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(2146:JASDAQ) UTホールディングス 企業HP
若山 陽一 社長
若山 陽一 社長

【ブリッジレポート vol.4】2011年3月期第3四半期業績レポート
取材概要「11月末では105工場だった取引先が、12月の1ヶ月間だけで171工場に増加した。実際の収益に貢献してくるのは、第4四半期以降だが、このうち・・・」続きは本文をご覧ください。
2011年3月1日掲載
企業基本情報
企業名
UTホールディングス株式会社
社長
若山 陽一
所在地
東京都品川区東五反田1-11-15 電波ビル
事業内容
半導体向けの製造派遣・請負が中核、製造装置販売からライン移設業務に転換。設計開発事業も
決算期
3月 末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2010年3月 18,056 290 182 -1,401
2009年3月 40,694 1,793 603 -10,861
2008年3月 51,787 4,200 3,473 1,203
株式情報(2/18現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
66,700円 212,545株 14,177百万円 - 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
2,400.00円 3.6% 6,492.74円 10.3倍 11,922.08円 5.6倍
※株価は2/18終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
UTホールディングスの2011年3月期第3四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
国内外の半導体・FPDメーカー等に対して、構内作業(工場内作業)の請負サービスを提供する「アウトソーシング事業」とデバイス設計(デザイン)サービスを提供する「設計開発事業」を柱とし、それらサービスを一括して提供するワンストップ型トータルソリューションサービスを展開している。
 
<事業内容>
事業はアウトソーシング事業と設計開発事業に分かれ、売上構成比は、前者が95.3%、後者が4.7%(10/3期)。
 
アウトソーシング事業
半導体・液晶・太陽電池・二次電池など高度な分野に専門特化した製造請負事業を展開。各工程の製造オペレーションから、装置メンテナンスや保全業務の一括受託まで行い、各工程の生産能力を把握し、それに基づいた作業改善を提案するなど付加価値の高いサービスが特徴。パナソニック、ソニー、ローム、東芝等の大手半導体メーカーを主要顧客としており、日本エイム(株)と(株)ファインステージがサービスを提供している。
 
設計開発事業
半導体デバイスの設計・デザイン請負や設計エンジニアの派遣の他、組込みソフトウェアの受託開発を行っている。半導体・液晶生産に関する幅広い経験とノウハウを活かして、製造プロセス及びそのコストを視野に入れた設計が高い評価を得ている。国内半導体メーカーを主要顧客とし、(株)アルティスタがサービスを提供している。
 
<取引先顧客数の推移>
 
 
2011年3月期第3四半期決算
 
 
前年同期比18.4%の増収、経常利益10.9億円(前年同期は経常利益1.8億円)
売上高は前年同期比18.4%増の149.9億円。派遣法改正論議もあり派遣から請負への流れが加速しており、また、太陽電池・2次電池・LED・ディスプレイの成長4分野やパワー半導体・ハイブリッド車用車載部品といった環境関連での投資・生産が活発化している。こうした中、同社は主力のアウトソーシング事業において業界経験者を中心に営業体制を従来の3倍に増強、派遣・請負ニーズを着実に取り込んだ。
利益面では、製造装置事業を手掛けていたエイペックスが連結対象外となった事や販管費効率の改善で営業利益率が前年同期の2.3%から8.0%に改善。借入金の削減による金融費用の大幅な減少(190百万円→78百万円)は、為替差損益の悪化(38百万円→△0.7百万円)や持分法による投資損失の増加(△27百万円→△69百万円)、更には雇用調整助成金(56百万円→0.7百万円)が無くなった事等で相殺されたものの、経常利益は10.9億円と同6倍弱に拡大した(前年同期は社債償却益51億円を特別利益に計上している)。
尚、売上構成比は、アウトソーシング事業が95.7%(前年同期は96.3%)、設計開発事業が4.3%(同3.7%)。また、第3四半期末の技術社員稼動数は前年同期末(3,709人)比36.9%増の5,081人。
 
 
 
太陽電池・2次電池・LED・ディスプレイの成長4分野で新規顧客の開拓が進んだ他、パワー半導体やハイブリッド車用車載部品といった環境関連で既存顧客内の同社シェアが上昇した。第3四半期末の技術社員稼動数は5,081人と第2四半期末に比べて450人増加、取引先顧客数(工場数)は171工場と12月の1ヶ月間で66工場増加した。
ただ、第3四半期は新規案件の立ち上げ部隊の整備等で一時的に売上総利益率が低下する一方、営業体制の強化に向けた採用拠点の拡充や面接官の採用等で販管費率が上昇したため営業利益が前年同期及び前四半期を下回った。同社では「営業人員の増強で2億円、採用拠点の拡充及び面接官の増員で2億円、新規案件の立ち上げ部隊の整備で1億円、それぞれコストが増加し、売上原価と販管費の合計額を第3四半期に2億円、第4四半期(1-3月)に3億円それぞれ押し上げるが、これにより今期業績の着実な達成と来期のスタート体制が整う」と説明している。
 
