ブリッジレポート
(2405:東証2部) フジコー 企業HP
小林 直人 社長
小林 直人 社長

【ブリッジレポート vol.11】2017年6月期業績レポート
取材概要「森林発電事業の寄与もあり前期で8期連続増収となり、今期も、同事業は1桁増収にとどまるものの、建設リサイクル事業が復調し9期連続増収で過去・・・」続きは本文をご覧ください。
2017年10月3日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社フジコー
社長
小林 直人
所在地
東京都台東区駒形2-7-5 前川ビル5階
事業内容
建設廃棄物の中間処理が主力。食品系廃棄物にも展開。廃棄物利用のバイオマスガス発電も
決算期
6月末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2017年6月 3,363 228 180 83
2016年6月 2,841 276 241 134
2015年6月 2,566 343 290 159
2014年6月 2,534 358 299 132
2013年6月 2,226 278 223 114
2012年6月 1,866 97 24 5
2011年6月 1,703 124 42 74
2010年6月 1,603 134 50 33
2009年6月 1,539 -38 -132 -148
2008年6月 1,612 -13 -107 -141
2007年6月 1,708 65 -23 -3
2006年6月 1,760 161 96 49
2005年6月 1,753 348 257 143
株式情報(9/27現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
473円 4,540,877株 2,147百万円 4.2% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
12.00円 2.5% 44.04円 10.7倍 471.68円 1.0倍
※株価は9/27終値。発行済株式数は直近決算短信より。ROE、BPSは前期末実績。
 
株式会社フジコーの2017年6月期決算概要などについてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
建設工事現場から出る廃棄物を始めとして、産業廃棄物、一般廃棄物の処理を行う。
事業セグメントは①建設系リサイクル事業、②食品系リサイクル事業、③白蟻解体工事、④森林発電事業の4つに分類される。
「動植物から生まれた、再利用可能な有機性の資源(石油などの化石燃料を除く)」を用いたバイオマス発電ビジネス(同社は木くず、繊維くずなどを利用)に力を入れている。
許可を取得している廃棄物品目数の多さ、最新鋭の施設と技術の導入、食品リサイクル事業のパイオニアであることなども同社の強み。
 
【沿革】
住宅の害虫防除や白蟻駆除工事からスタートした同社は、白蟻が発生する前の新築時に「予防」を行えば、白蟻の発生を食い止めることができると考え、ハウスメーカーや工務店向けに「新築時の白蟻予防工事」を提案。その後、「白蟻は家屋の解体時に発見される」ことに着目し、白蟻工事の受注拡大を目指して解体工事をスタートした。
この家屋解体工事の際に排出される廃棄物を処理することを目的として、建設系リサイクル事業を開始。
その後、事業領域拡大を図り食品系リサイクル事業を開始し、一般廃棄物の取扱も始めた。高収益性、森林資源の有効活用、地方経済への貢献などを目的に森林発電事業にも参入した。
 
【経営理念・ビジョン】
「住まいと環境を守る」を経営理念に、創業時から各種サービスを提供してきた。
今後は未利用資源の利活用を事業化することにより循環型経済社会の構築に貢献していきたいと考えている。
 
【市場環境】
環境省の環境統計によれば、産業廃棄物の排出量は2013年度で3億85百万トン。一般廃棄物は2015年度で4,398万トン。ただ、いずれも減少及び横這いとなっており、会社側も市場の拡大は(特に建設系廃棄物)見込みにくいと考えている。
そのため、食品系リサイクルへの注力、木質バイオマス発電事業の開始など事業領域の拡大に加え、取引先の多様化などによる既存事業の強化を進めている。
 
 
 
【事業内容】
産業廃棄物や一般廃棄物を顧客である事業者から受入れ、自社保有の施設で中間処理(破砕、焼却など)を行っている。
 
≪廃棄物処理業界について≫
●  「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」により、「事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類その他政令で定める廃棄物」および「輸入された廃棄物」が産業廃棄物と定義されており、産業廃棄物以外のものが一般廃棄物とされる。
廃棄量は一般廃棄物が年間約5,000万トンに対し、産業廃棄物が年間約4億トン。
産業廃棄物は同法により21品目が列挙されているが、取扱許可は品目ごと、施設ごとに取得しなければならない。廃棄物処理を委託する側からすれば、受入品目・受入施設がより広範な事業者の方が手間が少なく、効率的である。
産業廃棄物処理業者数は全国で約13万。(環境省産業廃棄物処理業者 検索システムより。2012年8月14日現在。)
産業廃棄物処理施設数は、中間処理施設数 19,320、最終処分場数 2,157。(産業廃棄物処理施設の設置、産業廃棄物処理業の許可等に関する状況。平成21年度実績より)
 
