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(2179:JASDAQ) 成学社 企業HP
太田 明弘 社長
太田 明弘 社長

【ブリッジレポート vol.21】2015年3月期業績レポート
取材概要「中期成長戦略で掲げている塾生数3万人は、直営拠点に実際に通う塾生数である。同社はこの目標達成とは別に、FC展開と共に、ICTを活用した授業の・・・」続きは本文をご覧ください。
2015年6月16日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社成学社
社長
太田 明弘
所在地
大阪市北区中崎西3-1-2
事業内容
大阪地盤に集団指導塾「開成教育セミナー」、個別指導塾「個別指導学院 フリーステップ」などを展開。首都圏でも積極展開。
決算期
3月末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2015年3月 10,390 492 468 210
2014年3月 10,032 517 510 309
2013年3月 9,689 651 649 327
2012年3月 8,704 649 617 248
2011年3月 6,854 617 593 213
2010年5月 6,858 254 221 68
2009年5月 5,915 241 218 108
2008年5月 5,349 454 432 218
2007年5月 4,786 299 288 143
2006年5月 4,144 301 294 156
2005年5月 3,351 242 229 79
2004年5月 2,833 259 275 57
2003年5月 2,197 166 160 61
株式情報(6/9現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
908円 5,875,740株 5,335百万円 9.2% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
9.80円 1.1% 39.76円 22.8倍 402.12円 2.3倍
※株価は6/9終値。発行済株式数は直近期決算短信より(発行済株式数から自己株式を控除)。ROE、BPSは前期末実績。
 
成学社の2015年3月期決算概要等についてご紹介致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
大阪府を中心に近畿圏で学習塾を展開しており、小学生から高校卒業生(大学受験浪人生)までを対象としてクラス指導と個別指導の2部門による学習指導を行っている。また、子会社において、特定分野を専門とする学習塾の経営、学校法人等への講師派遣を行っている他、飲食事業や不動産賃貸事業も手掛けている。グループは、同社の他、(株)アプリス、(株)個夢の連結子会社2社。
 
 
<沿革>
1982年7月、個人経営の学習塾「開成教育セミナー」を大阪府豊中市で創業。1987年1月に(株)成学社として法人組織に改組した。早くから個別指導にも力を入れ、90年12月に「個別指導学院フリーステップ」として個別指導形態の進路指導及び学習指導を開始し、97年8月には家庭教師事業にも参入した(その後、100%子会社(株)アプリスに移管)。97年から99年にかけては兵庫県、滋賀県へ教室展開。2001年10月には「個別指導学院フリーステップ」のFC事業を開始した。02年7月には京都府へ教室展開し、同年12月には対象を高校生に広げた「開成ハイスクール」を開始。05年9月には奈良県へ教室展開。15年3月には、徳島県、香川県にFC教室を開校し、四国にまで教室展開を拡大した。

M&Aにも積極的に対応しており、08年3月に(株)ファイブランズより学習塾を譲受し、「エール進学教室」を開校。08年8月のJASDAQ上場を経て、09年3月には(株)進学教育研究所より学習塾を譲受し、「京大セミナー」を開校。同年12月には兵庫県東播磨地区で個別指導専門塾「個別教育システム アイナック」を運営する(株)個夢の全株式を取得し連結子会社化した。更に10年2月には連結子会社(株)東京フェリックス(13年に当社を存続会社として吸収合併)を設立し、同年3月より首都圏で学習塾の運営をスタートした。また、11年12月には英会話教室の運営ならびに英語を公用語とする外国人講師の学校法人等への派遣を主な事業とする(株)アイビー(13年に子会社アプリスを存続会社として吸収合併)を連結子会社化している。
03年6月には飲食事業、04年7月には所有不動産の有効活用を目的とした不動産賃貸事業も開始した。飲食事業については、05年10月に(株)アプリスに移管し、現在3店舗を運営している。
15年4月からは質の高い幼児教育を提供すべく保育事業を開始した。
 
<事業内容>
事業は、教育関連事業、不動産賃貸事業、及び飲食事業に分かれ、売上高構成比は、それぞれ97.9%、0.5%、1.6%(15/3月期)。
 
教育関連事業
クラス指導部門では、「開成教育セミナー」、「エール進学教室」、「京大セミナー」、「サンライトアカデミー」の塾名で教室を展開しており、学力別クラス編成に基づいた指導を行っている。一方、個別指導部門では、小学生以上を対象とした「個別指導学院フリーステップ」、「ハイグレード個人指導ソフィア」、「個別教育システム アイナック」のほか、高校生以上を対象にインターネットを通じた授業を行う「開成教育グループ代ゼミサテライン予備校」を展開している。また、「個別指導学院フリーステップ」ではFC事業を展開。その他指導部門では、学校法人等への講師派遣、英会話教室「IVY」の運営、小学生の滞在型アフタースクール「かいせい こどもスクール」の運営を行っている。
 
