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ノイルイミューン・バイオテック(4893)のIPO初値予想と上場概要紹介

今回はIPO企業の中から、6月28日に東証グロースに上場予定のノイルイミューン・バイオテック(4893)をご紹介します。(同日はプロディライトが上場予定です)

同社は3月29日に上場予定でしたが、申出により上場が延期されていました。

「グローバルにおいて金融機関の破綻などの混乱が続く中、株式市場の動向など諸般の事情を総合的に勘案した」との理由です。

3月時の計画においては海外売出が9割超だったので、妥当な判断であったと言えます。(現計画では海外売出は約6割となっています)

ノイルイミューン・バイオテックは、CAR-T細胞療法を主とした新規がん免疫療法の開発している企業です。

想定時価総額は311.1億円で、バイオテック業のIPOとなっています。

※上場後、企業様へインタビューを実施できた際に、企業からのメッセージを掲載致します。

曽根原テスト

監修者:曽根原 大介

上智大学 外国語学部卒業。在学中に米 San Diego State University ファイナンス学部に留学。FP3級保持。
2019年より株式会社インベストメントブリッジにて投資家向けWebサイトの運営や上場企業のIRコンサルティングを手掛け、現在は社長室 室長。
日本株やアメリカ株、NISA、クラウドファンディングといった投資に関する記事監修や、学生・新卒向けの金融教育活動も実施。

ノイルイミューン・バイオテックのIPO基本情報

ここでは上場日や、いろはに投資独自の初値予想を見てみましょう。

上場日6月28日(水)
いろはに投資独自の初値予想C(1.0倍以上1.3倍未満)
※想定価格720円から、720円〜936円
企業Webサイトhttps://www.noile-immune.com/
取り扱い証券SMBC日興証券(主幹事)、SBI証券、野村証券、みずほ証券、東洋証券、岩井コスモ証券、あかつき証券、丸三証券、マネックス証券岡三証券、水戸証券

主幹事はSMBC日興証券だよ!

ノイルイミューン・バイオテックのIPO日程と価格

IPOの日程と価格は次のようになっています。

※発表次第更新しています。

想定価格720円
仮条件700~740円
ブックビルディング期間6月13日(火)~6月16日(金)
当選発表日6月19日(月)
公開価格740円
申込期間6月20日(火)~6月23日(金)
上場日6月28日(水)
初値695円

初値は695円と、公開価格の740円を下回ったね。

ノイルイミューン・バイオテックのIPO初値予想

ノイルイミューン・バイオテック IPO評価

公募比率が高いことや、VC比率が低いことは初値上昇にプラスの要因だと考えられます。

一方、バイオベンチャーはIPOで注目されにくく、業績の不安定さも考慮すると、初値の上昇は一定にとどまると考えられます。

これらの点から、IPO評価: C(予想レンジ1.0倍~1.3倍と判断しました。

※IPO評価、初値予想は過去のデータを元に編集部が予想したものであり、結果を確約、投資を推奨するものではございません。

初値予想アンケート

想定価格:720円

The poll has expired!

詳しい評価項目を知りたい方はこちら(クリックで開きます)
  • 発行済み株式数:想定時価総額を計算。
  • オファリングレシオ:小さい方が投資家からの人気が高い。市場に出回る株式数が少なくなることを意味するため。
  • 公募割合:大きい方が投資家からの人気が高い。企業に資金が多く入ることを意味するため。
  • 上場市場:グロースに上場する企業は人気が高くなりやすい。
  • 事業のトレンド性:成長市場に位置し、トレンド性が高い企業は人気になりやすい。
  • VC保有比率:VCが多くいる企業は事業のトレンド性が高く・成長企業であることが多いが、ロックアップがない場合はIPO後の需給が悪化しやすい
  • 売上高成長率・経常利益率:大きい方が人気。過去の業績が良い。
  • 前後2週間のIPO数:少ない方が投資家からの人気が高くなりやすい。
  • 過去1ヶ月の日経平均リターン:高い方が人気。投資家心理に影響。

初値予想方法については、「【IPO初値予想】IPOの評価方法を初心者向けにやさしく解説!過去の事例も」の記事で解説しています。

また、IPO初値・騰落率結果一覧では直近のIPOデータを掲載しています。

ノイルイミューン・バイオテックの主幹事・幹事証券

同社のIPO株を取り扱う証券会社は、次のようになっています。

証券会社名割当率割当株数
SMBC日興証券85.26%1,776,100株
SBI証券5.91%123,100株
野村証券3.14%65,400株
みずほ証券3.14%65,400株
東洋証券0.36%7,600株
岩井コスモ証券0.36%7,600株
あかつき証券0.36%7,600株
丸三証券0.36%7,600株
極東証券0.36%7,600株
マネックス証券0.36%7,600株
岡三証券0.36%7,600株

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>>IPO投資におすすめの証券会社ランキングを見る

大株主情報

大株主の状況は以下の通りです。

第3位の玉田耕治氏は同社代表取締役社長で、山口大学大学院医学系研究科にて教授も現任しています。

株主名比率
株式会社鶴亀23.27%
武田薬品工業19.14%
玉田 耕治9.88%
石崎 秀信5.37%
Binex Co., Ltd.5.73%
和田 聡4.71%
瀬戸 恭子 4.71%
佐古田 幸美3.21%
大和日立バイオベンチャー投資事業有限責任組合3.18%
株式会社アプリコット2.84%
目論見書より上位10名を記載

