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(9414:東証2部) 日本BS放送 企業HP
目時 剛 社長
目時 剛 社長

【ブリッジレポート vol.2】2014年8月期第3四半期業績レポート
取材概要「第3四半期実績の通期見通しに対する進捗率は、利益では8割を上回っており、会社側としては通期目標達成の目途はほぼ立っているようだ・・・」続きは本文をご覧ください。
2014年7月29日掲載
企業基本情報
企業名
日本BS放送株式会社
社長
目時 剛
所在地
東京都千代田区神田駿河台2-5
事業内容
ビックカメラが親会社のBS放送局。競馬中継など自社制作の比率は約5割。認知度向上が課題
決算期
8月末日
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2013年8月 7,015 1,362 1,352 1,322
株式情報(7/15現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
2,149円 8,901,416株 19,129百万円 12.1% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
12.50円 1.2% 75.14円 14.3倍 1,109.38円 1.6倍
※株価は7/15終値。発行済株式数は直近期決算短信の四半期末株数。
※BPSは前期実績だが、PBRは、7月15日の時価総額を当第3四半期末の純資産11,846百万円で控除。
※ROEは今期予想純利益1,200百万円を、前期末自己資本7,985百万円と当第3四半期末自己資本11,846百万円の平均で控除。
※2014年8月1日付で1:2の株式分割を実施。配当利回り、PERはこれを考慮。
 
日本BS放送株式会社の2014年8月期第3四半期決算概要についてご紹介します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
BS(Broadcasting Satellite、放送衛星)を用いたデジタル放送を行う独立系放送局。「競馬」、「アニメ」、「韓国ドラマ」、「通信販売」の4本柱に加え、質の高さにこだわった自社制作番組に注力。認知度及び接触率の向上のための施策を展開し成長を目指している。親会社ビックカメラに対する収益依存度は低い。
 
【沿革】
 
1999年、「最高のサービスをお客様に提供することで社会に貢献する」との経営理念を持つ株式会社ビックカメラがBS放送の将来性に注目するとともに、世の中に質の高いテレビ番組を提供する必要性を感じ、同社100%出資によって設立された。2010年、日本民間放送連盟に加入したことで認知度および信用力が向上し、その後の収益拡大につながった。更なる認知度の向上、スタジオ新設などによる番組制作能力の拡大のため、2014年3月、東証2部に上場。
 
【企業理念など】
同社は経営理念として『心に響くBS11』を掲げ、「放送の公共的使命と社会的責任を深く認識し、『ゆったり』見られる上質な教養・娯楽番組と『じっくり』掘り下げる報道・情報番組を発信することにより、視聴者の皆様に『価値ある時間』を提供します。」と謳っている。
会社設立の経緯にあるように、「より質の高い」番組を提供する事がTV局本来の社会的使命であると考えている。
 
【市場環境】
◎今後も増加が見込まれる視聴可能世帯数
地上波放送と異なり、BSデジタルチューナーとパラボラアンテナの設置、若しくはケーブルテレビ等により視聴環境を整える必要があるBSデジタル放送の視聴可能世帯数の割合は、ビデオリサーチの調査によれば2009年の50.4%から2013年には69.5%へと大きく上昇している。
総務省発表の「住民基本台帳に基づく人口、動態及び世帯数(平成25年3月31日現在)」によれば全国の世帯数(日本人及び複数国籍)は2009年 5,288万世帯、2013年 5,459万世帯であるので、BS視聴可能世帯数は4年間で約1,200万世帯増加した計算となる。
 
 
この増加は、2011年7月に実施された地上波テレビ放送の完全デジタル化を契機として、BSデジタルチューナーが搭載された薄型テレビへの買い替えが進んだことによる。
2011年の地上波テレビ放送の完全デジタル化後も、アナログテレビのままで引き続き地上波放送が視聴できる「デジアナ変換サービス」がケーブルテレビ経由でテレビを視聴している世帯に経過措置的に提供されているが、同サービスも2015年3月に終了する事となっているため、今後も視聴可能世帯数は増加すると見られている。
また、2020年の東京オリンピックも普及の大きな追い風となると思われる。
 
