ブリッジレポート
(3034:東証2部,JASDAQ) クオール 企業HP
中村 勝 社長
中村 勝 社長

【ブリッジレポート vol.13】2012年3月期上期業績レポート
取材概要「通期予想に対する進捗率は売上高が45.1%、営業利益が39.4%、経常利益40.1%。前年同期の実績ベースの進捗率と比較すると、売上高(前年同・・・」続きは本文をご覧ください。
2012年1月10日掲載
企業基本情報
企業名
クオール株式会社
社長
中村 勝
所在地
東京都港区虎ノ門4-3-1 城山トラストタワー37階
事業内容
調剤薬局チェーン大手。首都圏中心に東北、中部、北陸、関西に約293店舗を展開。
決算期
3月末日
業種
小売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2011年3月 60,915 2,804 2,807 1,137
2010年3月 56,305 2,031 2,032 828
2009年3月 49,010 1,526 1,506 653
2008年3月 38,002 1,314 1,298 547
2007年3月 24,827 937 875 403
2006年3月 21,701 779 763 333
2005年3月 20,193 611 580 74
2004年3月 18,500 28 10 -134
2003年3月 11,869 253 413 -33
2002年3月 8,107 5 153 68
株式情報(12/20現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
52,000円 261,888株 13,618百万円 11.0% 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
2,175.00円 4.2% 7,314.40円 7.1倍 43,103.69円 1.2倍
※株価は12/20終値。発行済株式数は11年12月の公募増資及び12年1月の自己株処分を反映。
 
クオールの2012年3月期上期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
主に民間中小病院・クリニックを対象とした調剤薬局をチェーン展開している。「“クオリティ オブ ライフ”の向上」を企業信念として掲げ、社名の「クオール」もこれに由来する。首都圏を中心に全国に店舗展開しており、医療機関とのマンツーマン体制を堅持する事で調剤薬局間の無駄な顧客獲得競争を排除している。また、新業態店舗にも積極的に取り組んでおり、(株)ローソンと組み調剤薬局とコンビニエンスストアが融合した「ナチュラルローソンクオール薬局」では、従来の調剤薬局のイメージを一新するような外観や明るく快適な店舗づくりで差別化を図っている。この他、子会社が医薬品治験関連(SMO)事業、医療・医薬情報資材制作関連事業、人材紹介・派遣事業を手掛ける。
 
<クオールグループ>
連結子会社8社、持分法適用関連会社1社、及びその他の関係会社1社等と共にグループを形成し、保険薬局事業とその他事業を手掛けている(11/3期は保険薬局事業の売上が全体の96%を占めた)。
 
保険薬局事業(クオール、持分法適用関連会社ジーエムキュー)
保険薬局の展開は、主に同社が中規模の民間病院・クリニック(処方せん応需枚数100枚/日前後)の門前を中心に全国へ展開しているのに対し、(株)福聚が東京都、千葉県、神奈川県、(株)イムノファーマシー大阪が関西圏、テイオーファーマシー(株)が中国・四国圏にクリニック等の門前薬局として地域展開。この他、ドラッグストア併設型保険薬局の運営を行う持分法適用関連会社ジーエムキュー(株)の事業が含まれる(12年4月にクオールが上記子会社3社を吸収合併する予定)。11年9月末現在のフランチャイズ店6店舗を含めたグループ店舗数は293店舗。
 
その他事業(連結子会社5社)
医療・医薬情報資材制作関連事業を手掛けるメディカルクオール(株)、医薬品治験関連(SMO)事業のフェーズオン(株)の他、人材紹介・派遣事業のクオールメディス(株)、医療関連の経営コンサルティング事業のメディプロ(株)、社内業務代行事業(「障害者雇用の促進」を目的とした特例子会社)のクオールアシスト(株)。
 
<新・中期経営計画(12/3期〜14/3期)>
保険薬局業界は、薬価改定リスクや調剤報酬改定リスクにさらされている上、医薬分業率の伸び鈍化、面分業による出店競争といった問題も抱えている。しかし、その一方で、高齢社会を迎え、在宅医療をはじめ医療ニーズは益々多様化していく事が予想される。このような環境下、同社は、.┘螢⊇佚浩鑪に基づくマンツーマン出店の強化、▲灰鵐咼縫┘鵐好好肇∧酸澤進欷洩局の出店強化、0緡渡携を強化し、地域医療の様々なニーズに応える「かかりつけ薬局」の実現、ぐ緻品治験関連事業における専門疾病領域や臨床研究への対応力強化、及びタ雄狆匆陝η標事業におけるウェブサイトを活用した登録者の募集、の5項目を経営方針に掲げ、経営基盤の確立・強化に取り組んでいく考え。
高成長を持続するべく毎期70店舗以上の新規出店を計画しており、人材面では、13/3期及び14/3期の2期で薬剤師300名、医療事務100名の採用を計画。最終の14/3期に売上高983億円、経常利益56.0億円の達成を目指している。
 