事業セグメントは「建設系リサイクル事業」、「森林発電事業」、「食品系リサイクル事業」、「白蟻解体工事」の4つ。
売上高および売上総利益の構成は以下のようになっている。
 
 
<建設系リサイクル事業>
売上高 1,456百万円、売上総利益 160百万円
(2017年6月期実績)
 
主要顧客:廃棄物処理会社、ハウスメーカー、工場、倉庫、ショッピングセンター等

首都圏近郊の廃棄物処理会社、ハウスメーカー、工場、倉庫、ショッピングセンター等からの委託を受け、木くず、紙くず、廃プラスチック類等の産業廃棄物及び一般廃棄物を受入れ、同社が保有する施設で、焼却、破砕、リサイクル処理を行っている。
発電施設では、受入れた木くず等のバイオマス(生物資源)を原料とした発電により、温室効果ガスの削減を推進し、自然エネルギーとして付加価値の高い電力販売を行っている。
また住宅、アパート等の新・改築時に発生する廃棄物を発生場所から処理施設まで運搬する収集運搬業務も行っている。
 
≪バイオマス発電とは?≫
バイオマスとは、「動植物から生まれた、再利用可能な有機性の資源(石油などの化石燃料を除く)」のことで、主に木材、海草、生ゴミ、紙、動物の死骸・ふん尿、プランクトンなどを指す。
化石燃料と違い、バイオマスは太陽エネルギーを使って水と二酸化炭素から生物が生成するものなので、持続的に再生可能な資源であることが大きな特徴。バイオマスの種類は主に「廃棄物や未利用のもの」、「資源作物」に大別されるが、同社では木くず、紙くず、繊維くずを利用している。

これら受入廃棄物を破砕した後、低酸素状態で可燃性ガスを抽出し、燃焼させて蒸気タービンを回転させ、発電を行う。毎時1,800kW(1日43,200kW)の発電能力は、バイオマスによるものとしては、非常に高効率といわれている。
 
 
<森林発電事業>
売上高 1,501百万円、売上総利益 262百万円
(2017年6月期実績)
 
主要顧客:PPS、公共施設、事業会社

森林資源である未利用木材、製材所から発生する製材くず等を購入し、自社で保有する燃料化工場((株)一戸森林資源)において、破砕、粒度及び水分調整を行う。
製品化された燃料チップをエネルギー源として、自社で保有する発電施設((株)一戸フォレストパワー)において自然エネルギー電力の発電を行う。発生した電力は自社のPPS(御所野縄文パワー(株)、御所野縄文電力(株))等を通じて、地元の小中学校、役場等の公共施設、事業会社並びに一般家庭へ電力供給を行う。
また、大志田ダムに設置された小水力発電所の電力も購入し、電力小売事業の電源として地産地消の事業モデルを推進している。も行っている。
 
<食品系リサイクル事業>
売上高 217百万円、売上総利益 26百万円
(2017年6月期実績)
 
主要顧客:スーパーマーケット、レストラン、食品加工工場等

スーパーマーケット、レストラン、食品加工工場などの食品関連事業者等から委託を受け、食品廃棄物のうち、リサイクルが可能な食品循環資源である産業廃棄物及び一般廃棄物を受入れ、同社が保有する施設で、発酵分解による堆肥化、発酵による飼料化へのリサイクル処理を行っている。
また、再生堆肥の品質向上を目的として、農作物の栽培試験及び農作物の生産販売をグループ会社の(株)遊楽ファームで行っている。
 
<白蟻解体工事>
売上高 187百万円、売上総利益 7百万円
(2017年6月期実績)
 
主要顧客:ハウスメーカー、工務店、一般個人等

ハウスメーカー、工務店などの建築関連事業者から、または直接一般の個人からの依頼により、住宅及びアパート等の解体工事、白蟻予防工事の見積調査及び施工を行っている。
また、リフォーム会社からの依頼により、既存住宅の白蟻防除工事、家屋害虫の駆除工事等も行っている。
 
【特長と強み】
①許可品目の多さ
前述のように、廃棄物処理の許可は品目ごとに必要だが、同社は産業廃棄物21品目中11品目の許可を得ている。また民間事業者では少ない一般廃棄物処分業の許可も取得している。
 
