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(2179:JASDAQ) 成学社 企業HP
太田 明弘 社長
太田 明弘 社長

【ブリッジレポート vol.25】2016年3月期業績レポート
取材概要「クラス指導部門の事業環境は引き続き厳しいようだが、個別指導部門が全国展開に向けて、堅調に推移しており、今後も期待できよう。売上に寄与・・・」続きは本文をご覧ください。
2016年6月28日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社成学社
社長
太田 明弘
所在地
大阪市北区中崎西3-1-2
事業内容
大阪地盤に集団指導塾「開成教育セミナー」、個別指導塾「個別指導学院 フリーステップ」などを展開。首都圏でも積極展開。
決算期
3月末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2016年3月 10,676 401 402 184
2015年3月 10,390 492 468 210
2014年3月 10,032 517 510 309
2013年3月 9,689 651 649 327
2012年3月 8,704 649 617 248
2011年3月 6,854 617 593 213
2010年5月 6,858 254 221 68
2009年5月 5,915 241 218 108
2008年5月 5,349 454 432 218
2007年5月 4,786 299 288 143
2006年5月 4,144 301 294 156
2005年5月 3,351 242 229 79
2004年5月 2,833 259 275 57
2003年5月 2,197 166 160 61
株式情報(6/21現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
857円 5,525,740株 4,735百万円 8.1% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
10.10円 1.2% 37.87円 22.6倍 399.10円 2.1倍
※株価は6/21終値。発行済株式数は直近期決算短信より(発行済株式数から自己株式を控除)。
 
成学社の2016年3月期決算概要等についてご紹介致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
大阪府を中心に近畿圏で学習塾を展開しており、小学生から高校卒業生(大学受験浪人生)までを対象としてクラス指導と個別指導の2部門による学習指導を行っている。2015年4月には、乳幼児から未就学児を対象にした保育事業を開始した。また、子会社において、英会話教室、学習塾の運営、学校法人等への講師派遣を行っている他、飲食事業や不動産賃貸事業も手掛けている。グループは、同社の他、(株)アプリス、(株)個夢、2015年12月に子会社化した(株)global bridge 大阪の連結子会社3社。
 
 
<沿革>
1982年7月、個人経営の学習塾「開成教育セミナー」を大阪府豊中市で創業。1987年1月に(株)成学社として法人組織に改組した。早くから個別指導にも力を入れ、90年12月に「個別指導学院フリーステップ」として個別指導形態の進路指導及び学習指導を開始し、97年8月には家庭教師事業にも参入した(その後、100%子会社(株)アプリスに移管)。97年から99年にかけては兵庫県、滋賀県へ教室展開。2001年10月には「個別指導学院フリーステップ」のFC事業を開始した。02年7月には京都府へ教室展開し、同年12月には対象を高校生に広げた「開成ハイスクール」を開始。05年9月には奈良県へ教室展開。15年3月には、徳島県、香川県にFC教室を開校し、四国にまで教室展開を拡大した。15年4月には、知育特化型保育園「かいせい保育園」、小規模認可保育所「かいせいプチ保育園」を開園し、乳幼児から未就学児までを対象とする保育園事業を開始した。

M&Aにも積極的に対応しており、08年3月に(株)ファイブランズより学習塾を譲受し、「エール進学教室」を開校。08年8月のJASDAQ上場を経て、09年3月には(株)進学教育研究所より学習塾を譲受し、「京大セミナー」を開校。同年12月には兵庫県東播磨地区で個別指導専門塾「個別教育システム アイナック」を運営する(株)個夢の全株式を取得し連結子会社化した。更に10年2月には連結子会社(株)東京フェリックス(13年に当社を存続会社として吸収合併)を設立し、同年3月より首都圏で学習塾の運営をスタートした。11年12月には英会話教室の運営ならびに英語を公用語とする外国人講師の学校法人等への派遣を主な事業とする(株)アイビー(13年に子会社アプリスを存続会社として吸収合併)を連結子会社化した。また、15年12月には、認可保育所を運営する(株)global bridge 大阪の全株式を取得し、連結子会社化している。
03年6月には飲食事業、04年7月には所有不動産の有効活用を目的とした不動産賃貸事業も開始した。飲食事業については、05年10月に(株)アプリスに移管し、現在2店舗を運営している。
 