ノイルイミューン・バイオテックの業績情報

 ノイルイミューン・バイオテック業績情報(百万円)
決算期2018年12月2019年12月2020年12月2021年12月2022年12月
売上高1,55852197100625
成長率-66.6%-81.4%+3.1%+525.0%
経常利益1,19256-604-792-384
成長率-95.3%
経常利益率76.5%10.7%
当期純利益87255-636-795-386
成長率-93.7%
EPS25.78.0-17.9-20.8-9.9
BPS63.164.772.2107.3108.5
目論見書を参考に、いろはに投資編集部が作成
※2019年6月30日付で普通株式1株につき10株の株式分割、2021年11月11日付で普通株式1株につき5株の株式分割を実施しています。
上記表・グラフでは、2018年12月期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算定した場合の数値を記載しております。

業績のボラティリティが高いね…

とりわけ、新型コロナウイルスの感染拡大後から大きく減少しています。

これは、研究開発が難航していることが挙げられます。

新薬の開発にかかる期間は、平均13年と言われているんだワン!

利益面で見ても、3期連続の赤字となっており、懸念点の一つになっています。

ノイルイミューン・バイオテックのEPS2
ノイルイミューン・バイオテックのBPS2
目論見書を参考に、いろはに投資編集部が作成
※2019年6月30日付で普通株式1株につき10株の株式分割、2021年11月11日付で普通株式1株につき5株の株式分割を実施しています。
上記表・グラフでは、2018年12月期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算定した場合の数値を記載しております。

財務状況は健全で、純資産額は年々増加傾向にあります。

また、自己資本比率は92.5%と安全性も高くなっています。

医薬品業界の自己資本比率は平均72%なんだワン!

ノイルイミューン・バイオテックの事業内容

ノイルイミューン・バイオテックは、「がんを克服できる社会の創生に貢献する」という経営理念を掲げています。

この思いは社名にも表れています。

社名の由来
HPより

“No illness(がんという病を克服したい)”という思いと、”No immunity, No life(免疫なくして生命は成り立たず)”という考えから、この社名が生まれました。

“immune”は「免疫」という意味だワン!

素敵な由来だね!

がん市場

同社がターゲットにしているがん市場について見てみましょう。

国内におけるがんの死亡数と罹患数は、人口の高齢化を主な要因として男女共に増加し続けています。

2021年のがん死亡数は38万人以上、2019年のがん罹患数は99万人以上と報告されています。

日本人が生涯でがんに罹患する確率は、2019年データにおいて、男性で65%女性で51%となっているのです。

また、各がん腫の5年生存率は、特にステージの進んだ癌において低くなっています。

こうした背景から、がんに対する効果的な治療法の開発や普及は極めて重要な社会的課題と言えるでしょう。

ビジネスモデル

同社は、PRIME技術を応用したCAR-T細胞という最新のがん免疫療法を介して、固形がんに対する安全かつ有効な治療薬を開発する事業を展開しています。

PRIME技術って何?

PRIME技術は、がん治療において、患者の免疫細胞を活性化することで優れた治療効果を期待できるプラットフォーム技術です。

この技術は、がん免疫応答を利用する多様な細胞医薬品や遺伝子治療を含めた幅広い再生医療の分野に応用することができます。

さらに、PRIME技術を用いて、固形がんが発現する様々な抗原を標的とした治療技術を組み合わせることで、様々な遺伝子改変免疫細胞療法が開発できます。

これにより、固形がんの治療に向けた新たな可能性が期待されています。

CAR-T細胞療法って?

遺伝子改変技術を用いて「T細胞の能力を直接的に増強する」ことでがん細胞を攻撃する方法が「遺伝子改変T細胞療法」です。

特に、体外に取り出したT細胞に、がん細胞表面のがん抗原を認識するCAR(キメラ抗原受容体)遺伝子を導入することで作製したCAR-T細胞を大量に患者に投与する「CAR-T細胞療法」が高い注目を集めています。

CAR-T細胞自体のがん攻撃能力を高めるのみならず、患者自身の免疫細胞を活性化し、固形がんに対する長期の治療効果を誘導することが、PRIME技術の根幹だとしています。

CAR-T細胞療法についてはすでに臨床試験の段階に入っており、2023年12月期から2023年12月期までの間に19億円が費用として投入される計画となっています。

同社は、自社が主導して創生する「自社創薬」と、PRIME技術を他社にライセンスして医薬品開発を進める「共同パイプライン」の2つの事業モデルを有するハイブリッドビジネスモデルを構築しています。

直近IPOの初期予想と騰落結果

直近の4月にIPOした企業の初値予想と結果は以下の通りです。

企業名上場日初値予想初値騰落結果
Ridge-i4/26B(1.3~1.5倍)2.54倍
レオス・キャピタルワークス4/25B(1.3~1.5倍)1.33倍
楽天銀行4/21C(1.0~1.3倍)1.33倍
南海化学4/20C(1.0~1.3倍)1.46倍
エキサイトホールディングス4/19C(1.0~1.3倍)1.27倍

米国の金融不安などがありますが、日経平均は3万円台を維持するなど好調なこともあって直近のIPOは堅調に推移しています。

最後に、他の企業の上場スケジュールについて知りたい方は「IPOスケジュール」もご覧下さい。

IPO投資をするなら開いておきたい証券口座

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