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(2179:JASDAQ) 成学社 企業HP
太田 明弘 社長
太田 明弘 社長

【ブリッジレポート vol.5】2011年3月期業績レポート
取材概要「少子化により「学習塾市場」が伸び悩むと予想されるなかで、同社はM&Aを中心に順調に塾生数を伸ばしている。しかしその一方で、当期純利益・・・」続きは本文をご覧ください。
2011年6月14日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社成学社
社長
太田 明弘
所在地
大阪市北区中崎西3-1-2
事業内容
大阪地盤に集団指導塾「開成教育セミナー」「京大セミナー」、個別指導塾「個別指導学院 フリーステップ」などを展開
決算期
3月末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2011年3月 6,854 617 593 213
2010年5月 6,858 254 221 68
2009年5月 5,915 241 218 108
2008年5月 5,349 454 432 218
2007年5月 4,786 299 288 143
2006年5月 4,144 301 294 156
2005年5月 3,351 242 229 79
2004年5月 2,833 259 275 57
2003年5月 2,197 166 160 61
株式情報(6/8現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
485円 2,911,130株 1,412百万円 15.6% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
14.6円 3.0% 58.36円 8.31倍 501円 0.97倍
※株価は6/8終値。発行済株式数は直近期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
JASDAQに株式を上場する成学社の2011年3月期決算について、ブリッジレポートにてご紹介致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
大阪府を中心に近畿圏で学習塾を展開しており、小学生から高校卒業生(大学受験浪人生)までを対象としてクラス指導と個別指導の2部門による学習指導を行っている。また、子会社において、家庭教師の派遣や特定分野を専門とする学習塾の経営を行っている他、飲食事業や不動産賃貸事業も手掛けている。グループは、同社の他、(株)アプリス、(株)個夢、及び(株)東京フェリックスの連結子会社3社。
 
 
<沿革>
1982年7月、個人経営の学習塾「開成教育セミナー」を大阪府豊中市で創業。1987年1月に(株)成学社として法人組織に改組した。早くから個別指導にも力を入れ、90年12月に「個別指導学院フリーステップ」として個別指導形態の進路指導及び学習指導を開始し、97年8月には家庭教師事業にも参入した(その後、100%子会社(株)アプリスに移管)。97年から99年にかけては兵庫県、滋賀県へ教室展開。2001年10月には「個別指導学院フリーステップ」のフランチャイズ事業を開始した。02年7月には京都府へ教室展開し、同年12月には対象を高校生に広げた「開成ハイスクール」を開始。05年9月には教室展開を奈良県へ広げた。

M&Aにも積極的に対応しており、08年3月に(株)ファイブランズより学習塾を譲受し、「エール進学教室」を開校。08年8月のJASDAQ上場を経て、09年3月には(株)進学教育研究所(ブランド名「京大セミナー」)より学習塾を譲受し、「京大セミナー」としてクラス指導形態の進路指導及び学習指導を開始。同年12月には兵庫県東播磨地区で「個別教育システム アイナック」として個別指導専門塾を運営する(株)個夢の全株式を取得し連結子会社化した。更に10年2月には連結子会社(株)東京フェリックスを設立し、同年3月より首都圏で中学受験に特化した学習塾「FELIX(フェリックス)」をスタートさせた。

また、03年6月には飲食事業、04年7月には不動産賃貸事業も開始した。飲食事業については、05年10月に(株)アプリスに移管し、現在3店舗を運営している。
 
<事業内容>
事業は、教育関連事業、不動産賃貸事業、及び飲食事業に分かれ、売上構成比は、それぞれ97.0%、0.7%、2.3%(11/3期)。
 
教育関連事業
クラス指導では、「開成教育セミナー」、「エール進学教室」、「京大セミナー」の塾名で教室を展開しており、また首都圏では、中学受験に特化した「FELIX」を展開、学力別クラス編成に基づいた指導を行っている。一方、個別指導部門では、小学生以上を対象とした「個別指導学院フリーステップ」、高校生以上を対象とした通信衛星を通じた授業の「開成教育グループ代ゼミサテライン予備校」や「個別教育システム アイナック」、そして「個別指導学院フリーステップ」の塾名でフランチャイズ事業も展開。また、連結子会社(株)アプリスが学校への講師派遣や学習指導、及び「信頼の家庭教師スコーレ」のブランド名で家庭教師による学習指導を行っている。
 
