ブリッジレポート
(3031:東証マザーズ) ラクーン 企業HP
小方 功 社長
小方 功 社長

【ブリッジレポート vol.13】2010年4月期業績レポート
取材概要「前期で中期経営戦略が終了したが、目標であった黒字化の定着は達成されたと言えよう。ただし、利益の伸びは鈍い。多くの投資家は、損益分岐点を越・・・」続きは本文をご覧ください。
2010年6月29日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社ラクーン
社長
小方 功
所在地
東京都中央区日本橋蛎殻町1-18-11
事業内容
ネットを利用した問屋。衣料、雑貨の製造業者や輸入業者と小売店を仲介
決算期
4月 末日
業種
卸売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2010年4月 7,642 102 102 108
2009年4月 7,018 93 93 89
2008年4月 5,662 -158 -158 -160
2007年4月 3,334 -205 -203 -305
2006年4月 2,289 131 95 122
2005年4月 1,247 26 23 45
2004年4月 890 -56 -57 -58
2003年4月 621 -104 -105 -130
2002年4月 494 -192 -193 -200
2001年4月 204 -171 -175 -179
株式情報(6/14現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
164,000円 9,081株 1,489百万円 11.0% 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
- - 11,563円 14.18倍 108,028円 1.52倍
※株価は6/14終値。
 
ラクーンの2010年4月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
インターネット上のB2B(企業間電子商取引)市場であるeマーケットプレイス(Webサイト)の運営企業。
アパレル、雑貨を中心にメーカー、インポーター等(以下、出展企業)の取扱う商品を、「スーパーデリバリー」と言うWebサイトを通じて全国の中小小売店(以下、会員小売店)に販売している。
 
<事業内容>
 
1.「スーパーデリバリー」 :今後の主力事業(経営資源を集中化)
アパレル、雑貨の新商品及び定番品を取扱っている。商品は出展企業から会員小売店に直送され、同社は代金決済を代行する。出展企業は、地方・中小小売店との取引上ネックだった決済機能、営業コスト、事務処理の手間を解消することが出来る。また、出展企業が許可した会員小売店にのみ卸値等の情報開示を行うため、ブランドイメージのコントロールが可能になっている。一方、会員小売店は多様な旬の商品の仕入が可能になる。同社は受注・出荷のデータ処理と決済のみを担当するため、運営負担が少ない。債権回収リスクは同社が負うことになるが、信販・クレジット・保証会社を利用することでヘッジしている。小売店は月額2,000円の小売店会費を負担し、出展企業は月額4万円の出展基本料と「スーパーデリバリー」での取引金額の10%をシステム利用料として負担する。したがって商材売上高が増加するだけでなく、会員小売店数、出展企業数が増加することが同社の売上総利益増につながる。
 
2.「オンライン激安問屋」「バイヤーズナビ」 :サービス終了
同社は従来から各種問屋(主に雑貨、衣料)向けにアウトレット商品処分のための「オンライン激安問屋」というサービスを行っていたが、これらの問屋が上記の「スーパーデリバリー」に参加することで、彼らの在庫は大きく減少し、同サービスの需要は減少傾向にあった。そこで同社では2008年10月末で「オンライン激安問屋」サービスを終了し、そのシステムおよび顧客リストの有効利用として2008年9月中旬より「バイヤーズナビ」と言う新サービスを開始した。 

しかしながら、「スーパーデリバリー」、「バイヤーズナビ」の両サイトを並行して利用する出展企業、小売企業が多かったことから、これらを一本化することがユーザビリティーの向上に繋がると判断し、2009年5月末日をもって「バイヤーズナビ」のサービスを終了した。
 
2010年4月期決算
 
<損益計算書サマリー>
 
 
売上高は前年比8.9%増となったが、「オンライン激安問屋」と「バイヤーズナビ」サービス終了に伴い伸び率は昨年度よりも鈍化した。「オンライン激安問屋」と「バイヤーズナビ」がなくなったために売上総利益は0.6%低下した。なお09年4月期の売上高には、「バイヤーズナビ」の売上高が127百万円含まれている。(10年4月期は13百万円)