②多様な取扱廃棄物
建設系廃棄物からスタートした同社だが、現在は事業領域の多角化を進める中で、食品工場、製造業、飲食業など多様な廃棄物を受入れている。
 
③創業時から社会的に意義のある事業活動
「住まいと環境を守る」を経営理念に、創業時から現在まで社会的貢献度の高い事業を手掛けている。
 
④最新鋭の処理施設と技術を導入
破砕、焼却、バイオマス発電と常に業界に先駆けて最新の処理施設と技術を導入しており、高い信頼性と安心感を提供している。
 
⑤食品リサイクル事業のパイオニア
同社は首都圏の事業者としては食品リサイクル事業への参入第1号。食品リサイクル事業における堆肥化、飼料化等を通じ今後益々重要性が高まる農業との連携を深めている。
 
⑥廃棄物処分業としてのバイオマス発電
廃棄物処分業者の中でバイオマス発電を手掛けているのは同社を含めごく少数。リサイクル及び温室効果ガス削減への貢献と、売電による新たな収益源確保を目指している。
 
⑦森林資源でのバイオマス発電・電力小売り
約10年にわたって蓄積したバイオマス発電事業の実績と運営ノウハウを活かして、岩手県、青森県、秋田県が有する日本有数の豊富な森林資源を活用。事業の拡大はもとより、各県の雇用創出と地産地消のグリーン電力供給を通じて、環境負荷の軽減、循環型経済社会の構築、地域経済の発展に貢献している。
 
 
2017年6月期決算概要
 
 
森林発電事業の寄与で増収も売上原価増で減益
売上高は前期比18.4%増の33億63百万円。建設系リサイクル事業は事業停止の影響で大幅減収、食品系リサイクル事業も鉾田ファーム譲渡などにより減収だったが、森林発電事業が通年で大きく寄与。売上高は8期連続増収で過去最高を更新した。
森林発電事業の通年稼働に伴い燃料仕入費用を含めた売上原価が増加したため粗利額は同22.2%減少した。
建設系リサイクル事業における事業停止および森林発電事業において計上していた事業準備費用が営業開始運転により減少したため販管費は同26.8%の減少となったが吸収できず、営業利益は同17.3%減の2億28百万円となった。
 
 
<建設系リサイクル事業>
減収・減益。
受入数量と外注委託数量のバランスを考慮しつつ、受入時のサービス向上と安全で効率的な処理工程の構築に注力している。事業停止の影響が大きく、受入数量は前期比で焼却施設は27.1%減、発電施設は28.5%減、廃プラスチック類破砕圧縮施設は23.4%減となった。
受入数量の安定化に向け、新規取引先の開拓と非建設系廃棄物の受入拡大に取り組んでいる。
 
<森林発電事業>
大幅な増収・増益。
2016年6月より営業運転を開始。燃料チップ製造工場の電力引き込み線の変更工事、冬季に備えた自主点検、1年目の自主点検等により、当期の発電停止日数は18日程度となり順調な稼動を継続することができた。
発電燃料となる木材の在庫数量は前期末49千トン、当期末48千トンとなり、必要数量を期中に仕入れることができた。安定的な調達を続けている。発電施設近隣の製材工場から発生する背板(丸い原木を四角に加工する際に発生する丸い部分)の受入数量が増加したことにより、原木の貯蔵期間が長くなったため燃料の含水率も低くなり、効率的な発電を継続して行うことができている。
 
<食品系リサイクル事業>
減収・増益。
鉾田ファームでの養豚事業を譲渡し、液状化飼料のリサイクル販売に注力した。液状化飼料の原料となる食品循環資源の受入拡大に向け、新規受入先の開拓に取り組んだ。受入対象に占める一般廃棄物の割合が多く、また、堆肥化事業は事業停止の対象外であり、建設系リサイクル事業と比較して事業停止の影響は軽減されたため、再資源化センターでの合計受入数量は前期比1.6%増加した。液状化飼料の販売数量は、販売先の肥育頭数の減少、事業停止期間中の制限等により同20.9%減少した。
 
<白蟻解体工事>
増収・増益。
解体工事については事業停止の影響が3ヶ月前後あったが、施工体制の拡充により概ね前期並みの工事件数となった。白蟻工事については各種キャンペーン等により、既存工事件数が増加した。
 