◎2ケタ成長が続く衛星メディア広告費
株式会社電通が発表した「日本の広告費2013」によれば、2013年のテレビ広告費は前年比0.9%増の1兆7,913億円とほぼ横ばい。
これに対し、衛星メディア関連広告費は同9.6%増加の1,110億円となり、2ケタ成長が続いている。中でもBS放送は同13.8%増の740億円と好調だ。(CS放送は203億円 同3.3%増加。CATV放送は168億円、同0.5%増加)。
電通では、BS放送が「中高年層」を中心に、視聴の習慣化が進展していると分析している。
 
 
このようにテレビ広告費の横ばいが続く一方でBSを中心とした衛星メディア広告費が好調な理由はいくつかあるが、一つはテレビ広告費の20分の1ともいわれる、BS放送の圧倒的な広告費に安さにある。
この広告費の格差はBS放送と地上波放送のコスト構造に起因する。
BS放送は、赤道上空36,000kmの静止軌道を周回する人工衛星に向けて、各放送事業者(テレビ放送局)から電波を発信し、人工衛星がその電波を増幅して日本国内に送り返すという仕組みであるため、効率よく全国に電波の送信が可能で、ネットワークを構築する必要が無い。
これに対し地上波放送は、放送局が電波を送出し、地上に建設している「電波塔」を経由して電波を送信する。全国に電波を送信するためにはキー局は地方の系列局を通じた放送網を構築、維持するコストが必要となる。
このネットワーク維持費の必要が無いBS放送局はその分低コストで広告を提供することができる。

また、単に広告費の安さのみでなく、より一層費用対効果を追求する広告主の姿勢も衛星メディア広告費増加の一因となっている。
BS放送の場合は地上波に比べて視聴者層の幅が狭い事が特長となっているため、効果の高い広告出稿を志向する広告主にとっては魅力的なメディアとなっており、その傾向は今後もますます強まるものと考えられる。
 
【事業内容】
◎売上構成
同社の売上はタイム及びスポットの広告収入及びその他の収入から構成されている。
 
筆頭株主であるビックカメラ向け売上比率は2012年3月を以てビックカメラがTV通販事業から撤退したことに伴い2009年8月期の36.6%から2013年8月期4.2%まで低下しており(金額も約11億円から約3億円へ減少)、依存度は低い。
今後も純粋な広告クライアントとしてビックカメラのためとなる提案を行っていきたいと考えている。
 
◎販売形態
(株)電通を始めとした広告代理店経由の売上が中心で、代理店上位15社向け売上は全体の70%を超え、全代理店合計では約75%となっている。
放送開始当初は広告代理店に媒体としての関心を殆ど持ってもらうことが出来ず、自社営業の比率が8割程度であったことから考えると、現在の状況は同社が魅力的な媒体として認知されたことを示している。
 
◎番組構成
番組別時間枠構成は以下の通り。後述の通り「競馬」、「アニメ」、「韓国ドラマ」、「通信販売」の4番組が収益の柱となっているが、コア視聴者層であるシニア向けに質の高い番組を提供するために、「報道」、「紀行・教養」、「その他娯楽」といったジャンルは自社で制作しており、番組数ベースでは半数が自社制作となっている。
 
 
 
 
 
 
 
特長と強み
 
1.中心視聴者の知的好奇心を満たす自社制作番組のラインアップ
BSデジタル放送に関する調査によれば、民放のBSをよく見るのは男性・女性共に50代以上となっている。
同社では、こうした中心視聴者である所謂シニア層向けに、文化・教養、紀行物を中心とした自社制作番組のラインアップを拡充している。
 
2.自由度の高いCM枠設定
BS放送のCM枠設定は、「時間の制約が少なく、競合CMも少ない」、「視聴者のザッピングが少ない」、「商品やサービスを中心に据えた『説明型』CMである」等の特徴により、時間をかけてかぎられた限定した視聴者に説明することが出来るという点が広告主にとっての大きな魅力となっているが、同社では主として下表のような商品を揃えて広告主の様々なニーズに対応している。
広告主はそれぞれの商品の特長を活かして、ターゲットを絞った「説明型」のCMにより、商品の魅力をじっくりアピールすることができる。
 
