ブリッジレポート
(3067:東証マザーズ) 東京一番フーズ 企業HP
坂本 大地 社長
坂本 大地 社長

【ブリッジレポート】東京一番フーズ vol.3
(取材概要)2007年12月11日掲載
「上場して1年となりますが、今後の成長をし続けるためのポイントとしては、出店計画、人材確保、季節要因の低減の3つの課題をクリアしていく必要があります。人材確保については、一般的に採用が困難になっていく中で、・・」続きは本文をご覧ください。
企業基本情報
企業名
株式会社 東京一番フーズ
社長
坂本 大地
所在地
東京都新宿区新宿5-6-1 新宿やわらぎビル4F 
事業内容
関東圏内「泳ぎとらふぐ料理専門店 とらふぐ亭」の運営
決算期
9月 末日
業種
小売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2007年9月 3,912 370 401 254
2006年9月 3,143 311 325 153
2005年9月 2,302 174 157 88
2004年9月 2,033 85 97 60
2003年9月 1,546 95 111 88
2002年9月 1,201 59 64 37
2001年9月 800 79 83 29
株式情報(12/6現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
48,000円 83,765株 4,021百万円 22.8% 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
0円 0.0% 2,682.89円 17.9倍 18,539.23円 2.6倍
※株価は12/6終値。
 
東京一番フーズの2007年9月期業績について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
会社概要
 
国産養殖とらふぐを使ったとらふぐ料理をリーズナブルな価格で提供する「泳ぎとらふぐ料理専門店 とらふぐ亭」を首都圏でチェーン展開しています。
かつて、ふぐ料理は高価であるというイメージが強く、特に関東地方ではその傾向が顕著で、気軽に食べる料理としての印象が希薄でした。そのイメージを打破するべく、1996年10月、東京でふぐのコース料理を4,980円で提供する「泳ぎとらふぐ料理専門店 とらふぐ亭」1号店をオープン。1998年10月に有限会社東京一番フーズとして法人化、2000年9月の株式会社化を経て、2006年12月に東証マザーズに株式を上場しました。
 
<東京一番フーズの「ビジョン」 “私たちはこだわりを持って、日本の食文化を変えていきます”>
関東ではまだまだふぐ料理の文化がないといわれている中で、「関東でおいしく、かつリーズナブルなふぐ食の文化を築き、こだわりの食材を提供していくことで、日本の食文化も変えていこう」という想いが込められております。産地にも直接足を運び、生産現場を確認するなど、食材全般にこだわりをもっております。
 
◎ 3つのこだわり
1.とらふぐへのこだわり
国産である事、
ホルマリン等の心配がない事
最高級の味である事
元気なままを料理してご提供する事
 
2.食材へのこだわり
美味しさへのこだわり
健康へのこだわり
風土・環境(持続的生産)へのこだわり
 
3.安全へのこだわり
養殖とらふぐの調達に当たり、国内の養殖とらふぐ生産の50%以上を占める長崎県が「適正養殖業者認定制度」を制定して養殖業者の育成・トレーサビリティの強化を政策的に行っているため、長崎県かん水魚類養殖協議会等との連携を図り、良質な食材の確保に努めています。
 
3つの開発
上記のこだわりを推進し、おいしい食事を快適にしてもらうために、開発部分においても同社はこだわりをもっております。
 
1.食材開発
国産養殖とらふぐの独自ルートの構築やお米やたまご、ねぎなどのとらふぐ料理に使われる食材のルートも、直接産地に足を運ぶなど、川上のルートから仕入れております。
また、活魚をなるべくストレスがかからず、新鮮で元気な状態で産地から東京まで輸送できる手段や方法の開発についても積極的におこない、昨今は、輸送が難しいとされている「イカ」についても取り組んでおります。
 
 
<仕入れについて>
同社は東京の新宿区に総計20トンの水槽を設置し、約2300尾を活魚のまま水槽で在庫を持てる配送センターをもっており、長崎県の養殖業者から卸などを通さず直接購入することで、仕入れ価格を低減し、また在庫をもつことで価格変動リスクも低減させております。
 
2.人材開発
同社の強みでもあり、成長のためのポイントとしてあげられるのが、職人の数の増加です。そのふぐ職人を短期的に育成する仕組みを同社は構築しております。比較的厳しいとされている東京都のふぐ調理師免許の合格率も90%前後を継続しております。また、「本物」を提供するには「本物」を知らなければならないと考え、本物の美味を味わうなど、独自の研修システムをもっております。
 
