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(2146:JASDAQ) UTホールディングス 企業HP
若山 陽一 社長
若山 陽一 社長

【ブリッジレポート vol.2】2011年3月期第1四半期業績レポート
取材概要「パソコンの販売鈍化等の報道もあり、半導体関連向けを中心とする同社の今後の業績を不安視する向きもある。しかし、同社においては、iPhone・・・」続きは本文をご覧ください。
2010年8月24日掲載
企業基本情報
企業名
UTホールディングス株式会社
社長
若山 陽一
所在地
東京都品川区東五反田1-11-15 電波ビル
事業内容
半導体向けの製造派遣・請負が中核、製造装置販売からライン移設業務に転換。設計開発事業も
決算期
3月 末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2010年3月 18,056 290 182 -1,401
2009年3月 40,694 1,793 603 -10,861
2008年3月 51,787 4,200 3,473 1,203
株式情報(8/17現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
34,750円 212,545株 7,386百万円 - 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
2,400.00円 6.9% 6,492.74円 5.4倍 10,113.07円 3.4倍
※株価は8/17終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
UTホールディングスの2011年3月期第1四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
国内外の半導体・FPDメーカー等に対して、構内作業(工場内作業)の請負サービスを提供する「アウトソーシング事業」とデバイス設計(デザイン)サービスを提供する「設計開発事業」を柱とし、それらサービスを一括して提供するワンストップ型トータルソリューションサービスを展開している。同社自身は純粋持株会社としてグループ戦略の企画立案や各事業会社の統括管理を主たる業務とし、連結子会社3社及び持分法適用会社1社のグループ会社が実際のサービスを提供している。
 
 
<事業内容>
事業はアウトソーシング事業と設計開発事業に分かれ、売上構成比は、前者が95.3%、後者が4.7%(10/3期)。
 
アウトソーシング事業
半導体・FPDといった最先端のものづくり現場で培ったノウハウを活かし、製造業務(構内作業業務)を一括して請け負っている。各工程の製造オペレーションから、装置メンテナンスや保全業務の一括受託まで行い、各工程の生産能力を把握し、それに基づいた作業改善を提案するなど付加価値の高いサービスが特徴。パナソニック、ソニー、ローム、東芝等の大手半導体メーカーを主要顧客としており、日本エイム(株)と(株)ファインステージがサービスを提供している。
 
設計開発事業
LSIなど半導体デバイスの設計・デザイン請負や設計エンジニアの派遣の他、組込みソフトウェアの受託開発を行っている。半導体・FPD生産に関する幅広い経験とノウハウを活かして、製造プロセス及びそのコストを視野に入れた設計が高い評価を得ている。国内半導体メーカーを主要顧客とし、(株)アルティスタがサービスを提供している。
 
 
2011年3月期第1四半期決算
 
 
既存顧客の深耕と新規開拓が進展
主力のアウトソーシング事業において、半導体・同製造装置メーカーやフラット・パネル・ディスプレイ(FPD)関連メーカーからの受注増加に加え、太陽電池等で新規顧客開拓も進み、売上高が4,750百万円と前年同期比21.6%増加。利益面では、コストコントロールの徹底と製造装置事業を手掛けていたエイペックスが連結対象外となった事等で売上総利益率が改善する一方、販管費が減少。前年同期は42百万円だった営業利益が390百万円に増加した。尚、前年同期は社債消却益5,100百万円や貸倒引当金戻入額1,015百万円など特別利益6,180百万円を計上している。
 
 
.▲Ε肇宗璽轡鵐飴業(日本エイム)
既存顧客へコストダウンソリューションや労働者派遣法改正を視野に入れた請負化の提案営業を積極化すると共に新規顧客開拓を推進した結果、半導体・FPD関連メーカーからの受注が増加した他、太陽電池等で新規顧客開拓も進展。取引先工場数が3月末の76工場から7月末には100工場へ、月末稼動数が3月末の4,004人から7月末には4,414人へ、それぞれ増加。徹底したコストコントロールにより収益性の改善も進んだ。下記四半期業績の推移において、10/3期3Q、4Qは、売上総利益−販管費の値と営業利益の差額が大きいため確認を。
 
 
∪澤彝発事業(アルティスタ)
携帯電話向けの組み込みソフト開発が堅調に推移した。当事業は成長性の面で課題はあるものの、通期で70百万円〜100百万円の営業利益を安定的に計上できる体制が整っている。ただ、四半期営業利益は、発生ベースで処理する賞与の影響で変動が大きい。
 