 
(3)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
CFの改善により増加した手持ち資金で借入金の返済を行い財務の健全化を進めた結果、第3四半期末の総資産は94.6億円と前期末比4.3億円減少した。借方では、売上の増加で売上債権が増加する一方、固定資産において、繰延税金資産が減少した他、破産更生債権及び貸倒引当金引当金が両建てで減少。貸方では、純資産が増加する一方、有利子負債の削減が進んだ。CFの面では、アウトソーシング事業を中心にした売上の増加で運転資金が増加したため営業CFが減少したものの、グループ事業の再編に伴う支出の減少で投資CFが大幅に改善。フリーCFが前年同期の8.6億円から13.9億円に増加した。短期借入金を中心に有利子負債の削減を進めた他、配当の支払い額も増加したが、現金及び現金同等物の第3四半期末残高は35.5億円と前期末(35.3億円)比でわずかに増加した。
 
 
 
2011年3月期業績予想
 
 
通期業績予想に変更は無く、前期比1.6%の増収、経常利益16.1億円(前期は1.8億円の利益)
通期業績予想に対する進捗率は、売上高81.7%、営業利益72.7%、経常利益67.9%、当期純利益51.8%。期末の技術職社員稼動数は4,227人を予定していたが、第3四半期末でこれを23.4%上回っているため売上高は上振れする可能性が高い。ただ、既に説明した先行投資負担で営業利益及び経常利益の進捗が遅れており、当期純利益ベースでは繰延税金資産取り崩しの影響も受けている。このため会社側では「新規案件の積み上げにより不足を補い通期計画の達成を目指す」としている。配当は1株当たり100円増配の2,400円を予定。
 
(2)トピックス
.ぅ鵐魯Ε好愁螢紂璽轡腑鵑亮注 −1月より100名規模の取引開始−
インハウスソリューションとは、顧客従業員を受け入れ、製造業務を一括して請負うサービスの事。同社は前期に業界初となるインハウスソリューションを受注(09年10月に230名規模の受注)し業務をスタートしており、この1月に2件目となる100名規模のインハウスソリューションの受注に成功した。また、現在も複数のインハウスソリューション案件の商談が進んでおり、4月にも100名規模の案件がスタートする見込みと言う。
 
 
∪長4分野等の新規営業活動の強化 −1月以降の新規受注件数が増加傾向−
第4四半期以降の派遣・請負ニーズを確実に取り込むべく、業界の経験者を中心に営業体制を従来の3倍に増強した。早くもその効果が現われており、2月上旬までに成長分野や環境関連分野を中心に新規顧客が大幅に増加していると言う。中期的には取引先として300工場を確保し、技術社員稼動数20,000(1工場で約70人)体制を構築したい考え。元来、1工場当たりのシェア・アップ(インハウスシェアの引き上げ)に注力する事で業容を拡大させてきた同社だが、今後は既存顧客の深耕と共に新規顧客の開拓が進む見込み。そして、インハウスソリューションを含めた深耕で新規顧客におけるインハウスシェアの引き上げを図り、更なる成長につなげていく考え。
 
<派遣法改正について>
派遣法の改正案は現在先行き不透明な状況だが、外部労働力の比率が高い電機メーカー各社は派遣から請負へのシフトを進めるものと思われる(外部労働力の比率が低かった自動車メーカーは派遣法改正を見据えて派遣社員を直接雇用に切り替えた)。このため、元来、請負事業が主体の同社は、専門性と請負実績を強みに派遣から請負へシフトする顧客ニーズを取り込む事でシェア・アップを図っていく考え。
尚、同社の取引先は1工場当たり平均3ラインを有し6社の派遣会社を利用しているが、業務委託(請負)にシフトすると、通常1ラインに付き委託会社1社の体制に移行する。このため、派遣から業務委託へシフトするニーズを取り込む事ができれば、既存顧客内でのシェア・アップを図る事ができる。また、委託先の選定に当たっては、過去の請負実績や現状のシェアが大きい企業を中心に集約が進められるため同社が勝ち残る可能性は高い。
 
 
 
取材を終えて
11月末では105工場だった取引先が、12月の1ヶ月間だけで171工場に増加した。実際の収益に貢献してくるのは、第4四半期以降だが、このうち半分程度が環境関連の案件であり、請負化ニーズのある人材派遣の案件だと言う。このため同社は、インハウスソリューションも含め、将来的な"派遣の請負化"をにらんで派遣需要の取り込みに力を入れている。人材サービス需要が回復基調にある中、リーマンショック後の痛手が大きかった同業他社は疲弊しており、取引先を拡大させる大きなチャンスだと言う。このため同社は当初の計画に織り込んでいなかった5億円の投資を行い、新規顧客の開拓を加速する考えだ。
後発だった同社は半導体業界に特化する事で競争力を高めて新規顧客を開拓し、その後、インハウスシェアを引き上げる事で業績を拡大させてきた。今後は半導体業界と客層が重なる成長4分野や環境関連にサービスの対象を広げると共に営業体制を強化する事で新規顧客の開拓を加速し、取引開始後はインハウスシェアを引き上げる事で更なる業容の拡大につなげていく考え。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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