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(2179:JASDAQ) 成学社 企業HP
太田 明弘 社長
太田 明弘 社長

【ブリッジレポート vol.1】2010年5月期第3四半期業績レポート
取材概要「今後の戦略として、「関東への水平展開」、「高校生向けサービスの強化(垂直展開として)」、及び「映像授業への取り組み」の3戦略を挙げて・・・」続きは本文をご覧ください。
2010年6月8日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社成学社
社長
太田 明弘
所在地
大阪市北区中崎西3-1-2
事業内容
大阪地盤に集団指導塾「開成教育セミナー」「京大セミナー」、個別指導塾「個別指導学院 フリーステップ」などを展開
決算期
5月末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2009年5月 5,915 241 218 108
2008年5月 5,349 454 432 218
2007年5月 4,786 299 288 143
2006年5月 4,144 301 294 156
2005年5月 3,351 242 229 79
2004年5月 2,833 259 275 57
2003年5月 2,197 166 160 61
株式情報(5/28現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
365円 2,911,200株 1,063百万円 9.2% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
12.50円 3.4% 20.38円 17.9倍 457.23円 0.8倍
*株価は5/28終値。
 
JASDAQに株式を上場する成学社について、ブリッジレポートにてご紹介致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
大阪府を中心に近畿圏で学習塾を展開しており、小学生から高校卒業生(大学受験浪人生)までを対象としてクラス指導と個別指導の2部門による学習指導を行っている。また、子会社において、家庭教師の派遣や特定分野を専門とする学習塾の経営を行っている他、飲食事業や不動産賃貸事業も手掛けている。グループは、同社の他、(株)アプリス、(株)個夢、及び(株)東京フェリックスの連結子会社3社。
 
 
<沿革>
1982年7月、個人経営の学習塾「開成教育セミナー」を大阪府豊中市で創業。1987年1月に(株)成学社として法人組織に改組した。早くから個別指導にも力を入れ、90年12月に「個別指導学院フリーステップ」として個別指導形態の進路指導及び学習指導を開始し、97年8月には家庭教師事業にも参入した(その後、100%子会社(株)アプリスに移管)。97年から99年にかけては兵庫県、滋賀県へ教室展開。2001年10月には「個別指導学院フリーステップ」のフランチャイズ事業を開始した。02年7月には京都府へ教室展開し、同年12月には対象を高校生に広げた「開成ハイスクール」を開始。05年9月には教室展開を奈良県へ広げた。
 
M&Aにも積極的に対応しており、08年3月に(株)ファイブランズより学習塾を譲受し、「エール進学教室」を開校。08年8月のJASDAQ上場を経て、09年3月には(株)進学教育研究所(ブランド名「京大セミナー」)より学習塾を譲受し、「京大セミナー」としてクラス指導形態の進路指導及び学習指導を開始。同年12月には兵庫県東播磨地区で「個別教育システム アイナック」として個別指導専門塾を運営する(株)個夢の全株式を取得し連結子会社化した。更に10年2月には連結子会社(株)東京フェリックスを設立し、同年3月より首都圏で中学受験に特化した学習塾「FELIX(フェリックス)」をスタートさせた。
 
また、03年6月には飲食事業を開始し、大阪府池田市に飲食店舗1号店「熱烈拉麺酒彩じゃんけん石橋店」をオープン。04年7月には不動産賃貸事業も開始した。飲食事業については、05年10月に(株)アプリスに移管し、現在4店舗を運営している。
 
<事業内容>
事業は、教育関連事業、不動産賃貸事業、及び飲食事業に分かれ、売上構成比は、それぞれ95.9%、0.3%、3.8%(09/5期)。
 
教育関連事業
クラス指導では、「開成教育セミナー」、「エール進学教室」、「京大セミナー」の塾名で教室を展開しており、また、中学受験に特化した「開成ベガ」、現役高校生を対象とした「開成ハイスクール」のコースを設け、学力別クラス編成に基づいた指導を行っている。一方、個別指導部門では、「個別指導学院フリーステップ(小学生以上を対象)」、「開成グループ代ゼミサテライン予備校(高校生以上を対象とした通信衛星を通じた授業)」の塾名で教室を展開しており、講師1名につき塾生1名で指導を行う完全個別指導コース「ハイグレード個人指導ソフィア」が設けられている。この他、「個別指導学院フリーステップ」の塾名でフランチャイズ事業も展開。また、連結子会社(株)アプリスが学校への講師派遣や学習指導、及び「信頼の家庭教師スコーレ」のブランド名で家庭教師による学習指導を行っている。
 
