ブリッジレポート
(2179:JASDAQ) 成学社 企業HP
太田 明弘 社長
太田 明弘 社長

【ブリッジレポート vol.2】2010年5月期業績レポート
取材概要「少子化により「学習塾市場」が伸び悩むと予想されるなかで、同社はM&Aを中心に順調に塾生数を伸ばしている。しかしその一方で、当期純利益・・・」続きは本文をご覧ください。
2010年8月3日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社成学社
社長
太田 明弘
所在地
大阪市北区中崎西3-1-2
事業内容
大阪地盤に集団指導塾「開成教育セミナー」「京大セミナー」、個別指導塾「個別指導学院 フリーステップ」などを展開
決算期
5月末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2010年5月 6,858 254 221 68
2009年5月 5,915 241 218 108
2008年5月 5,349 454 432 218
2007年5月 4,786 299 288 143
2006年5月 4,144 301 294 156
2005年5月 3,351 242 229 79
2004年5月 2,833 259 275 57
2003年5月 2,197 166 160 61
株式情報(7/21現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
379円 2,911,200株 1,103百万円 5.4% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
12.8円 3.4% 51.70円 7.33倍 442円 0.86倍
※株価は7/21終値。
 
JASDAQに株式を上場する成学社について、ブリッジレポートにてご紹介致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
大阪府を中心に近畿圏で学習塾を展開しており、小学生から高校卒業生(大学受験浪人生)までを対象としてクラス指導と個別指導の2部門による学習指導を行っている。また、子会社において、家庭教師の派遣や特定分野を専門とする学習塾の経営を行っている他、飲食事業や不動産賃貸事業も手掛けている。グループは、同社の他、(株)アプリス、(株)個夢、及び(株)東京フェリックスの連結子会社3社。
 
 
<沿革>
1982年7月、個人経営の学習塾「開成教育セミナー」を大阪府豊中市で創業。1987年1月に(株)成学社として法人組織に改組した。早くから個別指導にも力を入れ、90年12月に「個別指導学院フリーステップ」として個別指導形態の進路指導及び学習指導を開始し、97年8月には家庭教師事業にも参入した(その後、100%子会社(株)アプリスに移管)。97年から99年にかけては兵庫県、滋賀県へ教室展開。2001年10月には「個別指導学院フリーステップ」のフランチャイズ事業を開始した。02年7月には京都府へ教室展開し、同年12月には対象を高校生に広げた「開成ハイスクール」を開始。05年9月には教室展開を奈良県へ広げた。
 
M&Aにも積極的に対応しており、08年3月に(株)ファイブランズより学習塾を譲受し、「エール進学教室」を開校。08年8月のJASDAQ上場を経て、09年3月には(株)進学教育研究所(ブランド名「京大セミナー」)より学習塾を譲受し、「京大セミナー」としてクラス指導形態の進路指導及び学習指導を開始。同年12月には兵庫県東播磨地区で「個別教育システム アイナック」として個別指導専門塾を運営する(株)個夢の全株式を取得し連結子会社化した。更に10年2月には連結子会社(株)東京フェリックスを設立し、同年3月より首都圏で中学受験に特化した学習塾「FELIX(フェリックス)」をスタートさせた。
 
また、03年6月には飲食事業を開始し、大阪府池田市に飲食店舗1号店「熱烈拉麺酒彩じゃんけん石橋店」をオープン。04年7月には不動産賃貸事業も開始した。飲食事業については、05年10月に(株)アプリスに移管し、現在4店舗を運営している。
 
<事業内容>
事業は、教育関連事業、不動産賃貸事業、及び飲食事業に分かれ、売上構成比は、それぞれ96.4%、0.7%、2.9%(10/5期)。
 
教育関連事業
クラス指導では、「開成教育セミナー」、「エール進学教室」、「京大セミナー」の塾名で教室を展開しており、また首都圏では、中学受験に特化した「FELIX」を展開、学力別クラス編成に基づいた指導を行っている。一方、個別指導部門では、小学生以上を対象とした「個別指導学院フリーステップ」、高校生以上を対象とした通信衛星を通じた授業の「開成グループ代ゼミサテライン予備校」や「個別教育システム アイナック」、「個別指導学院フリーステップ」の塾名でフランチャイズ事業も展開。また、連結子会社(株)アプリスが学校への講師派遣や学習指導、及び「信頼の家庭教師スコーレ」のブランド名で家庭教師による学習指導を行っている。
 
 
飲食事業
京丹波の食材を生かしたメニューと自家製豆腐料理を提供する「京丹波 菜じ季」のブランド名で大阪市内に2店舗(茶屋町店、北新地店)を運営している他、居酒屋形態の店舗を2店舗(大阪市北区、大阪府豊中市)運営している。
 
不動産賃貸事業
不動産を効率的に活用するため、所有不動産の一部を賃貸している。
 
 
<日本有数の教育企業として、充実した教育サービスと教育コンテンツを提供>
日本の将来を展望した場合、「グローバル化された世界に生きる子供達が、確かな知識と学力、そして変化に対応できる柔軟な思考力と発想力を培う事が何より大切」と言うのが同社の考え。そして、そのために最も必要とされるものが「教育力の充実」であるとの確信の下、子供達の可能性を最大限に引き出すための教育活動を行っている。
少子化によって学習塾のこれからの成長性を悲観する見方もあるが、同社はむしろ教育新時代を迎えて、業界の将来は極めて明るいものと確信しており、これまでのライブ中心の授業に加え、IT時代に対応できる授業コンテンツの提供も行い、新時代対応型の教育企業として確実な成長を目指している。
 
