ブリッジレポート
(9619:東証1部,大証1部) イチネン 企業HP
黒田 倖稔 社長
黒田 倖稔 社長

【ブリッジレポート vol.3】
2008年3月期決算業績および中期経営計画レポート
取材概要「前期決算は3.2%の減収ながら営業利益、経常利益は大幅増益を達成した。同社は「量から質への転換」を中期経営計画に掲げ、売上げよりも利益重・・・」続きは本文をご覧ください。
2008年7月1日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社イチネン
社長
黒田 倖稔
所在地
〒532-8567 大阪市淀川区西中島4-10-6
事業内容
リース車両の整備受託首位。自動車メンテ、燃料販売等も展開、ケミカル事業を強化育成中
決算期
3月 末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2008年3月 52,684 2,878 2,537 1,746
2007年3月 54,406 2,266 1,956 1,049
2006年3月 45,209 2,249 2,050 1,113
2005年3月 48,497 2,031 1,837 1,150
2004年3月 42,914 1,318 1,112 478
2003年3月 41,005 1,015 800 391
2002年3月 42,238 1,749 1,427 538
2001年3月 38,489 1,324 1,250 26
株式情報(6/20現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
575円 22,883,372株 132億円 14.4% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
16円 2.8% 81.72円 5.9倍 528.59円 1.1倍
※株価は6/20終値。発行済株式数は直近発行済株式数から自己株式を控除。
 
イチネンの2008年3月期決算および中期経営計画について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
自動車など各種動産のリース・レンタル及びリース契約満了車等の処分を行うリース事業、点検・整備や法定点検を行う自動車メンテナンスの受託事業、キャッシュレスで給油ができる自動車燃料給油カードを通して燃料販売を行う燃料販売事業、石油等の燃焼効率を高める効果がある燃料添加剤等のケミカル事業、及びコイン駐車場運営等のパーキング事業等を手掛けている。それぞれが連結営業利益の10%以上のシェアを獲得することを目標とする「連邦制経営」を推進しており、グループ業績の安定性と成長性の確保を目指して、事業の拡大と企業価値向上に努めている。
 
<沿革>
ルーツは、1930年6月に大阪市で創業した石炭販売業の黒田重太郎商店。63年5月に黒田商事株式会社(69年11月に株式会社 イチネンに商号変更)として法人組織に改組され、エッソスタンダード石油株式会社(現:エクソンモービル有限会社)の代理店として、ガソリン、産業用燃料の販売を開始した。その後、自動車関連で事業を横展開し、68年7月に自動車整備事業を、69年12月には自動車リース事業を、それぞれ開始した。自動車リースではパイオニア的な存在で、オリックスや住商オート等よりも事業歴は古い。更に、80年2月には法人やリース会社が保有する自動車のメンテナンスの受託を、87年4月にはリース満了車等の処分業を開始した。

新規事業の育成にも努めており、2002年8月にはパーキング事業、04年5月には(株)コーザイを買収して自動車・産業用ケミカル事業に参入。06年2月には、JASDAQ市場に株式を上場する化学メーカー タイホー工業(株)を子会社化、同年10月には、タイホー工業とコーザイが合併し、(株)タイホーコーザイを設立した。07年4月にはイチネンBPプラネット(株)を設立し、車体修理管理サービスを開始した。
資本政策では、94年8月の大証二部(旧:新二部)上場、03年4月の東証二部上場を経て、05年9月に東証・大証一部に上場。 07年9月に(株)タイホーコーザイを株式交換により完全子会社化した。
 
<事業内容>
リース事業
金融サービスの一環であるファイナンスリースではなく、自動車整備事業で培った技術とノウハウを活かしたメンテナンスリースが中心。メンテナンスリースには、車両管理業務の軽減、資金の有効活用、車両経費の削減等、ファイナンスリースにない様々なメリットがある。
 
自動車メンテナンス受託事業
メンテナンスを中心とした車両管理のアウトソーシング事業であり、法人やリース会社が保有する自動車のメンテナンス受託サービスを行っている。点検実施率は業界No.1を誇り、約6,400社のサービスネットを通して全国どこでも高品質な「安全」と「安心」をお届けられるのが強み。07年4月より子会社イチネンBPプラネット(株)が開始した車体修理関連事業が当セグメントに含まれている。
 
燃料販売事業
当事業の核であり、全国のエッソ・モービル・ゼネラルのサービスステーションでキャッシュレス給油ができる「エクソンモービル・コーポレート・プラスカード」の発行枚数は15万枚を突破。請求・支払の一元化による業務軽減、毎月見直しの全国統一価格によるコスト低減といったメリットを提供している。また、同カードの営業活動は、リース・自動車メンテナンス受託事業における新規開拓の先兵的役割も果たしている。
 
