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(2146:JASDAQ) UTホールディングス 企業HP
若山 陽一 社長
若山 陽一 社長

【ブリッジレポート vol.19】2015年3月期第2四半期業績レポート
取材概要「自動車関連の売上構成比が上昇する一方、10/3期には売上高の79%超を占めていた半導体・電子の構成比が44%に低下した。こうした売上構成・・・」続きは本文をご覧ください。
2014年12月24日掲載
企業基本情報
企業名
UTホールディングス株式会社
社長
若山 陽一
所在地
東京都品川区東五反田1-11-15 電波ビル
事業内容
製造・建設・設計開発分野の正社員派遣事業を中心に雇用需給調整サービスも展開。待遇向上とキャリアアップの諸制度により、業界No.1の従業員定着率を誇る。
決算期
3月 末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2014年3月 30,779 1,824 1,754 934
2013年3月 27,854 1,473 1,388 922
2012年3月 24,106 1,453 1,379 880
2011年3月 20,227 1,442 1,309 766
2010年3月 18,056 290 182 -1,401
2009年3月 40,694 1,793 603 -10,861
2008年3月 51,787 4,200 3,473 1,203
株式情報(11/28現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
513円 38,507,200株 19,754百万円 32.2% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
- - 35.89円 14.3倍 79.58円 6.4倍
株価は11/28終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
UTホールディングスの2015年3月期上期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
製造・建設・設計開発分野の正社員派遣事業を中心に雇用需給調整サービスも展開。新規の顧客開拓力と業界No.1の従業員定着率を強みに、順調に稼動数を伸ばしている。同社自身は純粋持株会社としてグループを統括し、実際のサービス提供は連結子会社5社が担う。
 
 
【事業内容】
事業セグメントは、アウトソーシング事業の単一セグメント。製造派遣・請負を中心に、設計開発技術者派遣及び建設技術者派遣を手掛ける。10/3期は半導体・電子部品分野の売上が全体の91.2%を占めていたが、リーマン・ショック以降、幅広い分野で受注活動を展開しており、継続的に半導体・電子部品分野の比率が低下している。
14/3期は、半導体・電子部品分野が42.4%に低下し、次いでパナソニックバッテリーエンジニアリング(株)を子会社化した効果もあり、環境・エネルギー分野(太陽電池・2次電池等)が25.8%、以下、自動車関連分野14.1%、住宅分野9.4%、その他8.4%。

中期的な目標として、電池を中心に環境・エネルギー30%以上、自動車関連20%程度としており、半導体向けについては、現在の売上水準を維持しつつ40%以下への引き下げを目指している。
 
主な製造派遣分野と取引先
半導体・電子分野    ソニーグループ、東芝グループ、パナソニックグループ
自動車関連分野     アイシン精機、ダイハツ工業
環境・エネルギー分野  パナソニックグループ、日立マクセル
住宅関連        LIXIL、YKKAP
 
拡大余地大きい自動車分野
ここ数年は、自民党政権下での規制緩和政策を受けて、特に自動車関連分野からの需要が強い。自動車関連分野に就業している契約社員及び派遣社員は合計約15万人で比率は、契約社員:派遣社員=12:3。もともと、3:12だったが、民衆党政権による規制強化で比率が逆転した。15年4月に施行される予定の改正労働者派遣法(14年3月に閣議決定済み)によって、契約社員から派遣社員へ大きくシフトしていくとみられている。尚、労働契約法では、5年以上雇用した契約社員を正社員と同じ扱いにする必要がある⇒企業負担の増加。このため、契約期間の満了等を機に契約社員から派遣社員へ転換していくとみられている。
 
【差別化従業員の定着率No.1】
同社は、取引先と従業員を2大カスタマーとして位置付けており、従業員に対しては、福利厚生に加え、教育訓練制度、評価制度、エントリー制度(幹部社員への登用制度、立候補)、更にはESOP(Employee Stock Ownership Plan:株式給付信託)の導入等で従業員と会社の一体感を醸成する事で定着率を高め、業界で最も低い離職率を実現している。
 
 
ESOPでは、同社グループの派遣・請負職場で働く従業員に、勤続や成果に応じてポイントを付与し、退職時に累積したポイントに相当する同社株式を給付する。
 
 
 
 
*ROE(自己資本利益率)は「売上高当期純利益率(当期純利益÷売上高)」、「総資産回転率(売上高÷総資産)」、「レバレッジ(総資産÷自己資本、自己資本比率の逆数)」の3要素を掛け合わせたものとなる。ROE = 売上高当期純利益率 × 総資産回転率 × レバレッジ
*上記は決算短信及び有価証券報告書のデータを基に算出しているが、算出に際して必要となる総資産及び自己資本は期中平残(前期末残高と当期末残高の平均)を用いている(決算短信及び有価証券報告書に記載されている自己資本比率は期末残高で算出されているため、その逆数と上記のレバレッジは必ずしも一致しない)。
 
東証発表の「決算短信集計」によると、東証1部、東証2部、及びマザーズ上場企業の14/3期のROEは、金融を除く全産業8.65%(前期は4.99%)、製造業8.55%(同4.53%)、非製造業8.79%(同5.67%)。同社は、高い利益率と資産効率を維持しつつ、レバレッジを効かせる事で東証上場企業の平均を上回る高いROEを実現している。また、5期連続で増配を実施し、このうち過去4期間は配当性向が50%を超える等(12/3期配当性向:60.4%、13/3期 同:54.9%、14/3期 同:56.3%)、株主還元に厚く、ESOPに伴う自社株買いも適宜実施している。こうした株主還元や株主づくりの地道な取り組みも、高いROEの原動力になっている。

