ブリッジレポート
(7725:東証マザーズ) インターアクション 企業HP
木地 英雄 社長
木地 英雄 社長

【ブリッジレポート vol.8】2008年5月期業績レポート
取材概要「前期決算の実績、今期の予想とも大まかな数字だけの説明で、製品別売上高や向け先(顧客)別売上高など詳細な説明がなされなかった。そのため・・・」続きは本文をご覧ください。
2008年8月12日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社インターアクション
代表取締役社長
木地 英雄
所在地
横浜市金沢区福浦 1-1
事業内容
CCDやCMOSセンサー等の検査工程向け光源装置が主力。光ファイバーセンサーを育成中。
決算期
5月末日
業種
精密機器(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2008年5月 1,724 -159 -226 -169
2007年5月 1,909 13 24 -43
2006年5月 2,090 155 141 96
2005年5月 1,311 39 27 9
2004年5月 2,520 866 802 416
2003年5月 1,710 610 604 329
2002年5月 242 -239 -253 -151
2001年5月 805 136 120 64
2000年5月 503 83 73 38
株式情報(7/25現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
25,500円 63,841株 1,628百万円 N/M 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
0円 0.0% 157円 162.79倍 31,845円 0.80倍
※株価は7/25終値。発行済株式数は直近期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
インターアクションの2008年5月期業績について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
会社概要
 
デジタルカメラ等に使用されるCCDやC−MOSイメージャといった撮像半導体の検査に用いられる光源装置・光学検査装置メーカー。光源装置では、世界で 60%以上のシェアを誇るNo.1企業。また、撮像半導体の検査で画像処理を行うIP事業にも進出、「クライアントファースト」をモットーに拡大する撮像半導体市場をサポートしている。
 
CCD【Charge Coupled Device】:固体撮像素子
C-MOS【Complementary Metal Oxide Semiconductor】:相補性金属酸化膜半導体
IP【Image processing】:画像処理
 
<事業内容>
事業は、電子部品検査装置事業と連結子会社の(株)BIJが手掛けるセキュリティ関連事業に分かれる。
 
1.電子部品検査装置事業
撮像半導体やカメラモジュール、表示デバイスの製造工程における検査用光源装置及びIPモジュールやカメラモジュール等を検査する画像検査装置の開発・製造・販売、及びSystem on Chip (SOC半導体)の開発段階での欠陥分析を行うための米国テセダ社製テスターの販売を行っている。
 
2.セキュリティ関連事業
赤外線センサーであるシートビームセンサーや特許技術を応用したヘテロコア光ファイバーセンサーなどセキュリティや環境モニタリング関連製品の開発・製造・販売を行っている。2005年6月に(株)BIJを設立し、事業をスタートさせた。
 
<主要製品>
1.光源装置
CCD/C-MOS イメージャには画素(ピクセル)がたくさんあり、この各画素が正常に光を電気信号に変換しているか検査する必要がある。光源装置は、正確な光を撮像半導体に照射することで、高い検査品質を保証するために使用されるもので、非常に精密な技術により開発・製造されている。
CCD/C-MOSイメージャを製造している世界中の半導体メーカーに納入している。競合先はニコンだが、多くの顧客の異なるニーズに対応する製品を開発・販売するところに同社の特色がある。CCD は半導体各社が独自の技術と独自の製造プロセスを使用して開発しているため、各社が必要とする光は異なる。同社は「クライアントファースト」を合言葉に、こうした個々のニーズに合った特別注文の光源装置を顧客毎に開発し販売してきた。
 
2.IPモジュール
CCD/C-MOSイメージャを検査する場合には、テスター、光源装置とプローバ−(もしくはハンドラー)が必要となる。 テスターは、CCD/C-MOSイメージャの中にたくさんある画素の中から欠陥がある画素を探し出しますが、その際、CCD/C-MOSイメージャを通して取り込んだ映像情報は画像処理されデータ化されている必要がある。IP モジュールは、この画像処理を行う部分をモジュール化したもの。テスターは、電子部品や半導体とそれを動かすためのソフトウェアで構成されているが、IP モジュールもソフトウェアと電子部品や半導体で構成されている。