 
2012年3月期上期決算
 
 
前年同期比7.7%の増収、同53.4%の経常増益
主力の保険薬局事業の売上高は前年同期比9.0%増の308.6億円。店舗数の増加に加え、長期処方の進行による薬剤料収入の増加等で既存店が堅調に推移した。利益面では、限界利益率の高い保険薬局の売上増で売上総利益率が12.7%と1.4ポイント改善。店舗関連費用や人件費を中心にした販管費の増加を吸収して同53.1%の営業増益。特別損益の改善と税負担率の低下で四半期純利益は6.4億円と同93.3%増加した。
期末店舗数はFC6店舗を含む293店舗(前年同期末は277店舗)。M&A案件2店舗及びFC1店舗を含め13店舗を出店する一方、4店舗を退店した。
 
 
保険薬局事業
長期処方の進行による薬剤料収入の増加を背景に既存店が堅調に推移。店舗の増加もあり、売上が308.6億円と同9.0%増加した。売上総利益率も改善し、店舗の増加や店舗名の統一費用に加え、薬剤師・医療事務の増員に伴い人件費も増加したものの、店舗関連費用や人件費を中心にした販管費の増加を吸収して営業利益が18.2億円と同48.6%増加した。
上期末の店舗数は前期末比9店舗増の293店舗(直営店287店舗、FC店6店舗)。新規出店10店舗(うち2店舗はナチュラルローソン+クオール薬局)、子会社化による取得2店舗、及びフランチャイズ1店舗の計13店舗を出店する一方、東日本大震災の津波により流出した1店舗を含む4店舗を退店した(前年同期はオープン7店舗、退店4店舗の期末277店舗)。
 
その他事業
東日本大震災の影響による医療・医薬情報資材制作関連事業の受注の遅れで売上・売上総利益が減少。わずかだが営業損失となった。
 
(3)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
好調な業績と積極的な店舗ネットワークの拡充で、上期末の総資産は297.8億円と前期末比11.6億円増加した。借方では、現預金を中心に売上債権や有形固定資産が増加。貸方では、純資産を中心に仕入債務や有利子負債が増加した。CFの面では、利益の増加とたな卸資産の減少による資金効率の改善等で前年同期は10.1億円だった営業CFが18.9億円に増加。M&Aや新出店費用の増加で投資CFのマイナス幅が拡大したものの、前年同期の実績(4.1億円)を上回る5.7億円のフリーCFを確保した。短期借入金の返済を進める一方、長期借入金を積み増した事で財務CFも黒字となり、現金及び現金同等物の上期末残高は34.8億円と前期末比7.6億円増加した(前年同期比では7.9億円の増加)。
 
 
 
2012年3月期業績予想
 
 
通期業績予想に変更は無く、前期比15.5%の増収、同27.8%の経常増益
77店舗(うち、25店舗はナチュラルローソン+クオール薬局)の出店を計画しており、期末店舗数は360店舗と前期末比76店舗の増加する見込み。店舗の増加に加え、店舗名の統一(総投資額は約2億円)や人員の増強(薬剤師30名、医療事務100名の採用を予定)で販管費が増加するものの、増収効果と経費削減や医療連携の強化による収益性の改善で吸収し営業利益が同29.3%増加する見込み。配当は1株当たり725円の期末配当を予定している。上期末配当1,450円と合わせて年2,175円となるが、10月1日付けで実施した株式分割(1株を2株に分割)を考慮すると、実質年1,200円の増配(前期は年1,700円)。

尚、12月20日付けで東証2部に株式を上場した(JASDAQ上場は継続)。これに伴い公募増資及び株式の売り出し(引受人の買取引受による売出し、及びオーバーアロットメントによる売出し)を実施した他、12年1月10日には第三者割当による自己株式の処分を予定。公募増資及び第三者割当による自己株式の処分に係る手取概算額は上限7.3億円で、全額を12 年5月末までに取引金融機関からの長期借入金の返済に充てる考え。
公募増資は、発行価格55,101円で12,000株。売り出しは、引受人の買取引受による売出しが発行価格55,101円で4,000株、オーバーアロットメントによる売出しが同2,400株。
 
 
今後の注目点
通期予想に対する進捗率は売上高が45.1%、営業利益が39.4%、経常利益40.1%。前年同期の実績ベースの進捗率と比較すると、売上高(前年同期は48.3%)が下回る一方、営業利益(同33.3%)、経常利益(同33.4%)が上回っている。今期はナチュラルローソン+クオール薬局の本格展開等、積極的な出店を予定しているため、期末にかけて売上が伸びるものの、コストも増加する見込み。このため、店舗展開が計画通りであれば、通期の業績は会社予想に沿った着地になると思われる。
保険薬局業界は、今後も薬価改定リスク、調剤報酬改定リスクがあるうえ、医薬分業率の鈍化、面分業による出店競争といった問題を抱えているが、その一方で、高齢社会を迎え、在宅医療をはじめ医療ニーズの多様化が予想される。このため、目先の業績以上に、ナチュラルローソン+クオール薬局等の新業態の成否や在宅医療といった中期成長力の確保に向けた取り組みが注目される
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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