<事業内容>
事業は、教育関連事業、不動産賃貸事業、及び飲食事業に分かれ、売上高構成比は、それぞれ98.3%、0.5%、1.2%(16/3月期)。
 
教育関連事業
クラス指導部門では、「開成教育セミナー」、「エール進学教室」の塾名で教室を展開しており、学力別クラス編成に基づいた指導を行っている。一方、個別指導部門では、小学生以上を対象とした「個別指導学院フリーステップ」、「ハイグレード個人指導ソフィア」、「アルスポート」のほか、高校生以上を対象に映像配信授業を行う「開成教育グループ代ゼミサテライン予備校」を展開している。また、「個別指導学院フリーステップ」ではFC事業を展開。その他の指導部門では、学校法人等への講師派遣、英会話教室「IVY」の運営、小学生の滞在型アフタースクール「かいせい こどもスクール」、知育特化型保育園「かいせい保育園」、小規模認可保育所「かいせいプチ保育園」、「アイテラス保育園」の運営を行っている。
 
飲食事業
大阪市内に飲食店舗を2店舗運営している。
 
不動産賃貸事業
不動産を効率的に活用するため、所有不動産の一部を賃貸している。
 
<日本有数の教育企業として、充実した教育サービスと教育コンテンツを提供>
学習塾業界では、少子化の影響、顧客ニーズの多様化から、顧客の学習塾に対する選別基準が厳しくなっている。同社では、業界内の競争激化に対応すべく、教務内容の充実によるサービス水準の向上、英会話教室の運営、学校法人への講師派遣を通じて、総合教育企業として発展を目指している。
日本の将来を展望した場合、「グローバル化された世界に生きる子ども達が、確かな知識と学力、そして変化に対応できる柔軟な思考力と発想力を培う事が何より大切」と言うのが同社の考え。そして、そのために最も必要とされるものが「教育力の充実」であるとの確信の下、子ども達の可能性を最大限に引き出すための教育活動を行っている。
少子化によって学習塾のこれからの成長性を悲観する見方もあるが、同社はむしろ教育新時代を迎えて、業界の将来は極めて明るいものと確信しており、これまでのライブ中心の授業に加え、ICT時代に対応できる授業コンテンツの提供も含め、新時代対応型の教育企業として確実な成長を目指している。
 
 
2016年3月期決算概要
 
 
個別指導部門が堅調だったものの人件費増などで増収・減益
売上高は前期比2.7%増の106億76百万円。売上の6割を占める個別指導部門が堅調だったことに加え、新規事業の保育関連分野が貢献した。
営業利益は同18.5%減の4億1百万円。家賃、その他費用はコントロールできたが、優秀な人材の囲い込み、非常勤講師の指導単価上昇、保育部門の人員増等により人件費が増加した。
 
 
(教育関連事業)
クラス指導部門は生徒数の減少に伴い売上高も減少しているが、個別指導部門の生徒数が堅調に推移したこと、保育事業が寄与したことから売上高は前期比3.1%増の104億90百万円となった。一方で、効率的な教室運営で経費削減を図ったものの、優秀な人材の囲い込み等による人件費の増加、塾生募集のための広告宣伝費の増加、雇用環境の改善により人材募集コストが増加したこと等により営業利益は同3.5%減の8億70百万円となった

「クラス指導部門」
市場規模が縮小している影響もあり厳しい状況が続いている。クラス指導部門のグループ生数は前期2.7%減の9,611名となった。計画に対しても1.3%下回った。

「個別指導部門」
一部のブランドにおいて塾生数が減少しているものの、主要ブランドである「個別指導学院フリーステップ」は、特色である「大学受験に強いフリーステップ」、「点数アップに強いフリーステップ」をアピールしたことで集客力を高め、堅調に推移した。生徒数も前期比1.9%増の15,654名となっており、堅調に推移している。

「その他の指導部門」
2015年4月に開園した知育特化型保育園「かいせい保育園」、小規模認可保育所「かいせいプチ保育園」が寄与したものの、英会話教室「IVY」を前期末に1教室閉鎖したことが影響し、前期比4.8%減の280名となった。
 
(不動産賃貸事業)
テナント賃料は前年とほぼ同水準で推移し、売上高は前期比1.3%減の52百万円、営業利益も同6.0%減の44百万円となった。
 
(飲食事業)
個人消費低迷や競合店の増加等厳しい店舗運営状況が続く傾向にある。前期には損益状況の改善が見込めない1店舗を閉鎖するとともに、既存店舗の集客力の向上に取り組んだ。この結果、売上高は同18.5%減の1億33百万円となったものの、不採算店舗の閉鎖により営業損失は3百万円と、前期の営業損失22百万円から改善した。
 