また、30%を超える高水準のROEを、単年度ではなく、継続している事も同社の特徴。下記の同業者のROEの推移をみればわかるように、資産効率に優れ、ROEの高い業界ではあるが、業界の有力企業と言えども、30%超のROEを継続する事は難しい。
 
 
 
2015年3月期上期決算
 
 
前年同期比19.5%の増収、同39.7%の経常増益
売上高は前年同期比19.5%増の173億85百万円。サービス提供先工場数は前年同期末に比べて52工場増加の429工場(前期末との比較では16工場増)。既存顧客からの増員要請が強い上、新規の開拓もあり、人材需要は旺盛。「いかに人を確保するか(採用力)」が収益拡大のポイントとなるため、月間の採用数を350名から500名に引き上げて体制整備に取り組んだ。この結果、技術社員稼働数が前年同期に比べて約1,000名増の8,663名と過去最高を更新した。もっとも、9月末現在、985名のバックオーダー(3ヵ月以内に技術社員を確保して埋めるべきオーダー)を抱えており、受注残は高水準だ。

また、取引業種の分散が一段と進んだ事も上期の特徴。半導体・電子部品向けの売上構成比が前年同期の47.5%から44.0%へ低下する一方(売上高は同11%弱増加した模様)、自動車関連向けの売上構成比が10.9%から15.3%へ上昇した。

利益面では、契約単価が高く、残業の割り増しもある自動車関連の売上構成比上昇に加え、その他の業種も契約単価が堅調に推移した事で売上総利益率が18.3%と1.7ポイント改善。営業活動強化に伴う人件費及び活動費等の増加や採用活動強化に伴う募集費の増加等による販管費の増加を吸収して営業利益が8億23百万円と同35.7%増加した。前年同期は子会社清算損など特別損失1億90百万円を計上したことから四半期純利益は4億87百万円と同117.0%増加した。
 
 
 
事業拡大に伴い、上期末の総資産は143億02百万円と前期末に比べて22億44百万円増加した。同社は流動性に富み、かつ安定した財務基盤を有しており、100%超であれば短期的な支払い能力は安全とされる流動比率は163%(前年同期は170%)、100%未満であれば長期的に安全と言われているが固定比率が103%(同112%)。また、有利子負債が増加したものの、調達した資金でどれだけ効率的に利益を稼いだかを示すROIC(投下資本利益率)は、前年同期の5.7%から6.0%に上昇した。自己資本比率は19.5%。
 
 
資金効率の改善で前年同期は1億16百万円の赤字だった営業CFが9億81百万円の黒字に転じ、9億09百万円のフリーCFを確保した。
 
 
2015年3月期業績予想
 
 
通期業績予想に変更はなく、前期比4.0%の増収、同34.5%の経常増益
15/3期の業績予想は14/3期第4四半期の実績をベースにした保守的な予想である。売上高は前期比4.0%増の320億円を予想しているが、これは14/3期第4四半期の売上高81億円水準が続く事を想定したもので、9月末のバックオーダーと採用力の向上を考えると、着地点は360億円〜370億円になりそうだ。
ただ、利益面では、総じて契約期間が短い自動車関連の売上構成比の上昇で月次の利益変動が大きくなっている。また、募集費が高止まりしている事もあり、営業利益は26億円程度と、経常利益は25億円程度と小幅な上振れにとどまりそうだ。
 
【コミットメント】
今期の配当は未定だが、同社は利益成長と株主還元を重視しており、「EPS成長率30%以上(3ヵ年計画の平均成長率)」及び「総還元性向50%以上(13/3期第2四半期に配当性向30%から変更)」をコミットメントしている。
 
・EPS成長率 30%以上 (5ヵ年計画の平均成長率)
・総還元性向 50%以上 (2013年3月期 第2四半期に配当性向30%から変更)
 
 
今後の注目点
自動車関連の売上構成比が上昇する一方、10/3期には売上高の79%超を占めていた半導体・電子の構成比が44%に低下した。こうした売上構成比の変化は、業種リスク分散を進める同社の戦略に沿ったもので、取り組みの成果を示すものだが、ここにきて課題も出てきた。というのは、半導体・電子が24時間稼働で長期契約のため、収益計画が立てやすいのに対して、自動車関連は比較的短い期間の契約が多く、稼働時間も変動するため、月によって利益率が大きく変動する事がある(もちろん、問題となるのは利益率が低下する場合だ)。同社は、短期間での利益率の急激な低下を防ぐため、日給月給や月額固定の給与支払いによる契約社員のウエートを高めていく考え。この取り組みの成果は来期の業績を考える上でもポイントの一つとなるだろうから、下期の成果に注目したい。
現在、「採用増によって売上が増加し、確実にオーダーをこなした実績が次の受注につながる」と言う好循環の中にあり、今期末までに四半期売上高100億円体制が構築できる見込みだ。固定費の一部変動費化を進め、課題である利益率の安定化にも目処を付け、3ヵ年の中期経営計画の最終年度に当たる来期は、売上高450億円、経常利益39億円の計画達成を目指す(衆議院の解散により労働者派遣法の改正案が廃案となったが、正社員派遣を中心とする同社の業績に特段の影響はない。成立すれば、企業は派遣社員を使いやすくなるのだが…)。

尚、今期の配当は「未定」だが、同社は「総還元性向 50%以上」をコミットしている。このため、当期純利益が予想に沿った着地となり、かつ自社株買いを実施しなかった場合、1株当たり18円程度の配当を実施する必要がある。配当が「未定」という事は、「配当をするか、しないか、わからない」という事ではなく、「総還元性向に基づいて実施するので、現状では金額が未定である」と解釈すべきであろう。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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