ケミカル事業
燃料添加剤、産業用溶剤、高性能潤滑剤の工業用薬品類、化学品類(クリンビュー、イオンコート、ノータッチ等といったカーケア用品やゴム・プラスチックの表面処理加工、各種クリーナー)の製造・販売。石油・石炭等の燃焼効率を高める燃料添加剤では国内シェア80%を誇っている。
 
パーキング事業
総合病院や商業施設等の来客用駐車場及びコインパーキングにターゲットを絞って展開している。
 
その他事業
卸売自動車用品の販売業務、損害保険代理店業務、不動産の賃貸及び管理を行っている。
 
 
2008年3月期業績(連結)
 
<損益計算書要約>
 
2008年3月期の売上高は526.8億円、前年比3.2%減となったが、不採算の官公庁等との取引を中止したことが主要因であり、当初から予想された範囲内。
利益面では、各種の不採算事業等を見直した結果、減収にもかかわらず営業利益、経常利益は各々前年比で27.%増、29.7%増となった。ただし、計画値よりは下回っているが、これは主にメンテ事業の引当金1.8億円を計上したことによる。また当期純利益は計画を上回ったが、これは税効果のプラス2億円による。
 
<要約貸借対照表>
 
固定資産の増加は主にパーキング事業用の土地を大阪市の中心部に4ヶ所購入(約80億円)したことによる。一方でリース資産が減少したが、これは不採算取引を見直したことにより、契約残高が減少したため。
 
<キャッシュ・フロー>
 
 
<連結売上高の要因分析>
 
 
リース事業では不採算取引を見直した結果、売上高はほぼ横ばいに留まった。
メンテ事業の売上高が大きく減少したのは、官公庁等との不採算取引が契約満了となったため。
その他事業の売上減の主要因はカー用品事業の店舗クローズ(約3.4億円)による。
 
<連結営業利益の要因分析>
 
 
リース事業では、リース満了車の処分粗利が約2億円増加した。
メンテ事業では、官公庁等との不採算契約が満了したことにより、上記のように売上高は減少したものの、営業利益は4.5億円改善した。
ケミカル事業では、合併効果により販管費を約2.2億円削減、これにより営業利益は改善した。
燃料事業では、仕入れ価格が常に上昇する傾向にあり、その価格転嫁の遅れ(ずれ込み)により営業利益は減少した。
パーキング事業でも依然として不採算物件が多いことから営業減益となった。
 
中期経営計画
 
会社側は2011年3月期を最終年度とする「中期経営計画」を発表しているが、その骨子は以下のようである。
 
 
同期間の収益目標は下表のようになっている。会社側は、売上金額にはトコトンこだわるわけではないが、その中身については意識して変えていく、すなわち採算性を重視していく、と述べている。
 
 
また各事業別の売上高および営業利益を下表のように計画している。
 
 
成長戦略
 
同社では、「ケミカル事業」と「パーキング事業」を、今後の成長を牽引する分野、すなわち成長戦略上、重要な分野と位置づけている。
 
<ケミカル事業>
 
下図に示されたように昨今のエネルギー市場は大きく変化しており、燃料添加剤の需要は世界的に一段と増加することが予想されている。同社ではこの機会を逃すことなく、この分野での売上げ増を最重要課題(戦略)と考えている。
 
 
 
 
 
<パーキング事業>
 
同事業の最大の課題は「高効率化」。これを実現するために収益性の高い土地を積極的に取得していく方針。また従来型の土地の有効活用を目的としたパーキング事業だけでなく、店舗、商業施設、病院などに付帯したパーキング事業なども積極的に展開していく計画だ。
 
 
取材を終えて
前期決算は3.2%の減収ながら営業利益、経常利益は大幅増益を達成した。同社は「量から質への転換」を中期経営計画に掲げ、売上げよりも利益重視の姿勢を鮮明にしているが、これが実現されつつあることは評価出来よう。今期以降もこの「量から質への転換」を推進する計画であり、どこまで計画数値を実現出来るかが注目される。この計画から大きく外れることがなければ、株式市場での評価もさらに高まると思われる。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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コメント

車のリース販売をはじめとして燃料の販売やパーキングの設置など車に関しての全体的な分野に取り組み特に発電燃料の変化を見逃さずに国内シェアを70パーセントも持っているところはすごくいいと思います。
ガソリンの値上げなど車産業が難しい中で今後ますます燃料のコスト削減に取り組んで欲しいです。
土地の有効的な使い方としてパーキングを設置し運転手側にも地域の人たちにも配慮した考えを持っているのは好感が持てます。

投稿者 S.K. : 2008年08月04日 14:49

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