ブリッジレポート
(4301:東証1部) アミューズ 企業HP
畠中 達郎 社長
畠中 達郎 社長

【ブリッジレポート vol.28】2010年3月期業績レポート
取材概要「10/3期は、当初から利益貢献の大きかったサザンオールスターズの30周年記念コンサートの反動等が予想されていたが、期末にかけての返品の増加等に・・・」続きは本文をご覧ください。
2010年6月8日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社アミューズ
社長
畠中 達郎
所在地
東京都渋谷区桜丘町 20-1 渋谷インフォスタワー
事業内容
サザンオールスターズ・福山雅治・ポルノグラフィティなどのミュージシャン、富田靖子・三宅裕司・深津絵里・岸谷五朗などの俳優、その他文化人まで、219組のアーティストのマネージメントのほか、映画やTV番組制作など各種映像ソフトの製作・販売、海外舞台の招聘・携帯やPC でのサイト運営やコンテンツ配信など、エンターテインメント事業を幅広く展開しています。
決算期
3月
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2010年3月 28,740 1,268 1,205 -880
2009年3月 32,185 3,282 3,236 1,552
2008年3月 23,684 1,200 1,204 582
2007年3月 24,914 566 565 185
2006年3月 29,440 1,801 1,798 897
2005年3月 24,377 1,378 1,382 761
2004年3月 26,243 1,813 1,828 972
2003年3月 28,145 2,905 2,723 1,086
2002年3月 23,360 1,632 1,603 1,019
2001年3月 19,755 2,236 2,039 543
2000年3月 15,079 860 649 344
株式情報(5/19現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
920円 9,296,241株 8,553百万円 - 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
20.00円 2.2% 94.65円 9.7倍 1,176.62円 0.8倍
※株価は5/19終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
アミューズの2010年3月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
芸能プロダクション大手。サザンオールスターズ、福山雅治、ポルノグラフィティなど人気アーティストを数多く抱えている。グループ全体の事業の核を「コンテンツビジネス」におき、文化を創造する総合エンターテインメント集団として、テレビ番組や映画の企画・制作、海外舞台の招聘等でも豊富な実績を有する。
グループは、同社の他、子会社11社(連結子会社7社)及び関連会社2社からなり、特に、映像ソフトの製作・製造・販売を行なうアミューズソフトエンタテインメントの業績への寄与が大きい。
 
<事業内容>
事業は、コンサートの収入、テレビ出演料、新譜楽曲の印税、ファンクラブ会員収入や商品販売収入等のアーティストマネージメント事業(10/3期売上構成比65.7%)、テレビ番組・映画制作収入、及びビデオ・DVD販売等のメディアビジュアル事業(同 27.1%)、及び旧譜楽曲の印税収入などのコンテンツ事業(同 7.2%)に分かれる。
 
 
 
2010年3月期決算
 
 
前期比10.7%の減収、同62.8%の経常減益
コンサートツアーや舞台公演等のライブイベント収入やCM収入等の増加でアーティストマネージメント事業の売上が増加したものの、DVD販売の落ち込みでメディアビジュアル事業が大幅な減収となった他、前期に大きく伸びた反動もありコンテンツ事業の売上も減少した。利益面では、販売の落ち込みや返品の増加でメディアビジュアル事業の損益が大幅に悪化した事に加え、大型コンサートの寄与で収益性が高かった前期の反動もありアーティストマネージメント事業の営業利益も減少。利益率の高い印税収入の減少でコンテンツ事業の営業利益も半減した。当期純損失となったのは、DVD市場の縮小で急激に業績が悪化した連結子会社アミューズソフトエンタテインメント(株)の構造改革に伴い、たな卸資産処分損1,511百万円など特別損失1,603百万円を計上したため。
 
 
アーティストマネージメント事業
福山雅治のデビュー20周年記念ツアーをはじめ、ポルノグラフィティ、Perfume、BEGIN等のコンサートツアー収入、岸谷五朗・寺脇康文の企画ユニット地球ゴージャスや三宅裕司等の同社アーティストが出演・演出を手がける舞台公演収入が増加。これらライブエンターテインメント活動の積極展開に伴い、会場で販売するグッズ販売収入やFC会員収入等も増加した。また、CM収入や、上野樹里、三浦春馬、佐藤健、吉高由里子など若手アーティストのメディア出演収入も増加した。一方、印税収入(新譜)については、福山雅治、Perfumeのアルバム印税収入やflumpoolによるCD・配信リリース等が寄与したものの、印税収入全体では減少した。利益面では、負担の大きい全国ツアー等、前期に比べ多種多様なライブを実施した事による利益率低下で営業利益が減少した。
 
 
メディアビジュアル事業
邦画「ROOKIES−卒業−」、「のだめカンタービレ 最終楽章 前編」など所属アーティスト出演作品の興行収入分配があったものの、「TAJOMARU」、「MW−ムウ−」、「ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリー」、「ベートーベン・ウィルス」等のDVD販売が計画を下回った他、その他の販売作品にもヒット作品・大型作品が無かった。加えて、市場の急速な縮小に伴うDVDの返品が増加した事も響き、大幅な減収・減益となった。
 
 
 
コンテンツ事業
サザンオールスターズ、BEGIN、福山雅治、ポルノグラフィティ等による旧譜楽曲の販売及び旧譜楽曲の二次利用による印税収入が堅調に推移したものの、前期に開始したサザンオールスターズ旧譜楽曲の着うたフル(R)配信等の効果が一巡したため減収・減益となった。
 