一方で、「新ポイントプラン」の本格稼動によるポイントの利用率向上によりポイント関連コストが増加。また成長加速のために人材を増員した結果、人件費が増加。これにより営業利益、経常利益の伸びは小幅に止まった。
 
<スーパーデリバリー:SD>
 
商品売上高:      7,027百万円(前年比14.1%増)
会員小売店向け売上高: 250百万円 (同10.2%増)
出店企業向け売上高:  351百万円 (同19.2%増)
 
 
(商品売上高)
景気悪化の影響を受けつつも、稼働率のアップに取り組み客単価、購入客数が比較的堅調に推移し、前年同期比14.1%増。
 
(会員小売店・出展企業向け売上高)
会員小売店数、出展企業数の増加に伴い順調に増加した。
 
 
 
流動資産:売上増加に伴う売掛金の増加と当期純利益の計上および新規借入により現金および預金が増加。
 
固定負債:新規借入れに伴い長期借入金が増加した。
 
純資産:当期純利益の計上により利益剰余金が増加した。その他資本剰余金を原資とする配当金の支払いにより資本剰余金が減少した。
 
<キャッシュ・フローサマリー>
 
 
営業活動によるキャッシュ・フロー:主に純利益の計上。
投資活動によるキャッシュ・フロー:ソフトウェア開発による無形固定資産の増加。
財務活動によるキャッシュ・フロー:長期借入金による収入が発生。
 
 
2011年4月期業績予想
 
 
会社側では2011年4月期の業績を上表のように予想している。第1四半期において資産除去債務の過年度分の償却費用を特別損失に計上予定。そのため、当期純利益は減益を予想している。
 
 
中期経営戦略振り返りについて
 
会社側では、2007年4月を初年度、2010年4月期を最終年度とする中期経営戦略を発表していたが、それが前期で終了したことから、その結果を以下のように総括した。
 
<中期経営戦略の骨子>
 
 
<経営指標の結果>
 
 
<スーパーデリバリー売上高推移>
 
 
<収益動向>
2007年4月期、2008年4月期の2期連続で赤字を計上したが、収益構造の改善・強化を図る目的が達成された結果、安定的な黒字計上が出来る利益体質になった。
 
 
2011年4月期以降の方針について
 
今期(2011年4月以降)の方針について、小方社長より以下のような説明があった。
 
<成長イメージ>
 
 
<中期経営戦略で残った課題>
 
中期経営戦略により、数を拡大したことで事業基盤・収益基盤を確立したが、マーケットの質の部分においていくつかの課題が残った。
 
 
<スーパーデリバリーのブランド価値向上>
 
 
<ブランド価値向上のために何が必要か>
 
1.ブランド構築の基礎となる出展企業・会員小売店の獲得
 
First Stepとして、まずは質の高い出展企業、会員小売店を獲得していくことが次の拡大の基礎。
 
出展企業
スーパーデリバリーならではの商品が購入出来るようなオリジナリティのある商品を持つ出展企業
他店と差別化出来る商品を持つ出展企業
サポート体制
会員小売店
継続、安定取引の出来る小売店
出展企業のブランドイメージにあった小売店
小売店側の情報が正確
以上のような方針に基づき、審査基準を変更し、良質な出展企業、会員小売店を獲得していく方針。
 
2.ユーザビリティの向上
マッチング精度の向上
取引に必要な情報の整備
サポート体制の充実
<ブランド価値向上により達成されること>
 
 
 
取材を終えて
前期で中期経営戦略が終了したが、目標であった黒字化の定着は達成されたと言えよう。ただし、利益の伸びは鈍い。多くの投資家は、損益分岐点を越えたECサイト企業に対しては高い利益成長を期待しているであろうが、同社の成長率は現状ではその期待に沿えるものとは言い難い。

会社側では2011年4月期も低い利益成長を見込んでいる。次の成長ステップのための投資が続くため、と会社側は説明しているが、投資の期間がいつまで続き、その後はどの程度の利益成長が期待出来るのか、前中期経営戦略をきちんと掲げ、達成してきた会社だけに、今後投資家の目安となる時間的・数値的な目標を掲げることを期待したい。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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