 
3.コア視聴者を引き付ける4本の収益の柱
同社は、「競馬」、「アニメ」、「韓国ドラマ」、「通信販売」の4番組が収益の柱となってコア視聴者を引き付けている。
 
◎競馬
2011年より放送を開始した競馬中継は、1,000万人規模の公営ギャンブルファンに対して高い認知度を有している。
 
◎アニメ
業界随一の放送時間を誇っており、アニメ業界において高い評価を受けている。
単に放映するだけでなく、有望なアニメには製作委員会方式による出資も行っている。
 
◎韓国ドラマ
視聴者ターゲットはF2層(35-49歳の女性)、F3層(50歳以上の女性)で、ショッピングチャンネルとターゲットが重なっている。
 
◎通信販売
放送時間を韓国ドラマと近接させることでCM効果を最大化させている。
 
4.独立系ならではの自由度の高い番組編成
同社は地上波キー局系列ではないため、60分間の編成にとらわれることなくオリジナルを尊重した番組編成が可能である。
例えば、韓国ドラマでは原作の放送時間が1話毎に60分〜80分の間で異なるケースが多々あり、他社の場合60分間という番組編成の縛りがあるためカットを行って60分に編集しなおさなければならい。
これに対し同社はカットを行わず、90分で放送することができる。これにより編集コストが不要であることに加え、オリジナル作品を好むコア視聴者の満足度を高めるというメリットも生じている。

また独立系であるため、例えば、旅行番組はキー局であるA局系列のa社、文化系番組であればB局系列のb社、報道番組はキー局系列ではない独立系のc社といったように、番組の分野ごとに最適な制作会社を選択することも可能である。
特に地方の紀行番組の制作においては質の高い番組制作のための大きな強みとなっている。
 
 
2014年8月期第3四半期決算概要
 
 
タイム収入、スポット収入ともに好調。粗利率も上昇し2ケタの増収・増益を達成
売上高は前年同期比12.2%増収の5,761百万円。通販番組の単価上昇、韓国ドラマの根強い人気などでタイム収入、スポット収入ともに好調に推移した。人件費、代理店手数料。広告関連費など販管費も増加したが、粗利増で吸収し、営業利益は同35.1%増の1,322百万円となった。固定資産除却損25百万円を計上したため、四半期純利益は約1割の増加となった。
 
 
タイム収入では、通販番組の単価が引き続き上昇。アニメ番組の放送時間枠が増加したことで、制作持込番組による収入が増加した。また、ミニ枠(5分)のインフォメーションの販売も好調だった。
スポット収入では、韓国ドラマの根強い人気に支えられ、ドラマの間に放送する通販スポット販売が引き続き好調だった。また、BS放送の媒体価値向上に伴い、純広告スポットも増加した。
 
 
番組制作費は放送内容の充実により増加した。技術費の減少は、放送設備のリース期間終了に伴うリース料の減少によるもの。広告宣伝費は4月の番組改編に伴う広告宣伝強化により増加した。
 
 
株式公開に伴う公募増資等により現預金は前期末比13億円増加し、流動資産も同13億円増加した。本社およびスタジオ拡充のため2013年10月に土地および建物を取得したため有形固定資産は同23億円増加し、資産合計は37億円増加した。
公募増資、第三者割当増資により資本金、資本準備金が増加したことに加え、利益増により利益準備金も約10億円増加し、純資産は同38億円増加した。この結果、自己資本比率は前期末から4.2%上昇の94.1%となった。
 
(3)トピックス
◎株式分割の実施
投資単位金額の引下げと流動性の向上による投資家層の拡大を図るため、2014年8月1日付で1:2の株式分割を実施することとした。
 
◎株主優待制度を新設
中長期的保有の株主増加を目指し、株主優待制度を新設した。
2014年8月末日対象株主から実施する。
 
①対象株主
毎年8月末日と2月末日を基準日として、株主名簿に記載・記録された1単元100株以上保有の株主を対象とする。
(前述のように同社は2014年8月1日付で1:2の株式分割を実施する予定としており、この株式分割の効力発生後における1単元100株以上保有の株主が対象)
 