 
(3)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
第1四半期末の総資産は前期末比488百万円減の9,405百万円。運転資金の増加、有利子負債の削減、法人税等の支払い、及び配当の実施等で現預金、純資産が減少した。CFの面では、アウトソーシング事業の拡大を背景にした運転資金の増加で営業CFが減少したものの、グループ再編の一巡で投資CFが大幅に改善した事で23百万円のフリーCFを確保した。有利子負債の削減を進めた事と配当の支払いで財務CFもマイナスとなり(社債の買入消却を実施した前年同期比ではマイナス幅が縮小)、現金及び現金同等物の四半期末残高は前期末比540百万円減少した。
尚、同社は大手の優良企業を取引先としているため売上債権が劣化する懸念は無く、この他に評価損等の発生リスクのある資産もほとんど無い。有利子負債依存度が高いが、通期では営業利益と営業CFがほぼ等しくなり(向こう3年程度は地方税のみの負担で済むため税負担も軽い)、今期末には現預金残高と有利子負債残高がほぼ等しくなる見込み。前期に実施したグループの再編等で財務の健全化が進んでおり、現状では財政上のリスクはほとんど無いと言える。
 
 
 
2011年3月期業績予想
 
 
通期業績予想に変更は無く、前期比1.6%の増収、経常利益1,610百万円を見込む
派遣法の改正に伴う請負ニーズと半導体市況の回復に伴う外部労働力ニーズの取り込みによりアウトソーシング事業の売上が伸びる。9月末の稼動数は4,700人を想定しており、通期で60〜70工場を新規開拓し期末には稼動数5,500人体制を確立したい考え。利益面では、増収効果とコストコントロールに加え、エイペックスが連結対象から外れる事もあり営業利益が同5.7倍に拡大する見込み。有利子負債の減少に伴う金融費用の減少等で営業外損益が改善する他、特別損失も一巡。税務上の繰越欠損が残るため税負担も軽く、1,380百万円の当期純利益を確保できる見込み。配当は1株当たり2,400円の期末配当を予定している(配当性向30%以上がコミットメント)。
 
 
(2)労働者派遣法改正の動向
社民党の連立離脱(同党は参院選でも大敗)により法案成立が微妙となった労働者派遣法改正だが、主要改正点は次の4項目で、このうち同社ビジネスに関連するのは△鉢い任△襦
 
 
ただ、メーカー各社は法案成立を前提に既に対応策を講じており、「派遣」から「直接雇用」或いは「請負」へのシフトを進めている。例えば、同社と取引関係の薄い自動車メーカーは派遣社員比率が低かったため(10%程度と言われている)派遣社員を直接雇用に切り替えたが、同社の主要顧客が含まれ、派遣社員比率が高い(40%程度と言われており、アッセンブリーメーカーは80%程度と言われている)電気・電子機器メーカーは「請負」への切り替えを進めている。このため、労働者派遣法の改正は、「請負」(特に1工場への大量動員)を得意とする同社にとっては、むしろビジネスチャンスである。また、労働者派遣法の改正いかんにかかわらず、同社はコストダウンソリューションの一環として請負化を提案していく考え。
 
(3)市場動向と成長戦略
〇埔貽宛
同社の説明によると、リーマンショック前には100万人の労働者を数え、市場規模が3兆円に達した製造業向け派遣・請負だが、リーマンショック後には市場規模が1兆円に縮小した。現在、1兆5,000億円程度に回復しており、このうち半導体関連の派遣・請負は1,500億円程度と言う。同社は半導体関連の派遣・請負でトップシェアを有するが、前期のアウトソーシング事業の売上は153億円でシェアは10%程度に過ぎず、半導体関連業界に限定してもシェア・アップによる事業拡大の余地は大きい。
 
∪長戦略
成長戦略として、.ぅ鵐魯Ε好轡Д△琉き上げ(既存顧客内でのシェア・アップ)、⊃卦開拓による顧客数(請負工場数)の増加、及びE樟匏織ぅ鵐魯Ε好愁螢紂璽轡腑鵝聞場労働者を同社に転籍させた上で工場業務全体を請け負う)の3項目を掲げて重点的に取り組んでいる。インハウスシェアの引き上げにより収益性を高めると共に、新規開拓により規模の拡大を追及する考えで、については、雇用と固定費削減の両立に悩む顧客にソリューションを提供し、併せてアウトソーシング事業の拡大を図ろうと言うもの。
上記の施策を進める事で今期末に稼動数5,500人体制の確立を目指しており、12/3期末に7,000人体制を確立し、13/3期に08/3期の営業最高益42億円を更新したい考え。尚、同社の試算によると、4,000人体制で月次売上高14.8億円、月次営業利益1.7億円、5,000人体制で同20億円、同2.5億円が計上できると言う。
 
 
 
取材を終えて
パソコンの販売鈍化等の報道もあり、半導体関連向けを中心とする同社の今後の業績を不安視する向きもある。しかし、同社においては、iPhone・iPad関連、エレクトロニクス化が進む車載向けIC、機器の省エネ化には不可欠なパワーデバイス等の顧客が依然として好調な上、2次電池や太陽電池など新規分野の開拓も計画通り進んでいる。このため、第2四半期以降の見通しとしては、大きな楽観材料は無いが、大きな悲観材料も無いと言う。また、例年、エレクトロニクス業界は下期の生産が上期比80〜90%の水準に落ち込むため、下期の計画はこれを織り込んでいる。ただ、新規開拓が順調な事と大口案件の立ち上がりが予定されているため、今下期は売上・利益共に上期を上回る。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
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