
NISA口座で投資を検討している方の中には、株主優待がもらえないのでは?と悩みを抱えている方もいるでしょう。
確かに気になる!
結論、NISA口座で投資をする場合、つみたてNISA口座では株主優待をもらえず、一般NISA口座では株主優待をもらえます。
この記事ではなぜ2つの口座に違いがあるのか、また株主優待がもらえるおすすめの銘柄などを解説します。
これからNISA口座で投資を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
NISA口座で株主優待をもらえない?

株主優待とは、企業が株主に自社商品や商品券などのサービスといった優待品を贈る制度です。
上場企業のうち約1500社が株主優待制度を導入しています。
株主優待で生活している人もいるよね!
以下でNISAの基礎をおさらいしつつ、NISA口座で株主優待がもらえるのか確認していきましょう。
そもそもNISAとは
NISAとは「Nippon Individual Savings Account」の略であり、購入した金融商品にかかる利益が非課税になる制度です。
個人投資家にとても人気のある制度よね!
本来、株式や投資信託などの金融商品によって得た利益は、約20%の税金がかかります。
しかし、NISA・つみたてNISAを利用すれば、税金がかからずに利益をそのまま受け取ることができるのです。
以下の図はNISA・つみたてNISAを利用した時と利用しなかったときの比較図です。

NISAとつみたてNISAは名前が似ているから、覚えづらいね…
NISAは運用期間が5年と比較的短期間で、120万円という大きな非課税投資枠で個別株への投資も可能です。
反対に、つみたてNISAは、20年間運用できる代わりに、年間上限投資可能額が40万円で投資対象が投資信託とETFのみです。
これらの特徴の違いからNISAは中上級者向け、つみたてNISAは初心者向けという意見も多くあるんだワン!
ただし、2024年からNISAとつみたてNISAは新制度へ移行し、非課税期間が無期限となります。
また、年間投資可能金額も成長投資枠(旧一般NISAのような制度)が240万円、積立投資枠(旧つみたてNISAのような制度)が120万円と大幅に増えるため、より使い勝手が良くなりますよ。
NISA改正について詳しく解説
一般NISAでは株主優待をもらえる
一般NISA口座では個別株へ投資できるため、その企業が株主優待制度を導入して条件を満たすと通常の株式投資と同様、株主優待をもらえます。
NISA口座だからといって株主優待がもらえないことはないので、安心してください。
株主優待を狙うなら一般NISA口座がいいね!
つみたてNISA口座では株主優待をもらえない
つみたてNISAとは、少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です。
少額からの資産形成を後押しするために作られた制度のため、投資対象は投資信託(ETFを含む)に限られています。
一般NISAとは違って個別銘柄へ投資できないんだ
そのため、つみたてNISA口座では株主優待を受けることもできません。
ただし、つみたてNISAは資産形成の第一歩として非常に優秀な制度です。
個別銘柄でタイミングを見計らって売買するのが苦手な方や、一度設定したらほったらかしで投資したい方は、つみたてNISAを始めましょう。
つみたてNISAでは、手数料が安くてローリスクな初心者向けの商品が選べるワン!
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一般NISAで株主優待を狙った投資をするメリット

せっかくの一般NISA口座を株主優待狙いにするのはアリなの?
ここからは一般NISAで株主優待を狙った投資をするメリットを紹介します。
以下で詳しく解説します。
①優待があることで株価下落時の下支えになる
株主優待を提供する企業の株は、そうでない企業よりも価格下落への抵抗力が強いとされています。
というのも理由は、株主優待を目的に保有している投資家が、株価下落時でも売却に踏み切りにくい傾向にあるためです。
たしかに株主優待があれば売却しないって判断する方もいそうだね!
株主優待の存在が株価の下支えとなり、株価の大きな揺れからある程度守られます。
また、株価が下がると株主優待の実質的な利回りは上がるため、新たな投資家を引き付けやすくなります。
この点は、投資のリスクを抑える意味でも一般NISAでの株主優待狙いの投資に大きなメリットがあります。
②長期保有で利回りアップする株式もある
株主優待には、保有期間によって提供される特典が増えるといった、長期保有をインセンティブとするタイプも存在します。
KDDIは5年保有するとカタログギフトがアップするよね!

