ブリッジレポート
(7595:東証1部) アルゴグラフィックス 企業HP
藤澤 義麿 会長兼CEO
藤澤 義麿 会長兼CEO

【ブリッジレポート vol.2】2009年3月期第1四半期業績レポート
取材概要「3次元CADの市場成長率は年率3〜5%だが、同社の第1四半期はこれを大幅に上回る増収率となった。もちろん、短期的には振れがあり、第1四半期だけ・・・」続きは本文をご覧ください。
2008年8月12日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社アルゴグラフィックス
会長兼CEO
藤澤 義麿
社長兼COO
澤田 米生
所在地
東京都中央区日本橋箱崎町5-14
事業内容
CADシステム販売、保守サービスが主柱、自動車向け半分。科学技術計算システム構築も強い
決算期
3月末日
業種
卸売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2008年3月 29,272 2,326 2,412 1,201
2007年3月 27,813 2,131 2,255 999
2006年3月 30,703 2,836 2,887 1,649
2005年3月 28,503 2,798 2,849 1,590
2004年3月 24,514 2,022 2,074 1,153
2003年3月 20,582 1,629 1,630 883
2002年3月 20,992 1,935 1,927 1,083
株式情報(8/1現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
1,351円 10,453,956株 14,123百万円 7.2% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
50円 3.7% 124.80円 10.8倍 1,309.73円 1.0倍
※株価は8/1終値。発行済株式数は第1四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
アルゴグラフィックスの2009年3月期第1四半期業績について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
PLMソリューション、システム構築支援、ハードウェア(HW)保守等のサービスを提供している。PLMとは、Product Lifecycle Management の略で、製品の設計から製造、販売、保守、廃棄に至るまでの全工程を管理する事。PLMソリューションは、製造業における物造りの全工程の生産性向上を視野に入れたトータルなソリューションを提供するものだ。
 
<事業内容>
事業は、PLMソリューション(08/3期売上構成比68%)、システム構築支援(同25%)、及びPLMソリューションやシステム構築支援で提供した機器の保守を行うHW保守・その他(同7%)に分かれる。

PLMソリューションは、更に3次元設計システムの販売、CAD応用技術支援収入、及びソフトウェアメンテナンス等のサービス料に分かれる。
3次元設計システムの販売では、フランスのダッソー社が開発した「CATIA」を活用する機械系CADシステムと、子会社の(株)ジーダットが開発した「アルファ−SX」を活用する電子系CADシステムが主力製品であり、前者は主に自動車・航空機・電気・機械メーカーで使用され、後者は主にこれらのメーカーに半導体・液晶を提供する企業で使用されている。
CAD応用技術支援は、「金型の自動設計」、「衝突実験」、「製造ライン変更のシミュレーション」、「構造解析」、「部品表の作成」、「海外拠点とのデータ交換」等、物造りに係る広範な分野にわたっており、ユーザー支援のみならず、同社自身が業務を受託するケースもある。

取引先は、自動車、電気、精密等のメーカーが多く、ソニーグループ、ホンダグループ、ニコン、スタンレー電気、富士重工等が売上上位を占める。
 
2009年3月期第1四半期業績
 
 
前年同期比17.2%の増収、同74.3%の営業増益。
主力のPLMソリューションの売上が伸びた他、価格低下の影響を受けたシステム構築支援も増収を確保。PLMソリューション、システム構築支援の増収に伴い、ハードウェア保守・その他の売上も増加した。また、PLMソリューションでは、アルゴグラフィックスを中心に「CATIA」関連の売上が増加した他、子会社(株)ジーダットが開発した「アルファ−SX」搭載の電子系CADシステムの売上も半導体メーカー向けを中心に伸びた。

利益面では、増収効果に加え、限界利益率の高い自社開発製品「アルファ−SX」の寄与もあり、売上総利益率が前年同期の23.6%から25.6%へ上昇、売上総利益は2,026百万円と同27.6%増加した。一方、販管費は同5.7%の増加にとどまり、大幅な営業増益となった。

尚、前年同期は試作用システム受託開発を手掛ける(株)アルゴハイテックが連結されていたが、07年12月のMBO(Management Buyout:経営陣による買収)に伴い連結対象子会社から持分法適用関連会社へ変更となった。このため78百万円の減収要因が発生したが、利益面も含めて連結業績への影響は軽微であった。
 
