ブリッジレポート
(3548:東証1部) バロックジャパンリミテッド 企業HP
村井 博之 社長
村井 博之 社長

【ブリッジレポート vol.2】2017年1月期業績レポート
取材概要「新年度(2018年1月期)2月の既存店売上高の前年同月比は85.5%と1月を下回った。前年がうるう年で今年は営業日数が1日少なかったことに加え・・・」続きは本文をご覧ください。
2017年4月4日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社バロックジャパンリミテッド
社長
村井 博之
所在地
東京都目黒区青葉台4-7-7 住友不動産青葉台ヒルズ
事業内容
主に女性向けの衣料品及び服飾雑貨の企画及び販売を行う製造小売業(SPA)。中国本土での合弁事業拡大に注力。
決算期
1月末日
業種
小売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2016年1月 68,769 5,996 6,141 4,221
2015年1月 62,525 -683 -874 -2,340
株式情報(3/21現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
1,354円 35,503,000株 48,071百万円 31.8% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
38.00円 2.8% 126.17円 10.7倍 465.68円 2.9倍
※株価は3/21終値。ROE、BPSは株式公開前の数値となるため記載していない。
 
バロックジャパンリミテッドの2017年1月期決算概要、2018年1月期業績予想などをお伝えします。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
20代から40代の女性を主要ターゲットにSPA(製造小売)として、女性向けの衣料品及び服飾雑貨の企画及び販売を行う。多ブランド・多チャンネル展開により、店舗数を拡大。中国の大手靴製造小売「Belle International Holdings Limited (香港証券取引所上場: 1880. HK」(以下Belle社)との合弁事業により中国本土でも積極的な事業展開を進める。高効率性&高収益性、社員の高いモチベーションも大きな特徴。単なるアパレルメーカーではなく、その時代のトレンドを創り出す「トレンドセッター」を目指している。
2017年1月末の店舗数(直営、FC合計)は国内358店舗、海外197店舗(中国187店舗、香港・マカオ8店舗、US 2店舗))。
 
【沿革】
2000年代前半、村井博之氏(現代表取締役社長)は知人に紹介され、SHIBUYA109で約10坪という小規模店舗ながらエネルギーに満ち溢れイキイキとして店舗を運営する株式会社フェイクデリックの若き創業メンバーと出会った。
彼らの「今の世の中には自分たちが着たい洋服が無い。だから自分たちで着たい服を作る。」という想いとそれを大ヒットにつなげる行動力、実績に対して大いに関心を持った村井氏は、会社が大きくなる中で生じる様々な課題や悩みに対しアドバイスを提供するようになる。
目的を持って自分のやりたいことに真剣に取り組むモチベーションの高さに感銘すると同時に、SPA(製造小売)ビジネスにも大きな興味を抱き、生まれ持った経営者マインドに火が付いた村井氏は、2006年、(株) フェイクデリックホールディングスの代表取締役会長となり経営に乗り出す。
その後、いくつかの会社設立や合併等を経て2008年2月、株式会社バロックジャパンリミテッドが誕生する。
2009年5月に中国直営事業を開始するため子会社を設立。2010年11月、「MOUSSY」中国直営第1号店をオープンする。
2013年8月、中国の大手小売企業Belle International Holdings Limited(※)との間で、中国での合弁事業について合意。2016年11月、東京証券取引所市場第一部に上場した。

※:Belle International Holdings Limited
1991年設立。フットウェア事業とスポーツウェア&アパレル事業を展開。女性向けフットウェアで中国最大の小売事業者。自社、ライセンス、販売代理の幅広いブランドを扱う。ハンドバッグ、アクセサリー、男性用フットウェアも扱う。スポーツウェア&アパレル事業では中国小売業者最大手の一角。
2016年8月末時点で中国本土20,600店舗、香港及びマカオに138店舗を有する。2007年5月27日、香港証券取引所メインボードに上場。
 
 
 
【経営理念など】
同社の企業理念は「挑戦」。
顧客の潜在的なニーズを的確に捉え商品に反映させるという自社の強みを活かし、「バロック発のファッションブランドを日本の代表的なファッションブランドとして世界へ飛躍させる」という壮大な目標に向けて、5つの重要戦略を掲げて挑戦を続けている。
 
 
【市場環境】
◎国内
経済産業省による「日本ファッション産業の海外展開戦略に関する調査」(2014年7月16日発表)によれば、日本のファッション市場はここ10年で緩やかな縮小傾向にあり、2020年に向けても微増と予想している。
また個別企業の状況をみても、多くの企業が海外進出を志向しているものの、海外売上高比率が20%を超す企業は数少なく、国内上場企業のうち7割以上は海外比率が10%未満であり、今後の成長のためには本格的な海外進出の成否がカギを握っている。
 