他にも保有期間が長いほど食事券の額が増えたり、もらえる商品の種類や数量が増えたりします。
これらは投資家にとって長期保有するインセンティブとなります。
そのため、長期投資を志向する投資家にとって、一般NISAで株主優待を狙った投資は、利回りを高める一つの手段となるでしょう。
一般NISAの株主優待おすすめ銘柄5選

一般NISAの口座で購入できるおすすめの株主優待はない?
ここからは一般NISAで狙いたい株主優待がお得な企業を5つご紹介します。
ここで紹介する銘柄の株主優待の情報は、あくまでも2023年5月2日時点の情報です。
株主優待の内容は変わることもあるため、購入前に公式サイトなどで確認しておきましょう。
それぞれの企業については自分でも調べて、投資判断は自己責任でするんだワン!
コジマ(7513)
家電販売大手メーカーのコジマ。
カメラやテレビなどの電化製品や、パソコンなど幅広い電化製品を取り扱っています。

優待内容 | 100株以上:買物優待券1,000円×1枚 500株以上:買物優待券1,000円×3枚 1,000株以上:買物優待券1,000円×5枚など |
基準日 | 8月末 |
株主優待のための最低投資金額 | 54,000円(100株) |
コジマでは、店舗で使える買物優待券が100株保有するともらえます。
また、コジマでも長期保有で優待が拡充する制度がありますよ。
コジマだけでなく、ビックカメラでも利用できるんだって!
クックパッド(2193)
料理レシピの投稿・検索サイトを運営するクックパッドグループ。
月間約5,700万人の利用者数を誇る大手料理サイト「クックパッド」は、使ったことがある方も多いでしょう。
優待内容 ※100株以上で共通 | 1年未満:プレミアムサービス利用料6ヶ月間無料クーポン×1枚など 1年以上:プレミアムサービス利用料1年間無料クーポン×1枚など |
基準日 | 12月末 |
株主優待のための最低投資金額 | 26,300円(100株) |
なんと、クックパッドのプレミアムサービスを無料で利用できるクーポン券が発行されます。

また、1年以上継続保有すれば、無料期間が1年にアップするのも嬉しいポイントです。
月額308円だから、半年なら1,848円相当・1年なら3,696円相当か!
SBIホールディングス(8473)
SBIホールディングスは、証券口座数トップクラスのSBI証券を始め、ネット銀行や保険など総合金融業を営んでいます。
SBI証券を使っている人は多いよね!
優待の内容や権利確定月は以下の通りです。
1株でもらえる優待の内容 | 3月末に1株以上持っている方に健康補助食品、化粧品など50%割引申込券 |
決算 | 3月末 |
配当利回り | 5.69% |
株主優待のための最低投資金額 | 2,636円(1株) |
株主優待の50%割引申込券の一例は以下の画像のようなサプリメントです。

5,000円~1万円程度する商品が半額で購入できるため、気になる方はSBIホールディングスの株を1株でも買っておきましょう。
配当利回りも高いから、配当金を狙った投資家にも人気だワン!
パソナグループ(2168)
パソナグループは総合人材サービスを展開し、人材派遣業の先駆で業界トップクラスです。
1株でもらえる優待の内容 | ①淡路島飲食施設30%OFFクーポン ②淡路島アトラクション50%OFFクーポン |
決算 | 5月末 |
配当利回り | 1.92% |
株主優待のための最低投資金額 | 1,822円(1株) |
1株から受けられる株主優待は、①淡路島飲食施設30%OFFクーポン、②淡路島アトラクション50%OFFクーポンの2種類です。
淡路島観光をしようとしている方に適しているね!
テルモ(4543)
テルモは、医療機器大手でありカテーテルや体外循環システムなどの製品を世界160カ国以上に提供するグローバル企業です。
1株でもらえる優待の内容 | ①自社製品の優待価格販売 ②自社オリジナルカレンダー贈呈(3月) ③自社施設見学会の抽選(9月) |
基準日 | 3月末、9月末 |
配当利回り | 1.00% |
株主優待のための最低投資金額 | 3,995円(1株) |
1株からもらえる株主優待は3種類もあり、3月のみオリジナルカレンダーの贈呈、9月はテルモの施設で医療現場の疑似体験などができる見学会の抽選が実施されます。
また、テルモの看板商品である電子血圧計・電子体温計などを割引価格で購入可能です。