 
飲食事業
京丹波の食材を生かしたメニューと自家製豆腐料理を提供する「京丹波 菜じ季」のブランド名で大阪市内に2店舗(茶屋町店、北新地店)を運営している他、居酒屋形態の店舗を2店舗(大阪市北区、大阪府豊中市)運営している。
 
不動産賃貸事業
不動産を効率的に活用するため、所有不動産の一部を賃貸している。
 
 
<日本有数の教育企業として、充実した教育サービスと教育コンテンツを提供>
日本の将来を展望した場合、「グローバル化された世界に生きる子供達が、確かな知識と学力、そして変化に対応できる柔軟な思考力と発想力を培う事が何より大切」と言うのが同社の考え。そして、そのために最も必要とされるものが「教育力の充実」であるとの確信の下、子供達の可能性を最大限に引き出すための教育活動を行っている。
少子化によって学習塾のこれからの成長性を悲観する見方もあるが、同社はむしろ教育新時代を迎えて、業界の将来は極めて明るいものと確信しており、これまでのライブ中心の授業に加え、IT時代に対応できる授業コンテンツの提供も行い、新時代対応型の教育企業として確実な成長を目指している。
 
<教室展開>
大阪府を中心に、滋賀県、兵庫県、京都府、奈良県に展開しており、09年11月末現在の拠点数は155拠点。
 
 
10/5期は上期に4教室(大阪2、滋賀1、京都1)を新規開講すると共に、3教室(大阪3)を移転・リニューアルした。下期の計画は、新規開校6教室(大阪2、滋賀3、兵庫1)、移転開校4教室(大阪3、京都1)、閉鎖3教室(大阪2、滋賀1)。
 
 
クラス指導では、教室展開の遅れているエリアでの新規開校を進める一方、採算ラインにのらない小型教室の閉鎖を推進。また、個別指導・衛星授業では積極的に新規開校を進めている。
 
 
 
2010年5月期第3四半期業績
 
 
前年同期比17.6%の増収、同4.3%の経常増益
消費の低迷で飲食事業の売上が減少したものの、個別指導の好調とM&A効果により主力の教育関連事業の売上が伸びた他、賃貸スペースの増加により不動産賃貸事業の売上も増加した。新規教室の開設や教室移転等の設備投資を積極的に行った事に加え、本社ビルの購入と事務所統合に伴う移転費用や新型インフルエンザ予防のための対策品の購入費用の計上、更にはのれん償却額の増加等で売上原価及び販管費が増加したものの、増収効果で吸収、営業利益は同5.5%増加した。四半期純利益が減少したのは、固定資産売却益が無くなり特別利益が減少する一方、投資有価証券評価損や教室・飲食店閉鎖関連費用の増加等で特別損失が増加したため。
 
 
教育関連事業
個別指導の好調と09年3月に事業譲受した「京大セミナー」の寄与により売上高が5,032百万円と前年同期比18.4%増加したものの、新規教室の開設や教室移転等の設備投資負担に加え、新型インフルエンザ予防のための対策品の購入やのれん償却額の増加等で営業利益は559百万円と同6.4%減少した。
 
不動産賃貸事業
本社ビルの購入に伴う賃貸スペースの増加により売上高が33百万円と前年同期比134.4%増加すると共に、営業利益も30百万円と同42.6%増加した。
 