 
◎海外
一方で海外市場に目を向けると、主要国(18の国および地域)のファッション市場は2013年の206兆円から、2020年には325兆円へ119兆円増、年率 6.7%の成長が見込まれている。
このうち中国本土は45.6兆円から103.9兆円へ約60兆円増、年率12.5%成長と、全体の増加分の半分を占め、最大の成長市場となる。次いで米国が約10兆円増、年率2.7%成長となっている。
 
 
価格帯別(ラグジュアリ、ミドル、ロー)の市場推移を見ると、2020年にかけての119兆円の増加分のうち、ミドルが66兆円と過半を占め、次いでロー 40兆円、ラクジュアリ 14兆円となっている。
また、ミドルの増加分のうち国・地域別では中国が37兆円とその過半を占め、ローにおいても18兆円と約5割を占める。
 
 
加えて、中国では経済成長に伴いアッパーミドル層(年間可処分所得150万円超)及び富裕層(同350万円超)が2015年の約1.6億世帯から2020年には約2.5億世帯へと年率9%ペースで増加すると見込まれており、ミドル価格帯を中心にファッション市場の拡大を支えることとなる。

これらのことから、日本のファッション関連企業がボリューム面において海外進出で成功を収めるには、中国市場の本格的、重点的な開拓が必須といえよう。
 
【事業内容】
20代から40代の女性を主要ターゲットにSPA(製造小売)として、女性向けの衣料品及び服飾雑貨の企画及び販売を行っている。
 
①国内事業
以下の様に対象とする主要顧客層ごとに、ブランドおよび販売チャネルを設定している。
主要ブランドは、2000年SHIBUYA109に第1号店をオープンした同社の旗艦ブランド「MOUSSY」、2008年にMOUSSYから派生した「AZUL by moussy」、2012年にスタートした「「ENFöLD」など。
これらを中心に14のファッション性に富んだブランド(アパレル 13、靴 1)により「フェミニン」、「モード」、「エレガント」、「カジュアル」と、ファッションテイストを幅広くカバーしている。
 
 
国内における売上構成は、ショッピングセンター系が約55%、ファッションブランド・駅ビル系が約35%、それ以外(百貨店系、その他)が約10%となっている。
 
②海外事業
*中国
2007年に香港現地法人を設立。2010年に直営事業として「MOUSSY」1号店を上海にオープンしたのを皮切りに、上海、北京地区を中心に直営店舗を22店舗まで拡大した。
2013年より戦略的事業パートナーである「Belle International Holdings Limited」 との合弁事業をスタートさせ、直営店舗を全て合弁会社に移管した。

バロックジャパンとBelle社は、中国卸売事業の持株会社「Baroque China Limited」(出資比率:バロック社51%、Belle社49%)と、中国小売事業の持株会社「Baroque China Apparels Limited」(出資比率:バロック社49%、Belle社51%)を設立し、それぞれの100%子会社が卸売事業、小売事業を展開。
バロック社の中国合弁事業の売上高は、小売事業会社に対する卸売りとロイヤリティから構成され、利益は「Baroque China Limited」の持分投資利益、「Baroque China Apparels Limited」の少数株主利益である。
2017年1月期の中国合弁事業の売上高は卸売が同29.8%増の60億78百万円、ロイヤリティが同29.3%増の3億57百万円だった。
また香港、マカオでFC店舗によりMOUSSY、SLYのインショップ型の専門店を展開している。
 
*北米
2016年4月、北米地区における販売子会社「BAROQUE USA LIMITED」を設立し,同年9月にMOUSSY及びENFÖLDの店舗をNYマンハッタン地区にオープンした。2019年までを調査期間とし、最適な事業モデルを構築する。ECや卸売を軸とした収益性の高い事業を想定している。
 
 
◎出店戦略
<国内>
全国のファッションビルやショッピングセンター等へ20〜30坪のインショップ型店舗を効率的に出店している。
また、東京、大阪、名古屋など人口の多い都市部へ集中的に出店している。
 
 
今後も安定的に出店、年間では20店程度の純増を計画。
首都圏の出店は現在のところ新宿、渋谷、丸の内、池袋など都心部に集中しており、他地区にも駅ビルを中心に出店を進める。
また準都心部もまだ出店しきれていないとのことだ。
地方都市では更なる坪効率向上に向けて、改装や同じ地域でもより高い坪効率の売場を確保していく。