飲食事業
京丹波の食材を生かしたメニューと自家製豆腐料理を提供する「京丹波 菜じ季」等、飲食店舗を合計3店舗運営している。
 
不動産賃貸事業
不動産を効率的に活用するため、所有不動産の一部を賃貸している。
 
<日本有数の教育企業として、充実した教育サービスと教育コンテンツを提供>
学習塾業界では、少子化の影響、顧客ニーズの多様化から、顧客の学習塾に対する選別基準が厳しくなっている。同社では、業界内の競争激化に対応すべく、教務内容の充実によるサービス水準の向上、英会話教室の運営、学校法人への講師派遣を通じて、総合教育企業として発展を目指している。
日本の将来を展望した場合、「グローバル化された世界に生きる子ども達が、確かな知識と学力、そして変化に対応できる柔軟な思考力と発想力を培う事が何より大切」と言うのが同社の考え。そして、そのために最も必要とされるものが「教育力の充実」であるとの確信の下、子ども達の可能性を最大限に引き出すための教育活動を行っている。
少子化によって学習塾のこれからの成長性を悲観する見方もあるが、同社はむしろ教育新時代を迎えて、業界の将来は極めて明るいものと確信しており、これまでのライブ中心の授業に加え、ICT時代に対応できる授業コンテンツの提供も含め、新時代対応型の教育企業として確実な成長を目指している。
 
 
2015年3月期決算概要
 
 
個別指導が牽引し増収も、新規事業のための先行投資で減益
売上高は前期比3.6%増の103億90百万円。クラス指導部門は減収だったが、個別指導が牽引した。事業拡大による人件費増、保育園開園の先行投資を行いつつも広告宣伝費などのコストコントロールを行い販管費は減少したが吸収しきれず、営業利益は同4.9%減の4億92百万円となった。閉鎖・移転および収益性の悪化している教室(20か所)の減損損失67百万円が発生したため、当期純利益は同31.8%減の2億10百万円となった。
売上、利益とも期初計画には及ばなかった。
 
 
(教育関連事業)
増収・減益だった。売上高は前期比3.7%増の101億74百万円、セグメント利益は同2.3%減の9億2百万円。
例年ピークを迎える11月時点のグループ生総数は前年同月比0.2%増の25,539人と微増。クラス部門の減少を個別指導の増加で補った形となっている。
費用面においては、チラシ配布やDM発送を効率的に行い広告宣伝費を圧縮する等、費用削減を行うとともに、知育型保育園「かいせい保育園」、小規模認可保育園「かいせいプチ保育園」の2015年4月の開園にむけた先行投資を行った。

「クラス指導部門」
売上は前期実績および計画共に下回った。11月時点の塾生数は9,878人。夏期特別講習におけるキャンペーンが奏功し計画は上回ったが前年同月比では4.2%減少した。カリキュラムの見直し等により塾生一人当たりの単価引き上げを図り減収幅を押しとどめた。

「個別指導部門」
売上は計画には届かなかったが、前年実績を上回った。11月時点の塾生数は計画を下回ったが、前年同月比では3.2%増加の15,367人となった。主力ブランド「個別指導学院フリーステップ」は大学受験に強い、点数アップに強い点が支持され高校生中心に引き続き堅調だった。

「その他指導部門」
売上は計画には届かなかったが、前年実績を上回った。11月時点の生徒数は前年同月比4.3%増加の294人となった。英会話教室IVYは価格優位性が薄れ集客力が低下した。「こどもスクール」はスポット預りの需要が多く、レギュラー会員は計画を下回った。
 
(不動産賃貸事業)
テナント賃料は前年とほぼ同水準だったことから、売上高は前期比横ばいの53百万円、セグメント利益(営業利益)は、不動産修繕等により費用が生じたため同6.4%減少の47百万円となった。
 
(飲食事業)
個人消費の不透明な状況が続くとともに、原材料価格の上昇等、店舗運営には厳しい環境が続いている。1店舗オープンしたが、集客の向上、採算の改善が見込めない1店舗を閉鎖した。
売上高は前期比4.0%減の1億63百万円、セグメント損失(営業損失)は前年比11百万円悪化の22百万円となった。
 
 
フリーステップブランドで展開しているFC教室は6教室を新規開校、1教室をFC化したことにより、期末におけるFC教室数は10教室(前期末は3教室)となった。
営業エリアを四国に拡大し、徳島県2教室、香川県1教室を開校した。
 
 
現預金、売上債権の増加により流動資産は前期末比3億76百万円増加。固定資産はほぼ同水準で、資産合計は同3億44百万円増加して、64億20百万円となった。前受金の増加等により流動負債は1億76百万円増加し、負債合計は同1億87百万円増加の40億58百万円となった。純資産は利益剰余金の増加などで同1億56百万円増加した。この結果、期末の自己資本比率は前期末比0.5%上昇し、36.8%となった。
 
 
未払消費税等の増加などでフリー・キャッシュ・フローの黒字幅が拡大したため、短期借入金の純減等により財務CFのマイナス幅は拡大したものの、キャッシュポジションは上昇した。
 
