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(2146:JASDAQ) UTホールディングス 企業HP
若山 陽一 社長
若山 陽一 社長

【ブリッジレポート vol.6】2012年3月期第1四半期業績レポート
取材概要「顧客は生産回復に対応するべく外部労働力の活用を積極化しており、受注は順調。半導体生産等で先行きの不透明感を指摘する声はあるものの・・・」続きは本文をご覧ください。
2011年10月11日掲載
企業基本情報
企業名
UTホールディングス株式会社
社長
若山 陽一
所在地
東京都品川区東五反田1-11-15 電波ビル
事業内容
半導体向けの製造派遣・請負が中核、製造装置販売からライン移設業務に転換。設計開発事業も
決算期
3月 末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2011年3月 20,227 1,442 1,309 766
2010年3月 18,056 290 182 -1,401
2009年3月 40,694 1,793 603 -10,861
2008年3月 51,787 4,200 3,473 1,203
株式情報(10/7現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
44,450円 193,045株 8,580百万円 30.6% 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
2,500.00円 5.6% 5,104.07円 8.7倍 12,162.14円 3.7倍
※株価は10/7終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末の実績。
 
UTホールディングスの2012年3月期第1四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
国内外の半導体関連メーカー等に対して、構内作業(工場内作業)の請負サービスを提供する「アウトソーシング事業」とデバイス設計(デザイン)サービスを提供する「設計開発事業」を柱とし、それらサービスを一括して提供するワンストップ型トータルソリューションサービスを展開している。
 
 
事業はアウトソーシング事業と設計開発事業に分かれ、売上構成比は、前者が97%、後者が3%(11/3期)。
 
アウトソーシング事業
半導体・液晶・太陽電池・二次電池など高度な分野に専門特化した製造請負事業を展開。各工程の製造オペレーションから、装置メンテナンスや保全業務の一括受託まで行い、各工程の生産能力を把握し、それに基づいた作業改善を提案するなど付加価値の高いサービスが特徴。パナソニック、ソニー、ローム、東芝等の大手半導体メーカーを主要顧客としており、日本エイム(株)と(株)ファインステージがサービスを提供している。
設計開発事業
半導体デバイスの設計・デザイン請負や設計エンジニアの派遣の他、組込みソフトウェアの受託開発を行っている。半導体・液晶生産に関する幅広い経験とノウハウを活かして、製造プロセス及びそのコストを視野に入れた設計が高い評価を得ている。国内半導体メーカーを主要顧客とし、(株)アルティスタがサービスを提供している。
 
<取引先顧客数の推移>
 
 
2012年3月期第1四半期決算
 
 
前年同期比19.5%の増収、同5.2%の経常減益
売上高は前年同期比19.5%増の56.7億円。東日本大震災で顧客工場が被災したため期初には400人の未稼働を抱えたが、第1四半期末にかけて解消。6月末の稼動数は5,414人と前年同期末比25.9%増加した。

ただ、利益面では、400人の未稼働を抱えてのスタートとなった事が負担となり売上総利益率が低下(7月には前年同月の実績以上に回復)する中、採用・営業の両面での人員増強により販管費が増加したため、営業利益が3.4億円と同11.3%減少。雇用調整助成金が増加する一方、持分法投資損失が無くなり営業外損益が改善したものの、災害による損失30百万円等を特別損失に計上した事で特別損益が60百万円悪化。四半期純利益は1.6億円と同24.7%減少した。

予想との比較では、震災後の生産の回復が想定以上に早く、未稼動の解消が早期に進み売上総利益が期初予想を大幅に超過。需要増に対応した採用の前倒しで販管費が予想を上回ったものの、期初には50百万円を予想していた営業利益が3.4億円に上振れした。
 
 
顧客の生産回復が想定以上に早く、期初には、月間で最大500名を想定していた未稼働が早期に解消。また、重点領域を半導体以外の成長4分野(太陽電池、2次電池、LED、ディスプレイ)に拡大し営業体制を強化した事も奏功し、期末取引先顧客数が前期末の194工場から207工場に増加した(今期末の取引先顧客数は230工場を予定)。

11/3期の第3四半期(10-12月)及び第4四半期(1-3月)に営業利益率が低下したのは採用の前倒しによるもので、12/3期の第1四半期(1-3月)は東日本大震災の影響で前期の第3・第4四半期に採用した人的リソースを十分に活かせなかったが、営業利益率は改善傾向にある。

