ブリッジレポート
(4793:JASDAQ) 富士通ビー・エス・シー 企業HP
兼子 孝夫 社長
兼子 孝夫 社長
企業基本情報
企業名
株式会社富士通ビー・エス・シー
社長
兼子 孝夫
所在地
東京都品川区大崎 1-11-2
事業内容
富士通系ソフト開発。通信・放送関連主体、サービス育成中。売上高の7割前後が富士通グループ
決算期
3月 末日
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2006年3月 31,551 1,579 1,280 748
2005年3月 31,447 1,352 1,189 662
2004年3月 32,815 516 183 -1,392
2003年3月 31,573 1,347 1,105 589
2002年3月 33,912 1,795 1,532 901
2001年3月 31,916 2,971 2,588 1,445
2000年3月 26,889 2,563 2,522 1,423
株式情報(11/13現在データ)
株価 時価総額 発行済株式数 単元株数 決算データ年月 1株配当
886円 10,454百万円 11,800,000株 100株 2006年3月 14.00円
配当利回り PER 1株利益 PBR 1株株主資本 ROE
1.58% 14.54倍 60.91円 0.76倍 1,163.04円 5.67%
富士通ビー・エス・シーの2007年3月期中間決算について、会社概要と共にブリッジレポートにてご報告いたします。
 
会社概要
 
ソフトウェア開発、ソフトウェアサービス、パッケージソフト及びシステム機器販売を行っています。
子会社には、ソフトウェア開発の外注先でもある北京思元軟件有限公司(以下、BCL)と、北京思元軟件有限公司の持株会社であるTOGEN BUSINESS S0FTWARE CORPORATION LIMITED(香港、以下、東元BSC)があります。
一方、同社の親会社である富士通(6702)の持株比率は2006年3月末で56.5%。富士通にソフトウェア製品や開発等のサービスを提供する一方、富士通(株)からシステム機器等を仕入れています。2007年3月期中間決算ベースの富士通グループ向けの売上高は全体の56.9%を占めました。
 
<沿革>
1963年11月、機械器具の賃貸、販売業務を手掛ける日産リース(株)として設立。69年10月、日産コンピュータ(株)に社名変更し、電子計算機のプログラム作成をはじめました。75年6月、富士通(株)が資本参加、翌76年7月に(株)ビー・エス・シー(Basic Software Corporation)に社名を変更しました。86年3月には現社名の(株)富士通ビー・エス・シー(Fujitsu Basic Software Corporation)に変更(99年6月、英文社名をFUJITSU BROAD SOLUTION & CONSULTING Inc.に変更)。88年12月、通産省よりシステムインテグレータの登録認定を受けました。90年9月に東元BSCを、92年7月にBCLをそれぞれ設立。2000年10月、日本証券業協会に株式を店頭登録しました(現JASDAQ上場)。
 
<事業内容>
事業は、ソフトウェア開発(構成比54.4%)、ソフトウェアサービス(同 40.4%)、パッケージ販売(同 2.5%)、システム機器販売(同 2.7%)に分かれます(構成比は2007年3月期中間決算ベース)。
顧客管理や課金(ビリング)システム、セキュリティシステム、あるいは携帯電話などのエンベデッド(組込み)システム等を得意としており、この中間決算では通信向けが売上高全体の29.2%、産業流通向けが同26.3%、そしてエンベデッドシステムが同21.1%を占めました。
 
 
2007年3月期中間決算概要
 
<非連結>
 
減収・増益となりました。
公共向けソフトウェア開発案件の受注が伸び悩んだために売上は減少しましたが、利益面では、チェック体制の強化による不採算プロジェクトの減少、開発効率の向上、協力会社の積極的な活用による開発コスト低減等で売上総利益率が15.2%と1.5ポイント改善、大幅な増益となりました。
 
 
ソフトウェア開発は収益性の高いエンベデッドが伸びたものの、官公庁向けの大型案件が一巡したことで売上高が減少しました。
 
 
<業種別売上高>
 
ここ数年、通信向け売上高の減少が続き売上高全体が伸び悩む一因となっていましたが、底打ち感が出てきました。また、産業流通は案件が増えています。一方、公共は官公庁向けの大型案件の一巡により売上高が減少しました。
 
<顧客別売上高>
 
エンベデッドを中心に一般顧客向けの売上高が増加しており、富士通及びグループ企業向けの売上構成比が56.9%と4.3ポイント低下しました。
 
主な取組み
 
1.エンベデッド事業
 
<売上高の推移>
 
エンベデッドの通期売上高は65億円を計画していますが、70億円という努力目標との中間点程度まで上振れする可能性があります。
 
<今後の展開>
エンベデッド事業は2004年3月期に要員382名で売上高45億円を計上しましたが、2007年3月期には要員が709名に拡大、売上高も65億円超が見込まれています。
 
