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西部技研(6223)のIPO初値予想と上場概要紹介

今回はIPO企業の中から、10月3日に東証スタンダードに上場予定の西部技研(6223)をご紹介します。(同日は「ニッポンインシュア」が上場予定です)

西部技研は、吸着式除湿機や排ガス浄化装置を製造する企業です。

想定時価総額は666.3億円で、製造業のIPOとなっています。

監修者:曽根原 大介
監修者:曽根原 大介

上智大学 外国語学部卒業。在学中に米 San Diego State University ファイナンス学部に留学。FP3級保持。
2019年より株式会社インベストメントブリッジにて投資家向けWebサイトの運営や上場企業のIRコンサルティングを手掛け、現在は社長室 室長。
学生・新卒向けの金融教育活動も実施。日本株やアメリカ株、NISAの投信積立、仮想通貨などに7年以上投資している。

西部技研のIPO基本情報

ここでは上場日や、いろはに投資独自の初値予想を見てみましょう。

上場日10月3日(火)
いろはに投資独自の初値予想D(1.0倍未満)
※想定価格の3,250円未満
企業Webサイトhttps://seibu-giken.com/
取り扱い証券SMBC日興証券(主幹事)、野村證券、FFG証券、みずほ証券、 三菱UFJモルガン・スタンレー証券

SMBC日興証券は主幹事を引き受けていることが多いよね!

西部技研のIPO日程と価格

IPOの日程と価格は次のようになっています。

※発表次第更新しています。

想定価格3,250円
仮条件2,500~2,600円
ブックビルディング期間9月19日(火)~9月22日(金)
当選発表日9月25日(月)
公開価格2,600円
申込期間9月26日(火)~9月29日(金)
上場日10月3日(火)
初値2,687円

初値は2,687円と、公開価格の1.03倍になったよ!

西部技研のIPO初値予想

IPO評価西部技研

業績は大変好調で、前期の売上高成長率は43.0%、経常利益率は19.2%と高く初値上昇にプラスの要因です。

ただし、今期の売上高成長率はそれほど高くはならないと見られています。

また、創業69年目ということもあってかベンチャーキャピタルの持株比率は低くなっています。

一方で、吸収金額が197億円と大変大きいことが初値に対して大きなネックとなるでしょう。

さらにニッポンインシュアが同日に上場するなど上場予定企業も多く、これも初値上昇にマイナスの要因となります。

これらの点から、IPO評価: D(予想レンジ1倍未満=3,250円未満)と判断しました。

※IPO評価、初値予想は過去のデータを元に編集部が予想したものであり、結果を確約、投資を推奨するものではございません。

初値予想アンケート

想定価格:3,250円

投票は終了しました。ご回答ありがとうございます!

詳しい評価項目を知りたい方はこちら(クリックで開きます)
  • 発行済み株式数:想定時価総額を計算。
  • オファリングレシオ:小さい方が投資家からの人気が高い。市場に出回る株式数が少なくなることを意味するため。
  • 公募割合:大きい方が投資家からの人気が高い。企業に資金が多く入ることを意味するため。
  • 上場市場:グロースに上場する企業は人気が高くなりやすい。
  • 事業のトレンド性:成長市場に位置し、トレンド性が高い企業は人気になりやすい。
  • VC保有比率:VCが多くいる企業は事業のトレンド性が高く・成長企業であることが多いが、ロックアップがない場合はIPO後の需給が悪化しやすい
  • 売上高成長率・経常利益率:大きい方が人気。過去の業績が良い。
  • 前後2週間のIPO数:少ない方が投資家からの人気が高くなりやすい。
  • 過去1ヶ月の日経平均リターン:高い方が人気。投資家心理に影響。

初値予想方法については、「【IPO初値予想】IPOの評価方法を初心者向けにやさしく解説!過去の事例も」の記事で解説しています。

また、IPO初値・騰落率結果一覧では直近のIPOデータを掲載しています。

西部技研の主幹事・幹事証券

同社のIPO株を取り扱う証券会社は、次のようになっています。

SMBC日興証券 90.95%4,238,200株
野村證券5.65%263,500株
FFG証券1.13%52,700株
みずほ証券 1.13%52,700株
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 1.13%52,700株

\主幹事証券で申し込もう/

当選しやすい証券会社ランキング

なかなかIPOが当選しないな…

この記事をご覧頂いている方の中には、1つの証券口座だけでIPO抽選に参加している方も多いのではないでしょうか。

IPO投資で成功するには、複数口座を使い分けて抽選に参加するのがおすすめです。

以下の表では、IPO投資で開いておくべき”おすすめの証券口座”を紹介しています。

証券会社名 取扱数 主幹事数 抽選方法 事前入金
SBI証券 89 13
完全平等抽選: 60%
IPOチャレンジポイントに基づいた配分: 30%
取引状況等を踏まえて定めた配分: 10%
必要
楽天証券 65 0 完全平等抽選 必要
SMBC日興証券 47 24 完全平等抽選: 10% ステージ別抽選: 最大5% ※ほか対面割り当て 必要
松井証券 55 0 配分予定数量の70%以上を抽選 不要
岡三証券 38 0 取引実績に応じて優遇抽選 不要
マネックス証券 60 0 完全平等抽選 必要

※取扱数、主幹事数は2022年のデータ

松井証券や岡三証券は、事前入金不要で抽選に参加できるワン!