 
 
 
2011年3月期業績予想
 
 
前期比4.3%の減収、同49.3%の経常増益予想
アーティストマネージメント事業においてコンサートツアーや舞台公演等のライブイベントの規模が縮小する他、質重視を徹底するDVD販売を中心にメディアビジュアル事業の売上も減少する見込み。ただ、利益面では、前期にたな卸資産の健全化を進めたメディアビジュアル事業の損益が大幅に改善する他、旧譜楽曲の印税収入の増加でコンテンツ事業の営業利益も増加する見込み。配当は1株当たり上期末10円、下期末10円の年20円を予定している。
 
 
アーティストマネージメント事業
前期に比べてコンサートツアーや舞台の規模が縮小するため、減収・減益となる見込み。主なライブイベントでは、桑田佳祐の全国ツアー、ポルノグラフィティの全国ホールツアー「∠TARGET」、BEGINの「ビギン20周年 うたの日10周年 だから今年はうたの年ツアー2010」、flumpoolによるコンサートツアー「What‘s flumpool!?〜Love&Piiiiss KidsShow!!〜」、岸谷五朗が作・演出・出演する企画ユニット地球ゴージャスプロデュース公演vol.11「X day」等の公演を予定。CD発売による印税収入では、桑田佳祐の8年ぶりとなるオリジナル・ソロ・アルバム、既に発売しているポルノグラフィティのオリジナル・アルバム「∠TRIGGER」、PerfumeのダブルAサイドシングルCD「不自然なガール/ナチュラルに恋して」等が寄与する。また、上野樹里、三浦春馬、佐藤健、小出恵介、吉高由里子、仲里依紗等の若手アーティストを中心にCMやTV・映画への出演も増加が見込まれる。
 
メディアビジュアル事業
映像事業では、上野樹里主演の邦画「のだめカンタービレ 最終楽章 後編」、賀来賢人出演の邦画「ソフトボーイ」等を予定している。また、DVD販売事業では、上野樹里主演の邦画「のだめカンタービレ 最終楽章」、三浦春馬・佐藤健出演のドラマ「ブラッディ・マンデイ −シーズン2−」等の同社アーティスト出演作品を中心に、バラエティ、音楽、舞台作品等も含めた商品ラインナップを展開していく。ただ、質重視の観点から自社アーティストの出演作品に集中するため、ラインナップは減少する。このため、売上も減少するが、良質で効率的な自社アーティスト出演作品の比率が高まる事や抜本的な事業構造改革を実施したアミューズソフトエンタテインメント(株)の収益性改善により営業損益が大幅に改善する見込み。
 
コンテンツ事業
同社公式サイト「アミュモバ☆DX」やアーティストの公式サイトによる権利保有楽曲の配信に加え、他社との連動による販路拡大も図り、音楽配信市場におけるコンテンツの多角的活用を進める。ただ、近年の配信市場の成長鈍化もあり、セグメント全体では減収見込み。音楽配信におけるコンテンツの多角的活用により営業増益を目指す。
 
 
今後の成長戦略
 
今後の戦略として、既存コア事業の強化と新市場への展開を進める考え。また、課題として、アクティブシニア層の取り込みと3D技術の活用を挙げている。
 
(1)既存コア事業の強化
アーティストマネージメント事業
かつては印税収入への依存度の高かった事業だが、ライブ、グッズ、新人育成を強化してきた事で、近年ではイベント系収入、グッズ・FC収入、CM出演料収入の構成比が高まっている。今後はアーティストの育成、自社レーベル、自社販売といった機能を強化する事で、一気通貫モデルの拡充を図る。また、子会社のグッズ製作機能を活かし、楽曲にグッズをバンドルした複合商品を開発・販売する事等で収益を高める。
メディアビジュアル事業
規模を追わず、DVD市場の縮小に合わせた事業規模にシフトすると共に、質を重視して自社アーティストの出演作品のシェアを引き上げる事で収益力を強化する。このため、10/3期は12%だった自社アーティスト作品のシェアが、11/3期は60%程度に上昇する見込み。
 
(2)新市場への展開  アジア市場への進出
同社アーティストがアジアへ進出するための基盤構築と現地の有力パートナーとの新たな事業創出に取り組む。具体的には、現地法人のある韓国と中国から基盤づくりを開始し、その後、台湾、香港、タイ、マレーシア、シンガポール等、アジア全域へ拡大させる。
 
 
 
12/3期は大型コンサートツアーの寄与でアーティストマネージメント事業を中心に売上高が増加。増収効果とメディアビジュアル事業の体質改善により営業利益率も大幅に改善する。13/3期は大型ツアーを見込んでいないため、売上高の減少を想定しているものの、メディアビジュアル事業の体質改善が一段と進み高収益体質が定着するため高い営業利益率を維持できる見込み。
 
 
取材を終えて
10/3期は、当初から利益貢献の大きかったサザンオールスターズの30周年記念コンサートの反動等が予想されていたが、期末にかけての返品の増加等によるアミューズソフトエンタテインメント(株)の業績悪化は想定外だった。しかし、11/3期はアミューズソフトエンタテインメント(株)のたな卸資産の健全化が進み利益の回復が顕著だ。加えて、自社レーベル事業が本格的に動き出す模様。様々な権利関係をクリアする必要もあり、業績寄与には今しばらく時間を要するものと思われるが、中期的には強みであるアーティストのマネージメント力を活かした事業展開余地の広がりと一段の収益力向上が期待できる。同事業の進捗に注目したい。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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