ブリッジレポート
(3034:東証1部) クオール 企業HP
中村 勝 社長
中村 勝 社長

【ブリッジレポート vol.20】2014年3月期第1四半期業績レポート
取材概要「調剤事業において、店舗ネットワークの拡充が順調に進んでいる。14/3期は通期で111店舗の増加を予定しているが、第1四半期は新規出店とM&A・・・」続きは本文をご覧ください。
2013年9月10日掲載
企業基本情報
企業名
クオール株式会社
社長
中村 勝
所在地
東京都港区虎ノ門4-3-1 城山トラストタワー37階
事業内容
調剤薬局チェーン大手。首都圏中心に全国に店舗展開。
決算期
3月末日
業種
小売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2013年3月 76,783 2,812 2,829 1,349
2012年3月 66,201 3,308 3,238 1,560
2011年3月 60,915 2,804 2,807 1,137
2010年3月 56,305 2,031 2,032 828
2009年3月 49,010 1,526 1,506 653
2008年3月 38,002 1,314 1,298 547
2007年3月 24,827 937 875 403
2006年3月 21,701 779 763 333
2005年3月 20,193 611 580 74
2004年3月 18,500 28 10 -134
2003年3月 11,869 253 413 -33
2002年3月 8,107 5 153 68
株式情報(8/14現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
563円 31,267,200株 17,603百万円 10.5% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
18.00円 3.2% 53.02円 10.6倍 511.39円 1.1倍
※株価は8/14終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
クオールの2014年3月期第1四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
首都圏を中心に、調剤薬局を全国店舗展開。医療機関とのマンツーマン体制を堅持する事で調剤薬局間の無駄な顧客獲得競争を排除してきた。ただ、近年では面分業強化の観点から新業態店舗の開発にも取り組んでおり、現在、(株)ローソンとの資本業務提携による「ローソン+クオール薬局」(調剤薬局とコンビニの融合)、家電販売大手(株)ビックカメラとの連携による出店、更にはジェイアール西日本グループとの業務提携による駅型調剤薬局「駅クオール薬局」といったプロジェクトが進行中。また、子会社を通してCSO事業、教育サポート事業、売店事業などの非調剤事業も手掛ける。
 
※CSO(Contract Sales Organization) :医薬品販売業務受託機関
 
【事業セグメントとクオールグループ】
事業は調剤事業と非調剤事業に分かれ(13/3期は調剤事業の売上が全体の94%を占めた)、13/3期末で連結子会社19社、持分法適用関連会社2社と共にグループを形成している。
 
調剤事業
クオール(株)等が手掛ける調剤薬局の経営が中心だが、LAWSON併設店における物販の収益も含まれている。2013年6月末現在のフランチャイズ1店舗を含めたグループ店舗数は477店舗。
 
非調剤事業
アポプラスステーション(株)のCSO事業、フェーズオン(株)及び(株)エスカルラボラトリーズの治験事業、クオールアカデミー(株)の教育サポート事業、メディカルクオール(株)の出版関連事業、メディコ(株)の売店事業が当セグメントに含まれる。
 
 
【業界トップクラスの採用力 − 薬剤師から選ばれる会社 −】
調剤事業の拡大に不可欠なのが、薬剤師の採用力である。同社の採用力は調剤薬局業界でもトップクラスであり、13/3期は264名の薬剤師を採用した(2013年4月入社)。この結果だけを見ても、「クオール薬局」が薬科大学の学生や教授から高い評価を受けている事がわかるが、実際、“充実した研修・教育制度”、同社独自の自己研鑽システム“QOL認定薬剤師制度”が高い評価を得ている。近年、抗がん剤などの院外処方箋が増加傾向にある中、薬剤師がどこまで理解のうえ服薬指導を行っているかという医師の不安に応えるため、同社では高度先進医療に対応できる薬剤師の育成に注力。更に同社では薬剤師が様々な診療科目を経験できるシステムの構築を進めることで専門性を高めている。このように薬剤師の育成に注力しているのも同社の特徴だ。
 
 
クオールアカデミー(株)
クオールアカデミー(株)は、クオール(株)やクオールグループ各社の教育研修を統合し、2013年4月に教育研修に特化した会社として新たにスタートした(クオールメディス(株)から商号変更)。各グループ会社のノウハウを結集し、薬剤師、医療事務、登録販売者、管理栄養士、MRの教育研修を行っている。京都大学や東京薬科大学等の大学や研究機関等との連携の基、新たな高度先端教育のシステムづくりに取り組むとともに、グループ内の教育だけではなく、製薬企業など外部からの教育研修も幅広く受託していく考え。
 
教育システム
階層別研修体系と総合試験を統合させた新教育制度を導入しており、薬剤師においては疾患に対する高い専門性と職位に必要な知識を、医療事務においては接遇や医療保険制度等の知識を、それぞれ身につける事を目的としている。必要な研修の履修を義務付けると共に薬局長になるための総合試験を実施している。
 
QOL認定薬剤師制度
病態・診断・治療等の最新医療や専門的な知識を盛り込んだテキスト(13疾患、注)を内製し、カリキュラムを構築している。テキストで学習した後、確認テスト、CBL(Case Based Learning)研修を終了すると「QOL疾患別認定薬剤師」の資格が与えられ、得られた知識を患者のために役立てている(2013年5月現在、約2,000名の薬剤師が認定)。
さらに、在宅医療を通した地域貢献を念頭とした在宅認定薬剤師、漢方薬や一般医薬品の需要の高まりに対応した漢方・一般薬認定薬剤師なども加わった。
(注)13 疾患
疾患名:高血圧、糖尿病、脂質異常症、眼科疾患、消化器疾患Ⅰ、消化器疾患Ⅱ、喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、COPD、骨粗鬆症、乳がん、前立腺肥大症・前立腺がん。
 
