ブリッジレポート
(4793:JASDAQ) 富士通ビー・エス・シー 企業HP
兼子 孝夫 社長
兼子 孝夫 社長

【ブリッジレポート】富士通ビー・エス・シー vol.5
(取材概要)2007年12月11日掲載
「18%の経常増益が見込まれる中、予想PER 9.8倍、PBR 1倍割れにある株価水準について、「なかなかシビアだな」と兼子社長。8月半ばには、やはりエンベデッド・・」続きは本文をご覧ください。
企業基本情報
企業名
株式会社富士通ビー・エス・シー
社長
兼子 孝夫
所在地
東京都港区台場2-3-1 トレードピアお台場
事業内容
富士通系ソフト開発。通信・放送関連主体、サービス育成中。売上高の7割前後が富士通グループ
決算期
3月 末日
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2007年3月 32,089 1,997 1,693 993
2006年3月 31,551 1,579 1,280 748
2005年3月 31,447 1,352 1,189 662
2004年3月 32,815 516 183 -1,392
2003年3月 31,573 1,347 1,105 589
2002年3月 33,912 1,795 1,532 901
2001年3月 31,916 2,971 2,588 1,445
2000年3月 26,889 2,563 2,522 1,423
株式情報(11/9現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
959円 11,799,920株 11,316百万円 7.2% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
20円 2.1% 97.40円 9.8倍 1,254.05円 0.8倍
※株価は11/9終値。
 
富士通ビー・エス・シーの2008年3月期中間決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
会社概要
 
ソフトウェア開発、ソフトウェアサービス、パッケージソフト及びシステム機器販売を行っています。ソフトウェア開発の外注先でもある北京思元軟件有限公司(以下、BCL)と、BCLの持株会社であるTOGEN BUSINESS S0FTWARE CORPORATION LIMITED(香港、以下、東元BSC)の子会社2社を傘下にグループを形成しています。

一方、同社の親会社である富士通(6702)の持株比率は2007年9月末で56.4%。富士通にソフトウェア製品や開発等のサービスを提供する一方、富士通(株)からシステム機器等を仕入れています。2008年3月期中間決算ベースの富士通グループ向けの売上高は全体の62.7%を占めました。
 
<沿革>
1963年11月、機械器具の賃貸、販売業務を手掛ける日産リース(株)として設立。69年10月、日産コンピュータ(株)に社名変更し、電子計算機のプログラム作成をはじめました。75年6月、富士通(株)が資本参加、翌76年7月に(株)ビー・エス・シー(Basic Software Corporation)に社名を変更しました。86年3月には現社名の(株)富士通ビー・エス・シー(Fujitsu Basic Software Corporation)に変更(99年6月、英文社名をFUJITSU BROAD SOLUTION & CONSULTING Inc.に変更)。88年12月には、通産省よりシステムインテグレータの登録認定を受けました。90年9月に東元BSCを、92年7月にBCLをそれぞれ設立。2000年10月、日本証券業協会に株式を店頭登録(JASDAQ上場)しました。
 
<事業内容>
通信キャリア向けの顧客管理システムや企業情報システム、製造業・金融業向け等の業務システム、中央官庁向け各種システム、更には、通信インフラ(携帯電話基地局)向けや自動車エンジン制御分野等でのエンベデッドシステム(組込みシステム)に強みを有しています。
2008年3月期中間決算では、通信キャリア向けが売上高全体の36%、製造業・金融業を中心にした民需及び官庁等の公共向けの民需・公共が32%、エンベデッドシステムが20%、パッケージソフト販売やアウトソーシングサービスが10%、人材サービス等のITサービスが2%を占めました。
 
 
2008年3月期中間決算
 
<非連結>
 
通信キャリア、民需・公共向けのSI開発案件が伸びた上、サービスビジネスも順調に推移。利益面では、売上総利益率の改善に加え、販管費の抑制も成果を上げ、期初予想を大幅に超過。前年同期実績に対しても大幅な増益となりました。
 
<営業利益の増減要因>
 
前年同期と比較してパッケージ販売のコスト負担増や機器販売の利益減少が減益要因となりましたが、増収による原価率低減や不採算プロジェクトの減少等による増益要因で吸収、大幅な増益となりました。
 
<本部別売上状況>
 
第一システム本部において、顧客管理システムや企業情報システム等が安定的に推移した他、第二システム本部において製造業、金融業向け業務システムや中央官庁向けの開発案件等が増加しました。一方、エンベデッドシステムは、自動車エンジン制御分野が増加したものの、通信インフラ(携帯電話基地局)向けの減少等で売上高がわずかに減少しました。ITサービス事業部は、専門性の高い人材の確保ができず減収となりました。
 