 
3.店舗開発
高級感を醸し出す店作りを進めており、「とらふぐ亭」のロゴを始め、芸術家 片岡鶴太郎氏の創作品を店内に配置し、ジャズBGMで大人の雰囲気を演出しています。
 
 
客席数の約4割が個室。「大切な人と過ごす空間の演出」をコンセプトに専門デザイナーが設計しています。
 
 
店舗数は50店舗となりました。主に首都圏でのドミナント店舗展開を推進しております。
 
2007年9月期業績
 
<連結>
 
外部環境面
記録的な暖冬猛暑となったこともあり、消費動向が大きく変動したことが特に冬が繁忙期にあたる鍋料理関連の業界が大きく影響を受けた年でもありました。
また、食材関連については、偽装事件や中国産輸入食材への危険性への指摘など、総じて食の安全に対する意識が高まり、当初より安全・安心をかかげて推進してきた同社にとっては追い風ではあるものの、暖冬の影響が大きすぎたと言えます。
 
前年同期との比較
06/9期(34店舗)に出店した店舗の寄与で、売上高は前年同期比25.4%増加しました。同社の出店計画は閑散期である下期におこなわれますので、翌上期に新規出店分が寄与してきます。
また、中国産とらふぐの影響等で国産とらふぐ価格が低下、売上総利益率が0.6ポイント上昇したものの、株式公開関連費用の計上や、人件費増、減価償却費の増加などにより、販管費率は上昇しております。
 
計画との比較
記録的な暖冬の影響で既存店売上高(22店舗が対象)が前年同期比5.4%減少した事が響き、売上高は計画を下回りました。一方、国産とらふぐ価格の下落に加え、仕入先との連携強化や価格交渉力向上等の企業努力により売上原価を圧縮により、粗利益率は上昇しましたが、営業利益以下の計画値比較において、売上高の計画に届かなかった影響を埋めるまでには至りませんでした。
 
<暖冬の影響>
同社の中心市場である東京都における平均気温と既存店売上高に与えた影響の相関関係を示したのが下の表です。
これを見ると、2006年9月期では前年比で下回る気温の推移が多く、既存店売上高も前年よりも上回ったものの2007年9月期においては、暖冬猛暑が既存店売上高にも影響与えたことがわかります。
唯一銀座店のみ、前年よりも上回ったわけですが、これは店を改装したことが寄与したとのことです。
 
 
<ふぐ調理資格取得者の推移>
ふぐ調理資格取得者については、東京都63名、神奈川県10名、埼玉県48名、千葉県23名ののべ144名となりました。また、今後の計画については、下図にあるとおり、2008年9月期でのべ165名、2009年9月期でのべ190名を予定しております。 この計画通りに推移すれば、坂本社長が中期目標として掲げている200店舗体制の実現に着実に進むと言えます。
 
 
<貸借対照表>
 
株式上場に伴い、純資産及び受入資金として現預金が増加しました。
また、新規出店に伴い有形固定資産及び投資その他(不動産賃借の保証金)が増加。これらの資金は自己資金で補いました。
 
<キャッシュ・フロー>
 
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は6億9百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益4億40百万円、減価償却費2億97百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は6億70百万円となりました。これは主に新店出店に伴う有形固定資産の取得による支出5億48百万円、投資有価証券の取得による支出1億99百万円、同じく投資有価証券の売却による収入2億円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は5億40百万円となりました。これは株式発行による収入6億11百万円、長期借入の純減額26百万円、社債の償還による支出32百万円によるものであります。
 
2008年9月期業績予想
 
<非連結>
 
増収増益を予想しております。
2007年9月期に出店した16店舗が2008年9月期上期に売上に寄与してくることが主な要因です。
また、同社は鍋料理を主体に展開していることもあり、上期(10月〜翌年3月)が繁忙期であり、下期(4月〜9月)が閑散期となります。閑散期に出店や人材教育などに注力し、繁忙期に回収するというスタンスで事業拡大をしております。したがって、上期にいかに収益をあげるかが通期予想のポイントとなります。
売上原価については、昨年度は国産養殖とらふぐの価格下落等の恩恵を受けましたが、今期については、価格も平年並みまでに戻ることを想定しており、売上高原価率も上昇しております。
また、販管費についても、ここ数年急拡大してきた出店計画の中で、人材の質の強化をさらにおこなう必要性があるとの認識から、人材確保と教育の充実面、また減価償却費の増加等もあり、販管費率の上昇を予想しております。
このことから、営業利益以下の増収率は1桁台となりますが、今後の成長を見据えた先行投資であり、これらの施策が来期以降どう結実するのかを注目していく必要があります。
最終利益につきましては、前年同期比ではマイナスとなっておりますが、昨年度が特別利益があったことによるものです。
 
