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(3031:東証マザーズ) ラクーン 企業HP
小方 功 社長
小方 功 社長

【ブリッジレポート vol.16】2011年4月期第3四半期業績レポート
取材概要「第3四半期の結果はほぼ予想どおりであり、特段の驚きはない。新規小売店の増加数鈍化や出展企業数の減少は、基準引き上げによるもので、想定内・・・」続きは本文をご覧ください。
2011年3月22日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社ラクーン
社長
小方 功
所在地
東京都中央区日本橋蛎殻町1-18-11
事業内容
ネットを利用した問屋。衣料、雑貨の製造業者や輸入業者と小売店を仲介
決算期
4月 末日
業種
卸売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2010年4月 7,642 102 102 108
2009年4月 7,018 93 93 89
2008年4月 5,662 -158 -158 -160
2007年4月 3,334 -205 -203 -305
2006年4月 2,289 131 95 122
2005年4月 1,247 26 23 45
2004年4月 890 -56 -57 -58
2003年4月 621 -104 -105 -130
2002年4月 494 -192 -193 -200
2001年4月 204 -171 -175 -179
株式情報(2/25現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
149,500円 9,081株 1,358百万円 10.3倍 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
- - 12,664円 11.81倍 115,296円 1.30倍
※株価は2/25終値。発行済株式数は直近期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
ラクーンの2011年4月期第3四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
インターネット上のB2B(企業間電子商取引)市場であるeマーケットプレイス(Webサイト)の運営企業。
アパレル、雑貨を中心にメーカー、インポーター等(以下、出展企業)の取扱う商品を、「スーパーデリバリー」と言うWebサイトを通じて全国の中小小売店(以下、会員小売店)に販売している。
 
<事業内容>
 
1.「EC事業」:現在の主力事業
EC事業として「スーパーデリバリー」を運営。「スーパーデリバリー」は、アパレル、雑貨の新商品及び定番品を取扱っている。商品は出展企業から会員小売店に直送され、同社は代金決済を代行する。出展企業は、地方・中小小売店との取引上ネックだった決済機能、営業コスト、事務処理の手間を解消することが出来る。また、出展企業が許可した会員小売店にのみ卸値等の情報開示を行うため、ブランドイメージのコントロールが可能になっている。一方、会員小売店は多様な旬の商品の仕入が可能になる。同社は受注・出荷のデータ処理と決済のみを担当するため、運営負担が少ない。債権回収リスクは同社が負うことになるが、信販・クレジット・保証会社を利用することでヘッジしている。なお、保証を受けた掛売り取引については、T&G社に保証を依頼しており、完全子会社化したことで、リスクがグループ内に取り込まれることになった。小売店は月額2,000円の小売店会費を負担し、出展企業は月額4万円の出展基本料と「スーパーデリバリー」での取引金額の10%をシステム利用料として負担する。したがって商材売上高が増加するだけでなく、会員小売店数、出展企業数が増加することが同社の売上総利益増につながる。
 
2.「売掛保証事業」:今第3四半期からの新事業
今第3四半期からT&G社を完全子会社化したが、これにより以前から検討してきた「中小企業決済業務」を、既存の「スーパーデリバリー」に続く同社の事業ドメインと位置づけ、今後も積極的に成長させる計画。T&G社の顧客層がスーパーデリバリーの顧客層とかなり重複していることから、シナジー効果が生まれることが期待されている。

さらに中小企業に対する売掛債権保証は高度な与信ノウハウが必要とされることから、シナジー効果だけでなく単独の事業としても拡大が見込まれる分野である。
 
 
2011年4月期第3四半期決算(連結)
 
<損益計算書サマリー>
 
第3四半期の損益計算書の状況は上表のようになった。今回から連結決算であるため、前年比較はない。
今回より発表しているセグメント別の状況は以下のようである。
 
(EC事業)
より質の高い小売店、出展企業を獲得し、客単価、稼働率の向上を図ることを今年度の目標として進めている。「会員小売店」については昨年6月より基準を引き上げたことから、新規小売店数が以前より減少して推移、その結果、全体の購入客数は伸び悩んでいる。一方で、基準変更後に獲得した会員小売店の購入率、客単価、継続率(無料お試し期間から有料会員への移行率)は、基準変更前に獲得した小売店に比べて向上している。このため、新基準移行へのプラスの影響が少しずつ出てくると期待される。