飲食事業
消費マインドの冷え込みによる内食傾向の強まりを受けて売上高が148百万円と前年同期比13.2%減少。6百万円と、わずかではあるが営業損失となった。
 
(3)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
本社ビルの購入に加え、09年12月に兵庫県東播磨地区で個別指導専門塾を運営する(株)個夢の全株式を取得した事や10年2月に(株)東京フェリックスを設立し同年3月より首都圏で中学受験に特化した学習塾「FELIX(フェリックス)」をスタートさせた事等で、第3四半期末総資産は4,067百万円と前期末比889百万円増加した。借方では、M&Aや子会社設立により売上債権、有形固定資産、及び無形固定資産が増加する一方、現預金が減少。貸方では、旺盛な資金需要に対応するべく、有利子負債が増加した他、利益計上により純資産が増加した。CFの面では、前受金の減少等で営業CFが減少する一方、グループでの積極的な新規教室の開設や教室移転、更にはM&A等で投資CFのマイナスが増加したため、前年同期は103百万円の黒字だったフリーCFが928百万円のマイナスとなった。必要資金を長期借入金を中心にした資金調達で賄ったため、財務CFは793百万円の黒字となった。
 
 
 
 
2010年5月期業績予想
 
 
業績予想に変更は無く、増収ながら、同7.1%の経常減益予想
個別指導の好調に加え、「京大セミナー」が通期で寄与する他、第3四半期に子会社化した(株)個夢の寄与もあり、売上高は6,857百万円と同15.9%増加する見込み。ただ、新規教室の開設や教室移転に伴う費用の増加に加え、本社ビルの管理費・減価償却等の増加や(株)個夢の運営費用等が負担となり営業利益は横ばいにとどまる見込み。金融費用が増加する他、投資有価証券評価損や教室・飲食店閉鎖関連費用の増加等で特別損益が悪化するため当期純利益は同45.3%減少する見込み。配当は1株当たり6.25円の期末配当を予定している(上期末配当として1,250円を実施しているが、1:200の株式分割を考慮すると6.25円となる)。
 
 
学習塾各社の業績には季節変動があり、同社の場合、第2四半期(9-11月)及び第4四半期(3-5月)に生徒募集等の先行投資を行い、夏期講習、冬期講習がある第1四半期(6-8月)及び第3四半期(12-2月)が収穫期となる。このため、第2四半期及び第4四半期は利益計上に至らない事が多い。今期の第4四半期も利益計上には至らないが、四半期ベースの売上高は順調に増加しており、来(11/5)期以降の利益の増加につながるものと考える。
 
 
取材を終えて
今後の戦略として、「関東への水平展開」、「高校生向けサービスの強化(垂直展開として)」、及び「映像授業への取り組み」の3戦略を挙げている。事業展開が関西圏にとどまり、より市場の大きい関東圏での展開余地を残している事は同社の強みであり、潜在成長力である。また、同社では、今後、大学進学率が7割まで上昇し現役高校生の市場が多様化・拡大していくと考えており、個別指導、クラス指導、及び衛星授業といった多面的な事業展開により高校生向けサービスを強化していく。「映像授業への取り組み」は、ブロードバンドの普及やネットワーク化に伴うパラダイムシフトに対応したものだ。この他、学校が学習塾各社に補習授業を委託する等、塾と学校との緊密化が進む現況を踏まえ、私立高校との提携も視野に入れているようだ。
少子化による学習塾の市場縮小を懸念する声が多いが、太田社長は「心配は無用である」と言う。国内市場の成熟化に直面した国内企業の多くが海外に活路を見出そうとしており、今後、幼年期からの英語教育をはじめとする言語教育や国際化教育等のニーズの高まりが予想されるからだ。
「まさに教育の時代が到来する」というのが太田社長の考えで、むしろこれから教育立国としての大きな飛躍の時代が来るとみている。対応力によって、企業毎では明暗が分かれるのだろうが、少子化による学習塾の市場縮小を既成概念とすれば、上記の太田社長の考えは、まさにパラダイムシフトであり思わず納得。ちなみに、6月から支給が始まる「子ども手当」は月額26,000円(初年度は13,000円)で同社の1人当たり平均学費(月額)とほぼ同額との事。「少子化が懸念される中で、人材育成のための新たな通塾支援政策が始まった」と言ったら、言い過ぎだろうか。「子ども手当」の支給開始は学習塾各社のビジネスチャンスの拡大を暗示しているようにも思われ、学習塾市場に対する見方が変わった。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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