 
公募増資により現預金が増加し流動資産は前期末に比べ4億29百万円増加した。有形固定資産の減少で、固定資産は同3億54百万円減少。この結果、資産合計は同1億35百万円増加の64億5百万円となった。
長短有利子負債が同2億59百万円減少し、負債合計は同2億40百万円減少の40億75百万円となった。
純資産は資本金、資本剰余金の増加などで、同1億4百万円増加の23億29百万円。
これらの結果、自己資本比率は前期末の28.6%から33.4%へ4.8%上昇した。
 
 
減価償却費増、売上債権減等で営業CFはプラスに転じた。
有形固定資産取得による支出減少で投資CFのマイナス幅は縮小、フリーCFはプラスに転じた。
株式の発行による収入は増加したが、長期借入による収入が減少し財務CFはマイナスに転じた。
キャッシュポジションは上昇した。
 
(4)トピックス
◎低圧(一般家庭等)電力の小売販売を開始
子会社の御所野縄文電力株式会社が、一般家庭等の低圧電力の小売販売を2017年6月より開始した。

(概要)
御所野縄文電力株式会社は2015年11月より公共施設及び事業会社への高圧電力の小売販売を開始。
2016年4月からは、電力の自由化により一般家庭等の低圧電力の小売販売が解禁されたことを受け、将来の事業拡大と地域貢献を目的として低圧電力の販売に向けた準備検討を進めてきた。
一般家庭等への電力販売は、1件当たりの請求金額が少額であるとともに、事業会社のように銀行振込等の回収が困難であり、金融機関への自動引き落としの設定を行う場合は高額の初期費用が必要になる等、請求金額の回収方法が課題であったが、電力会社からのデーター取り込み、請求作業、代金回収のシステムが構築でき課題を解決する目途が立ったため低圧電力の小売販売を開始することとした。

地域の資源を活用し、地元で発電した電力を野菜、果物、米等の農作物と同じように地域社会の一般家庭等に供給する地産地消型の電力販売は全国的にも非常に稀な取り組みであると会社側は考えている。
電源は、御所野縄文発電所(子会社 一戸フォレスパワーが運営)による岩手県、青森県、秋田県等から発生する森林資源等を利用したバイオマス発電と、大志田ダム発電所(管理者:馬淵川沿岸土地改良区)による岩手県一戸町に農業用水の供給を目的として設置されたダムに併設する小水力発電の2つ。
 
 
2018年6月期通期業績予想
 
 
増収増益。経常利益は過去最高を更新へ。
売上高は前期比7.0%増の36億円。建設系リサイクル事業が増収に転じる。森林発電事業も堅調。
同事業の回復により売上総利益は同25.3%増の5億75百万円。販管費は同2.2%増にとどまるため、営業利益は同49.1%増の3億40百万円と大幅に増加する。経常利益は同66.7%増の3億円で過去最高を更新する見込み。
配当は、前期と同じく中間、期末それぞれ6.00円/株の合計12.00円/株を予定している。予想配当性向は27.2%。
 
 
(3)今期の取り組み
リサイクル事業においては、前期の事業停止からの信頼回復に努めるとともに、がれき類等を取り扱う新規許可取得の手続きを進め、収集運搬事業や解体工事の受注拡大を図り、売上回復・利益改善を目指す。
森林発電事業においては木材資源の安定調達を継続する。新たな貯木場の設置も検討している。また営業体制を拡充し、事業者向けに加え、新たに開始した家庭向け小売にも注力する。
廃棄物処理業界には昭和40、50年代に創業し現在は後継者問題で悩みを抱えている企業が多い。そうした企業との資本提携、業務提携を進め、収集運搬体制の拡充や既存事業との相乗効果による事業規模の拡大を図る。
 
 
今後の注目点
森林発電事業の寄与もあり前期で8期連続増収となり、今期も、同事業は1桁増収にとどまるものの、建設リサイクル事業が復調し9期連続増収で過去最高を更新する見込みだ。また、利益についても、森林発電事業の売上総利益は減益予想であるが、建設リサイクル事業が大幅増益に転じ経常利益は過去最高更新を予想している。
このように安定的に収益を稼ぎ出す事業ポートフォリオが構築できた点は同社の大きな特徴・強みと評価できる。
今後は上場企業としてのメリット(資本力、信用力)を活かしたM&A等も含めた廃棄物処理業界におけるシェア拡大に向けた取り組みに注目したい。
 
 
 
<参考:コーポレートガバナンスについて>
 
 
◎コーポレートガバナンス報告書
同社は最新のコーポレートガバナンス報告書を2017年9月22日に提出している。
 
 
 
 
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
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