1株持っておくだけで3種類の優待をもらえるのはお得だワン!
一般NISAの株主優待投資におすすめの証券会社

株主優待を貰うには、どこの証券会社を使えばいいの?
株主優待を受け取るためには、証券会社で口座開設をする必要があります。
中でもネット証券はパソコンやスマホで簡単に開設でき、おすすめなのが以下の3社。
どれも初心者を含めて投資家からの人気が高いネット証券なので、順に紹介していきます。
手数料も安いから、個別株投資におススメだワン!
SBI証券
SBI証券はネット証券国内株式個人取引シェアNo.1を誇り、「いろはに投資」の独自調査でも「本当におすすめしたい証券会社No.1」に選ばれているなど、評判が良い証券会社です。
売買手数料も安く、1株単位で売買できるS株(ミニ株)を取り扱っており、少額での投資ができます。
ミニ株の買付手数料は完全無料であるため、これから少額投資を始める方に役立つでしょう。
他社の単元未満株は手数料がかかることもあるから、ありがたいね!
また、つみたてNISAやiDeCoにも対応しています。
これから投資を始めようと考えている方におすすめの証券会社なので、ぜひこの機会に口座開設をしておきましょう。
\投資を始めるなら/
まだ証券口座を持っていない方は、いろはに投資の調査でも人気No.1だったSBI証券がおススメです。
国内株式は1日100万円まで手数料無料、S&P500連動の投資信託やETFも買付手数料無料で投資が出来ます。
SBI証券の詳細記事一覧
楽天証券
楽天証券は、少額で何度も取引できる「いちにち定額コ―ス」では、国内株式を1日100万円まで手数料無料で取引できます。(現物株式)
楽天グループの証券会社ということで、楽天ポイントを使ったり貯めたりしてオトクに投資を始められるのが最大の魅力。
楽天ポイントを貯めているからありがたい!
また、楽天カードや楽天銀行といったサービスとの連携もしているため、お得に株式投資をすることができます。
株式投資をすることで楽天ポイントも貯まるよ!
楽天証券のかぶミニでは業界最安水準で取引可能です。
より気軽に取引できるようになるため、投資初心者におススメの証券会社です。
\無料で口座開設/
楽天証券ならスマホで簡単に「つみたてNISA」ができます。
楽天カード・楽天キャッシュを活用すれば楽天ポイントもザクザク貯まる!
詳しく知りたい方はコチラ
マネックス証券
「米国株投資と言えばマネックス証券」と言われるほど米国株で人気のマネックス証券ですが、日本株投資でも使いやすい証券会社です。
無料の「マネックス銘柄スカウター」では様々な企業の財務分析が出来るため、優待銘柄から投資先を絞り込む際にも活用できます。
手数料は55円(税込)~だワン!
マネックス証券が手掛ける「ワン株」では、買付手数料無料で1株から投資ができます。
NISA・ジュニアNISAにも対応していて、簡単に注文することができます。
マネックス証券が提供する投資SNSと、1株から投資できる投資機能が一つになったスマートフォンアプリ「ferci(フェルシー)」もあるため、SNSでのアイデアを簡単に投資に反映することができます。
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一般NISAで株主優待をもらうまでの流れ

株主優待を受けたいけど、どうやったらもらえるの?
株式優待のもらい方としては、大きく以下4ステップに分けられます。
それぞれ順に説明していきますね。
①証券口座を開設する
株主優待を受けるために株を買おうとした場合、まずは証券会社等の口座を開設する必要があります。
口座開設はネット上から無料で行える会社がほとんどですが、中でも投資初心者に使いやすいのは以下の2社。
どちらも国内大手の証券会社として有名で、優待株投資をしている投資家からも支持を得ています。
上記2社は売買手数料が安く、小額からでも安心して利用できるワン!
証券会社についてもっと詳しく知りたい方は、投資家100人に聞いたおすすめの証券会社ランキングをご覧ください。
②欲しい株主優待銘柄を見つける
株主優待の面白さを最大限に引き出すためには、自分にピッタリの優待銘柄と出会うのが最重要です。
優待銘柄の選び方としては、以下のようなものがあります。
- 自分に興味のある特典がもらえる
- 余剰資金を使って買える額である
- 将来性があって伸びそうな企業である
魅力的な特典かどうかはもちろん大切ですが、無理せず購入できる価格で、将来性がある企業かどうかも要チェックです。
株式優待は銘柄リサーチをしているかどうかが成功の分かれ目だワン!
「とはいえ企業を選ぶのが大変…」という方は、当メディアがまとめたおすすめの株主優待を参考にしてみましょう。
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③期限までに必要な株数を買う
単に株を保有していても株主優待がもらえるとは限らず、各企業の定めた期限までに株を買っておく必要があります。
優待株投資をする上で、最低限知っておきたい用語は以下の3つ。
- 権利確定日
→優待をもらう権利が決まる日 - 権利付最終日
→株を購入すると、優待をもらう権利が得られる最終日 - 権利落ち日
→この日以降に株を購入しても、優待をもらう権利が得られない
つまり株主優待をもらうなら、権利確定日の2営業日前である「権利付最終日」までに株を買う必要があり、具体的には下図の通り。