<同社のSWOT分析>
今後も成長をしていく中で、外部環境面での機会・脅威、また同社の強みと弱みを分析したものです。
これによると、食の安全性や本物志向の高まり、また関東圏でのふぐ食市場の潜在力など、外部環境を生かすためには、職人の数をさらに増やし店舗数を増やしていくという施策が必要ですが、一方で、前述のとおり、暖冬猛暑などの天候面での影響が、鍋料理を主体とするサービス体系である同社にとっては、最大のリスク要因であり、鍋料理以外のメニュー開発や、店舗業態開発などが課題となります。
 
 
<主な施策>
上記SWOT分析を踏まえて、今期における主な施策としては、^汰汗・安心感のさらなる追求、⊃雄牾諒櫃反雄犇軌蕕龍化、ふぐ食における鍋料理以外の調理法の研究、い海世錣蠖材を活かした鍋料理以外の展開、の4つのポイントを踏まえつつ、関東圏で出店していくこととなります。
その意味では、次のステップアップのための足場を固めつつ、成長していくのが今期のポイントとなります。
 
<とらふぐ亭における主な施策>
1.新規出店の推進
繁忙期の売上を高めるためには、新規出店を推進することが重要です。この際、機会ロスをなくし、投資回収の効率を高めるために、閑散期の出店が有効です。
今期の計画としては、15店舗を今下期に出店する予定であり、こまわりのききやすい小型店舗を中心に展開する計画ですが、立地条件によっては、中型・大型店舗に切り替える考えです。
 
 
2.閑散期を利用した効率的な人材育成
同社の店舗オペレーションは、接客頻度が高く、顧客層も広いため、顧客満足度を高めるのは容易ではありません。冬場のピーク時に備え、閑散期を利用した効率的な人材育成で、従業員、アルバイトの接客レベルを高めていく考えです。
 
3.夏季セールによるお客様への認知度向上
夏場でのセール実施等によって、未だ、ふぐを味わったことがない潜在顧客層の掘り起こしに努め、関東圏におけるふぐ食文化の拡大取り組みます。
 
ふぐ料理以外の新たな取り組み
 
同社の強みの一つである、食材開発において、今取り組んでいるのが、「イカ」であります。イカは輸送が難しいということで、東京といえどもなかなか新鮮なイカは手に入れることが困難ですが、とらふぐの輸送で培ったノウハウをブラッシュアップし、新鮮なイカの安定的、低コストでの輸送を研究中とのことです。現在は1店舗での展開ですが、この技術が確立すれば、とらふぐに並ぶ同社の特徴として、事業展開していく考えです。
 
http://www.chanko-naniwa.com/
 
取材を終えて
上場して1年となりますが、今後の成長をし続けるためのポイントとしては、出店計画、人材確保、季節要因の低減の3つの課題をクリアしていく必要があります。人材確保については、一般的に採用が困難になっていく中で、職人の琴線に触れる「ふぐ調理資格の短期取得」があるで、順調に推移していき、中期的目標である200店舗へのめどは見えてきている部分もありますが、店舗は職人だけで運営できるものではなく、店の評価は仲居さんなど多くのスタッフの質の部分に大きく左右されることもあり、このあたりの教育強化もしながら店舗拡大をしていく必要があります。季節要因については、イカなどのほかの業態展開等の実験店舗を増やしていきながら、進めていく考えですが、同社の社名は「とらふぐ亭」ではなく、「東京一番フーズ」ですので、とらふぐだけでなく、食材全般にこだわった会社として時代が求める安心・安全の追求とともに、事業拡大をしていただきたいと思います。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
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今後当分は成長が続くと思います。
東京を中心としたいわゆる関東圏では、未だにとらふぐ料理の認知・なじみ度合いが低く人口と財力の両方を考慮して、一旦知れると爆発的なブームとなる可能性があります。
社会全体が低カロリー、自然に密着した食品を求めていることも追い風となりましょう。坂本社長のご説明で知りましたが『東京都では調理師免許取得に2年の経験がいること』が大きな障壁となって東京一番フーズの一人勝ちを支えるとも思います。毎年冬場が勝負です。

投稿者 T.N : 2008年03月25日 17:56

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