<顧客別売上高>
 
比較的大型のSI案件が多かった富士通及び富士通グループ向けの売上が大きく伸び、売上構成比が上昇しました。
 
主要な本部の状況
 
<第一システム本部(通信キャリア系システム)>
大手通信キャリア関連では、顧客管理システム、企業情報システム等、既存のビジネスアプリケーション等の継続案件に加え、次期基幹システムへの移行業務など新たな開発案件の受注にも成功しました。また、インフラ構築等の社会基盤系システムや電力会社向けのシステムも堅調に推移しました。
 
 
下期は、NTTドコモ等キャリア向けでは次期基幹システムやインフラ構築等、NTTデータの大規模社会システムの更新、更にはキャリアサ-ビス系でキャリア各社のネットワークサービス・管理のシステム構築等の売上が見込まれます。
 
<第ニシステム本部(民需・官公庁システム)>
持続的な景気拡大を背景にSI(システムインテグレ-ション)需要が旺盛であった他、アウトソーシングサービス、システム構築サービス等の自主ビジネスによるサービスビジネスについても順調に拡大。製造業、金融業向けの各種業務システムや中央官庁向けの最適化開発等が好調に推移しました。
 
 
富士通の社内システム向け案件が、「Topjax Solution」と「0h-Pa 1/3(オーパ・ワンサード)」を軸に進んでいます。また、民需・官公庁系業務システムでは、生協業務システム、メガバンク勘定系システム、中央官庁向けのシステム最適化、統計システム等が順調に推移しており、下期の売上計上が見込まれます。

Topjax  Solution :富士通の開発フレームワーク
0h-Pa  1/3 :高速なデータ処理が可能なオンメモリデータベース製品
CAP21 :建設業向けERPソリューション

 
<エンベデッドシステム本部>
新たに参入した自動車エンジン制御分野が次世代試作開発等を中心に順調に拡大したものの、通信インフラ開発が一段落した事や、携帯電話関連においてプラットフォーム開発の開始時期の先延ばしがあった事等の影響を受け、エンベデッドシステム全体では前年同期比で微減となりました。
 
 
下期は、先延ばしになっていた携帯電話関連が堅調に推移する見込みです。また、携帯電話に次ぐ柱として注力している自動車関連は、これまでのカーナビに加え、エンジン制御分野、次世代試作開発等を中心に拡大が見込まれます。車両制御全般でのノウハウの蓄積を図っていく考えです。この他、中国での組み込み技術者の増強にも取り組みます。現在100名体制ですが、2009年には250名程度に増員する計画で、既存(北京、上海)の拠点に加え、大連等への展開を検討。中国ローカルの開発案件取り込みも視野に入れての展開を考えています。
 
<パッケージ&サービス本部>
 
1.FENCE & 0h−Pa 1/3
 
情報セキュリティソフト「FENCE」シリ-ズでは、情報漏洩抑止機能を強化した「FENCE-G Premium」、及びWindows Vista(64ビット)対応製品を9月に発売しました。これら新製品の寄与が見込まれることに加え、スマートフォン向けのWindows Mobile 6 対応モバイルセキュリティ製品「FENCE-Mobile」を12月に発売する予定です。
高速オンメモリデータベース製品「0h−Pa 1/3」は、特許契約の改定で価格引き下げが可能になりました。対応するOSやプラットフォームを拡大させ、各種パッケージ製品の高速処理エンジンとしてOEM供給を開始していく考えです。具体的には、対応プラットフォームにインテルXeonプロセッサを追加し、「Data Server」にCPUコア数に応じた新価格体系を導入(8月出荷開始)しました。また、対応OSにSolaris、プラットフォームにSPARC Enterpriseを追加しました(10月出荷予定)。流通小売業(量販店、家電専門店、ドラッグストア、化粧品、フアーストフード)、マーケティングサービス業、官公庁、申国の携帯電話キャリア(数社)等と現在商談中です。
 
2.サービス事業部
 
24時間体制の監視サービスを提供するインターネットデータセンター「天王洲IDC」を基点に、富士通との連携を強化し、東京地区周辺への回帰を強めているデータセンターニーズに応えていく考えです。また、従来からある同社のインフラ部門との連携により、構築から運用までの一貫したサービス体制を強化すると共に、これまでに培ってきたノウハウを活用してフローからストックへのビジネスシフトを進めます。
 