 
キャッシュ・フロー
営業活動によるCFは、979百万円(前年同期は344百万円)。利益の増加に加え、売上債権の回収が進んだ事、及び前受金の増加等が前年同期比大幅増の要因。投資活動によるCFは、-1,078百万円(同202百万円)。大幅なマイナスとなったのは、余資運用による長期性預金(300百万円)や預金(438百万円)への預け入れによる。財務活動によるCFは、2,876百万円(同-456百万円)。自己株式の売却収入(3,364百万円、注)で大幅なプラスとなった。
この結果、第1四半期末における現金及び現金同等物は、前期末に比べ2,771百万円増加し、8,139百万円となった。

(注)
同社が保有していた自己株式2,370,000株を、第三者割当増資により、08年6月11日付けで住商情報システム(9719)に割当てた。この結果、住商情報システムは、アルゴグラフィックスの議決権の22.67%を有する筆頭株主となり、アルゴグラフィックスは住商情報システムの持分法適用関連会社となった。
 
2009年3月期業績予想
 
 
前期比5.9%の増収、同10.0%の営業増益予想。
引き続きPLMソリューションを中心に堅調な推移が見込まれるものの、主要顧客である自動車メーカーや半導体メーカーを取り巻く環境の厳しさを踏まえ、期初に発表した予想を据え置いた。
 
トピックス
 
<KEN OKUYAMA DESIGN社との業務・資本提携>
当社は、米国のゼネラル・モーターズ(GM)、ドイツのポルシェにてカー・デザイナーとして実績を挙げ、イタリアの名門デザイン工房 ピニンファリーナにて、フェラーリやマセラティなど高級スポーツカーのデザイン部門責任者を務めた世界的な工業デザイナー 奥山清行氏が立ち上げた、株式会社KEN OKUYAMA DESIGNと業務提携すると共に資本参加を行なった。

アルゴグラフィックスは自動車業界を中心に広く採用されている三次元CADシステム「CATIA」の国内最大手プロバイダーとして、設計・開発、生産管理、製品メンテナンスなど「モノづくり」のプロセス全体の最適化についてソリューションを提供している。今回の業務・資本提携により、世界的な工業デザイナーとして欧米での豊富な実績を有する奥山氏の協力のもと、「モノづくり」での最上流分野であるスタイリング領域に対するコンサルティング機能を強化する考え。

KEN OKUYAMA DESIGN社は、本年3月ジュネーブ国際モーター・ショーにて、日本発、世界ブランド・スポーツカー、「K07」「K08」を発表した。 「K07」は高効率化と軽量化を目的とした素材感をコンセプトとし、ドライ・カーボン、アルミ・パーツでボディを構成し、質感を高めるため塗装は行わない。また、「K08」は将来的には電機モーター搭載モデルの投入を計画している等、両車種ともデザイン面のみならず、最先端技術を搭載する本格的スポーツカーとして注目を集めている。今後、アルゴグラフィックスの自動車関連部門での協業・コラボレーションを推進し、日本発の世界ブランドの製品作りに貢献したいと考えている。

奥山清行氏は、地場産業振興への貢献として「山形カロッツェリア研究会」の代表も務め、地元山形県産の家具製品などのデザイン・プロデュース活動にも精力的に参画しており、地域の伝統技術を活かして付加価値の高い製品を直接国際見本市に出品するなどの活動でも注目されている。また、家具、建築、眼鏡、ロボット、時計など各種の工業デザインにも活動領域を広げている。このため、家電・カメラ・精密機械・スポーツ用品等のデザイン分野向けのCADシステムを展開している連結子会社(株)フォルムウェアとの協力関係も強化していく方針。
 
 
取材を終えて
3次元CADの市場成長率は年率3〜5%だが、同社の第1四半期はこれを大幅に上回る増収率となった。もちろん、短期的には振れがあり、第1四半期だけで軽々に判断できるものではないが、3次元CADの高機能化が進み、また、IT投資の費用対効果が厳しく問われる中、同社が提供する高度な技術サポートがユーザーの支持を集めていると考えて良いのではないか。
足下のユーザー業界の事業環境の厳しさから、通期の業績予想については慎重な姿勢を崩していないが、現状、具体的な懸念材料があるわけではない。また、最終製品の需要動向等から生産設備への投資が抑制される事はあっても、同社が関与する上流工程の設備投資は、中期的な競争力の源泉となるだけに、短期的な業績変動の影響を受け難いという面もある。順調なスタートを切った09/3期の業績に期待したい。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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