ノイルイミューン・バイオテック(4893)のIPO初値予想と上場概要紹介

今回はIPO企業の中から、3月29日に東証グロースに上場予定であったノイルイミューン・バイオテック(4893)をご紹介します。(同日は「AnyMind」と「住信SBIネット銀行」が上場予定です)
同社は3月29日に上場予定でしたが、申出により上場延期が発表されました。(2023年3月20日発表)
「グローバルにおいて金融機関の破綻などの混乱が続く中、株式市場の動向など諸般の事情を総合的に勘案した」との理由です。
ノイルイミューン・バイオテックは、CAR-T細胞療法を主とした新規がん免疫療法の開発している企業です。
想定時価総額は341.5億円で、バイオテック業のIPOとなっています。
※上場後、企業様へインタビューを実施できた際に、企業からのメッセージを掲載致します。
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IPO概要・初値予想

まず、ノイルイミューン・バイオテック の初値予想やIPO概要など、次の4つについて解説していきます。
同社を購入検討している方は、ご確認ください。
IPO評価・初値予想

公募比率が高いことや、VC比率が低いことは初値上昇にプラスの要因だと考えられます。
一方、バイオベンチャーはIPOで注目されにくく、業績の不安定さも考慮すると、初値の上昇は一定にとどまると考えられます。
これらの点から、IPO評価: C(予想レンジ1.0倍~1.3倍)と判断しました。
※IPO評価、初値予想は過去のデータを元に編集部が予想したものであり、結果を確約、投資を推奨するものではございません。
詳しい評価項目を知りたい方はこちら(クリックで開きます)
- 発行済み株式数:想定時価総額を計算。
- オファリングレシオ:小さい方が投資家からの人気が高い。市場に出回る株式数が少なくなることを意味するため。
- 公募割合:大きい方が投資家からの人気が高い。企業に資金が多く入ることを意味するため。
- 上場市場:グロースに上場する企業は人気が高くなりやすい。
- 事業のトレンド性:成長市場に位置し、トレンド性が高い企業は人気になりやすい。
- VC保有比率:VCが多くいる企業は事業のトレンド性が高く・成長企業であることが多いが、ロックアップがない場合はIPO後の需給が悪化しやすい
- 売上高成長率・経常利益率:大きい方が人気。過去の業績が良い。
- 前後2週間のIPO数:少ない方が投資家からの人気が高くなりやすい。
- 過去1ヶ月の日経平均リターン:高い方が人気。投資家心理に影響。
初値予想の方法についはコチラ
取り扱い証券
同社のIPO株を取り扱う証券会社は、次のようになっています。
証券会社名 | 割当率 | 割当株数 |
---|---|---|
SMBC日興証券 | 83.4% | 502,800株 |
SBI証券 | 8.3% | 50,200株 |
野村証券 | 4.2% | 25,100株 |
みずほ証券 | 0.5% | 3,100株 |
東洋証券 | 0.5% | 3,100株 |
岩井コスモ証券 | 0.5% | 3,100株 |
あかつき証券 | 0.5% | 3,100株 |
丸三証券 | 0.5% | 3,100株 |
極東証券 | 0.5% | 3,100株 |
マネックス証券 | 0.5% | 3,100株 |
岡三証券 | 0.5% | 3,100株 |
水戸証券 | 0.5% | 3,100株 |
IPOに投資におすすめの証券会社はコチラ
日程・価格
IPOの日程は次のようになっています。
ブックビルディング期間 | 3月14日(火)~3月17日(金) |
当選発表日 | 3月21日(火) |
申込期間 | 3月22日(水)~3月27日(月) |
上場日 | 3月29日(水) |
続いて、価格は以下のようになります。
仮条件 | 720円~800円 |
公開価格 | 3月21日(火)発表予定 |
初値 | 3月29日(水)発表予定 |
過去IPO企業の初値や騰落率についてはコチラ
大株主
株主名 | 比率 |
---|---|
株式会社鶴亀 | 23.27% |
武田薬品工業 | 19.14% |
玉田 耕治 | 9.88% |
石崎 秀信 | 5.37% |
Binex Co., Ltd. | 5.73% |
和田 聡 | 4.71% |
瀬戸 恭子 | 4.71% |
佐古田 幸美 | 3.21% |
大和日立バイオベンチャー投資事業有限責任組合 | 3.18% |
株式会社アプリコット | 2.84% |
企業概要

次に、同社の事業内容や直近の業績推移を確認していきましょう。
事業内容
ノイルイミューン・バイオテックは、「がんを克服できる社会の創生に貢献する」という経営理念を掲げています。
この思いは社名にも表れています。