スマートフォンビジネスへの取り組み
 
 
Windows OSの採用で業務での活用が容易になってきた事に加え、GUIの改善により、見た感じでそのまま使える、Office文書(Word、Excel)、PDF文書が利用できる等携帯電話のPC化が進んでいます。
ただ、モバイルならではの考慮は依然必要です。例えば、画面サイズが制限されるため、画面遷移の多さ(レスポンス)が使い勝手を左右します。また、ワイヤレス通信域の制限により、都会でも電波特性、利用者数により繋がらない事もあります。更に、通信パケットのコストが高いため、通信圧縮やコンテンツダウンロード&再利用等の考慮が必要です。 そこで、同社は、
 
 
携帯電話活用のシステム構築を実現するソフトウェア「Mobile Manager」をベースに、スマートフォンビジネスへの取り組みを本格化しました。スマートフォンは今後ビジネスツールとして大きく発展が期待されている分野です。この一環として、スマートフォン向けの暗号化及び情報漏洩抑止製品「FENCE-Mobile」を12月25日に発売します。
 
 
「FENCE-Mobile」は、これまでPC向けのセキュリティ製品として提供してきた「FENCE」シリーズで培った技術をスマートフォン(Windows Mobile 6)向けに応用したものです。スマートフォンとそれに付随する外部メディアの紛失・盗難時の対策として、内部メモリと外部メディアの暗号化機能と、重要データの持ち出しを未然に防止するためにデータの流出経路(外部メディア、無線LAN、赤外線等)や利用可能なアプリケーションを管理する情報漏洩抑止機能を提供します。また、暗号化データはスマートフォンとPC間でデータ交換が可能です。
 
 
「Mobile Manager」にはアプリケーション開発時の実行基盤として実践的なノウハウが詰まっています。更に、スマートフォンには多くのデバイスが搭載されますが、これらをコントロールする為には同社が得意とするエンベデッドシステムの技術が活かされます。
 
 
2008年3月期業績予想と経営方針
 
<非連結>
 
営業利益を9.5%、経常利益を11.1%上方修正しました。
尚、1株当たり年間配当は2円増配の20円(中間配当20円を含む)を予定しています。
 
<本部別売上予想>
 
人材難でITサービス事業部の苦戦が続くものの、エンベデッドシステムを中心に堅調に推移する見込みです。
 
<顧客別売上予想>
 
<2008年3月期の経営方針>
1.売上増大と営業利益確保
売上増大と営業利益確保を念頭に売上330億円、営業利益21億円の達成を目指して2008年3月期に臨みましたが、中間期は売上・利益共に期初予想を上まわりました。これを受けて、通期予想を売上332億円、営業利益23億円に上方修正しました。更なる売上増大と営業利益確保のため、「技術」を徹底的に追求します。
 
2.「明日」のための仕込みに注カ
新規顧客の開拓、工ンベデッドシステムの「自動車」、「0h-Pa 1/3」、「Topjax Solution」等、明日に繋がるイノベーションの実現に取り組みました。この結果、エンベデッドシステムで「自動車」向けが進展した他、日本発のデファクトスタンダードを目指してスマートフォン関連ビジネスの取り組みを開始しました。
 
3.人材育成、企業としての社会的責任の遵守
「社員の技術こそ会社の財産(新技術/特異技術)」との方針の下、エンベデッド技術教育を推進(協力会社も含めた取り組み)すると共に、全技術者を対象としたキャリアフレームワーク教育の充実にも注力。また、法令順守や環境保護等、企業市民としての自覚を促すべく、The FUJITSU Wayの遵守、環境活動への参画に努めています。
 
取材を終えて
18%の経常増益が見込まれる中、予想PER 9.8倍、PBR 1倍割れにある株価水準について、「なかなかシビアだな」と兼子社長。8月半ばには、やはりエンベデッドに強みを持つ同業のエヌアイディ(2349)の株価が急騰、現在、予想PER15倍の水準にあります。同社とエヌアイディは、BPSはほぼ同水準で、EPS、DPS(1株当たり配当)はエヌアイディが勝るものの、エヌアイディの今期業績は3%の経常増益予想です。財務体質の良さもよく似ており(わずかに借入金のあるエヌアイディに対して、同社は無借金)、大きな違いを挙げるとすれば、富士通のグループ企業と独立系といったところでしょうか。エンベデッド等の伸長等で富士通依存度は趨勢的に低下傾向にありますが、グループ企業であることのメリットもあり、富士通依存度の低下が本当にいい事なのかどうか、なかなか難しい問題です。しかし、携帯電話のPC化が進む中、Mobile関係のセキュリティを自前の技術で手掛ける事ができる企業は同社を含めて3社程度と言われています。財務内容の良さとMobile関連の技術力に、何時、スポットライトが当たらないとも限りません。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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