Q.O.L.S.(QOL Original Learning System)
社内独自のe‐ラーニングシステム。必須研修や特別講演等、豊富な教育コンテンツを用意しており、随時、コンテンツの更新を行っている。
 
クオールグループ学術大会
クオールグループ学術大会を毎年開催している(口頭発表やポスター発表が催される)。クオールグループの社員が集まり、各薬局で患者のために取り組んできた内容を共有する場であり、社員のモチベーション・アップにつながっている。もちろん、グループ内にとどまらず、日本薬剤師会学術大会や日本薬局学会学術総会等の外部学術大会にも参加しており、演題発表を行っている。
 
この他、管理職者を対象に海外研修も行っている。日本との医療制度の違いを学び、海外における臨床現場を実際に肌で感じとる事で普段の実務を充実したものにする事が狙いだ。
 
 
2014年3月期第1四半期決算
 
 
前年同期比44.3%の増収、同133.5%の営業増益
売上高は前年同期比44.3%増の243億11百万円。既存店が堅調に推移する中、新規出店やM&A効果に加え、LAWSON併設店の商品売上も加わり、調剤事業の売上が221億51百万円と同36.0%増加。クオールSDホールディングス(株)傘下のCSO事業の寄与で非調剤事業の売上も同3.8倍の21億59百万円と伸びた。
 
利益面では、商品売上の増加や薬剤師を中心にした人員の増加で営業費用が増加したものの、増収効果で吸収して営業利益が6億45百万円と同133.5%増加した。四半期純利益が同63.6%の増加とどまったのは、税負担率の増加による。第1四半期末の従業員数は、個別では正社員が前期末比324名増の2,260名(うち薬剤師が同258名増の1,334名)、臨時雇用者が同197名増の979名。
 
 
調剤事業
売上高は前年同期比36.0%増の221億51百万円。調剤売上高(薬剤料売上+技術料売上)が196億82百万円と同26.5%増加した他、店舗数の増加でLAWSON併設店の商品売上等も24億72百万円と同3.4倍に拡大した。第1四半期末の店舗数は、フランチャイズ店1店舗を含む477店舗。16店舗の新規出店を行うと共に、(株)アルファーム等の子会社化で27店舗を取得する一方、4店舗を閉店した。
 
調剤売上高196億82百万円の内訳は、既存店67億70百万円(同11.6%増)、新店9億99百万円(同125.9%増)、M&A効果119億13百万円(同31.7%増)。処方せん応需枚数は同20.7%増の2,005千枚。内訳は、既存店622千枚(同13.6%増)、新店102千枚(51.3%増)、M&A1,279千枚(同22.3%増)。処方せん単価は同4.9%上昇の9,817円。既存店が10,867円と同1.8%低下する一方、新店が同49.3%上昇の9,708円、M&Aが同7.6%上昇の9,314円。
 
非調剤事業
クオールSDホールディングス(株)傘下のCSO事業の寄与で売上高が21億59百万円と前年同期比283.6%増加した。
 
 
第1四半期末の総資産は前期末比66億54百万円増の474億44百万円。借方では、新規出店やM&Aで売上債権、たな卸資産、有形固定資産が増加。貸方では、M&Aや運転資金の増加に対応するべく新株発行を行う(第三者割当増資を含めて約34億円を調達)と共に有利子負債を積み増した。自己資本比率は33.6%
 
 
2014年3月期業績予想
 
 
業績予想に変更はなく、通期で前期比30.2%の増収、同24.4%の営業増益
売上高が当面の目標だった1,000億円台に到達する見込み。内訳は、調剤事業で900億円、非調剤事業で100億円。利益面では、組織改編や構造改革効果でCSO事業を手掛けるアポプラスステーション(株)の業績がV字回復し、非調剤事業が黒字転換する見込み。立地の選定や店舗オペレーションでノウハウの蓄積が進んだLAWSON事業の収益改善も見込まれ、営業利益が最高益を更新する。
出店計画は新規出店(M&A含む)41店舗、LAWSON併設店70店舗の計111店舗(期末店舗数は549店舗となる見込み)。
 
配当は、東証1部指定替えに伴う1株当たり2円の記念配当を落とした普通配当18円を予定している(第2四半期末配当8円、期末配当10円)。
 
 
今後の注目点
調剤事業において、店舗ネットワークの拡充が順調に進んでいる。14/3期は通期で111店舗の増加を予定しているが、第1四半期は新規出店とM&Aで43店舗を加えた(一方、4店舗閉店)。第2四半期以降は、LAWSON併設店の出店が加速してくる見込みだ。13/3期はLAWSON併設店の出店が計画未達となったが、ノウハウの蓄積が進んだ事に加え、対象を出店基準の厳しいNATURAL LAWSON併設店から一般のLAWSON併設店に広げた事で物件選定が容易になった事が大きい。
長期の目標である連結売上高3,000億円を念頭に、積極的なM&A、業界トップクラスの採用力を活かした自社開発による新規出店、更には異業種との連携により、引き続き店舗ネットワークの拡充に取り組んでいく考え。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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