飲食事業
京丹波の食材を生かしたメニューと自家製豆腐料理を提供する「京丹波 菜じ季」および居酒屋形態の店舗を合計3店舗運営している。
 
不動産賃貸事業
不教室をして利用するために取得した不動産を効率的に活用するため、所有不動産の一部を賃貸している。
 
日本有数の教育企業として、充実した教育サービスと教育コンテンツを提供
日本の将来を展望した場合、「グローバル化された世界に生きる子ども達が、確かな知識と学力、そして変化に対応できる柔軟な思考力と発想力を培う事が何より大切」と言うのが同社の考え。そして、そのために最も必要とされるものが「教育力の充実」であるとの確信の下、子ども達の可能性を最大限に引き出すための教育活動を行っている。 少子化によって学習塾のこれからの成長性を悲観する見方もあるが、同社はむしろ教育新時代を迎えて、業界の将来は極めて明るいものと確信しており、これまでのライブ中心の授業に加え、IT時代に対応できる授業コンテンツの提供も行い、新時代対応型の教育企業として確実な成長を目指している。
 
 
2011年3月期業績
 
 
売上、利益とも計画を上回った
売上高は、主に個別指導部門が牽引役となり教育関連事業が好調に推移、上表のように計画を上回った。

利益面では、営業利益および経常利益においては、教育関連事業に付随する人件費・教室等の設備投資費用が増加したものの、その他の費用は計画どおりに推移、売上高の伸びで吸収し計画を上回る利益を達成した。また当期純利益においては、当初計画では資産除去債務会計基準の適用により低水準を見込んでいたが、営業利益、経常利益が計画を上回ったことから当期純利益も計画を上回った。
 
(2)セグメント別動向
セグメント別売上高は下表のようになった。
 
 
教育関連事業
クラス指導部門は全般的に計画を下回ったが、前年同期間比では6.7%増。個別指導部門はほぼすべてのブランドにおいて好調に推移し、上表のように計画を大きく上回った。

また教育関連事業におけるブランド別売上高は下表のようになった。
 
 
開成教育セミナーでは塾生数は順調に増加したが、一人当たり受講数が伸び悩んだ。
京大セミナーは単価が伸び悩み、FELIXは塾生数が伸び悩んだ。

代ゼミサテライン予備校は教室数が増加、アイナックは新規教室が予想以上に好調に推移した。
 
不動産賃貸事業
所有不動産の一部取得により賃貸スペースが増加、計画を若干上回った。
 
飲食事業
消費マインドの冷え込みにより客足が不調で計画を下回った。なお2010年12月をもって1店舗閉鎖した。
 
(3)費用内訳
各種費用の内訳は下表のようになった。
 
 
(人件費)
売上高の増加に伴い計画を超過した。

(教室等設備投資費用)
計画以上の教室展開を行ったため設備投資費用は計画を超過したが、期末にかけての新規開校が多かったために家賃は計画比微増に止まった。
 
(4)教室展開および塾生数の状況
 
 
新規教室の展開状況は上表のようであったが、新規開校のうちクラス指導形態は1教室(計画はゼロ)、個別指導形態は10教室(同4教室)、併設は2教室(同6教室)であった。新規開校が計画を上回った理由として、良質な物件が予想以上に多かったため、と会社側は述べている。

またクラス指導・個別指導の併設教室のうち、手狭となった5教室を近隣に移転し単独化を行った。一方で閉鎖したのは、洛西(京都府)教室のみ。

特筆すべきは、首都圏での教室展開を開始したこと:光が丘教室(開成教育セミナーおよび個別指導学院フリーステップ)および下赤塚教室(個別指導学院フリーステップ)をオープンした。

この結果、各形態の主要な教室数は下図のようになった。
 
 
またグループでの塾生数は下表のようになった。
 
 
(5)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
 
貸借対照表の状況は下表のようになった。
 
 
流動資産:授業料収入の多い3月が決算期となったことで、現金預金および営業未収入金が増加した。

固定資産:拠点数の増加、自社ビルの一部フロアを取得したことから建物および構築物、土地が増加した。

負債:教材仕入、広告費、教室開校費用の未払残高が多い3月が決算期となったことで買掛金および未払金が増加。また利益増による未払法人税等も増加。資産除去債務会計基準の適用により資産除去債務を計上した。