同社がIP モジュールを提供しているヴェリジー株式会社は、2006年にアジレント(米国ヒューレット・パッカード社の計測事業が分離)から分離して設立された会社。ヴェリジー社が製作する「V93000SOC」というテスターは、高速処理が可能なことから、世界中の半導体メーカーから高い評価を得ているベストセラーマシンです。同社のIP モジュールが、この「V93000SOC」の画像処理機能を担っている。一般の半導体を検査していたV93000SOCに光源装置とIP モジュールを付け加えるだけでC-MOSイメージャの検査が可能になる。
 
3.カメラモジュール検査システム
カメラモジュールとは、半導体メーカーで製造されたCCD/C-MOSイメージャの上に、レンズが組みつけられたカメラ機能をもつ電子部品のこと。カメラモジュールは半導体メーカーやセットメーカーなどで組みつけが行われ、そのまま携帯電話やデジタルカメラ等に取りつけることが可能。

従来、カメラモジュールの品質保証のために行われている出荷前検査は、3m×3m程度の壁に掛けた大きなテストチャートを投影し、取り込まれた画像に欠陥がないか人間の目で検査していた。しかしこの方法では、かなりのスペースを必要とし、またマンパワーに頼る検査工程でることから、大量生産、高画素化にともない検査の省スペース化、自動化のニーズが高まってきた。同社では、物体距離変換レンズという特殊なレンズを開発し、カメラモジュール検査の際の物体距離を縮めることに成功、この物体距離変換レンズと、これまで培ってきた光学技術、画像処理技術、テスト技術を応用することでカメラモジュールの画期的な検査システムを開発した。同社のカメラモジュール検査システムは、メガピクセルに対応し、自動化や高速化も可能なトータルな検査システム。
 
2008年5月期業績
 
<連結業績概要>
 
 
前期(2008年5月期)決算は上表のように、売上高が大きく減少、売上総利益率も低下したことから、営業損益は159百万円の損失となり、為替差損の発生(28百万円)などにより経常損益も226百万円の損失となった。ただし、法人税等の調整により当期純損失は169百万円にとどまった。
 
<製品別売上高>
 
 
製品別売上高は上表のようになった。主力の光源装置の売上高が減少したことに加え、カメラモジュール検査装置、IPモジュール等の画像検査装置関連の売上高も大きく減少した。向け先別では、海外向けが大きく減少した。(472百万円 ⇒ 150百万円)
このため、光源装置以外の製品の原価率が上昇し、全体の粗利率を下げる結果となった。
 
<研究開発・設備投資・減価償却費>
 
 
研究開発費は主に、次世代光源装置開発への投資等。売上減少のため前年比では抑制した。
設備投資は主に、生産・開発の設備、冶具等。
 
<貸借対照表>
 
 
上表のように、総資産は前年度末の4,219百万円から4,091百万円へ減少したが、これは主に当期純損失の計上による。 返済により長期借入金は減少したが、短期借入金が増加したことから、有利子負債額は、1,727百万円(前年末1,737百万円)と微減に止まった。
 
<キャッシュ・フロー>
 
 
当期における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末残高に比べ53百万円減少し、1,888百万円となった。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前純利益が赤字であったにもかかわらず109百万円の収入(前年同期は313百万円の収入)となった。この主な要因は、売上債権の減少。
投資活動によるキャッシュ・フローは112百万円の支出(前年は92百万円の支出)となったが、この主な要因は投資有価証券の取得による支出84百万円。
財務活動によるキャッシュ・フローは42百万円の支出となった。
 