(5)トピックス
◎自己株式の取得及び自己株式の公開買付け
筆頭株主の株式会社ニューウェーブ(成学社の代表取締役社長太田明弘氏の資産管理会社。保有株式数1,526,000 株、保有比率25.97%。2015年5月18日現在)より、保有株式の一部を売却する意向を受け、EPSおよびROEの向上などに資すると判断し、またその他株主に対しても売却の機会を平等に与える事が必要と考え、公開買付けにより自己株式を取得することとした。
 
 
 
2016年3月期業績予想
 
 
5.9%増収、9.1%営業減益
売上高は前期比5.9%増加の109億98百万円を予想。堅調な個別指導部門に加え、今期より開始する保育事業の寄与を見込む。
営業利益は同9.1%減の4億47百万円の予想。人件費、教室運営費、広告宣伝費増に加え、新規事業の立ち上がりによる費用が増加する。経常利益は認可保育所の補助金収入を見込み増益予想。
配当は前期に比べ0.30円/株増配の9.80円/株の予定で、予想連結配当性向は24.6%。
 
 
(教育関連事業)
クラス指導部門は今期も塾生数の減少が予想されるが減少幅は減少傾向にある。一人当たり単価が上昇傾向にあることから、売上高は横這いを見込んでいる。
個別指導部門はフリーステップが引き続き堅調で、売上高、塾生数ともに前年を上回る見込み。
その他指導部門は今期初より開始した「かいせい保育園」、「かいせいプチ保育園」の寄与を見込み大幅な増収を予想。
 
(不動産賃貸事業)
テナント入居状況に大きな変動は見込んでおらず、前年並みの売上高を予想。
 
(飲食事業)
収益改善が見込めない1店舗を閉鎖し、既存2店舗の運営に注力。収益環境の改善を図る。
 
(3)教室展開
新規開校は、直営19拠点、FC10拠点を計画しており、期末拠点数は直営236拠点、FC20拠点を見込む。
保育事業は2015年4月に「かいせい保育園」1ヵ所、「かいせいプチ保育園」3か所の計4か所を開園。
自治体の認可保育所募集には積極的に応募し、「かいせいプチ保育園」の拡大を図る。
 
 
中期成長戦略及び今後の展開
 
中期目標として「連結売上高150億円、グループ塾生数3万人」を掲げている。
売上拡大のためには、M&Aや営業エリアの拡大、塾生数増加のためには、既存ブランドの成長と顧客層の拡大を進める。
 
◎外部環境など
現在の中学1年生が高校3年生になる2020年実施分から大学入試センター試験が「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」に変更され、知識の量ではなく、思考や判断など知識の活用力を問うものとなる。
また英語教育の本格導入も進んでいく。
加えて、大学受験合格者に占める現役生比率は8割を超えており、受験環境が大きく変化する中、高校在学中に学力を向上させる学習塾の役割は今後も益々高まっていくものと思われる。
ただ、学習塾業界全体の生徒数は横這いの中、大手のシェア拡大が続いており、水平戦略、垂直戦略を合わせていかにして効果的なマーケティングを展開するかが重要な課題となっている。
 
◎FC展開
そうした中、同社の「個別指導学院フリーステップ」のFC展開は成長戦略における重要な施策の1つである。
前期より四国に営業エリアが拡大するなど堅調に増加しており、全国展開の道筋が見えてきたと考えている。大学受験の合格実績をベースにした近畿No.1ブランドを構築し、今期以降、関東、中部、九州での展開を進める。
 
◎保育園事業
少子化の進行を背景とした事業領域拡大の必要性と、待機児童解消という社会的要請の両面から、保育園事業の拡大に注力する。
2015年4月大阪府内に、知育特化型保育園「かいせい保育園」1か所と小規模認可保育園「かいせいプチ保育園」3か所を開設した。
事前説明会での保護者の反応は良好で、低年齢層からの同社グループの認知度向上を図り、近隣教室への通塾のきっかけにもしたいと考えている。
小規模認可保育園「かいせいプチ保育園」に関しては、年間4〜5か所の開設を目指しているのに加え、定員20名未満の小規模保育所のみでなく、定員60名の通常の保育所の開設・運営も進めて行く。
 
 
今後の注目点
中期成長戦略で掲げている塾生数3万人は、直営拠点に実際に通う塾生数である。
同社はこの目標達成とは別に、FC展開と共に、ICTを活用した授業の開発を進めるべく検討を重ねている。
ICTの利用による時間と場所の制約からの解放は授業の形態を大きく変える物であるが、いかにして持続的な収益構造を構築するかが課題であり、様々な検証を行っているという。映像を利用した授業形態である「代ゼミサテライン予備校」が前期初めて黒字化したこともICT授業の今後にとって大きなヒントとなるかもしれない。
短期的にはFC化の進展を、中長期的にはICT活用具現化の進捗を注目していきたい。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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