キャッシュ・フローの状況は下表のようであった。
 
 
営業活動によるキャッシュ・フロー(前期末比+540百万円)
税金等調整前当期純利益 +235百万円
特別損失計上により増加 +133百万円(うち資産除去債務会計基準の影響115百万円)
仕入債務の増加額 +66百万円
 
投資活動によるキャッシュ・フロー(前期末比+772百万円)
有形固定資産取得による支出の減少 731百万円(10/5期は本社ビル取得)
 
財務活動によるキャッシュ・フロー(前期末比▲1,100百万円)
長期借入金による収入の減少 830百万円
 
2012年3月期業績予想
 
(1)市場動向および同社グループへの影響
 
現在の市場を取り巻く環境や経済状況が、どのように同社グループに影響を与えるか会社側では以下のように説明している。
 
 
(2)部門別戦略および期初動向
 
今期の基準となる4月末時点の塾生数は下表のようになっているが、これを前提にして各部門別の今期の戦略を会社側は以下のように述べている。
 
クラス指導部門
 
(課題)
1人あたりの受講講座数を増やし、塾生数の増加を売上高増加につなげる。
 
(対策)
テスト結果をベースにした面談、体験受講を実施。
小学生を対象としたパズル道場、ロボット教室等の単科生の体験受講を実施。
 
個別指導部門
 
(課題)
廉価な個別指導塾との差別化を図り、塾生数のさらなる増加を目指す。
 
(対策)
成績アップシステム「S-CUBE」の活用。
進学実績と伴う個別指導塾としてアピールする。
 
 
(3)業績見通し
 
会社側では今期の業績を下表のように予想している。
 
 
売上高内訳
 
上記の業績予想に対して、前提となる各部門別売上高を下表のように予想している。
 
 
教育関連事業においては、クラス指導部門では受講科目の増加により1人当りの単価の上昇を図り、増益を見込む一方で、個別指導部門では、主に塾生数の増加によって増収・増益を見込む。

不動産賃貸事業は賃貸スペースを自社利用に切り換え、12ヶ月換算比では減収を予想。また飲食事業も12ヶ月換算比では減収を見込む
 
費用内訳
 
各費用については下表のように予想している。
 
 
人件費:ほぼ売上高の増加に比例する増加を予想。
教室等設備投資:冬期特別授業(12月)、春期講習会(3月)の実施時期に合わせて教室展開するので、下期に費用が偏る傾向。
家賃:前期(11/3期)の下期に開校した教室分の家賃負担が増加。
広告宣伝費:創業30周年を記念してCM放映などを計画、大幅な増加を予想。
 
教室展開および塾生数
 
売上げの前提となる今期の教室数(新規開校)を下表のように計画している。
 
 
新規16拠点を計画しているが、内訳は併設7、個別5、単独化4。また新規のうち、首都圏で併設3、個別2程度を予定。クラス指導部門では、高校受験分野で展開予定。 これら新規教室のうち、半数程度が来春開校の見込み。

これらの新規教室の展開にともない、塾生数の推移を下表のように予想している。
 
 
中長期戦略
 
会社側では、ヾ覿叛鑪、教育理念が一致する学習塾へのM&A、⊃靴靴け超肇┘螢△粒搬隋兵腓房鹽垠)、インターネットによる授業配信システム「開成NET」の営業拡大により中長期の展開を図ると述べている。数値的な目標として「連結売上高100億円、塾整数30,000人」を掲げているが、「時期」については明確に示していない。
 
 
取材を終えて
少子化により「学習塾市場」が伸び悩むと予想されるなかで、同社はM&Aを中心に順調に塾生数を伸ばしている。しかしその一方で、当期純利益、ROA、ROEなどはここ数年低下傾向にあったが、前期は、子ども手当ての支給や予想を上回る新規教室の開校で期初計画を上回る結果を達成した。しかしこの傾向が定着するか疑問に思っている投資家も多いので、株式市場の評価も低位に止まっていると思われる。株式市場での評価を高めるためには、何と言っても「増益基調」を実績で示すことである。そのためにも、今期再び目標を達成することが重要であり、これが達成されれば、上記の中期戦略の実現性も現実味をおびてくる。一層の経営陣の奮起に期待したい。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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コメント

東京の城北エリアと埼玉南部は首都圏での最激戦地なので、そこでうまくいけば本物かもしれない。
でもやはり神奈川から首都圏は攻めるべきだと思います。

投稿者 山田 : 2011年07月20日 15:35

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