出店計画におけるリスクコントロールとしては、S級、A級という好条件物件の中のベストロケーションのみを対象とすることに加え、各店とも月次で単店収支を厳格にチェックしている。
 
<中国>
戦略的事業パートナーであるBelle社と連携した中国合弁事業の店舗数は2014年1月末の24店舗から2017年1月末には187店舗まで急速に拡大している。
今後も年間60店舗程度の出店を続ける計画。

ブランドとしては「MOUSSY」、「SLY」を中心に新規出店するとともに、「SHEL’TTER」をセレクトショップ型店舗として出店し、未展開ブランド商品のテストマーケティングの場としても活用している。
また、品揃えに関しては現地企画商品を導入し、現地顧客のニーズに対応している。
 
 
<アメリカ>
2016年9月、ニューヨークに「ENFöLD WEST VILLAGE」、「MOUSSY SOHO」の直営2店舗を初めて出店した。
ブランドポジショニングの検証および北米市場での認知度向上に取り組んでいく。
 
◎EC戦略
実店舗での積極的な展開を主軸に置く同社だが、EC販売の拡大にも力を入れている。
Blog、SNS、Webマガジンなどを通じ、自社の人気販売スタッフの個人アカウント、ブランド別の同社アカウントに加え、インフルエンサー(消費者への影響力のあるタレント等)による情報発信を行っている。
また、買えるファッションマガジン「SHEL’TTER」を発行し雑誌からの導線の強化やトレンド情報を提供するキュレーションサイト「SHEL’MAG」の提供等において、多面的なマーケティングを展開している。
2016年11月にはECエンジンを刷新。新CRMにより、顧客データ管理、商品企画、マーケティング戦略の強化にも取り組んでいる。
また、多言語対応、海外顧客への直接配送など越境ECにも力を入れている。
自社サイトに加えZOZOTOWNを始めとした他社サイトも有効に活用し、2017年1月期のEC比率(売上高に占めるEC売上高の比率)は11.8%。数年内に20%まで引き上げていく計画。
 
【特徴と強み】
◎高い効率性&収益性
棚卸資産回転率と売上高総利益率を主要な同業他社と比較すると、同社の効率性及び収益性の高さがひときわ目を引く。
比較的小規模な店舗で在庫を高速回転させるというビジネスモデルが高効率性・高収益性を支えている訳だが、それを実現しているのは以下のような要因だ。

まず、商品の高い競争力。
同社の製品は既にブランドとしての高い認知を有していることから他社製品よりも高い価格で値付けされており、付加価値が相対的に高い。
次に、強力な販売力。
同社では店舗スタッフが「自分が着たい洋服、欲しいもの」を店舗に揃えているため、スタッフのブランドモチベーションが極めて高い。そのため、顧客への販売にも積極的であり、また感性の高いスタッフによる着こなしの提案や情報発信に魅かれて顧客がスタッフのファンとなっているケースも多く、顧客ロイヤリティが極めて高い。
加えて、週単位で仕入れ、週単位で売り切ることを目標に長いスパン、短いトレンドなど商品仕入れにも独自のノウハウを有している。

加えて、ここ数年取組んできた以下のような抜本的なSCM(サプライ・チェーン・マネジメント)見直しも効果を生み始めている。会社側によれば、配送頻度やロットの見直しなどによる収益性向上の余地はまだまだ大きいということだ。ここにはキヤノンで世界一流のSCMを身近なものとしてきた村井社長の知識・経験が大きく寄与しているようだ。
 
 
 
◎中国市場開拓のアドバンテージ
巨大な中国市場の開拓はアジアでの事業展開を目指す日本企業であれば、経営戦略の中核に据える企業がほぼ100%であろうが、そうたやすいことではない事は過去の歴史が示すとおりである。
そうした中で、同社の中国合弁事業は店舗数、売上、利益とも拡大を続けている。

Belle社と同社は売上規模で10倍近い差があるが、立教大学を卒業後北京に留学し、その後もキヤノン、日本エアシステムにおいて中国、香港でビジネス経験を積んできた村井社長は、中華圏人脈の中で知己を得たBelle社のトップと企業経営、特に小売業のあるべき姿について真剣な議論を重ねてきた中で深い信頼関係が構築され、合弁事業を開始するに至ったという。
中国有数の巨大小売企業であるBelle社と資本・業務両面でアライアンスを組み事業パートナーとしている同社は中国市場開拓において大きなアドバンテージを有している。
 