 
現預金の増加により、流動資産は前期末比1億45百万円増加。固定資産は有形固定資産の増加により、同33百万円増加し、資産合計は同1億79百万円増加の66億円となった。仕入債務、短期借入金の増加等により流動負債は33百万円増加。長期有利子負債の増加などで固定負債が同3億3百万円増加したことで、負債合計は同3億36百万円増加の43億94百万円となった。利益剰余金の増加と自社株取得により純資産は同1億57百万円減少の22億5百万円となった。この結果、期末の自己資本比率は前期末比3.4%低下し、33.4%となった。
 
 
税引等調整前当期純利益の減少、未払消費税等の減少等で、営業CFは縮小した。補助金の受取額があり、投資CFのマイナス幅は縮小した。長期借入の収入増で財務CFのマイナス幅は縮小。キャッシュポジションは上昇した。
 
 
2017年3月期業績予想
 
 
引き続き個別指導は堅調。増収・増益を見込む。
売上高は前期比6.1%増の113億28百万円の予想。塾生数の増加、ボリュームの大きい冬期講習会等が寄与する。営業利益は同3.5%増の4億15百万円。事業拡大に伴い人件費や教室運営費用などが増加するが増収で吸収し増益を見込む。売上、利益のボリュームの大きい下半期への偏重が拡大傾向にあり、上期営業利益は1億41百万円のマイナスの計画。
配当は前期に比べ0.30円/株増配の10.10円/株の予定で、予想連結配当性向は26.7%。
 
 
(教育関連事業)
年間を通じて13教室を新規開校し、ピークとなるグループ塾生数は25,924人(2016年11月時点、前年同月比379人増)を計画している。
クラス指導部門は、「京大セミナー」および「サンライトアカデミー」を「開成教育セミナー」に統合しブランドの訴求力を高めるとともに、小中一貫校への入試準備に特化したコース「アドバンスα」を新設する。
個別指導部門は、主要ブランドである「個別指導学院フリーステップ」を中心とした事業展開を行うとともに、講師の研修等を強化することで提供するサービスの品質向上を図る。
その他の指導部門では、ニーズの高い保育分野等への参画を推進し、事業の拡大を図る。
また、スクールバスの見直し、効率的な教室運営等で経費を削減し、ニーズの高い教育分野での事業展開にむけて先行投資も積極的に進める計画。
 
(不動産賃貸事業)
保有不動産の余剰スペースを積極的に賃貸し収益を確保する。
 
(飲食事業)
既存店舗の運営効率を改善し、早期の黒字化に取り組む。
 
(3)教室展開
直営教室の新規開校は13拠点、閉鎖はクラス指導部門1拠点、個別指導1拠点の計2拠点を計画しており、期末拠点数は240拠点で前年比12拠点増加、FC教室は期末拠点数26拠点で前年比10拠点増を見込む。
保育園事業は2016年4月に小規模認可保育所「かいせいプチ保育園」を1園開園。教育、保育に関連する新ブランドの設立に向け準備中のため、今期中の開園は控える計画。
 
 
中期成長戦略及び今後の展開
 
中期目標として「連結売上高150億円、グループ塾生数3万人」を掲げている。
売上拡大のためには、M&Aや営業エリアの拡大、塾生数増加のためには、既存ブランドの成長と顧客層の拡大を進める。
 
◎外部環境など
現在の中学1年生が高校3年生になる2020年実施分から大学入試センター試験が「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」に変更され、知識の量ではなく、思考や判断など知識の活用力を問うものとなる。
加えて、大学受験合格者に占める現役生比率は8割を超えており、受験環境が大きく変化する中、高校在学中に学力を向上させる学習塾の役割は今後も益々高まっていくものと思われる。
ただ、学習塾業界全体の生徒数は横這いの中、大手のシェア拡大が続いており、水平戦略、垂直戦略を合わせていかにして効果的なマーケティングを展開するかが重要な課題となっている。
 
◎東京での展開を加速
東京へ進出して5年が経った現在16拠点(うちフランチャイズ1拠点)展開している。フリーステップの問い合わせは増加し、ブランドは確実に浸透している。今後の成長力に期待している。
 
◎保育園事業
少子化の進行を背景とした事業領域拡大の必要性と、待機児童解消という社会的要請の両面から、保育園事業を開始した。現在は、定員20名未満の小規模保育所の運営を行っているが、定員60名の通常の保育所の開園も目指したい。
 
 
今後の注目点
クラス指導部門の事業環境は引き続き厳しいようだが、個別指導部門が全国展開に向けて、堅調に推移しており、今後も期待できよう。売上に寄与が始まった保育関連分野だが、今期は新ブランドの設立に向け準備中のため、今期中の開園は控える計画ということだ。自治体の認可と合わせ、どの程度のスピードで拡大が進むのかを注目していきたい。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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