要員の内訳(人)
 
今後の施策
(1)「携帯電話」を軸に置きつつ「自動車関連」の売上増大を図る
(2)「携帯」の対象顧客はDomesticからGlobalへ転換
(3)Chinaリソースの活用 ⇒ オフショアから中国市場へ進出
(4)「組み込みソフトウェア教育」の推進
 
(1)「自動車関連」売上の拡大
背景
1.Hybrid Carの拡大による自動車の電装化の一層の進展
2.カーナビから総合車両制御へ向けてのソフト開発量の飛躍的拡大
3.国内メーカーの躍進によるグローバル市場でのビジネスチャンスの拡大
 
対応
上記の背景を踏まえ、同社は技術者の増員により顧客と共に拡大展開を図る考えです。
 
(2)「携帯」、DomesticからGlobalへ
これまでの国内市場向けに事業展開してきましたが、今後は市場規模の大きい世界市場を視野に事業展開を図ります。
 
 
(3)Chinaリソースの活用 ⇒ オフショアから中国市場へ進出
1.Chinaリソースの活用
 
 
BCLに出資している中国科学院経由で新人採用を行いBCLの要員を増強すると共に、中国国内協力会社の確保にも努めます。一方、日本においては、プロパー社員の増員と平行して協力会社要員の確保に努めます。
 
2.オフショアから中国市場へ
オフショアの開発の拠点として開発コストの削減に寄与してきたChinaリソースですが、賃金の上昇等で中国労働市場が変化しています。このため、今後はコスト削減のためのオフショアと言う位置付けだけでなく、中国技術者のモチベーションも考慮し、中国マーケットでの展開も進めます。具体的には、業務アプリケーションの開発に比べて、機能や操作がわかりやすく、業務が標準化しやすいエンベデッドへの対応を増やします。エンベデッド技術者の半数を中国マーケットに配置する計画です。
 
 
(4)「組み込みソフトウェア教育」の推進
同社に限らず組み込みソフトウェアの要員が不足しています。例えば、2005年の日本国内の組み込みソフト開発の従事者は17万人に上りますが、それでも7万人が不足していると言われています。「組み込みソフトの品質向上の動き」や「車載システム等自動車業界における標準化の動き」等、組み込みソフトの開発要員の更なる需要の増加が見込まれています。
このため、人材育成の動きが活発化しており、経団連や総務省等で組み込みソフトを中心にした人材育成を検討中です。同社でも、社内教育、協力会社要員教育、顧客教育(開発の観点で共通の場の確保)等の必要性を感じており、教育ビジネスを本業とする企業との連携も視野に入れ、今年度中に教育研修を開始する予定です。
 
2.セキュリティ(FENCE)事業
企業の重要データにアクセス可能な社員は、悪意を持てばいつでも情報を持ち出すことができます。情報漏洩の多くが企業内部から発生しているというデータもあります。
同社が提供するFENCEシリーズは、重要データを暗号化し(FENCE-Pro®)、外部への出力を抑止する(FENCE-G®)ことで、企業のセキュリティを確保します。また、USBキーを使用した認証により(FENCE-AP®)パソコンのアクセスコントロールが可能となり、より強固な情報漏洩対策が実現できます。さらにパソコン上の操作情報を証跡として記録し(FENCE-Tracer®)不正利用の追跡が可能になることにより、”監視されている”という心理的抑止効果が期待できます。
日本版SOX法対策ソリューションとしては、職務の分離に応じた厳格なアクセスコントロールを実現し、端末操作の監視をすることにより、企業のIT統制を支援します。
 
<セキュリティ製品の市場動向>
富士キメラ総研の調べによると、2006年度の同社は、日立ソフトに次ぐ第2位に位置する見込みです。
 
 
<FENCEの売上状況>
 
今年度中には、暗号機能等を強化したバージョンアップ製品を発売する予定です。
 
3.オンメモリデータベース(製品名「Oh-Pa 1/3」)について
オンメモリデータベースとは、大容量データを高速処理が可能な半導体メモリ上に展開し、瞬時に処理することを可能としたデータベースソフトウェアです。同社の「Oh-Pa 1/3」は、メモリによる処理速度の高速化に加え、オンメモリ処理に最適なデータ構造とアルゴリズムによるオンメモリデータ処理技術(株式会社ターボデータラボラトリーの特許技術)によって更なる高速化を実現。PRIMEQUESTをはじめとする64bit時代の基幹サーバに搭載される大容量メモリを効率よく有効に活用する、新発想のアークテクチャに基づく「高速データ処理エンジン」です。
製品名の「Oh-Pa」とは、OHgh Performance Architectureの頭文字をとったものです。オンメモリ処理の驚異的な速さから、ポルトガル語で驚きを表す感嘆詞 “opa!(オーパ)”をかけました。
 