◎企業風土:社員の高いモチベーション
同社の実質的な前身である(株)フェイクデリック創業時の「今の世の中には自分たちが着たい洋服が無い。だから自分たちで着たい服を作る。」という想いは現在も脈々と受け継がれており、同社の大きな特長であり、強みである。
アルバイトで入社した店舗スタッフでも、仕事に対するモチベーションの高い人間は商品開発や企画部門に引き上げ、更に「自分の着たい服作り」に邁進できるような環境を提供している。
また、意欲的な人材を登用し、現場を活性化させる取り組みとして2015年に「第1回スター発掘コンテスト」を開催した。

これは店舗及び本社勤務社員のやる気を引き出す、ユニークな取り組みで、社員の「夢の実現」を会社がサポートするというプロジェクトである。コンテスト参加者は自分の夢語る動画を作成し、Youtubeにアップロードする。一番多くの視聴回数を得た参加者がグランプリとなる。
初代グランプリ受賞者の夢は自分のブランドをローンチすることであり、「RIM.ARK」が2016年春にデビューした。
「挑戦」を企業理念に掲げる同社ならではの取り組みと言えよう。
 
 
2017年1月期決算概要
 
 
増収減益。国内苦戦で計画も下回る。
売上高は前期比1.1%増の694億93百万円。国内外ともに出店は順調だったが、既存店売上が低調で国内売上は苦戦。海外売上は20%以上の増収だった。
定価販売の苦戦とセール販売の増加により売上総利益は同1.5%減少し、粗利率も1.4ポイント低下。販管費は横ばいだったが、粗利減で吸収しきれず営業利益は同10.5%減の53億68百万円となった。
売上、利益とも2016年11月発表の通期予想を下回った。
 
(国内事業)
国内事業売上高は前期比0.7%減の629億70 百万円。
上期は概ね計画通りだったが、下期に積極的に展開した定価販売では天候不順の影響及び価格志向の強い消費者の需要を喚起できず、店舗売上は同3.4%減の514億41百万円となった。
通期既存店売上高前年比は前期の100.3%から91.8%に低下した。
期末店舗数は358店舗。(出店51店舗、退店29店舗の純増22店舗)
EC売上高は同13.5%増の74億45百万円。
SCM改革は順調に進んでいる。
 
 
(海外事業)
海外事業売上高は前期比22.2%増の65億23百万円。
中国事業からの利益額(持分投資利益、少数株主持分の51%相当、ロイヤリティ税抜換算額の合計)は円ベースで同37.5%増の7億16百万円。現地通貨ベースでは同61.6%増加した。
中国独自企画商品で中国の顧客ニーズを的確に捉えることができた。
中国合弁事業の店舗は、56店舗出店、5店舗退店で純増51店舗。期末店舗数は187店舗となった。
 
 
新規株式発行による資金調達で現預金が大幅増加し、流動資産は前期比95億44百万円増加。店舗増に伴う有形固定資産増で固定資産は同5億50百万円増加し、資産合計は同101億61百万円増加の384億59百万円となった。
長短期借入金残高は増加したが、未払金の減少等で負債合計は同9億89百万円減少し214億56百万円。
資本金、資本準備金の増加で純資産は同111億49百万円増加の170億2百万円。
自己資本比率は前期末の19.5%から43.0%へ大幅に上昇した。
 
 
営業CFはほぼ変わらず。
有形固定資産の取得による支出の増加で投資CFのマイナス幅は拡大した。フリーCFはプラスを維持。
株式の発行による収入により、財務CFはプラスに転じた。
キャッシュポジションは大幅に上昇。
 
(3)トピックス
◎株主優待制度を導入
株主の支援に応えると共に多くの投資家に魅力を感じていただきたいとの考えから株主優待制度を導入することとした。
 
 
2017年1月31日時点での株主名簿に記録された1単元(100株)以上保有の株主を対象に開始する。
 
 
2018年1月期業績見通し
 
 
増収増益へ
売上高は前期比9.7%増の762億8百万円の予想。国内事業が回復し、中国事業は引き続き成長を見込む。
既存店売上は保守的に設定。今期も店舗数は20店程度の純増を計画している。
増収に伴い粗利率も回復。営業利益は同17.6%増の63億12百万円を予想。
配当は38円/株を予定。予想配当性向は30.1%。今期より配当性向30-40%を基本方針とし、安定的に配当を実施する予定だ。
 
 
中期経営計画「Global Challenge - 2018/1-2021/1」
 
2018年1月期を初年度とする4年間の中期経営計画を発表した。
 
 
2021年1月期、売上高1,000億円、経常利益110億円を目指す。
国内の安定成長と収益率改善、中国事業拡大と北米事業の本格展開で海外売上高比率2割を想定。
(中国事業は卸売金額の連結。中国小売換算ベースに置き換えると3割強となる。)
収益性の改善は中国及びASEANの生産工場を起点としたグローバルなSCM改革による。
 