権利確定日が9月30日(月)である企業の優待を受ける場合、2営業日前の9月26日(木)までには株を買いましょう。
9月27日以降に買ったら、次回の贈呈時期までもらえないんだね…。
④株主優待が送られるのを待つ
株主優待の商品やチケットなどは、後日自宅に送られてきます。
しかしながら権利確定日からすぐに発送されることは少なく、大体は2〜3ヶ月後になる場合が多いです。
「株主優待はいつ届くの?」とはやる気持ちも生まれますが、気楽に到着する日を待ちましょう。
9月が権利確定月なら、発送は11〜12月頃が多いワン!
一般NISAで株主優待を狙った投資をする際の注意点

ここからは一般NISAで株主優待を狙った投資をする際の注意点を紹介します。
以下で詳しく解説します。
一般NISAで購入できる投資は年間120万円まで
一般NISAは年間非課税投資枠が120万円です。
株主優待を得るには100株単位で保有することが条件である企業も多く、20万円の株式であれば6銘柄しか保有できません。
そこまで多くないんだね。
株主優待の内容だけで投資しない
株主優待は魅力的ですが、その内容だけで投資先を選択するのは危険です。
株式投資は企業の業績が悪化した時など株価が急落するリスクも必ず伴います。
企業の競争優位性や業績予想などから、企業の将来性を総合的に判断することが大切です。
軽い気持ちで投資すると大損してしまうこともあるんだね…
塩漬け銘柄になる可能性もある
業績が悪化しても、株主優待を得るために株を手放さない、いわゆる「塩漬け株」のリスクもあります。
優待を受けるために必要な保有期間が存在するため、業績の悪化を見越しても手放せず、結果的に大きな損失を被る可能性もあるでしょう。
また、業績が長期的に低迷すると、企業は経営体質の改善や資金調達のために株主優待の廃止や縮小を決定することもあります。
優待を目的とした投資は逆にリスクとなり得るんだ…
そのため、一般NISAで株主優待を狙った投資をする際には、企業の業績や財務状況など、株主優待だけでない要素にも注目することが必要です。
優待よりも配当金の方がお得
株主優待の魅力に目を奪われがちですが、実は一般NISAの枠を使うなら、配当金を重視した投資がよりお得な場合が多いです。
株主優待を受け取ると「雑所得」と呼ばれる所得扱いになります(参考:国税庁)が、確定申告が必要な場合と不要な場合があります。
雑所得の合計が20万円以下の会社員であれば、確定申告は不要です。
この雑所得は給与所得とは別であり、多くの方は20万円以上になることはないため、基本的には確定申告が必要ありません。
確定申告が不要なのはありがたいね!
一方で、配当金は約20%の税金が課せられます。
一般NISAをフルに活用するなら、税金の控除が大きい配当金を重視した投資がおすすめと言えるでしょう。
株主優待狙いの銘柄は特定口座で購入し、配当金狙いの銘柄は一般NISAと使い分けできるとお得に資産形成できるでしょう。
NISAの株主優待に関するよくある質問

1株から買える銘柄に関して気になっていることが残ってる…
ここからは1株から買える銘柄に関して、よくある質問をまとめました。
以下で詳しく解説します。
Q.一般NISAで株主優待はもらえる?
一般NISA口座で保有しているから株主優待がもらえないことはありません。
企業が設定している条件を満たしていれば株主優待を得られます。
一般NISAは年間120万円までしか投資できないからその点に注意が必要だね!
Q.NISA口座で株主優待をもらうと税金はかかる?
株主優待をもらうと税法上は雑所得として扱われます。
会社員の方は雑所得の売上が20万円以下であれば確定申告をする必要がありません。
株主優待の価値が20万円を超えるようなことは少なく、株主優待で誰がどれくらい利益だせたのか、税務当局が正確に把握するのは難しいため、株主優待に対して事実上課税されていないようです。(参考:税理士ドットコム)
【まとめ】NISA口座で株主優待はもらえる!

NISA口座で株主優待がもらえることが分かったよ!
最後に、この記事の重要なポイントを3つにまとめます。
- 一般NISA口座では特定口座と同様株主優待をもらえる
- つみたてNISA口座ではもらえない
- 株主優待を狙った投資は個別銘柄の分析が必要
株主優待投資は、投資家自身がワクワクしますし、投資初心者の方も始めやすい手法でしょう。
投資スタートのきっかけとして、株主優待を活用してほしいワン!
一般NISA口座で株主優待投資をするなら証券口座が必要なので、SBI証券などの口座開設をぜひ検討してみてくださいね。