“No illness(がんという病を克服したい)”という思いと、”No immunity, No life(免疫なくして生命は成り立たず)”という考えから、この社名が生まれました。
“immune”は「免疫」という意味だワン!
素敵な由来だね!
がん市場
同社がターゲットにしているがん市場について見てみましょう。
国内におけるがんの死亡数と罹患数は、人口の高齢化を主な要因として男女共に増加し続けています。
2021年のがん死亡数は38万人以上、2019年のがん罹患数は99万人以上と報告されています。
日本人が生涯でがんに罹患する確率は、2019年データにおいて、男性で65%、女性で51%となっているのです。

また、各がん腫の5年生存率は、特にステージの進んだ癌において低くなっています。

こうした背景から、がんに対する効果的な治療法の開発や普及は極めて重要な社会的課題と言えるでしょう。
ビジネスモデル
同社は、PRIME技術を応用したCAR-T細胞という最新のがん免疫療法を介して、固形がんに対する安全かつ有効な治療薬を開発する事業を展開しています。
PRIME技術って何?
PRIME技術は、がん治療において、患者の免疫細胞を活性化することで優れた治療効果を期待できるプラットフォーム技術です。
この技術は、がん免疫応答を利用する多様な細胞医薬品や遺伝子治療を含めた幅広い再生医療の分野に応用することができます。
さらに、PRIME技術を用いて、固形がんが発現する様々な抗原を標的とした治療技術を組み合わせることで、様々な遺伝子改変免疫細胞療法が開発できます。
これにより、固形がんの治療に向けた新たな可能性が期待されています。
CAR-T細胞療法って?
遺伝子改変技術を用いて「T細胞の能力を直接的に増強する」ことでがん細胞を攻撃する方法が「遺伝子改変T細胞療法」です。
特に、体外に取り出したT細胞に、がん細胞表面のがん抗原を認識するCAR(キメラ抗原受容体)遺伝子を導入することで作製したCAR-T細胞を大量に患者に投与する「CAR-T細胞療法」が高い注目を集めています。

CAR-T細胞自体のがん攻撃能力を高めるのみならず、患者自身の免疫細胞を活性化し、固形がんに対する長期の治療効果を誘導することが、PRIME技術の根幹だとしています。
同社は、自社が主導して創生する「自社創薬」と、PRIME技術を他社にライセンスして医薬品開発を進める「共同パイプライン」の2つの事業モデルを有するハイブリッドビジネスモデルを構築しています。

決算情報
続いて同社の決算情報を見てみましょう。

業績のボラティリティが高いね、
とりわけ、新型コロナウイルスの感染拡大後から大きく減少しています。
これは、研究開発が難航していることが挙げられます。
新薬の開発にかかる期間は、平均13年と言われているんだワン!
利益面で見ても、2期連続の赤字となっており、懸念点の一つになっています。

財務状況は大変健全で、純資産額は年々増加傾向にあります。
また、自己資本比率は97.9%と安全性も高くなっています。
医薬品業界の自己資本比率は平均72%なんだワン!
経営陣
同社の役員は6名(うち1名女性)おり、その中から抜粋で役員の経歴を紹介します。
代表取締役社長 玉田 耕治
1992年6月 九州大学医学部泌尿器科 入局
1998年4月 米国メイヨークリニック医科大学 博士研究員
2002年10月 同大 Assistant Professor
2005年8月 米国ジョンズ・ホプキンス大学医学部 Assistant Professor
2009年9月 米国メリーランド州立大学医学部 Associate Professor
2011年5月 山口大学大学院医学系研究科 免疫学講座 教授(現任)
2016年3月 同社 取締役
2020年9月 同社 代表取締役社長(現任)
最後に、他の企業の上場スケジュールについて知りたい方は「IPOスケジュール」もご覧下さい。
IPO投資をするなら開いておきたい証券口座
- SBI証券
公式サイト:https://www.sbisec.co.jp/
2021年のIPO取扱数No.1。IPO投資をするなら必ず持っておきたい証券会社です。 - マネックス証券
公式サイト:https://www.monex.co.jp/
IPOが完全平等抽選制なので、初めてのIPO投資でも平等に抽選に参加できます。 - SMBC日興証券
公式サイト:https://www.smbcnikko.co.jp/
主幹事になることが多いので、IPOの割当率が高い証券会社です。
※本記事は2023年3月14日時点の情報を元に作成されています。
※本記事内で紹介されている意見は個人的なものであり、記事の作成者その他紹介企業等の意見を代表するものではありません。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の商品や手法を推奨するものではありません。投資に関する意志決定はご自身の判断にてお願い致します。