(1)国内戦略
*「EC事業の強化」
上場で調達した資金を活用し、新たにECエンジンを刷新・開発する。
自社ECプラットフォームを強化するとともに、ブランド個別サイト、アウトレットサイトを新設。プラットフォームを進化させ、店舗もECも統合管理して在庫を管理し、一層の効率化を追求する。
また、EC専用ブランドの開発や他社ブランドの取扱いなども進めていく。

こうしたプラットフォームの進化に加え、技術の進化や革新も取り入れ、SNSやリアルタイム動画を用いた販売等ビジネスモデルの進化にも取り組むほか、マーケティングオートメーションの導入や店舗空白エリアへの集中マーケティングなど、新しいマーケティング手法も取り入れていく。
 
*「出店戦略」
全国店舗網の完成を目指し、今期は青森、福島、福井等、同社店舗が1店舗も無い県への出店を予定している。
地方店舗はスクラップ&ビルドを進める。
店舗利益率が比較的高い東京エリアでは、都心から少し離れた郊外など無店舗エリアへの出店のほか、神奈川、千葉などへ重点的に出店する。
 
*「ブランド価値の強化」
成長の源泉は商品開発力であることを改めて認識し、他ブランドとのコラボレーションや、プロのデザイナーばかりでなく店舗スタッフも開発に参画するなど、独自価値のある商品開発を進める。
 
*「新規ブランド、新規ビジネス戦略」
人材およびビジネスの育成が企業にとって重要であると考えており、社内のみでなく社外応募者も対象とした新規ブランドやファッションに限らない新規ビジネスプロジェクトを立ち上げる。
「自分たちが欲しいモノを自分たちで作り上げる」という創業以来の同社スピリットを徹底させる。
 
(2)海外戦略
(中国)
2014年1月期より毎年約60店舗の出店を続けているが、依然出店余地は大きく、今後もMOUSSY/SLYについては50〜60店舗程度の出店を続けるほか、他ブランドの出店も積極的に進める。
ECの本格展開は2021年以降を想定している。
 
(米国)
2016年9月、NYに「MOUSSY」(SOHO)、「ENFÖLD」(West Village)をオープンし、認知度向上に取り組んでいる。
2019年までをフィジビリティスタディの期間とし、市場調査やSCM(サプライ・チェーン・マネジメント)調査を進め、最適な事業モデルの構築を目指す。
2019年以降に本格始動。ECや卸売を軸とした収益性の高い事業を想定しており、2021年1月期に売上40億円規模を目指している。
 
(その他地域)
日本、中国、米国以外での事業展開の準備も進めている。
市場規模、成長性、リスクを分析し、アジア、欧州、南米、オセアニア各国の中から事業の可能性のある国々のフィジビリティスタディを村井社長自ら参加して行っている。
 
(3)SCM戦略
SPA(製造小売り)における効率性の要であるSCM(サプライ・チェーン・マネジメント)を更に進化させる。
同社の強みである、「コストパフォーマンスが高く、独自性のある魅力的な商品を継続的に開発できるインフラ」に更に磨きをかける。
 
(生産)
商社への発注による生産コスト高が課題。
工場への直接発注や、Belle社のネットワークを活用した新規取引先の開拓などにより生産コストの低減を図る。
 
(物流)
外部委託による物流コストの増大が課題。
国内物流インフラの統合はほぼ完了したので今後は中国の物流インフラの最適化がカギとなる。
外部に委託している検品所や倉庫等を自社で運営するほか、Belle社の物流網を活用しコスト低減を図る。
 
 
今後の注目点
新年度(2018年1月期)2月の既存店売上高の前年同月比は85.5%と1月を下回った。
前年がうるう年で今年は営業日数が1日少なかったことに加え、祝日が土曜日と重なり休日が1日少なかったため客数が同81.8%と振るわなかったことが主な要因。ただ、前期は1度も100を上回ることがなかった客単価は同104.6%と好調だった。短期的には3月以降の客足の戻りを見守りたい。
EC事業、海外事業ともに今期も2桁増収が見込まれるが、まだまだ規模は小さい。両事業の成長スピードが成長性という点ではカギとなるが、やはり主力の国内店舗分野が高い効率性と収益性を維持しながら、どれだけ安定的に成長できるかを注目したい。
 
 
 
 
 
<参考:コーポレートガバナンスについて>
 
 
◎コーポレートガバナンス報告書
最終更新日:2016年12月28日
 
 
 
 
 
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