出展企業についても、審査基準を引き上げ、「ブランド価値」向上に資する企業を誘致することに努めている。直近に出展した企業の商品売上高は向上傾向にある。

以上のような状況から、EC事業の売上高は、5,960百万円、セグメント利益は78百万円となった。主要な経営指標の状況は下表のようになった。
 
 
(売掛保証事業)
2010年11月30日付けで(株)トラスト&グロース社の株式100%を取得したことから、同社は連結子会社となり、同社が手がける中小企業向けの「売掛保証事業」が新たな事業ドメインとなった。この事業は、企業の取引先に対する売掛債権を保証することで保証料を徴収し、当該債権が支払い不能になった場合に、予め設定した保証金額を企業に支払うサービス。同事業部門の売上高は、24百万円、セグメント利益は6.5百万円となった。
 
<貸借対照表サマリー>
 
固定資産の主な項目は、ソフトウェアおよびソフトウェア仮勘定が182百万円、のれん代が134百万円など。

流動負債の主な項目は、買掛金が540百万円、短期借入金100百万円、一年以内返済予定長期借入金104百万円など。

固定負債の主な項目は、長期借入金158百万円、転換社債型新株予約権付社債99百万円。
 
<キャッシュ・フローサマリー>
 
営業活動によるキャッシュ・フロー:税金等調整前純利益を89百万円計上したが、仕入債務が121百万円減少したことにより営業活動による資金の減少は2.7百万円となった。

投資活動によるキャッシュ・フロー:ソフトウェア開発による無形固定資産の取得(53百万円)および子会社株式の取得(95百万円)が主な支出要因。

財務活動によるキャッシュ・フロー:長期借入金の返済による支出77百万円があったが、一方で収入は新規借入れ(短期100百万円、長期100百万円)および転換社債型新株引受権付社債発行99百万円。
 
 
2011年4月期(連結)業績予想
 
 
上表は会社側による連結決算の予想。(株)トラスト&グロースが加わったことで、数値的には第2四半期発表時に予想した個別(単体)予想を若干上回るものであるが、実質的には同時期の予想と変わらないと言って良いだろう。なお、個別予想については当初予想を変更していない。
 
 
(株)西濃運輸との業務提携について
 
同社は2011年1月25日に、西濃運輸株式会社と業務提携し、同社が運営する仕入サイト「スーパーデリバリー」の出展企業向けに、特別価格で輸送サービスを提供すること、および、西濃運輸のWeb出荷支援システムである『カンガルーマジックII』と連携する、と発表した。

会社側では、「これにより、出展企業の受注から出荷までをサポートし、物流の効率化を目指す。また、本件による当年度の業績に与える影響は、軽微なものと見込んでいる」と述べている。

以下、会社側の発表による今回の提携の概要および目的。
 
「スーパーデリバリー」と「カンガルーマジックII」の連携について
 
ラクーンが運営する「スーパーデリバリー」は全国のメーカーと小売店が出会い、取引を行なうことができるBtoB(企業間取引)サイトです。インターネットを活用することで、メーカーは販路開拓のための営業コスト削減や、新商品の提案などを地域に関係なくリアルタイムで発信することが可能になり、販路拡大を実現します。 また、小売店では24 時間いつでも注文が可能で、小ロット短納期で欲しい商品を欲しい数だけ仕入れることができると同時に、複数の企業との取引を同一の決済条件で行なうことが可能になり、代金支払いにかかわる経理面も効率化されます。

一方、西濃運輸が提供する出荷支援システム「カンガルーマジックII」は、ネットショップなどの注文データを元に、効率的に出荷伝票作成や送り状印刷ができるソフトウェアです。スーパーデリバリー出展企業が、「カンガルーマジックII」を導入することで、西濃運輸としては初めて、BtoBサイトからの受注データと連携した物流サービスの提供が可能となり、商業物流の新たな市場開拓を図ります。
 
 
取材を終えて
第3四半期の結果はほぼ予想どおりであり、特段の驚きはない。新規小売店の増加数鈍化や出展企業数の減少は、基準引き上げによるもので、想定内のものである。今後は、これらの「質への転換」がいつ頃から本格的に業績に寄与するのか、さらには子会社化したT&G社による新規事業がどこまで連結業績に寄与するのか注目していきたい。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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