<教室展開>
大阪府を中心に、滋賀県、兵庫県、京都府、奈良県および東京都に展開している。
 
(都道府県別拠点数)
 
10/5期は10教室(大阪4、滋賀4、京都1、兵庫1)を新規開講すると共に、大阪府内の4教室を移転・リニューアルした。閉鎖は3教室(大阪2、滋賀1)。子会社の拠点数は兵庫4、東京3。
 
(指導形態別教室数)
クラス指導では、教室展開の遅れているエリアでの新規開校を進める一方、採算ラインにのらない小型教室の閉鎖を推進。また、個別指導・衛星授業では積極的に新規開校を進めている。
 
 
2010年5月期業績
 
(1)業績動向
 
 
前年同期比15.9%の増収、同1.2%の経常増益
消費の低迷で飲食事業の売上が減少したものの、個別指導の好調とM&A効果により主力の教育関連事業の売上が伸びた他、賃貸スペースの増加により不動産賃貸事業の売上も増加した。新規教室の開設や教室移転等の設備投資を積極的に行った事に加え、本社ビルの購入と事務所統合に伴う移転費用などで売上原価及び販管費が増加し、営業利益は同5.4%増、経常利益は同1.2%増に止まった。保険解約返戻金45百万円の特別利益があったが、投資有価証券評価損(27百万円)、教室等閉鎖損(34百万円)、減損損失(16百万円)などの特別損失が発生したことで、当期純利益は前年比で減益となった。
 
(2)セグメント別動向
セグメント別動向は下表のようになった。
 
 
教育関連事業
「京大セミナー」が通年寄与したことなどから売上高は前年同期比16.5%増加したものの、新規教室の開設や教室移転等の費用が増加し、営業利益は613百万円と同10.2%減少した。
 
不動産賃貸事業
本社ビルの購入に伴う賃貸スペースの増加により売上高は前年同期比146.4%増の46百万円となった。営業利益も42百万円と同49.2%増加した。
 
飲食事業
消費マインドの冷え込みによる内食傾向の強まりを受けて売上高が200百万円と前年同期比10.3%減少。営業損失は11百万円となった。
 
(3)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
貸借対照表の状況は下表のようであるが、
 
 
主な要因は、
営業未収入金: 学費回収方法の多様化により増加
有形固定資産: 本社ビル取得等(土地514百万円、建物および構築物444百万円)
無形固定資産: 子会社のれん代、ネット学習システムを計上
投資その他資産: 教室の閉鎖・移転による減少(23百万円)、解約による」保険積立金の減少(37百万円)
 
有利子負債: 本社ビル取得、子会社取得により借入金残高が増加、期末残高は2,044百万円
純資産: 主に利益剰余金の増加により微増
 
キャッシュ・フローの状況は下表のようであったが、
 
 
主な収入・支出は、
営業活動: 減価償却、前受金の増加、法人税の支払い額減少により増加
投資活動: 有形固定資産の取得による支出(うち本社ビル関連700百万円)
財務活動: 長期借入金による収入(1,165百万円)
 
2011年5月期業績予想
 
(1)通期連結業績
 
 
変則10ヶ月決算ながら増益予想
今期は3月決算へ移行するために変則10ヶ月決算(11年3月決算)となる。

上表は会社側の予想だが、前期から連結対象となった子会社2社が通年で寄与することから、売上高は年率換算で増収予想、しかし変則決算により赤字幅が大きい第4四半期が1ヶ月しかないことなどから利益は大幅に回復すると予想している。

ただし資産除去債務に関する会計基準の適用により特別損失の計上を見込むため、上期の当期純利益はマイナスとなる見込み。

教室展開については、年間10教室程度の開校を予定(併設6教室、個別指導単独4教室)。さらに移転、統合などにより既存教室の設備強化も行う。

塾生数については、下図のように11月末時点で19、033名を計画、クラス指導、個別指導の均衡成長を目指している。
 
 
取材を終えて
少子化により「学習塾市場」が伸び悩むと予想されるなかで、同社はM&Aを中心に順調に塾生数を伸ばしている。しかしその一方で、当期純利益、ROA、ROEなどはここ数年低下傾向にある。「社長は教育者ですか、経営者ですか?」との問いに対して太田社長は「私は経営者です」と明言している。そうであれば、今後も当期純利益、ROA、ROEなどの資産効率を高める努力を続け、実績で示すことが重要であろう。それらの数値が上向いてくれば、株式市場での評価も変わってくると思われる。今後に期待したい。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあります。また本資料の内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。
投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。
Copyright(C) 2017 Investment Bridge Co.,Ltd. All Rights Reserved.

« ブリッジレポート:(2687)シー・ヴイ・エス・ベイエリア vol.27 | ブリッジレポート:(7839)SHOEI vol.20»

ブリッジレポート(バックナンバー)
アンケート
ブリッジメール
アラート申込み
CLOSE