尚、当四半期は、アウトソーシング事業が連結売上高の96.8%、連結営業利益の96.4%を占めた。
 
 
(3)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
第1四半期末の総資産は前期末比10.1億円減の80.1億円。稼動数の増加で売上債権及び仕入債務が増加したものの、役員に対する長期貸付金(10.5億円)を回収した事で投資その他が減少した他、配当金の支払い(4.3億円)や自己株式の取得(12.3億円)で純資産が減少した。
CFの面では、営業CFはほぼ前年同期並みにとどまったものの、役員に対する長期貸付金(10.5億円)を回収した事で投資CFが10.3億円の黒字と大幅に改善。自己株式の取得や配当の支払いで財務CFが12.2億円のマイナスとなったものの、現金及び現金同等物の第1四半期期末残高は32.1億円と前期末比1.0億円の減少にとどまった。

尚、自己株式の取得(19,500株、12.3億円)は「ESOP:Employee Stock Ownership Plan(株式給付信託)」の導入に伴うもの。取得した自己株式全株については、資産管理サービス信託銀行(株)(信託E口)(本信託の受託者たるみずほ信託銀行(株)から再信託を受けた再信託受託者)へ一括して処分し、処分額13.9億円を信託する。また、自己株取得に伴い純資産が大幅に減少したが、上記の信託銀行への処分に伴い復元する。
 
 
 
2012年業績予想
 
上期及び通期の業績予想に変更は無く、通期で前期比23.5%の増収、同49.7%の経常増益予想
第2四半期(7-9月)以降、自動車・電機等を中心に生産の本格的な回復が見込まれる。顧客は生産回復に対応するべく外部労働力の活用を積極化しており、また、「2012年問題(※)」への対応に伴う派遣から請負へのシフトが徐々に顕在化してくる見込みで、この面からも同社のビジネスチャンスが拡大している。
上期予想に対する進捗率は、売上高49.0%(前年同期の実績ベースの進捗率48.1%)、営業利益57.5%(同44.0%)、経常利益57.4%(同45.6%)と順調。第2四半期以降も、計画に対して順調に業績を進捗させるべく、引き続き重点戦略項目(後述)に注力していく。稼動者数は上期末6,188人(前年同期末比1,557人)、期末7,016人(前期末比1,670人増)を計画。配当は1株当たり100円増配の期末2,500円を予定。

※「2012年問題」
12年に多くの派遣契約が派遣契約の期限である3年を迎える問題。このため、09年に派遣から直接雇用(契約社員)に切り替えたメーカー、リーマンショック後に派遣を活用し始めたメーカー等で「請負」を検討する動きが強まると見られている。
 
 
(2)重点戦略項目の遂行
重点戦略項目
西日本地域の営業活動を強化
インハウスソリューションの強化
東日本雇用支援プロジェクトの立ち上げ
 
西日本地域の営業活動を強化
メーカー各社は震災の影響による東日本地域での生産の落ち込みをカバーするべく、西日本地域での生産を増やしている。ただ、生産の西日本地域偏重が長期間続くかは未知数であるため、人員の不足をアウトソーシングで補う考え。このため、同社は西日本地域の営業活動を強化しており、新規の案件獲得が順調に進んでいる。
 
インハウスソリューションの強化
インハウスソリューションとは、顧客従業員を受け入れ、製造業務を一括して請負うサービスの事で、同社自身の事業の拡大だけでなく、製造業の国内雇用維持に貢献できる事が特徴。同社は09年10月に230名規模のインハウスソリューションを業界で初めて受注し、11年1月に100名規模、4月に40名規模の案件の受注に成功した。
震災の影響により工場再編や工場海外移管を検討する動きがあり、現在も複数のインハウスソリューション案件の商談が進行中である。
 
 
東日本雇用支援プロジェクトの立ち上げ
復興支援の一環として、被災地への雇用支援プロジェクト「踏み出そうニッポン」を始動させた。同社の事業基盤を通じて被災した地域の雇用を支援していく考え。被災地域の方を中心に東日本地域で500名の正社員採用を目標としており、現地へ出向き就職面接会やキャリア相談会を開催し既に約100名を採用した。
 
 
今後の注目点
顧客は生産回復に対応するべく外部労働力の活用を積極化しており、受注は順調。半導体生産等で先行きの不透明感を指摘する声はあるものの、不透明感があるだけに、企業は正社員の採用ではなく、アウトソーシングへの依存度を高める。同社が今期の業績予想を達成するためには、稼動数ベースで上期末6,000人超、期末7,000人超の受注を確保する事が必要となるが、受注面での不安は少なく、受注に見合った採用ができるか否かがポイントとなりそうだ。
中期的には(現在、16/3期に売上高750億円、営業利益90億円の達成を目指す新中期経営計画が進行中)、未だ正社員比率が高い国内の工場において今後進むであろう派遣・請負ニーズの取り込みや、現在、派遣を利用している工場において今後予想される請負化ニーズの取り込みがポイントとなる。国内製造業の空洞化が喧伝される昨今ではあるが、同社の成長余地は大きいと言えそうだ。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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