大株主情報

大株主の状況は以下の通りで、2位の隈扶三郎氏は同社の代表取締役社長です。

また、第1位の㈱グリーンフューチャーは隈扶三郎氏の資産管理会社です。

株主名比率
㈱グリーンフューチャー26.93%
隈扶三郎(代表取締役社長)23.42%
公益財団法人隈科学技術・文化振興会16.16%
西部技研社員持株会10.84%
下薗誠4.04%
平川美和2.22%
隈優作2.15%
喜田桂祐2.15%
永松資紹2.15%
藤川貴史2.15%
上位10名を記載

ベンチャーキャピタルは大株主にいないんだね!

西部技研の業績情報

西部技研の業績情報(百万円)
決算期2018年12月2019年12月2020年12月2021年12月2022年12月
売上高10,22911,1709,50917,40324,890
成長率+9.2%-14.9%+83.0%+43.0%
経常利益1,3321,1946612,0634,783
成長率-10.4%-44.6%+212.1%+131.8%
経常利益率13.0%10.7%7.0%11.9%19.2%
当期純利益8807637241,6953,908
成長率-13.3%-5.1%+134.1%+130.6%
EPS45.438.536.284.8195.6
BPS275.9326.3362.0704.9955.8
目論見書を元に、いろはに投資作成
※2021年12月期から連結決算へ移行。

直近である2022年12期の売上高成長率は43.0%、経常利益率は19.2%と大変良い経営指標を示しています。

これは、アジア・ヨーロッパにおける電池分野において増大する需要に先行して対応すべく、海外子会社においてデシカント除湿機の供給能力の拡大を図り、それらを受注・販売数増加に繋げたことによるものです。

表内の数値については2021年12月期より連結決算を使用しており、世界の8カ国にある海外子会社との連結決算になっています。

なお2023年12月期は第2四半期までの累計で売上高12,610百万円、経常利益2,287百万円となっており、今期の業績は昨年と同程度になりそうで前期ほどの成長率は見込めていません。

西部技研の業績情報(円)
EPSは左軸、BPSは右軸

EPS、BPSについてもマイナスになることなく好調な業績を維持しています。

業績はかなり好調なんだね!

西部技研の事業内容

西部技研はデシカント除湿機や VOC濃縮装置等の製造、販売、据付・保守などのサービスを行っています。

デシカント除湿機

一般空調に用いられる除湿には主に「冷却式」と「デシカント式=吸着式」の2つの方式があります。「冷却式」は空気中の水分を冷却し結露させて除湿する方式です。
一方「吸着式」は吸湿材に湿気を吸着させて空気を除湿する方式です。
デシカント除湿機は、シリカゲルやゼオライト等の吸着材を用いてハニカム内部に湿気を吸着させて空気を除湿します。空気を冷却する必要がないため、低温時や空気中に水分が少ない低露点環境においても、効率的に除湿することができるのが特長です。

IPO西部技研事業1
目論見書より引用

VOC濃縮装置

VOCとは、Volatile Organic Compounds (揮発性有機化合物)の路語で、浮遊粒子状物質、光化学オキシダント、悪臭等を発生する大気汚染物質のひとつです。
VOC濃縮装置は、塗装、印刷、コーティング等の過程や、VOCを含む化学物質や原材料を使用する製造工場から主に排出されるベンゼンやトルエンといった有害なVOCのみを吸着・濃縮し、効率的な処理を行い、排ガスを浄化させるための、環境保全に貢献する装置です。

IPO西部技研事業2
目論見書より引用

西部技研の強みとなるコア技術は、様々な素材をハニカム(蜂の巣)状に加工できる技術と、そのハニカムに様々な機能剤を添着し、特別な機能を付与する技術です。

ハニカム積層体は「空気抵抗が低い」、「強度に優る」、「表面積が広い」の3つを特徴としており、この技術を用いて特殊な目的を持った装置を製造しています。

IPO西部技研事業3
目論見書より引用

※同社の事業内容分析は近日中にアップデートいたします。

いろんな素材をハニカム積層体にして活用してるんだワン!

直近IPOの初期予想と騰落結果

直近の7月~8月にIPOした企業の初値予想と結果は以下の通りです。

企業名上場日初値予想初値騰落結果
インバウンドプラットフォーム8/30A(1.5~1.7倍)1.38倍
JRC8/9C(1.0~1.3倍)0.92倍
Laboro.AI7/31A(1.7倍以上)2.06倍
クオルテック7/28 C(1.0~1.3倍) 0.92倍
GENDA7/28 A(1.5~1.7倍) 0.92倍

日経平均が足踏みしている中、初値が公開価格を下回ったIPO銘柄もありました。

ですが、条件の良い銘柄はしっかりと強い上昇を見せています。

最後に、他の企業の上場スケジュールについて知りたい方は「IPOスケジュール」もご覧下さい。

IPO投資におすすめのネット証券3選

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