 
本格的な64bit時代の幕開けと大容量メモリ時代の到来により、情報処理の主役はオンメモリへと移行します。
 
 
<RDB(リレーショナルデータベース)との性能比較>
RDBとは、現在、一般的に用いられているデータ管理方式の一つで、ハードディスクドライブを記憶媒体として用いています。同社で行った性能測定試験において、RDBを凌駕する「Oh-Pa 1/3」の圧倒的な処理能力の高さが証明されています(下図)。
 
 
また、同じく同社で行った性能測定試験では、RDBは処理件数(レコード件数)と処理時間が比例関係にあったのに対して、「Oh-Pa 1/3」は処理件数(レコード件数)が増えても、ほとんど処理時間が増えませんでした(下図)。
 
 
<バッチ処理のイノベーション>
従来多重度を上げ、ハードウェアの性能を上げることで対処してきた大量バッチを、「Oh-Pa 1/3」はその圧倒的な処理性能により、方式面も含め改善する(多重度を下げる)ことが可能です。言い換えれば、「Oh-Pa 1/3」は多重度を下げることで、処理方式の簡略化を実現し、APL開発(プログラム開発)の生産性向上や運用コストの低減が可能となります。
現在のコンピュータシステムで一般的に行われているバッチ処理は、例えば、昼間の売買データを夜間に集計して売れ筋商品等を分析して、翌日の販売に活かしています。しかし、データ量の増大により翌朝までに集計・分析できず機動的な販売戦略を組む事ができないと言う問題が起きつつあります。「Oh-Pa 1/3」は、これらの課題に対応するものです。
 
 
<商談の状況と売上計画>
(1)稼動実績
「サークルKサンクス」データウェアハウスシステムのバッチ処理用に採用された「Oh-Pa 1/3」が06年6月に稼動しました。
 
(2)現在開発中の案件
1.「A輸送業」情報系システム
2.「富士通」社内人事情報システム
 
(3)売上計画
 
 
また、シリーズ第2弾製品「Oh-Pa 1/3 High-Speed OLAPソリューション」を06年9月に発売しました。
 
4.業務システムの安定的な開発について
PA会(定期的に開かれるプロジェクト管理の審査会)によるプロジェクトの徹底的なチェックにより、不採算額が減少し原価率の低減が図られています。
 
 
<Topjax Solutionの特徴と適用事例>
Topjax【Total Omni Platform architecture by Java And Xml technology】Solutionとは、Webシステムをはじめとするオープンシステム構築において、上流の業務モデリングから下流のシステム構築までを体系的・効率的にシステムインテグレーションするために富士通が開発したソリューションです。
プロダクト群を含む開発技術体系としてJavaやXMLなどの先端技術を採用し、「開発工程の短縮」、「業務仕様の早期確定」、「品質・生産性・性能の確保と向上」、「開発方式標準化」、「開発技術の短期習得」などの特徴を備えています。
 
 
今期の経営方針
 
1.イノベーションの現実化
国内販売拡大、グローバル化推進によるオンメモリデータベース(Oh-Pa 1/3)の事業拡大
⇒ サークルKサンクスにてシステムが稼動しました
 
2.収益カの向上
(1)プロジェクト審査会によるチェック体制の強化 ⇒ 不採算額が減少しました
(2)Topjax等の導入による開発標準化(生産性・品質の向上) ⇒ 前出適用事例参照
 
3.人材育成、企業としての社会的責任の遵守
(1)社員の技術こそ会社の財産(新技術/特異技術)との考えから、1.Topjax教育の推進、2.エンベデッド技術教育の推進、3.全技術者を対象としたキャリアフレームワーク教育の充実に努めています。
(2)企業市民としての自覚(法令/環境) ⇒ The FUJITSU Wayの採用
 
2007年3月期業績予想
 
<非連結>
 
業績予想に変更はありません。
尚、中間配当金を一株当たり2円増配し8円とします。通期では16円を予定しています。
 
<品目別売上高>
 
<業種別売上高>
 
<顧客別売上高>
 
取材を終えて
減収ながら大幅な増益となった背景には、利益面での課題であった不採算案件の減少があります。前年同期に4億円程度の不採算案件がありましたが、今中間期は2億円程度に減少したそうです。過去数年間の売上伸び悩みの一因であった通信関係受注の底打ちと更なる不採算案件の削減により、同社の業績拡大期待が高まっています。
また、オンメモリデータベース(Oh-Pa 1/3)に関しては、サークルKサンクスでシステムが稼動開始し、販売拡大に向けて具体的な動きが出てきました。
これらも含め、同社の今後の動向を引き続き注目していきたいと思います。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
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