②優待内容
ショッピング専門チャンネルで国内最大手の「ショップチャンネル」(※)で好きな商品を購入できる「株主様お買い物優待券」 1,000円相当分を贈呈する。
 
 
なお、株主優待制度の新設により、1単元100株保有株主の場合、7月15日終値2,149円をベースに株式分割を考慮し、1年間保有した際の配当1,250円と買い物優待券2,000円を合計した参考保有利回りは3.0%となる。

※「ショップチャンネル」はジュピターショップチャンネル(株)が1996年11月に開局したショッピング専門チャンネル。
24時間365日生放送でケーブルテレビや衛星放送などを通じ、2014年3月末現在、全国2,889万世帯が無料で視聴可能。ファッションアイテム、コスメ、家庭用品、健康グッズなど、世界中から厳選した商品を毎週約700アイテム紹介している。
 
 
2014年8月期業績見通し
 
 
業績予想に変更無し。2ケタの増収・増益を予想。
通期見通しに変更は無い。売上高は前期比11.2%増の78億円。タイム収入、スポット収入ともに順調に増加する。人件費、広告関連費、代理店手数料等が増加するが売上総利益の増加で吸収し、営業利益、経常利益は2ケタの増益を見込む。法人税の支払増により当期純利益は減少する。
配当は、普通配当10円/株に上場の記念配当2.5円/株を加えて12.5円/株を計画している。いずれも上記株式分割実施後の金額。予想配当性向は16.6%だが、当面は30%を目標に、業績を反映した利益還元を実施する。
 
 
今後の注目点
第3四半期実績の通期見通しに対する進捗率は、上記の様に、利益では8割を上回っており、会社側としては通期目標達成の目途はほぼ立っているようだ。
売上総利益率の推移を見ると、第2四半期累計が50.2%なのに対し、当第3四半期(3−5月)は53.3%と大きく改善している。その要因としては、前述したリース料の減少に加え、ゴールデンタイムを中心としたクオリティーの高い自社制作番組による広告枠の付加価値向上も寄与しているだろう。
まずは今期業績の着地点を確認するとともに、中期的には同社の最大の課題である「認知度向上」の進捗度合いを注目したい。
 
 
 
<参考1:成長戦略>
 
同社に限った事ではないが、広告収入を中心としたビジネスモデルにおいて売上拡大のためには「広告単価の上昇」と「広告数の増大」が成長ドライバーとなる。
2つの成長ドライバーを加速するためには同社番組の認知度向および接触率向上が不可欠だが、そのために同社では以下の3つの方針を打ち出している。
 
 
なかでも「認知度の向上」が最も重要と考えている。
下のグラフは、BSデジタル放送各社の売上高と認知度の関係を示したものだが、5大キー局系列のBSデジタル放送各社の認知度と比べ、まだ低水準であり、これを向上させることが収益拡大につながると考えている。
 
 
そのためには、新聞などへの広告出稿を含めた積極的な広報活動を継続的に展開していく。
また、接触率向上のためには、自前のスタジオおよび自社局員による本質を追求した番組制作および番組価値を最大化する番組編成の充実・強化が欠かせない。

その意味で今回の株式上場は、成長資金の獲得及び認知度向上を通じた同社成長のための大きなステップとなる。
資金調達額約27億円のうち約19億円で、新規スタジオの開設(2か所)、本社拡充などを行うこととしている。
新規スタジオのうち1つには、既存スタジオでも使用している最新の「バーチャルスタジオシステム」を導入する。これにより、美術セットでは実現不可能な演出を含めた魅力ある番組の制作を進めるのに加え、美術セットに係る制作コストの効率化も可能となる。
また、公開収録番組へ対応できるスタジオも開設することで、自社制作番組の幅を広げることもでき、新規コンテンツの充実を図ると共に、外部流出コストを削減する。

このように、「認知」、「制作」、「編成」の3つの歯車を回転させることで更なる拡大・成長を目指していく。
 
 
<参考2:同業他社比較>
 
 
 
 
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