<受注残の推移>
 
 
当期および前期の各四半期における受注高、売上高、受注残高は上表のようになった。期末の受注残が大きく減少していることは、今期(2009年5月期)のスタートとしてはかなり厳しいと言える。
 
2009年5月期業績予想
 
会社側では2009年5月期の業績を下表のように予想している。部門別売上高については、詳細な説明を行っていないが、セキュリティ部門(子会社BIJの売上高)は上半期のみ予想に含めており、下半期は予想に入れていないと述べている。この内容から推測すると、下半期中には子会社BIJが何らかの理由(例えば売却等)によって連結対象から外れると解釈出来る。
またテセダ社向け売上高についても明言をさけている。現在、テセダ社に対してはKLA Tencor社が資本参加しており、その状況によって今後テセダ社と同社のビジネスがどのようなスキームで展開していくのかは不明とのこと。
 
 
今後の事業戦略
今後の事業戦略について、木地社長から以下のような説明があった。
光源関連製品は、事業としては安定していると言える。
環境問題が世界的に注目されており、今後もエコ産業は伸びると見ている。そのため、当社もそれらに関連した製品を開発するため、光エコ開発室および新規事業推進室を立ち上げた。
新エネルギー開発部品の製造装置・検査装置の開発・製造を進める。
また同社が工場を有している熊本県では、「くまもとソーラーエネルギーパーク構想」が進められており、これに関連した太陽光発電システムに関連した装置を提供していく。
その一方で、事業の黒字化は最優先課題であり、そのために必要な合理化は行っていく。そのひとつとして子会社BIJの存在についてもいろいろと検討している。
ただし、いずれの説明もやや抽象的であり、具体的な数値目標などは一切語られなかった。
 
質疑応答
Q1: テセダ社向け開発が遅れたことが、前期の売上高がショートした原因か?
A1: 直接の原因ではない。テセダとはその後もいろいろとやり取りしているが、詳細は申し上げられない。
 
Q2: キヤノンの半導体関連装置が下半期から立ち上がるのではないかと言われているが、その恩恵は?
A2: キヤノンの状況は直接見えないので、調査中である。
 
Q3: 今期(09年5月期)の研究開発費、設備投資額および内容は?
A3: 研究開発費は前年に比べやや少ないくらい。内容は主に光源装置とソーラー関連。設備投資も少し増える程度。主に治工具等。
 
Q4: 新製品は何種類くらいあるのか?どの製品が大きくなりそうか?
A4: 薄膜の画像検査装置が期待出来そうだが、どこ向けかは取引上の守秘義務等があり、現在は言えない。ソーラーパネルの検査装置も期待出来るだろうが、もっと精度を上げる必要があると考えている。
 
取材を終えて
前期決算の実績、今期の予想とも大まかな数字だけの説明で、製品別売上高や向け先(顧客)別売上高など詳細な説明がなされなかった。そのため、予想数字がどの程度の確度で達成可能なのかの判断は難しい。
実際のところ、テセダ社との交渉など詳細を語れない部分があるのは理解出来る。しかしながらもしそうであるならば、反対に詳細が決まった後は、詳しい説明をして欲しい。子会社のBIJについても同様だ。

全体の印象としては「歯切れの悪い」説明会であったと言える。同社にとっての事業環境は、現在は必ずしも良くないし、したがって業績も芳しくないのは理解出来る。しかしながら、業績が悪い時こそ詳しい説明が必要である。今後に期待したい。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあります。また本資料の内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。
投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。
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コメント

光源装置の世界60パーセントのシェアをもっている映像半導体市場をサポートしている体制は興味があります。
またセキュリティーの事業にも取り組んでいるようですがまだはっきりとした方向性が見えてこない部分があると思います。
今後の事業戦略にエコや環境への取り組みに関する事業展開を考えているところは期待ができそうなので太陽発電を含めどういった方向で進んでいくのか定めて安定性のある事業の発展に期待したいです

投稿者 S.K. : 2008年08月21日 16:05

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