テレビに出てくる『優待名人』も個人投資家です。
では、機関投資家や海外投資家はどんな人たちなのでしょうか?
3種類の投資家について順番に解説して参ります!
個人投資家とは?
個人投資家とは、文字通り個人で投資をしている方々のことです。
じゃあ私のお父さんも個人投資家ってことね!
日本取引所グループが行った調査によると、2018年度の個人株主数は5,473万人で、5年連続で増加しています。
※株主数は延べ人数のため、個人株主数=個人投資家数ではありません
ただ、個人投資家の中でも投資手法によって様々なタイプがあります。
株価の上下に応じて短いスパンで売買する方もいれば、企業の事業内容や成長性を見て中長期スパンで投資する方もいます。
また、趣味の範囲で勉強しながら投資をする方もいれば、将来のためにコツコツ投資をする方や、投資で生計を立てるプロの個人投資家もいます。

最近ではNISA制度が始まったことにより、投資のハードルも下がってきて、小さな資金から始める個人投資家の方々も増えてきています!
NISAについては以下の記事をご覧ください。
個人投資家の属性は?
では、個人投資家にはどんな方が多いのでしょうか?
日本証券業協会が2018年に行った調査によると、個人投資家(回答者5,000名)のうち過半数は証券保有額が300万円未満であり、31.3%は100万円未満と、小額で投資をしている方が多いということが分かります。

また、69.2%の個人投資家の年収が500万円未満ともなっており、「お金持ちじゃないと投資できない!」という訳でもないようですね。
個人が投資を始めるハードルって意外と低いんだね
個人投資家の特徴は?
個人投資家の特徴(メリット)として挙げられるのは、自分の好きな時に好きなように売買ができることです。
例えば、
- 自分が普段使っている企業の株を買う
- 直感で値上がりしそうな株を買う
- リーマンショックやウイルス蔓延など、株価が下がっているときに逆張りをして買う
など、個人でやっているからこそ、周りの意見は気にせずに自由に売買できます。
※後述する機関投資家は、どうしても期間内に利益を確定しなければならない時もあり、自由に売買できないことがあります。
ただ、個人投資家の資金力は限られているので、後述する機関投資家や海外投資家の売買動向に株式市場が影響され、保有銘柄が値下がりすることもあるので、この点は頭に入れておきましょう。
そして、上場企業にとって個人投資家は必要不可欠な存在でもあります。
機関投資家が売るときに逆張りして買ってくれる個人投資家も多いので、企業にとって個人投資家/機関投資家(海外投資家も含む)をバランスよく株主にするのは大切なことなのです。
特に、自社に愛着を持って投資してくれる「応援投資家」を獲得するために様々な活動をする上場企業も多いですよ。
応援投資家のための企業情報サイト、ブリッジサロンもぜひ覗いてみてください。
確かに、私の大好きな化粧品を作っているメーカーに応援投資したい!
最近ではTwitterで情報発信する個人投資家も多いので、Twitterの投稿によって株価が上下する現象も散見されています。
ただ、これは株価操作にあたる可能性もあるため、大変危険です。
投資の判断は自分でするようにしましょうね。
機関投資家
機関投資家は顧客から預かった巨額の資金を株式や債券等で運用する保険会社や金融機関などのことで、その規模から市場へのインパクトは大きいです。
例えば、皆さんが投資信託(ファンド)にお金を預けた場合、そのお金はファンドマネージャーによって運用されます。
この場合、お金の出処は個人投資家ですが、そのお金が全て集まったAUM(受託資産残高)を運用するのは投資信託会社等に代表される機関投資家になります。

また、身近な例としては私たちが加入している国民年金もGPIF(独立行政法人年金積立管理運用)という年金積立金の管理と運用を行う機関投資家によって様々な商品に投資されています。
GPIFは約170兆円もの運用資産を有していて、世界の年金基金の中で圧倒的ナンバーワンであるため、世界最大の機関投資家とも呼ばれています。
GPIFは動画でも運用状況を報告している
安定的な運用を求める生命・損害保険会社やGPIFは中長期目線での投資が多く、特に保険会社は債券への投資比率が高いです。
また、GPIFは環境や企業のガバナンスに配慮したESG投資も近年強化しています。
GPIFの後を追う形で数多くの機関投資家がESG投資を取り入れており、このトレンドはこれからも拡大していきそうです。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
株価が下がると儲かる!?空売りとは?
GPIFとは対照的に、短期的な売買を繰り返してハイリスク・ハイリターンな投資をするヘッジファンドは、様々な手法を使って大きな利益を出すことを目標としています。
例えば、株価が下がっている軟調な局面でも空売り(からうり)を使って利益が出るようにします。
空売りとは、証券会社から株を借りて、株価が高い時に市場で売り、株価が下がったら買い戻して証券会社に返却する取引のことです。

海外投資家
海外投資家(外国人投資家)とは、『海外在住で日本の株式市場で売買をしている個人や機関投資家』のことで、海外年金基金や投資信託会社、ヘッジファンドなどが含まれます。
また、外資系運用会社の日本支社も含まれます。
海外投資家の日本市場における存在感は極めて強いです。
日本取引所グループが発表している投資部門別売買状況によると、2018年の株式売買代金(東証1部)の約7割を海外投資家が占めています。

そのため、私たち個人投資家が株式売買をする上では、海外投資家の動向に注意を払って値動きを予想することも大切です。
よく株式市場関連のニュースを見ていると、海外投資家の売り越しや買い越しについて触れているのもそのためですね。
例えば、売りが1兆円、買いが1,000億円の場合は、9,000億円の売り越しとなる。
買い越しは、株式を買った量(金額)>株式を売った量(金額)のこと。
おまけ:投資の神様 ウォーレン・バフェット
3種類の投資家についてお分かりいただけたでしょうか?
今回はワンポイント知識として、世界で最も有名な投資家ウォーレン・バフェット氏をご紹介します。
バフェット氏は投資家なら誰でも知っているというほど著名な投資家で「投資の神様」とも呼ばれています。
彼はバークシャー・ハサウェイという投資会社の会長兼CEOを務めていて、50年間の年間平均リターンが約20%ととんでもなく高い実績を打ち出していることでも有名です。(元々は個人投資家でした)
また、彼の投資方針も多くの投資家から支持を得ています。
その投資方針とは「バリュー投資」で、価値が高い会社の株価が割安だと判断したらバフェット氏は低い値段で買い、長期目線で値上がりを辛抱強く待ちます。
また、基本的にバフェット氏は自分がよく知っている会社や業界の株しか買わないという方針も持っています。
このぶれない投資スタンスを持っているバフェット氏は、2018年の世界長者番付では総資産約8兆9000億円で3位となりました。
投資をする際には彼から学べることは多いので、ぜひバフェット氏についての本や記事を読んでみてくださいね!